JPH0243084B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は回転部材を何等用いることなく燃料を
生燃焼してガス発生体を速かに予熱せしめるだけ
で、以後ガス発生体内に送油された適当量の燃料
を速かに蒸発気化して、所望量の気化燃焼焔を容
易に得さしめることができる気化バーナの改良に
関する。

従来、内部に燃焼用空気が流通できるガス発生
体の両側又は下方に、ガス室と多数の噴焔口とを
備えた燃焼体を配設し、上記ガス発生体と燃焼体
とは連通管により連通せしめると共に、ガス発生
体の基端側内部には燃料噴霧ノズルの先端をのぞ
ませて、気化燃焼の始動に際し、燃料噴霧ノズル
から噴霧された燃料を燃焼用空気の補給と点火作
動でガス発生体内において生燃焼させ、発生した
生燃焼焔によりガス発生体および燃焼体を内部よ
り予熱し、ガス発生体が気化雰囲気温度に昇温さ
れたら生燃焼を一たん中止し、次いで再び燃料を
燃料噴霧ノズルより燃焼用空気と共にガス発生体
内部に送油して、予熱作用で速かに混気ガスを得
さしめた後、該混気ガスを燃焼体を介して気化燃
焼せしめることができる気化バーナは本出願前例
えば特開昭55−77617号公報に記載されて公知で
ある。

ところで従前の気化バーナの如く同一燃料の送
油作動を一本の燃料噴霧ノズルにより行わせたも
のにあつては、狭いガス発生室内において一定量
の生燃焼を継続させる場合には一番適切である
が、以後予熱作用で混気ガスを発生させて良好な
気化燃焼を継続させた際には、前記燃料噴霧ノズ
ルの送油作動では簡単に燃料の送油量を広い範囲
に亘り増減調節させることができないので、気化
燃焼量を必要に応じて多くしたり或は少なく調節
することができない。

本発明は前記に鑑み、同一の燃料を使用して生
燃焼より気化燃焼に移行せしめる際に、生燃焼の
発生を狭い面積のもとでも容易に一定量の燃料を
完全燃焼させることができる予熱生燃焼専用の燃
料噴霧ノズルで行わせてガス発生体を有効的に予
熱せしめると共に、ガス発生体が生燃焼焔の予熱
作用で気化雰囲気温度に昇温された以後にあつて
は燃料の送油量の増減調節が簡単かつ正確に達成
できるたれ流し式の気化燃焼専用の送油管に切替
えて所望量の燃料を送油せしめるようにし、もつ
て何時でも必要量の気化燃焼焔を回転部材を何等
用いることなく容易に得さしめることができる気
化バーナを提供しようとしたものであつて、以下
に本発明の構成を添附図面に示された好適な各種
実施例について説明する。

第１図乃至第３図に示された実施例のものは、
ガス発生体の両側に燃焼体を配設して気化燃焼を
良好に行わせることができる気化バーナであつ
て、１は筒状のガス発生体であり、該ガス発生体
１の基端側は送風筒（図示せず）に接続されてい
る。２，２は発生した混気ガスを気化燃焼焔とし
て噴焔させるための細長筒状の燃焼体であつて、
該燃焼体２，２は上記ガス発生体１の両側方にそ
れぞれ同一平面上に位置する如く間隔を置いて並
設されており、燃焼体２，２の先端側は閉じられ
て内部がガス室３，３に形成されると共に燃焼体
２，２の基端側は連通部材４によつてガス発生体
１の先端側とそれぞれ連通されている。上記燃焼
体２，２の上半面およびガス発生体１との対向面
にかけては多数のスリツト状の噴焔口５……が穿
口されており、該噴焔口５……が穿口されていな
い燃焼体２，２の外周面には上下に張出部を有す
る噴焔当て板６が取付けられている。この噴焔当
て板６は燃焼焔をガス発生体１へ向け安定させる
役目を有する。燃焼体２，２の噴焔口５はスリツ
ト状のほか小円孔その他適宜形状のものであつて
もよい。７はガス発生体１の基端側内部に先端を
のぞませるように配設した予熱生燃焼専用の燃料
噴霧ノズルであつて、該予熱生燃焼専用の燃料噴
霧ノズル７により発生した一定量の生燃焼焔をガ
ス発生体１および燃焼体２，２に亘り噴焔せしめ
て、ガス発生体１を速かに燃料を気化するに足る
気化雰囲気温度に昇温せしめる。

８は前記予熱生燃焼専用の燃料噴霧ノズル７と
同様に先端側をガス発生体１の基端側内部にのぞ
ませて所望量の燃料を随時ガス発生体１内へたれ
流し式に送油させることができる気化燃焼専用の
送油管であつて、上記のものによれば、送油量の
増減調節が簡単に得られることで、混気ガス発生
量を広い範囲に亘り調節させて所望量の気化燃焼
焔を得さしめることができる。

９は予熱生燃焼専用の燃料噴霧ノズル７の先端
側近傍位置に配設した点火装置である。

なおガス発生体１の左右両側水平位置に設けら
れた燃焼体２，２は第４図に示した第２実施例の
気化バーナの如くガス発生体１の両側斜め下方位
置に設けてもよい。

第５図および第６図に示された第３実施例の気
化バーナは内部をガス室３′とした燃焼体２′全体
を平面より見てドーナツ形状に形成してガス発生
体１の下方に連通状となるよう配設して気化燃焼
焔を上方に向け噴焔せしめることができるように
したものであつて、該実施例の場合にはドーナツ
形状を呈する燃焼体２′の上半面周囲に噴焔口
５′を開口し、かつその外周に沿つて噴焔当て板
６′を配設した以外は第１実施例の気化バーナと
その他の構成が同一である。

第７図および第８図に亘り示された第４実施例
の気化バーナは気化燃焼焔を前方に向け噴焔させ
るため全体をドーナツ形状とした燃焼体２″をガ
ス発生体１が燃焼体２″の略中心を貫通するよう
横方向に向け配設した場合であり、この実施例に
あつてはガス発生体１と燃焼体２″とは連通部材
４′により連通せしめると共に燃焼体２″の表面に
は多数の噴焔口５″を穿口し、しかも燃焼体２″の
外周に沿つて噴焔当て板６″が装着された以外は
第１実施例の気化バーナとその他の構成が同一で
ある。

次に本発明の作用について説明する。

今、第１図乃至第３図に記載された気化バーナ
により送油された燃料を生燃焼状態から自動的に
気化燃焼状態へ自動的に移行させたい場合には、
先ずガス発生体１内に基端側より燃焼用空気を噴
風させると同時に予熱生燃焼専用の燃料噴霧ノズ
ル７を介して一定量の燃料を噴霧状に噴出し、該
燃料を点火装置９で着火始動させる。さすれば、
発生した生燃焼焔は燃焼用空気の補給作用を受け
てガス発生体１より燃焼体２内を通つて多数の噴
焔口５より勢いよく噴焔してガス発生体１を燃焼
する生燃焼焔により内外より同時に予熱して内部
を速かに燃料を気化させるに充分な気化雰囲気温
度に昇温させる。この様にしてガス発生体１全体
が予熱作用で充分昇温されたら、予熱生燃焼専用
の燃料噴霧ノズル７よりの燃料送油作動を断つて
生燃焼の発生を中止させると同時に今度は気化燃
焼専用の送油管８に切替えて、前記と同一の燃料
をたれ流し式に昇温状態のガス発生体１内の基端
側へ切替送油せしめる。さすれば該燃料は流通す
る燃焼用空気により基端側より先端側に向け矢印
方向に沿い噴送される間に予熱作用で蒸発されて
気化ガスとなり、しかも発生した気化ガスはその
移行中に燃焼用空気と撹拌混合して完全な混気ガ
スとなりながら燃焼体２のガス室３，３内に圧入
蓄気され、多数の噴焔口５……より一定圧力状態
のもとに噴焔し、ガス発生体１を外側周囲より予
熱せしめる。したがつて、気化燃焼専用の送油管
８より送油された燃料が気化燃焼されるようにな
れば、ガス発生体１は自動的に外側より予熱され
るため、気化燃焼を長期に亘り継続させることが
できると共に、気化燃焼用の燃料は送油量の増減
調節が簡単、正確に行うことができるたれ流し式
の気化燃焼用送油管８によつて送油されるため、
上述の気化燃焼焔の発生量を必要に応じて随時広
い範囲に亘り増減調節せしめ、効率的な加熱源と
して使用できるものである。

なお、第２、第３および第４実施例に示された
気化バーナにおいても、前記と同様の作動により
混化ガスを能率的に発生させた気化燃焼焔を上方
或は前方に向けて噴焔させることができる。

要するに本発明は内部に混気ガスが流通できる
ガス発生体１の両側又は下方に、ガス室３と噴焔
口５とを備えた燃焼体２を配設し、上記ガス発生
体１と燃焼体２とは連通せしめたものであつて
も、前記ガス発生体の基端側内部には先端側に点
火装置９を配設した予熱生燃焼専用の燃料噴霧ノ
ズル７と気化燃焼専用の送油管８の先端をのぞま
せると共に前記予熱生燃焼専用の燃料噴霧ノズル
７と気化燃焼専用の送油管８とは同一燃料の供給
が夫々切替えられるように接続したから、同一の
燃料を使用して生燃焼より気化燃焼に移行せしめ
る際に生燃焼の発生を予熱生燃焼専用の燃料噴霧
ノズル７によつて狭い面積のもとであつても、一
定量の燃料を迅速かつ正確に生燃焼させてガス発
生体１全体を短時間内に気化雰囲気温度に昇温さ
せることができる許りか、生燃焼焔によりガス発
生体１が気化雰囲気温度に予熱されたら気化燃焼
専用の送油管８に切替えて同一燃焼をたれ流し式
に送油せしめ、これを燃焼用空気の噴送作用と予
熱作用とによつて速かに蒸発気化し、発生した気
化ガスを燃焼用空気と混合させ完全な混気ガスと
してガス発生体１を予熱させながら噴焔させるこ
とができるのは勿論のこと、混気ガスの発生時に
は送油量の増減調節が自由にできるたれ流し式の
気化燃焼用の送油管８により切替送油せしめたか
ら、気化燃焼焔の発生量を必要に応じて自由に増
減調節させて有効的な加熱源として使用させるこ
とができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る気化バーナの実施例を示す
ものであつて、第１図は第１実施例の一部破断し
た側面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線矢視方向の断
面図、第３図は同上平面図、第４図は第２実施例
の縦断正面図、第５図は第３実施例の一部切欠し
た平面図、第６図は第５図Ｂ−Ｂ線矢視方向にお
ける断面図、第７図は第４実施例の正面図、第８
図は第７図の縦断側面図である。 １……ガス発生体、２……燃焼体、３……ガス
室、５……噴焔口、７……生燃焼専用の燃料噴霧
ノズル、８……気化燃焼専用の送油管、９……点
火装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内部に混気ガスが流通できるガス発生体の両
   側又は下方に、ガス室と多数の噴焔口とを備えた
   燃焼体を配設し、上記ガス発生体と燃焼体とは連
   通せしめたものにおいて、前記ガス発生体の基端
   側内部には先端側に点火装置を配設した予熱生燃
   焼専用の燃料噴霧ノズルと気化燃焼専用の送油管
   の先端をそれぞれのぞませると共に前記予熱生燃
   焼専用燃料噴霧ノズルと気化燃焼専用の送油管と
   は同一燃料の供給が夫々切替えられるように接続
   したことを特徴とする気化バーナ。