JPH0244213Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、液体をキヤツプ締めした容器から移
送するための分析装置に使用される液体汲み移し
装置に関する。

（従来技術） 分析装置は、分析液の濃度を検出するために、
かかる検出を可能にするためにその内部に必要な
試薬を含有した分析手段として、いわゆる乾燥テ
スト素子を使用する如く従来準備されてきた。か
かる分析装置の例としては、1981年９月１日発行
米国特許第4287155号、1982年７月20日発行の米
国特許第4340390号がある。また、かかる試験素
子の例は、1976年11月16日発行の米国特許第
3992158号、1977年10月11日発行の第4053381号、
1981年３月24日発行の第4258001号に掲載されて
いる。

上述の米国特許第4340390号において明らかな
通り、小量の試験液をテスト素子へ分取する場合
の好ましい方法としては、少なくとも分配すべき
量を、吸引法の如き方法によつて第１容器から使
い捨てチツプ内へ汲み移し、その後、小量の液を
テスト素子上へ分配するに有効な量だけチツプを
加圧する。分析液の損失と汚染を避けるために、
かかる第一容器は、使い捨てチツプが該容器内へ
動きによつて貫通されるようになされたキヤツプ
で覆われている。該キヤツプの材質としては、穿
孔プロセス中に歯状セグメントが屈曲自在な歯に
分離され得る様になるプラスチツクが好ましいも
のであつた。しかしながら、かかる歯のためにキ
ヤツプが使い捨てチツプに付着する可能性がある
から使い捨てチツプが容器の液体内の吸引位置か
ら引き戻されるときに、キヤツプを使い捨てチツ
プから引き外すための手段を設ける必要があつ
た。

従来の市販の分析装置には、チツプが吸入位置
から若干動いた時にキヤツプが遭遇する固定され
た面としての引き外し手段を設けているものがあ
る。

このような装置を使用する場場合には、かかる
使い捨てチツプから液を分配するうえで、潅流の
問題が生じるということが従来観察されてきた。
この場合の「潅流」とは分配される液が、テスト
素子上に下るのではなく、むしろチツプの外表面
上へ移動する作用を意味する。明らかな通り、潅
流は、それが所要液量、もしくは実際任意の液量
でもテスト素子上に分配されるということが期待
できないために、全く不都合である。それ故、こ
れまで分配液の潅流傾向を減少させるための試み
が相当行われてきたわけである。例えば、そのた
めに使い捨てチツプの分配端部を、例えば1982年
９月７日発行米国特許第4347875号の例で記述さ
れているように、特別の形状をもたせ、界面活性
剤で被覆し、次の段階の分取プロセス中に潅流を
促進しがちな吸入中における外部液体の形成を阻
むことが考えられる。しかしながら、かかるアプ
ローチも、潅流の数を減らす上では非常に有益で
はあるけれども、全面的に成功したものとは云え
なかつた。

かくして、本考案の目的は液体が一時的に吸入
される分配チツプから液体が分取される場合に生
ずる潅流を最小限にするような液体移送装置を提
供することである。

（考案の開示） 以上の目的は、潅流現象の少なくとも若干は、
従来技術による抜き外し手段を使用する場合、キ
ヤツプが落下するときに使い捨てチツプが液から
引き戻される速度が増加するということに起因す
るものであるという発見によつてその一部は達成
される。その結果、容器がその表面から持ち上げ
られるまでは引き外しは行われない。このため容
器とキヤツプが、重力の作用でチツプの呼称移動
速度よりも程度の大きな速度でチツプから実際に
落下する場合にキヤツプとチツプとの最終的な分
離を生ずる。本考案では使い捨てチツプがキヤツ
プから分離する速度を減らすように抜き外しを修
正した分析装置が提供される。

更に詳説すると、本考案の目的は、貫通可能な
キヤツプにより被覆された容器から、それから液
が分与される分配チツプへ液を汲み移すための装
置によつて達成される。該装置は、かかる分配用
チツプと；該チツプを(1)容器外の位置から、キヤ
ツプが分配用チツプにより貫通され、該チツプが
かかる容器内の液に浸される吸引位置内へ移動さ
せ、(2)該チツプを吸引位置から移動させるための
手段と；貫通されたキヤツプを分配チツプから抜
き外す手段でチツプが内部の吸引位置から完全に
移動し去る全期間、容器を保持するための手段を
備えた抜き外し手段と；から成つている。そのた
め、抜き外し速度が急激に増加することはなくな
り、またそのため生じる次の段階の分取中の潅流
作用は低下する。

このように改良を施した装置は、分析液の濃度
を測定するための分析装置の一部として特に有益
である。

“上”、“下”、“下方”、“垂直”、“水平”、“
底
部”というような本文で使用される用語は、装置
がその通常の使用位置に配置される場合の部品の
向きに関して述べたものである。

（実施例） 患者の液が第１図と第２図の装置１８の、複数
の別個の容器１９内へ供給され、各容器はキヤツ
プ１００を備え、それぞれ四分円の形をしたトレ
ー２０内で支持される。トレー２０は、また複数
の使い捨てチツプ５４を供給する。かかるチツプ
は、円錐部６０により円筒形本体５６に連結され
た分配端５８で端末となつて第２図の如く構成さ
れている。容器１９とチツプ５４は、第１図の同
心円弧状に配置したトレー内の対応開口内に支持
され、容器１９は、チツプ５４の位置する弧の外
方に配置されるのが望ましい。この様にしたトレ
ー２０は、液分配ステーシヨン１８を通過して適
宜に回転させられる。ステーシヨン１８は一時に
一個チツプが嵌合する垂直に可動のプローブ５１
を含む。プローブ５１は、スクリユー４２とピニ
オン４５により上下し、そのピニオンはモータ４
４により駆動される。シヤフト４２はフレーム３
２に取り付けられ、該フレームは、トレー２０内
の二つの弧にその半径に沿つて外方向に延びて交
錯する垂直面Ａ内でプローブ５１とチツプ５４を
動かす様に振動する。フレーム３２は、図示のな
いマイクロプロセツサからの自動化指令に応じて
レール３４上を動く。吸入真空圧力と分配圧力と
がプローブ５１に、それからチツプ５４に圧力管
路５２によつて供給される。かかる分配ステーシ
ヨンの詳細は、米国特許第4287155号に示されて
いる。上記特許発明に示された分配の手順はプロ
ーブ５１が、トレー２０からチツプ５４の一つを
掴み上げ、Ａ面に整合した容器１９のキヤツプを
押し抜き、液を吸引し、容器１９から引き抜か
れ、その後、該液をテスト素子上へ分配するため
に図示の分配器３０付近に配置したテスト素子９
０上へ動かす。その後、チツプ５４は、ごみ処理
箱５６内へ投棄され、テスト素子９０は定温度の
一つへ挿入される。

本考案の一つの面では特に第２図について述べ
ると、容器の一つが吸入行程のためにＡ面内へ移
動するたびに、キヤツプ１００と容器１９とをト
レー２０に対して下方に向けて保持するためのキ
ヤツプ取外し器１１０が設けられている。かかる
取外し器は固定基準面を与える如く装置ハウジン
グから延びるストツパアーム１１２，１１４と、
各ストツパ内の開口１１８内部に摺動可能に取り
付けた合せピン１１６とから構成される。コツタ
ーピン１２０等が、該合せピンが、そのストツパ
ーから抜け落ちるのを防止するために使用されて
いる。各合せピンは、合せピン１１６が付着され
る両端部１３６，１３８に於て共に接合された二
つのアーム１３２，１３４（第２図および第３
図）からなるＤ形のカム材１３０の端部に着座し
ている。アーム１３２，１３４は、プローブ５１
が第３図のように該アーム間にチツプ５４を運び
おろすことができるに十分な間隔だけ隔つてい
る。アーム１３２，１３４を下方へ偏倚させるた
めに、１３６，１３８部と対応基準ストツパ１１
２，１１４との間に圧縮バネ１４０を取り付けて
ある。アーム１３２，１３４の下方偏倚は、キヤ
ツプ１００および、又は容器１９の高さの変化に
対応する。

ストツパ１１２，１１４は垂直方向移動に対し
て固定されるか、それともその代りに分配中に分
配ステーシヨン１８上の位置に固定された図示の
ないフードに取り付けられ、このフードはトレー
２０に装填したり、それから取り除きを行う場合
に取り外し器１１０と共に通路外に枢動する様に
なつている。何れの場合でも、カム材１３０は複
数の順次に送られた容器についてキヤツプをトレ
ー面に対して保持する位置にとどまる。

明らかな如く、抜き外し器１１０を使用する
と、キヤツプのついた容器１９が矢印１５０の方
向に沿つてＡ面内の位置に移動し、その場合、キ
ヤツプ１００はアーム１３２，１３４の上方向勾
配によつて基準面２０に対してカム作用を受け
る。このカム作用によつて、バネ１４０の作用に
抗して点線位置から実線で示した位置へアーム
（矢印１６０）が上昇する。そしてチツプ５４は、
第４図に示す如き線２００に沿つて歯２１０を形
成する切り目をつけたキヤツプ１００へ押し抜か
れる。第２図に示す様に、歯２１０はチツプ５４
に対しそれを締付ける傾向がある。チツプ５４が
吸入後、容器１９とその液から引き戻されると、
キヤツプ１００が抜外し器１１０によつて容器１
９と表面２０に対して保持され、上方向に引き戻
されるチツプの運動に追従することが防止され
る。その結果、５４の外表面をａ液から、かつｂ
歯２１０を介しての引き戻しは比較的に緩速で均
等な速度に保持される。この比較的に遅く均等な
速度で液体とキヤツプの双方からチツプが引き戻
されることは、その理論的機構がまだ明確には理
解されていないけれども、潅流回数を減らす上で
重要であることが、判明して来ている。

又別に、第２図の抜き外し器も、例えそれがチ
ツプ５４が引き戻しの動きを行う場合にのみキヤ
ツプに接触するとしても有用である。即ち、アー
ム１３２，１３４は、チツプ５４がその吸入位置
から引き戻される直前までキヤツプ１００と接触
している必要はない。そのために、ストツパ１１
２，１１４をプローブ５１とチツプ５４の引き戻
し作動の直前に第２図に示した位置へ移動するよ
うに図示のない手段で取り付けることができる。
抜き外し器１１０は、もちろん、プローブとチツ
プとが完全に引き戻し運動を終了する間は前述の
位置に保持される。

抜き外し器の別の実施態様が第５〜８図に示さ
れ、キヤツプ抜き外し器が、吸入プローブの位置
に応じてその抜外し位置へ近づき又それから離れ
る様に動かされる。

既に説明した部分と同様な部分には識別添字
“ａ”を付した同一の参照数字を付してある。従
つてキヤツプ１００ａをつけた容器は、先に述べ
た実施例の如く分配ステーシヨン１８ａを通過し
使い捨てチツプ５４ａを担持するプローブ５１ａ
下方を回転する様にトレイ２０ａに取り付けられ
る。分配ステーシヨン１８ａのフレームは固定プ
ローブ５１ａがトレー２０ａを超えて外方にＡ面
内に移動し、又チツプ５４ａからの液を待ちうけ
ている、図示のないテスト素子上の位置へ復帰す
ることを許容する様に第５図に示す３０１で切り
欠いた第５図に示す如く３０１で切り欠きをつけ
た固定の垂直板３００を含んである。本実施例に
よれば、抜外し器は、面Ａ上に中心をおき枢動す
る様に取り付けられて抜外し器が吸入のためにキ
ヤツプ付き容器を抑えつけるように水平となされ
た位置（第５図）から、トレー２０ａの移動径路
から垂直に外れた別の位置（第８図）へ動く様に
なされる。更に詳説すれば、抜外し器はカム材１
３０ａ（第５−７図）を含み、この部材は二つの
部材３１０にその隣接端部３１２に於て溶接され
ている。カム材１３０ａ自体は、二本のアーム１
３２ａと１３４ａとから構成されている。部材３
１０の対向端部は、外側へ曲げられ第５図、第６
図に示すフレーム３００の背後に延びる耳部３１
６，３１７を形成する。取付けラグ３２０は第７
図の部材３１０の下側から下方に延びてねじ３３
２によりフレーム３００に固定された枢動ロツド
３３０に対してカム部材１３０ａを軸受する様に
なつている。

第８図に示す如く上方向へカム材１３０ａを偏
倚させるために、一端３４２をフレーム３００
（第６図）の背後に取付けた捩りバネ３４０がロ
ツド３３０に取り付けられている。バネ３４０の
他端３４４は隣接部材３１０に固定される。従つ
てカム部材１３０ａが第８図に示した垂直位置か
ら第５図に示した位置へ下方へ動くとバネ３４０
は更に一層巻かれてカム材１３０ａをその垂直位
置へ復帰させる傾向をもつ様になる。

カム材１３０ａをバネ３４０の作用に抗して下
方へ押し下げるためレバー３５０がフレーム３０
０の背後（第５，７図）にピボツトねじ３５２に
より枢動する様に取り付けられている。レバー３
５０の一端３５４に孔を設け、ここに第５−７図
の部材３１０の耳部３１６に取り付けた引張りバ
ネ３５８の一端を受けている。レバー３５０の反
対側端３５６はトリツプアーム３６２が運動でき
るようにフレーム３００の切り取つたスロツト３
６０の背後の位置に延びている。このトリツプア
ーム３６２は、プローブ５１ａが下方に動かされ
るときに下方に動かされ、従つてレバー３５０は
第８図に示す位置から第５図の位置となる様に時
計方向に枢動し、端部３５６を上昇させ端部３５
６を下降させる。従つて端部３５４は、上昇し、
バネ３５８は耳部３１６に対し引張る様に伸長さ
れる。バネ３４０，３５８のバネ定数は、バネ３
５８がバネ３４０の偏倚力に打ち克つ様に選ば
れ、部材３１０を下方に枢動させ、配置したキヤ
ツプ１９ａと容器をトレー２０ａに対して押圧す
る様になされている。

以上より、バネ３４０，３５８のたわみによつ
てカム材１３０ａがキヤツプ１３０ａやそれらの
容器の高さの相異に適合することが可能になるこ
とが判る。更に、バネ３５８は、トリツプアーム
３６２が、レバー３５０を、引外し手段１３０ａ
が貫通されるべきキヤツプに対して十分に加圧さ
れる点を充分に超えて押し下げることができるに
足る可撓性を有している。プローブ５１ａ、従つ
てトリツプアーム３６２がキヤツプ付きの容器か
ら引き戻され始める時に、チツプ５４ａがプロー
ブ５１によつて引き戻されている間バネ３５８が
カム材１３２ａをキヤツプ１００ａに対して押え
付けるに足る十分な残留張力を依然有する様にア
ーム３６２とレバー３５０が大きく移動すること
が望ましい。従つて、プローブ５１ａが分配のた
めに引き戻されるたびにカム部材１３２ａはキヤ
ツプとトレー２０ａとから離れるが但しその離脱
はチツプ５４ａがキヤツプから完全に離れる後に
のみ移動することになる。

（効果） 従つて、チツプに含まれた液体の潅流傾向を減
らすようにして液体をキヤツプ付きの容器から使
い捨てチツプへ移すための装置を得ることができ
るという本考案の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本装置の吸入ならびに分配部を示す
部分的な斜視図；第２図は、本装置の吸入状態を
示す部分的立面断面図；第３図は、第２図の−
線に沿つて描いた部分的断面図；第４図は、容
器と共に用い、本考案による抜外し器の影響を受
けるキヤツプの平面図；第５図は、本考案の別の
実施例の部分的な前面斜視図；第６図は、第５図
のプレート３００の前面部を横切つて伸びる−
線に概ね改つて水平に切断した部分的断面図
で、キヤツプ１００ａ、トレー２０ａ、レバー３
５０を理解の便宜上省略した図；第７図は、第６
図の−線に沿つて部分的断面図で、説明の便
宜上キヤツプ付き容器の一部分を追加した図面；
第８図は、第５図に類似した部分的斜視図で、部
品を別位置とした図面である。 １８……装置、１９……容器、２０……トレ
ー、４４……移動手段、５４……分配チツプ、９
０……分析機構、１００……キヤツプ、１３０，
１３０ａ……保持手段、１３４，１３６……保持
手段のアーム、１４０……偏倚バネ、１１０……
キヤツプ抜き外し手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 貫通可能なキヤツプにより被覆された容器か
   ら液体分析用の分析手段へ液体を移動させるた
   めの装置において、 前記液体を受入れて分配する様に構成された
   分配チツプと； 前記チツプを(i)容器外の位置から、キヤツプ
   が分配チツプにより貫通されてチツプが容器内
   の液体に浸される吸引位置内へ移動させ、かつ
   (ii)前記吸引位置から前記チツプを離す様に動か
   すための移動手段と； 貫通されたキヤツプを分配チツプから抜き去
   るための抜外し手段で、前記分配チツプが前記
   吸引位置から完全に引き外す間、キヤツプを基
   準面に対して偏倚させる手段を含んでいる引外
   し手段と； から成る液体を移すための装置。 (2) 抜引し手段が、複数の順次に配置された容器
   について、そのキヤツプと容器の各々を前記基
   準面に対して保持するための位置にとどまるよ
   うに取り付けられている前記第１項に記載の装
   置。 (3) 前記抜外し手段が、前記分配チツプが抜き外
   されたキヤツプから完全に非係合関係となつた
   ときに前記基準面から離れるように取り付けら
   れる前記第１項に記載の装置。