JPH0244376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の分野 この考案は、挿入方向に誤挿入防止用溝部が所
定の面に形成されたテープカセツト、たとえばビ
デオテープカセツトが挿入されるカセツト装填装
置のカセツトホルダにおける。誤挿入防止装置の
構造の改良に関する。

先行技術の説明 従来より、たとえばビデオテープカセツトのよ
うなある種の磁気記録媒体を収めたテープカセツ
トには、誤挿入を防止するために挿入方向に誤挿
入防止用の溝部が形成されており、この誤挿入防
止用溝部に対応した誤挿入防止装置が、ビデオテ
ープレコーダなどのカセツト装填装置のカセツト
ホルダに設けられていた。

第１図は、従来のこの種のカセツト誤挿入防止
装置を示す略図的正面図である。カセツトホルダ
１には、底面側に（底面とは第１図図面上下方を
面をいう。）誤挿入防止爪１ａが設けられており、
他方カセツトホルダ１の上面側にはカセツト押圧
ばね１ｂ，１ｃが取付けられている。カセツト押
圧ばね１ｂ，１ｃは、挿入されるカセツト２（第
１図においては想像線で示す。）を、下方にすな
わち底面側に押付けるように付勢されている。し
たがつて、カセツト２を挿入する際には、カセツ
ト押圧ばね１ｂ，１ｃに逆らつて、かつ誤挿入防
止爪１ａが誤挿入防止用溝部２ａに入り込むよう
に、カセツト２が挿入される。挿入された状態で
は、カセツト押圧ばね１ｂ，１ｃの下方への押圧
力により、カセツト２が正しい位置で保持され
る。このような従来のカセツトホルダ１では、カ
セツト２を第１図に示した姿勢と異なる姿勢で挿
入した場合、誤挿入防止爪１ａと誤挿入防止用溝
部２ａの働きにより阻止され、カセツトホルダ１
内部にカセツト２を挿入することは本来不可能な
ものである。

しかしながら、カセツト２に形成された誤挿入
防止用溝部２ａが比較的浅く形成されていたり、
あるいはカセツト押圧ばね１ｂ，１ｃが疲労し付
勢力が劣化している場合など、また場合によつて
はカセツト２が変形したりしている場合、第２図
に同じく略図的正面図で示すように、正常でない
姿勢すなわち上下が逆となつた姿勢でも挿入され
てしまうことがあるという欠点があつた。特に、
ビデオテープカセツトでは、カセツト前面縁に面
とり部分が存在するため、この面とり部分が誤挿
入防止爪１ａに乗上げ、しばしば誤挿入がなされ
てしまうという欠点があつた。

考案の目的 この考案は、上記のような課題を解決するため
になされたもので、簡単な構成で誤挿入を確実に
防止し得るカセツト誤挿入防止装置を提供するこ
とを目的とする。

考案の構成 この考案におけるカセツト誤挿入防止装置は、
挿入する方向の所定の面内に誤挿入防止用溝が形
成されたカセツトが挿入されるカセツトホルダに
設けられるカセツト誤挿入防止装置であつて、カ
セツトの誤挿入防止用溝が形成された面に対向す
るように誤挿入防止用溝に当接するとともにその
当接方向に付勢された当接部材と、当接部材上に
設けられ、挿入されるカセツトの誤挿入防止用溝
と係合する爪部材とを含む。

実施例の説明 第３図は、この考案の一実施例の側面断面図を
示し、第４図は第３図に示した実施例に用いられ
ている誤挿入防止部材の拡大斜視図である。

カセツトホルダ１１には、第１図に示した従来
のカセツトホルダ１と同様に、上面側にカセツト
押圧ばね１ｃが取付けられている。なお、第３図
では図示されていないが、カセツト押圧ばね１ｃ
と対をなすもう１個のカセツト押圧ばねも上面側
に取付けられている。ここまでは、従来のカセツ
トホルダと同様の構成である。この実施例の特徴
は、カセツトホルダ１の底面側に、誤挿入防止部
材１３が取付けられていることにある。誤挿入防
止部材１３は、カセツトの誤挿入防止用溝部に入
り込む爪部１３ａと、カセツトの誤挿入防止用溝
部を有する面に当接し、爪部１３ａを常にカセツ
トに当接する方向に付勢する板ばね１３ｂとから
なる。なお、第４図において孔１３ｃは、カセツ
トホルダ１１へ取付けるための貫通孔を示す。第
４図に示したような誤挿入防止部材１３は、第３
図から明らかなように、カセツトホルダ１１の底
面側に取付けられており、常時は挿入されるカセ
ツトの方向に付勢されている。

第５図および第６図は、第３図および第４図に
示した実施例におけるカセツトの挿入過程を示す
側面断面図である。カセツト２を正しい姿勢で挿
入する場合には、カセツト２の底面２ｂに誤挿入
防止部材１３の板ばね部１３ｂが当接し、カセツ
ト２の挿入に従い下方に押し下げられる。このと
き爪部１３ａは、カセツト２の誤挿入防止用溝部
２ａ内に入り込み、したがつてカセツト２はさら
にカセツトホルダ１１の奥まで進入することがで
き、カセツト押圧ばね１ｃおよび誤挿入防止部材
１３により安定に保持される。

ところで、カセツト２を誤つて上下逆に挿入し
た場合には、第７図に略図的正面図で示すよう
に、カセツトの天面２ｃに誤挿入防止部材１３の
板ばね部１３ｂが当接し、したがつて板ばね部１
３ｂは下方に押し下げられる。しかしながら、爪
部１３ｂが入り込む溝部が、カセツト２の天面２
ｃには存在しないため、カセツト２の挿入方向先
端面が爪部１３ａにより係止され、誤挿入が確実
に防止される。特に、カセツト２が若干浮いた状
態、すなわちカセツト２を上下逆の姿勢で、カセ
ツト押圧ばね１ｂ，１ｃに逆らつて上方に押付け
て挿入した場合であつても、第７図に示されてい
るように、板ばね部１３ｂは常に上方に付勢され
ているため、カセツト２の天面２ｃに追随し当接
を保つので、爪部１３ａはカセツト２の挿入方向
先端面を係止し、したがつてカセツト２の挿入を
確実に阻止することができる。

なお、カセツト２には、通常底面側に誤挿入防
止用溝部２ａが形成されているため、この考案の
誤挿入防止部材１３はカセツトホルダ１１の底面
側に設けられるが、カセツト２に設けられる誤挿
入防止用溝部の位置に応じてカセツトホルダ１１
の任意の位置に形成してもよいことは言うまでも
ない。また、カセツト押圧ばね１ｂ，１ｃならび
に誤挿入防止部材１３のいずれについても、図示
した配置に限らず、適宜所望の位置に所望の数だ
け取付けてもよい。

考案の効果 以上のように、この考案によれば、カセツトの
誤挿入防止用溝が形成された面に対向するように
誤挿入防止用溝に当接する当接部材をその当接方
向に付勢し、その当接部材上に挿入されるカセツ
トの誤挿入防止用溝と係合する爪部材を設けるこ
とにより、カセツトが上下逆に挿入された場合に
当接部材がカセツト面に当接し、カセツトの挿入
方向先端面が爪部材により係止されて確実に誤挿
入を防止することができる。また、カセツトが上
下逆に挿入された場合であつて若干傾いた状態で
挿入された場合にも、当接部材がカセツトの面の
傾きに追従して当接するため爪部材によりカセツ
トの誤挿入を確実に防止することができる。さら
に、カセツト誤挿入防止装置は当接部材と爪部材
とからのみによつて構成されるので、構造が簡単
で機構が複雑化することがなく、カセツトの誤挿
入を簡単な構成で確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のカセツトホルダに設けられた
誤挿入防止装置を説明するための略図的正面図で
ある。第２図は、第１図に示した誤挿入防止装置
の問題点を説明するための略図的正面図である。
第３図は、この考案の一実施例の側面断面図であ
る。第４図は、第３図に示した実施例に用いられ
る誤挿入防止部材の拡大斜視図である。第５図お
よび第６図は、第３図に示した実施例におけるカ
セツトの挿入過程を示す側面断面図である。第７
図は、第３図に示した実施例における誤挿入防止
過程を説明するための略図的正面図である。 図において、２はカセツト、２ａは誤挿入防止
用溝部、１１はカセツトホルダ、１３は誤挿入防
止部材、１３ａは誤挿入防止部材の誤挿入防止用
溝部に入り込む部分である爪部、１３ｂは誤挿入
防止部材の誤挿入防止用溝部を有する面の一部に
当接する部分としての板ばね部を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 挿入する方向の所定の面内に誤挿入防止用溝が
   形成されたカセツトが挿入されるカセツトホルダ
   に設けられるカセツト誤挿入防止装置であつて、 前記カセツトの誤挿入防止用溝が形成された面
   に対向するように前記誤挿入防止用溝に当接する
   とともにその当接方向に付勢された当接部材と、 前記当接部材上に設けられ、前記挿入されるカ
   セツトの誤挿入防止用溝と係合する爪部材とを含
   む、カセツト誤挿入防止装置。