JPH0243040B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ポンプ配置場のコンクリート基礎中
に配設されるコンクリート製の吸込みケース部、
吸込み口及び渦巻き部をそれぞれ有するポンプわ
く及びその製造方法に関する。

このようなポンプわくは当該技術において公知
であり、高容量で比較的低揚程のポンプ、例えば
凝縮器冷却水循環ポンプ，主ドツクポンプ，かん
がい及び排水用ポンプ，飲料水供給用原料水くみ
上げポンプ及び下水浄化工場の放水口ポンプ等に
使用される。そのようなポンプは耐食性の点で有
利である。しかしながら、コンクリートを注入成
形する型は複雑で、渦巻き部の形が複雑なために
高価で、また１回だけしか使用できない。さら
に、型の製造及びコンクリートが硬化した後の型
の取り外し作業には、多くの時間を消費する。

本発明は、このような実情に鑑みてなされたも
のであつて、その要旨は、ポンプ配置場のコンク
リート基礎中に配設されるコンクリート製の吸込
みケース部、吸込み口及び渦巻き部をそれぞれ有
するポンプわくにおいて、互いに連結される複数
の補強コンクリート製の成形壁部分から成る組立
式の薄壁の渦巻き状成形壁にて前記渦巻き部７を
構成し、前記成形壁をコンクリート基礎のコンク
リート中に埋設したことを特徴とするポンプわく
にある。本発明に係るポンプわくによれば、組立
て式で、薄い壁の補強コンクリート製の渦巻き状
成形壁を有するポンプわくを設け、その成形壁を
コンクリート基礎のコンクリート中に埋め込むよ
うにしているので、簡単な作業にて低コストでし
かも精密に製造でき、耐腐蝕性の高い構造を提供
することができる。すなわち、成形壁部分を工場
で成形型にて予め製造しておくことができるの
で、ポンプ配置場では前記成形壁部分を組立てる
だけで渦巻き状成形部を能率良く構成できる。従
つて、互いに同一の複数のポンプが配設されるポ
ンプ配置場において、高価で長時間を要する型の
製造が避けられ、さらに、ポンプわくの同一でか
つ正確な設計が確保される。このことはポンプの
水力学的性質に特に重要である。さらに別の利点
は、その内壁面がポンプで吸い揚げられる媒体と
接触する成形壁部分を高品質の耐腐蝕性の高いコ
ンクリートで製造することができ、コンクリート
構造物の他の部分は別の品質のものでよいと云う
事実にある。

本発明の好ましい実施態様によれば、成形壁部
分の寸法及び重量は、運搬可能性及び設置操作時
の取扱い容易性等の条件によつて決定される。従
つて、１個の最大幅が2.50ｍを越えず、また重量
が5000Kg以下であることが好ましい。成形壁部分
の壁の厚さは、コンクリート構造物の完成のため
に注入成形されるコンクリートの圧力に成形壁が
耐えるような厚さである。壁の厚さは例えば約10
cm程度であつてよい。そのような成形壁部材は、
コンクリート構造物の製造分野で公知の方法で、
再使用可能な成形型によつて簡単に製造すること
ができる。

さらに、本発明の目的の１つは、上述の如く
種々の利点を有する本発明のポンプわくを簡易で
作業能率よく製造する方法を提供することにあ
る。この目的を達成するために、本発明では、吸
込みケース部５、吸込み口６及び渦巻き部７がポ
ンプ配置場１のコンクリート基礎２中に配設され
て成るポンプわく３の製造方法において、 (a) 互いに密接に結合する薄壁の補強コンクリー
ト製の渦巻き状成形壁１６の成形壁部分２２，
２３を１個又はそれ以上予め成形する工程、 (b) 前記成形壁部分２２，２３を組立てて渦巻き
成形壁１６を構成し、前記成形壁１６を所定位
置に配置する工程、 (c) 前記渦巻き成形壁１６の補強部材１４と、後
続してポンプ配置場１のコンクリート基礎２に
注入されるコンクリート１３の補強部材１５と
を互いに連結する工程、 (d) 組立てられた前記渦巻き成形壁１６を囲み込
むように基礎用コンクリート１３を注入して固
化させる工程、 によりポンプわくを製造するようにしている。

以下、本発明を、添附の図面を参照して説明す
るが、添附の図面は実施例を示すものであつて、
これに限定されるものではなく、本発明の技術的
思想に基いてポンプわく構造体の種々の変形及び
変更が可能である。

第１図及び第２図のポンプ配置場１は、２個の
同一のポンプ４用のポンプわく３からなるコンク
リート基礎２を有している。

例えば排水工場等におけるこのポンプ配置場１
は、低揚程で高容量の大型のポンプ４を備えてい
る。各ポンプ４は、吸込みケース部５，吸込み口
６，渦巻き部７及び放水路８からなるポンプわく
３をそれぞれ有している。回転羽根車９はベアリ
ング１０を介してポンプわく中に設置されてい
る。羽根車９は駆動歯車１１を介してモータ１２
によつて駆動される。

ポンプわく３の渦巻き部７は、互いに連結され
る複数の成形壁部分から成る組立て式の薄壁の渦
巻き状成形壁１６にて構成されている。そして、
この渦巻き部７、吸込み口６及び吸込みケース部
５がコンクリート基礎２のコンクリート１３中に
埋め込まれている。

第４図及び第５図に渦巻き状成形壁１６、第６
図に吸込み口成形壁１７及び第８図に吸込みケー
ス部成形壁１８の成形壁部分がそれぞれ示さてい
る。

渦巻き状成形壁１６は、内側が渦巻きの形状を
有し、その突縁１９の先端部分は金属製部材２０
により覆われている。さらに、渦巻き状成形壁１
６、放水口２１を有する。別の実施態様におい
て、基礎被覆のような他の金属部分を埋め込むよ
うにしてもよい。

渦巻き状成形壁１６は、例えば容易に道路輸送
できるような２個の成形壁部分２２及び２３から
なり、その目的のためにそれらは2.5ｍあるいは
それ以下の幅ａに成形される。また、これらの成
形壁部分２２及び２３は、簡単なリフト及び運搬
手段で取り扱い得るように5000Kg以下の重量であ
る。成形壁部分２２及び２３の壁厚ｂは、渦巻き
状成形壁１６が設置された後に注入成形される基
礎２のコンクリート１３による圧力に十分抵抗で
きる厚さ、例えば10cmとされる。吸込み口成形壁
１７及び吸込みケース部成形壁１８はそれぞれ２
個の成形壁部分２４，２５、及び２６，２７から
それぞれ構成されている。

成形壁部分２２と２３、２４と２５、２６と２
７とは、それぞれ対の状態で互いに連結されてい
る。すなわち第７図に示すように、成形壁部分２
２，２３の補強部材１４に溶接された鋼鉄製ブラ
ケツト２９及び３０からなる連結手段２８によつ
て一方の成形壁部分が他方に引張られており、ボ
ルト３１及びナツト３２によつて互いに連結結合
されている。

渦巻き状成形壁１６、吸込み口成形壁１７及び
吸込みケース部成形壁１８は、総て上記の連結機
構によつて組み立てられている。

成形壁部分２２〜２７のコンクリート３３から
突出している補強部材１４は、コンクリート基礎
２のコンクリート１３用の補強部材１５に連結さ
れている。成形壁の仕切りの位置は、水平及び垂
直の両面において任意である。従つて、上記の仕
切りは、添附の図面と異なることもありうる。

次に、上述の如き構成のポンプわく３を製造す
る方法に付き述べる。

まず、互いに密接に結合する薄壁の補強コンク
リート製の成形壁部分２２，２３（渦巻き状成形
壁１６を構成する部分）を工場において成形型に
て予め成形しておき、これらの成形壁部分２２，
２３をポンプ配置場１に道路輸送する。そして、
ポンプ配置場１において、成形壁部分２２，２３
を組立てて渦巻き成形壁１６を予め単独で成形す
る。なお、吸込み口６及び吸込みケース部５も同
様に単独で形成されることが好ましい。

流体が通る空間を形作り、破損したケース部材
の代りをする成形壁部分を最初に組立て成形して
所定位置に設置する。次いで、渦巻き成形壁１６
の補強部材１４と、コンクリート基礎２のコンク
リート１３の基礎２の補強部材１５との連結を確
実に行つた後に、直ちに、成形壁部分２２，２
３、２４，２５、２６，２７から成る渦巻き成形
壁１６、吸込み口成形壁１７及びケース部成形壁
１８の周囲にコンクリートを注入成形することに
よつてコンクリート基礎２を形成し、これらの成
形壁１６，１７，１８をコンクリート基礎２のコ
ンクリート１３中に埋設する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す２個のポンプ
わくを有するポンプ配置場の縦断面図、第２図は
第１図のポンプ配置場の横断面図、第３図は第１
図のポンプ及びポンプわくの要部拡大縦断面図、
第４図は第１図のポンプわくの渦巻き状成形壁の
一部切欠き斜視図、第５図は第１図のポンプわく
の渦巻き状成形壁の一部切欠斜視図、第６図は第
１図のポンプわくの吸込み口成形壁の一部切欠き
斜視図、第７図は第４図の矢印の方向における
成形壁部分を相互に連結する連結手段の拡大図、
第８図は第１図のポンプわくの吸込みケース部成
形壁の斜視図である。 １…ポンプ配置場、２…コンクリート基礎、３
…ポンプわく、４…ポンプ、５…吸込みケース
部、６…吸込み口、７…渦巻き部、８…放水路、
９…回転羽根車、１０…ベアリング、１１…駆動
歯車、１２…モータ、１３…コンクリート、１
４，１５…補強部材、１６…渦巻き状成形壁、１
７…吸込み口成形壁、１８…吸込みケース成形
壁、１９…突縁、２０…金属製部材、２１…放水
口、２２，２３，２４，２５，２６，２７…成形
壁部分、２８…連結手段、２９，３０…ブラケツ
ト、３１…ボルト、３２…ナツト、３３…成形壁
部分のコンクリート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ポンプ配置場１のコンクリート基礎２中に配
   設されるコンクリート製の吸込みケース部５、吸
   込み口６及び渦巻き部７をそれぞれ有するポンプ
   わく３において、互いに連結される複数の補強コ
   ンクリート製の成形壁部分から成る組立て式の薄
   壁の渦巻き状成形壁１６にて前記渦巻き部７を構
   成し、前記成形壁１６をコンクリート基礎２のコ
   ンクリート１３中に埋設したことを特徴とするポ
   ンプわく３。 ２ 補強コンクリート製の組立て式の薄壁の吸込
   み口成形壁１７を具備し、前記成形壁１７がコン
   クリート基礎２のコンクリート１３中に埋設され
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載
   のポンプわく３。 ３ 補強コンクリート製の組立て式の薄壁の吸込
   みケース成形壁１８を具備し、前記成形壁１８が
   コンクリート基礎２のコンクリート１３中に埋設
   させることを特徴とする特許請求の範囲第１項又
   は第２項に記載のポンプわく３。 ４ ポンプ配置場１のコンクリート基礎２内に配
   設される前記ポンプわく３の渦巻き状成形壁１
   ６、吸込み口成形壁１７及び吸込みケース部成形
   壁１８が、連結手段にて互いに連結される一対の
   成形壁部分２２と２３、２４と２５、２６と２７
   によりそれぞれ構成されることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項、第２項又は第３項の何れか１
   項に記載のポンプわく３。 ５ 前記成形壁１６，１７，１８を組立てて配置
   した後に注入されるべき基礎２のコンクリート１
   ３の圧力に十分耐えられるように前記成形壁部分
   ２２〜２７の壁の厚さを制限するようにしたこと
   を特徴とする特許請求の範囲第４項に記載のポン
   プわく３。 ６ 前記成形壁１６の底面が平坦で、かつ、その
   側面が垂直であることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項に記載のポンプわく３。 ７ 吸込みケース部５、吸込み口６及び渦巻き部
   ７がポンプ配置場１のコンクリート基礎２中に配
   設されて成るポンプわく３の製造方法において、 (a) 互いに密接に結合する薄壁の補強コンクリー
   ト製の渦巻き状成形壁１６の成形壁部分２２，
   ２３を１個又はそれ以上予め成形する工程、 (b) 前記成形壁部分２２，２３を組立てて渦巻き
   成形壁１６を構成し、前記成形壁１６を所定位
   置に配置する工程、 (c) 前記渦巻き成形壁１６の補強部材１４と、後
   続してポンプ配置場１のコンクリート基礎２に
   注入されるコンクリート１３の補強部材１５と
   を互いに連結する工程、 (d) 組立てられた、前記渦巻き成形壁１６を囲み
   込むように基礎用コンクリート１３を注入して
   固化させる工程、 から成ることを特徴とするポンプわく３の製造方
   法。 ８ (a) 互いに密接に結合する薄壁の補強コンク
   リート製の吸込み口６の成形壁部分２４，２５
   を一個又はそれ以上予め成形する工程、 (b)前記成形壁部分２４，２５を所定位置に設配置
   すると共にそれらを組立てて吸込み口成形壁１
   ７を構成する工程、 (c) 前記吸込み口成形壁１７の補強部材１４と、
   後続してポンプ配置場１のコンクリート基礎２
   に注入されるコンクリート１３の補強部材１５
   とを互いに連結する工程、 から成る追加工程を有することを特徴とする特許
   請求の範囲第７項に記載のポンプわくの製造方
   法。 ９ (a) 互いに密接に結合する薄壁の補強コンク
   リート製の吸込みケース部５の成形壁部分２
   ６，２７を一個又はそれ以上予め成形する工
   程、 (b) 前記成形壁部分２６，２７を所定位置に設置
   すると共にそれらを組立てて吸込みケース部成
   形壁１８を構成する工程、 (c) 前記吸込みケース部成形壁１８の補強部材１
   ４と、後続してポンプ配置場１のコンクリート
   基礎２に注入されるコンクリート１３の補強部
   材１５とを互いに連結する工程、 から成る追加工程を有することを特徴とする特許
   請求の範囲第７項に記載のポンプわくの製造方
   法。