JPH0243790Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はコンバインなどの移動農機、詳しく
は操作レバーを備え、該操作レバーの操作により
作動装置を作動させると共に、操向装置を備えた
移動農機に関する。

この種移動農機は、例えばコンバインなどにあ
つては、操縦席の前面に操縦コラムを設けて、該
コラムに操作レバー並びにその他レバーを設ける
と共に、前記操縦コラムとは別位置で操縦席の側
部にサイドコラムを設け、このサイドコラムに例
えば変速装置などの作動装置の操作レバーを設け
るべくしている。

しかして前記したコンバインにおいて、例えば
前進走行させる場合、サイドコラムの操作レバー
を適宜前進位置に移動位置させて、操縦コラムの
操作レバーを操作して機の操向を行うべくしてお
り、従つてこの場合は進行方向前方に向いて楽な
姿勢で機の操向を行い得るのである。

所が、後進走行時には、サイドコラムの操作レ
バーを後進位置に移動位置させ、このレバーを中
立位置或は前進位置に即座に切換え得るように該
レバーに片手を添え、かつ後方の確認を行うべく
操縦者は後方を振向いて、他方の手で前記操縦コ
ラムの各操向レバーを操作すべくしている。従つ
て、後進走行時に、操縦者は両手を前記操作レバ
ー及び操向レバーに添え、しかも半身の状態で後
方を振向いて不自然な姿勢で機の操向を行なう必
要があり、機の後進走行が非常に行いにくい問題
があつた。何れにしても、作動装置と操向装置を
備えた移動農機において、これら二つの装置を一
度に操作する場合二つのレバー操作が必要であつ
て、後進走行時の操向など、場合によつては、そ
の操作が煩雑となる問題があつた。

本考案は以上の如き問題点に鑑みて考案したも
ので、作動装置の作動及び前記各操向装置の操向
操作が片手で簡単にできて、楽な姿勢で機の操向
を行い得る移動農機を提供せんとするものであ
る。

さらに詳しくは、操作レバー１２を備え、該操
作レバー１２の操作により作動装置を作動させる
と共に、操向装置を備えた移動農機において、前
記操作レバー１２の握り部側に、該握り部を握持
する手で操作可能な操作具１８を、前記操作レバ
ー１２に対し相対移動可能に付設すると共に、前
記操作レバー１２の握り部側に、前記操作具１８
の動作で開閉し、前記操向装置を作動制御するス
イツチ１５ａ，１５ｂを設けたことを特徴とする
ものである。

以下本考案を図面に実施例によつて説明する。

図面は移動農機の一例としてコンバインを示
し、該図中１はコンバインの機体で、この機体１
の上部には脱穀装置２を、前方部には刈取装置３
をそれぞれ設けると共に、前記機体１の下部両側
にはクローラ式の駆動車輪４を軸支し、該各車輪
４に機体１上に搭載する原動機５から変速装置
（図示せず）を介して動力を伝達すべくなす一方、
前記各駆動車輪２には該各車輪２に対して個別に
作用する操向装置６ａ，６ｂを設け、この各操向
装置６ａ，６ｂを操作することにより、コンバイ
ンの操向を行なうべくしている。

また前記機体１上で脱穀装置２の側部には、操
縦席７を設けて、該操縦席７の前部に操縦コラム
８を配置し、このコラム８に前記各操向装置６
ａ，６ｂを個別に操作する操向レバー９，９及び
その他レバーを立設すると共に、前記コラム８と
は別位置で操縦席７の側部には、サイドコラム１
０を配置し、該コラム１０に前進３段、中立及び
後進の各係止段部をもつ直線状の案内孔１１を形
成して、この案内孔１１から前記変速装置を切換
操作する操作レバー１２を突設させ、該レバー１
２を前記案内孔１１に沿つて前後方向に所定位置
に案内係止させることにより、コンバインを前、
後進走行させるべくしている。尚、以上の構成に
おいて、前記変速装置が、本考案の作動装置を構
成するもので、以下作動装置と称して説明する。

しかして本考案は以上の如きコンバインにおい
て、第３図に示す如く、前記操向装置６ａ，６ｂ
を作動する油圧回路イを形成し、この回路イに４
ポート３方向切換用の電磁切換弁１３を介装し、
該切換弁１３の一方に油圧ポンプ１４を、他方に
前記各操向装置６ａ，６ｂを接続すると共に、前
記切換弁１３に前記操向装置６ａ，６ｂを制御す
るスイツチ１５ａ，１５ｂをもつソレノイド１６
ａ，１６ｂを取付けて、前記スイツチ１５ａ，１
５ｂの動作により前記切換弁１３を切換えて、油
圧ポンプ１４から前記操向装置６ａ，６ｂの何れ
かに給油し、この何れかの操向装置６ａ，６ｂを
作動させるべくなす。

前記切換弁１３の各ソレノイド１６ａ，１６ｂ
とスイツチ１５ａ，１５ｂとを結ぶ電気回路に
は、電源１７を介装し、前記各スイツチ１５ａ，
１５ｂの動作により前記各ソレノイド１６ａ，１
６ｂに通電させて、切換弁１３の切換操作を行う
のである。

また前述したサイドコラム１０の作動装置用操
作レバー１２には、第４及び第５図に示す如く、
握り部側に、該握り部側を握持する手で操作可能
な操作具１８を取付けるのである。そして、前記
レバー１２の上端部を径大となし、その周囲に上
下方向に延びる多数の突条１９を設けると共に、
前記操作具１８の内部には前記突条１９に係合す
る溝２０を設け、前記操作具１８を前記レバー１
２に対し上下方向に摺動可能ならしめる一方、該
操作具１８の前記溝２０より上方内部には、前記
レバー１２の突条１９部分を収容可能な空間２１
を形成し、前記操作具１８を下方に摺動させて、
前記空間２１内に前記突条２０部分を収容させる
ことにより、操作具１８を前記レバー１２の円周
方向に回転操作可能となす。

また、前記操作具１８の前記溝２０より下方内
部に収納部２２を形成し、該収納部２２の上部内
周壁にスイツチ押動体２３ａ，２３ｂをそれぞれ
設けると共に、前記レバー１２の外周に取付部材
２４を介して、前述した切換弁１３のスイツチ１
５ａ，１５ｂを取付け、前記操作具１８を下方へ
摺動させて左右何れかに回転操作することによ
り、前記押動体２３ａ，２３ｂの何れかをして前
記スイツチ１５ａ，１５ｂの各接点１５ｃ，１５
ｄの何れかを前記操作具１８の動作で開閉するの
である。

図中２５は前記操作具１８の上方への復帰用ス
プリングである。

本考案は以上の構成としたので、いまコンバイ
ンの後進走行を行うときには、前記作動装置用の
操作レバー１２をサイドコラム１０に設けた案内
孔１１の後進位置に片手で切換え、このレバー１
２を握持した手で、該レバー１２の操作具１８を
第４図の仮想線に示す如く、下方へ摺動させて左
右何れかに回転操作するのである。

例えば操作具１８を左方向に回転させるときに
は、押動体２３ａがスイツチ１５ａを押動操作し
て、前記切換弁１３の一方のソレノイド１６ａに
通電されて該切換弁１３を切換え、油圧ポンプ１
４から一方の操向装置６ａに給油し、該操向装置
６ａが作動されるのであり、また操作具１８を右
方向に回転させるときには、、他方押動体２３ｂ
により他方スイツチ１５ｂが押動操作され、前記
場合と同じく切換弁１３が切換えられて、他方の
操向装置６ｂが作動されるのである。

斯くの如く操作具１８の回転操作により、操向
装置６ａ，６ｂの何れかを作動させて、機の操向
を行うのである。

以上説明した如く本考案の移動農機では、操作
レバー１２を備え、該操作レバー１２の操作によ
り作動装置を作動させると共に、操向装置を備え
た移動農機において、前記操作レバー１２の握り
部側に、該握り部を握持する手で操作可能な操作
具１８を、前記操作レバー１２に対し相対移動可
能に付設すると共に、前記操作レバー１２の握り
部側に、前記操作具１８の動作で開閉し、前記操
向装置を作動制御するスイツチ１５ａ，１５ｂを
設けたから、１本の操作レバーにより作動装置の
作動と、各操向装置の操向制御とを簡単に行なう
ことができ、換言すれば前記作動装置の操作を行
ないながら操向操作する場合、これらの操作を片
手で簡単に行うことができるのであり、従つて、
他方の手により機の一部を把持するなどして、作
動装置による作動を確認しながら機の操向を行い
得るのであり、前記作動装置の作動操作及び操向
操作を楽な姿勢で行い得るに至つたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかゝる移動農機の側面図、第
２図は同平面図、第３図は操向装置の回路図、第
４図は操作レバーの拡大縦断面図、第５図はその
横断面図である。 １……機体、４……駆動車輪、５………原動
機、６ａ，６ｂ……操向装置、１２……操作レバ
ー、１３……電磁切換弁、１４……油圧ポンプ、
１５ａ，１５ｂ……スイツチ、１５ｃ，１５ｄ…
…接点、イ……油圧回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操作レバー１２を備え、該操作レバー１２の操
   作により作動装置を作動させると共に、操向装置
   を備えた移動農機において、前記操作レバー１２
   の握り部側に、該握り部を握持する手で操作可能
   な操作具１８を、前記操作レバー１２に対し相対
   移動可能に付設すると共に、前記操作レバー１２
   の握り部側に、前記操作具１８の動作で開閉し、
   前記操向装置を作動制御するスイツチ１５ａ，１
   ５ｂを設けたことを特徴とする移動農機。