JPH0243897Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、和装コート地に関するものである。

従来技術 従来の和装コート地は全体に同一色又は同一柄
からなるものであり、得られるコートの種類も限
られたものであつた。

考案の目的 本考案は、従来になく洒落た感覚のコートを容
易に縫製できる和装コート地を提供することを目
的とする。

考案の構成 本考案のコート地は、第１図及び第２図に例示
する如く、並幅で長さが10〜11ｍの生地であつ
て、その一端が230〜234cm長にわたつて、異色部
１として、幅方向中央を境として、半幅づつ異色
Ｘ，Ｙに染色されており、残りの生地本体２の一
端一側部に幅７〜９cm、長さ112〜116cmの染め分
け部分３が存在し、この染め分け部分３が上記異
色部１の一方の色Ｘと同色に染色され、生地本体
２の残りの部分４が上記異色部１の他方の色Ｙと
同色に染められていることを特徴とするものであ
る。

即ち、本考案ではコート地を従来のコート地よ
り長尺に形成し、特定の形状に染め分けることに
よつて、衿元や袖口に配色よく縁取りを配した、
非常に新鮮な感覚のコートの縫製を可能とする。

例えば、第３図の如きコートの縫製が可能とな
る。第３図Ａのコートは、全体に地色Ｙからなる
道中着で、裏衿７として、地色と配色の良い色Ｘ
の生地を使用しており、衿６の衿付け線を縁取る
ように色Ｘの生地を表に現しているものである。
即ち、衿６の両側に配色よく色Ｘの縁取り線が現
れ、非常にお洒落な感覚のコートとなつているも
のであり、コートの衿先が捲れても、表地の色Ｙ
と配色の良い色Ｘを有する裏地が現れるため、か
くれたお洒落を楽しめるものである。

第３図Ｂのコートは、Ａ同様の道中着で、衿６
の端の部分にのみ色Ｘの縁取りが現れるように、
裏衿７が取りつけられている。このコートも、衿
先が捲れても、表地の色Ｙと配色の良い色Ｘが現
れ、かくれたお洒落を楽しむことができる。

第３図Ｃのコートは、道行着で上前の竪衿６ａ
の上端に横一文字に地色と配色の良い異色Ｘが縁
取り線を形成するように現れ、袖のたもと８が開
けてあり、袖裏には、異色Ｘ部分が袖口９及びそ
の下の開口部１０から配色よく、見え隠れに露顕
し、更に、袖口９及びその下の開口部１０を縁取
るように使用されている。衿元と袖にアクセント
のある非常にお洒落なコートである。

第３図Ｄのコートは、Ｃ同様に道行着で小衿６
ｂの周りと竪衿６ａの縁に異色Ｘの縁取り線が現
れたものであり、ここでは上前の竪衿６ａの裏地
及び小衿の裏地としても異色Ｘが現れる、お洒落
なコートとなる。

このようなコートは、例えば本考案に従つた長
さ10.5ｍの生地を、第４図の如く裁断して使用す
ることによつて、簡単に縫製できるものであり、
しかも色Ｙの表地と、意匠効果に優れた縁取り及
びお洒落な裏地を構成する色Ｘの地が共に同一布
からなるため、配色効果が生地の適合性を迷うこ
となく、だれもが簡単に新しい感覚のコートを楽
しむことができるものである。

第４図Ａ〜Ｄはそれぞれ第３図Ａ〜Ｄの裁断例
であるが、第４図Ａ，Ｂでは異色部１の色Ｙの部
分が表衿６として使用され、色Ｘの部分が裏衿７
として使用されており、第４図Ｃでは異色部１が
長手方に２分割され、それぞれ袖裏に使用されて
いる。また、第４図Ｄでは異色部１が長手方向に
２分割され、その一方で小衿（表が色Ｙ部分、裏
が色Ｘ部分）が、他方で上前竪衿（表が色Ｙ部
分、裏が色Ｘ部分）が裁断される。

なお、生地本体の染め分け部分３は、Ａ，Ｂ及
びＣでは袖口布に使用され、Ｃでは小衿の裏地に
使用される。

本考案のコート地は、どのような地柄を有する
ものであつてもよいが、全長にわたつて、幅方向
中央部に生地幅の1/3〜2/3の幅で地絞５が存在す
るようにすることによつて、衿と身頃で、また袖
付け部分と袖本体で、光沢の異なる非常に妙味あ
る製品となすこともできる。

考案の効果 本考案のコート地は、一枚の生地で、衿元や袖
口に配色よく縁取りを配した、非常に新鮮な感覚
のコートの縫製を可能とする。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ本考案の一例を示
す平面図、第３図は本考案の使用例を示す平面
図、第４図は第３図のコート縫製用の裁断図を示
す。 １……異色部、２……生地本体、３……染め分
け部分、４……残りの部分、５……地絞、６……
衿、６ａ……竪衿、６ｂ……小衿、７……裏衿、
８……たもと、９……袖口、１０……開口部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 並幅で長さが10〜11ｍの生地であつて、その
   一端が230〜234cm長にわたつて、異色部１とし
   て、幅方向中央を境として、半幅づつ異色Ｘ，
   Ｙに染色されており、残りの生地本体２の一端
   一側部に幅７〜９cm、長さ112〜116cmの染め分
   け部分３が存在し、この染め分け部分３が上記
   異色部１の一方の色Ｘと同色に染色され、生地
   本体２の残りの部分４が上記異色部１の他方の
   色Ｙと同色に染められていることを特徴とする
   和装コート地。 (2) 生地の長さが10.5ｍである実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の和装コート地。 (3) 生地全長にわたつて、幅方向中央部に生地幅
   の1/3〜2/3の幅で地絞５が存在する実用新案登
   録請求の範囲第１項又は第２項記載の和装コー
   ト地。