JPH0242813B2 - - Google Patents

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JPH0242813B2
JPH0242813B2 JP57021354A JP2135482A JPH0242813B2 JP H0242813 B2 JPH0242813 B2 JP H0242813B2 JP 57021354 A JP57021354 A JP 57021354A JP 2135482 A JP2135482 A JP 2135482A JP H0242813 B2 JPH0242813 B2 JP H0242813B2
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treatment
tumor
gallium chloride
diameter
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K33/00Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K33/00Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
    • A61K33/24Heavy metals; Compounds thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は悪性腫瘍の治療薬剤として式GaCl3
示される塩化ガリウムを使用することに関する。
マグネシウムが腫瘍の生育に必要であることは
公知であり、またマグネシウムの濃度が悪性腫瘍
中で高いことも公知である。したがつて、腫瘍の
生育を遅らせるために、マグネシウムと競合し、
かつその競合を悪性細胞中でその細胞の機能を発
現させることなく生起させるような阻害剤が必要
とされている。ガリウムがマグネシウムを細胞か
ら追い出すことができることはすでに観察されて
いる。(Anghileri L.J.,Strahlen therapie
1973,146,359−366)。ガリウム塩が動物の体内
で抗腫瘍活性を有するであろうことも報告されて
いる。しかし、このような活性はその後再び見い
出されることはなかつたし、また人間に対する治
療法において硝酸ガリウムを使用する臨床試験は
大した効果も観察されなかつたし、かつ生成物の
過度の腎臓毒性のために続行されなかつた。
本発明により、人間に対する悪性腫瘍の治療に
おいて、塩化ガリウムが大した障害もなく良好な
効果を奏して使用できることが見い出された。
塩化ガリウムの抗腫瘍効能はまず最初に、乳房
の自然発生的な悪性腫瘍を有する雌犬について研
究された。塩化ガリウムによる治療は乳癌(管状
−柱状腺癌または混合腫瘍)を有する雌犬に対し
て行なわれた。治療は最初の腫瘍の段階(4頭の
雌犬)、または外科的な切除後に再発した段階
(10頭の雌犬)で始められた。
塩化ガリウムは活性生成物1mg/mlまたは10
mg/mlを含有する飲用アンプルの形で最初の雌犬
に対して1mg/Kgの用量で投与された。この用量
は、耐容性が特に消化(分解)性の見地から良好
であることが判つた後直ちに5mg/Kgに急速に増
加せしめられた。なお、治療期間は2ケ月であつ
た。
結果は次のとおりであつた。
(1) 最初の腫瘍段階で治療された4頭の雌犬にお
いて、次のことが観察された。
・ 1つの症例において7日目に4頭死滅 ・ 別の3つの症例において腫瘍の退縮 2つの症例に対して治療は2ケ月間続けられ、
腫瘍は一方の症例においては10×7cmから8.5×
7cmに減縮し、他方の症例において1.5×1.3cmか
ら1.5×1.0cmに減縮した。
第3の症例において、14歳の非常に年老いた雌
犬に対して6ケ月以上の治療が続けられた。2ケ
月間は薬量は5mg/Kgであり、次いで治療は呼吸
困難のために1ケ月間停止され、次の3ケ月半は
薬量2.5mg/Kgで再開され、次の月は1mg/Kgに
減少させた。治療に先だつ4ケ月間に大きさが2
倍になり3.6×2cmに達した腫瘍は最初の2ケ月
間の治療では進行せず、治療しない月の間に増大
し、そして治療再開後に退縮し(3×2cm)、非
常に硬くなつた。
(2) 再発段階で治療された10頭の雌犬において次
のことが観察された。
・ 肺への転位により治療の第3週目に1頭死
滅 ・ 治療の2ケ月後に3頭完全に治瘉(鎮静
化)、これらの雌犬は治療の初期段階では直
径0.6cmより小さい再発腫瘍を有していた。
・ 5頭の雌犬においては、治療の3ケ月後に
硬化した腫瘍の部分的な退縮が観察された。
治療の終期に行なわれた生検は腫瘍細胞が存
続していることを示していたが、しかし組織
学的な考察では細胞の消耗を伴う塊状の間質
物質の増加が示唆された。
・ 塩化ガリウム1mg/Kgで1ケ月間治療され
た1頭の雌犬において腫瘍の持続的な生育が
観察された。薬量は次の15日間2.5mg/Kgに
増加され、ついで最後の15日間5mg/Kgに増
加された。
塩化ガリウムによる治療の効能は治療の数ケ月
後に早くも現われ得る。これは、最初に非常に進
行していた乳癌に冒されている2頭の雌犬を治療
している間に観察されたものである(前記の進行
度合はこれらの2頭の雌犬にとつて3回目の再発
であり通常は2,3週間後に非常に速く死に至る
程度のものであつた)。
第1の雌犬の所見(CUD……) ・ 塩化ガリウムの投与量(経口):1981年4月
15日から同年9月14日までは7.5mg/Kg、次い
で10mg/Kg、 ・ この第3回目の再発の組織学的考察:腺癌
(穿刺生検により診断) ・ 腫瘍の大きさ:直径5.0(1981,4.15) 直径5.5×8.5cm(1981,5.26) 直径5.5×8.5cm(1981,6.25) 直径6.5×9.5cm(1981,9.14) 直径9.5×10cm(1981,10.14) 次に1981年12月28日までは腫瘍の安定化がみら
れたが、犬が肺の急性水腫および全体の心不全を
伴う心筋梗塞で突然死亡した(それ以前の日々は
良好な全身(一般)状態を示していた)。
・ 剖検:肝臓または肺への転位なし、脾臓中に
1cmの小さな小結節(細胞小集合体)あり。
・ 臨床上および腎臓の耐容性:完全 第2の雌犬の所見(BEL…) ・ 塩化ガリウムの投与量(経口):1981年2月
27日から同年4月30日までは2.5mg/Kg、次い
で1981年11月3日まで5mg/Kg、次いで7mg/
Kg ・ 組織学的考察(第1の雌犬OUD……に対す
るものと同様) ・ 腫瘍の大きさ:直径1.2cm(1981,2.27) 直径1.8cm(1981,4.1) 直径2.3cm(1981,4.30) 直径3.0×2.5cm(1981,5.25) 直径4.8×3.5cm(1981,7.2) 直径5.2・4.2cm(1981,7.30) 直径6.0×4.5cm(1981,9.1) 次いで腫瘍の生育はその硬さに明らかな変化を
伴つてはつきりと遅くなつた。
それにもかかわらず腫瘍は次のとおり発育しつ
づけた。
直径6×4.5cm(1981,10.4) 直径7×5.5cm(1981,11.3) 直径8×6.0cm(1981,12.3) 直径8×6.0cm(1982,1.6)この日に、1981年
11月3日以来実質的に大きくなつていなかつたこ
の腫瘍の外科的切除が行なわれた。
切除された断片の所見:実質的に腫瘍全体を占
めているかなりの壊死が所見された。
・ 臨床的および腎臓の耐容性:完全。1982年1
月5日の肺のラジオグラフ:正常。
したがつて、5mg/Kgの用量での塩化ガリウム
は雌犬の乳癌の治療に良好な結果をもたらした、
ただし、治療期間が延長されることを条件とし
た。臨床的および生物学的な耐容性は非常にすぐ
れている。腫瘍の退縮はほんのわずかに留まり、
むしろ切除したときには非常に硬く石のようにな
つた腫瘍の退縮のように思われた。この段階での
外科的処置が望ましいようである。この治療方法
により、雌犬8頭のうちの7頭が生き残り、生存
期間もかなり長い。
塩化ガリウムの急性毒性はマウスについて考察
された:LD50(経口)は10.1mmol/Kg(または
1790mg/Kg)であり、P=0.05に対して8.2〜
12.5mmol/Kg(または1450〜2209mg/Kg)の標
準範囲を有する。
雌犬の乳癌がすぐれた実験モデルを構成し、か
つその結果が人間においても再現されるので、臨
床実験が進行した癌に冒されている患者に対して
行なわれた。
第1の患者 B……(既婚女性、35歳)は1978年10月に、卵
巣の左右の嚢腫癌に対する左右の卵巣剔除術およ
び部分的な子宮切除術を受けた。次いで術後の化
学療法(5−フルオロ−ウラシルおよびエンドキ
サン)が1979年4月まで行なわれた、その時に彼
女は残存する子宮頚管の切除および大網切除術を
伴う第2の手術を受けた。大網膜および結節腫
(ガングリオン)の侵入が見い出された。次いで
コバルト照射による治療が1979年11月5日から
1980年2月5日まで、腹部、骨盤および横隔膜頂
について行なわれ、次にさらに1980年10月から化
学療法(ヘキサメチルメラミン)が行なわれた。
1980年10月に大形の水腫が左脚の全体に亘つて現
われ、1980年10月27日に行なつたエコトモグラフ
(echotomograph)ではダグラス(Douglas)嚢
に3.5cmのかたまりがみられた。このかたまりは
不均質で、左の側方嚢に拡がつていた。それはこ
のレベルでは壁に浸潤しているようであり、4.4
×3cmの大きさであつた。潅流しようとするいか
なる試みも静脈切断のためにすべて失敗に終つ
た。塩化ガリウムによる治療は1980年11月1日に
300mg/日の投与量(経口)で1日3回100mgの用
量で始められた。治療を2ケ月中断した後、臨床
的および生物学的な耐容性は良好であることが所
見された。1980年12月9日に行なつたエコトモグ
ラフは、ダグラス嚢のかたまりが不均質であり、
かつ同一の直径を保持しているが、しかし表面の
かたまりはその輪廓が非常にはつきりしないため
もはや測定できないことを示しており、また特に
膀胱切開面は非常に密であるように思われ、かつ
浸潤組織が硬化組織になつたことを示す後方が細
くなつた円錐形を呈していた。第3のエコトモグ
ラフは1981年1月7日に行なわれた。ダグラス嚢
のたたまりの容積は明らかに縮少し、かつ卵形に
なつた。1981年1月末には臨床状態は極めて満足
のいくものであり、1980年10月にはつきりと触診
できた表面のかたまりは消失し、その結果外科手
術を企図することができた。しかしながら、これ
は患者に拒絶された。1981年3月20日、左側およ
び上腹部の痛みが左側の結腸の拡張を伴つて突然
発生した。塩化ガリウムによる治療は消化不良の
ために中断されてしまつた。日が経つにつれて準
閉塞性の状態が樹立され、次いでしばらくの間改
善された後、いくつかの準閉塞性の状態が生じ、
そして脱水症が現われた。外科医によれば、手術
の可能性はなかつた。健康状態は非常に速く悪く
なり、1981年5月6日に死亡した。
第2の患者 DUP……Jean氏(50歳)は左のわきの下の部
位にできた3×2cmの皮膚腫瘍のために1980年3
月以来看病されていた。1980年4月に行なわれた
外科手術によつて、これが真皮および下皮を冒し
ている大きな癌(腫)であることが伴つた。主要
な病巣部位を見つけるための完全な検査が試みら
れた。この検査のネガテイブな結果にかんがみ
て、皮膚付随物を傷つけて進行した皮膚の主要な
腫瘍(エクリン腫瘍)の診断がなされた。
同時に行なわれた拡充した検査によつて、肝臓
にも肺にも転位していないことが判つた。骨のラ
ジオグラフによつて、第12番目の背面脊椎骨D12
の上部板の陥凹が示され、この陥凹はこの位置で
の炎症タイプの痛みがあつたのでなおさら転位性
であると考えられた。30Y線の照射は1980年5月
5日〜20日の期間ではD9〜C4から成つていた。
この照射は、激しい背中の痛みが現われる前およ
びD6の板(プレート)の降下前に1980年7月31
日から同年8月4日にかけて3つの期間に16.5Y
線によつてD1〜D7で行なわれた。
進行状態は1980年7月末に4×3cmの左のわき
の下のリンパ腺症の発見によつて特徴づけられ、
その転位性は外科的な切除によつて確認された。
これは比較的分化した、かつ分泌した腺癌の転位
した大きな塊りから成る結節腫(ガングリオン)
であつた。アドリアマイシン(Adriamycine)
(day1に50mg)、5−フルオロ−ウラシル(day2
およびday3に900mg)およびエンドキサン
(Endoxan)(day4に900mg)を組み合わせた化学
療法による治療をこの患者(アルコール中毒であ
つた)に対して行なつたが、汎血球減少症が数ケ
月間持続し、この治療を再開することを妨げた。
1981年4月に、連続した背骨の痛みが日毎に再
び起こり、この痛みは休息によつては軽減され
ず、骨のスキヤナー上の、D7位置での転位およ
びこの位置でのはつきりした過敏な病巣を呼びお
こすようなイメージを有していた。その結果、さ
らに1981年5月4日から12日にかけてD1〜D7
15Y線の照射を行なつた。
1981年5月に、新たに左のわきの下のリンパ腺
症が所見され、これは球状で直径3cmの大きさで
あつた。塩化ガリウムによる治療は1981年5月20
日に経口投与によつて始められ、1981年6月15日
までは500mg/日、次いで6月15日から8月18日
までは300mg/日、次に1981年12月18日までは600
mg/日、そして最後に600mgおよび300mgを交互に
投与した。
塩化ガリウムによる治療の効果は1981年7月末
からのリンパ腺症の漸進的な退縮によつて示され
た。1981年7月23日、リンパ腺症はより硬くなつ
た。1981年11月12日には大きさが1×1.5cmあり、
次いで1981年12月8日には直径1cmとなり、さら
に1982年1月6日にはもはや認知できない程であ
つた。1982年1月6日には、塩化ガリウムによる
治療はなお続けられ、かついかなる消化不良また
は神経学的な、心臓または皮膚の影響もなく完全
な良好な耐容性を示した。
全身(一般)状態は正常な食欲を示し、体重も
治療の開始以来71Kgで変化せず良好であつた。背
骨の痛みは−物理的なタイプではあるが−持続
し、休息によつて完全に静まり、脊椎骨の一般的
な脱塩を伴うことから、おそらく放射線療法に対
する後遺症であろう。
生物学的所見: ・ 炎症性バランス(ハプトグロビン)は正常で
あつた。
・ クレアチニンは正常であつた(88.50μmol/
)。
・ 血球細胞計算値、肝臓バランス、高カルシウ
ム血症、リン酸塩血症は正常であつた。
・ 球状のMgの割合に関しては、塩化ガリウム
による治療前は2.80〜3.20mmol/であり、
治療期間中は2.40〜2.80mmol/であり、こ
のことは治療の有効性を示すものであつた。球
状のMgの割合を調べることの重要性は次の2
つの所見(第3および第4の患者)によつてさ
らにはつきりと示された。
第3の患者 MOR……Roger氏(73歳)は1981年4月に左
の下肢の悪性黒色腫の外科的切除を受けた。これ
は1.2×1cmの小さなこぶ状の黒色腫(CLARK
)であり、3mmより大きいBRESLOWおよび
有糸分裂指数を有していた。隣接して1.2×0.9cm
の形成物および同じ下肢に3ケ所の皮膚転位が所
見された。最後に、大きな塊りから成る同側性
(homolateral)の結節腫(ガングリオン)の侵
入があつたが、コントロラテラル
(controlateral)な侵入はなかつた。肺および肝
臓の転位が明らかにされたが、予後は非常に具合
が悪かつた。
塩化ガリウムによる治療は1981年5月15日に始
められ、1981年9月20日までは600mg/24時間の
薬量で、ミニ用量のヘパリンによる治療は、1981
年4月の外科手術に続いて起こる静脈炎または肺
の塞栓症を防止するために処方され、そして腫瘍
が突発する現象を誘発させないために中断され
た。〔カルシパリン(ヘパリンのカルシウム塩)
0.2ml、皮下経路により3回/日投与〕。この日ま
では一般的な状態は良好な食欲を伴つて満足のい
くものであり、体重も70Kgに安定していた。小球
体から成るMgの割合は著しく安定であり、2.05
〜2.30mmol/の範囲であつた。1981年9月20
日に、カルシパリン(Calciparin)による補助的
な治療は、左の大腿部にできた皮下の転位性の小
さなこぶを外科的に切除するために3日間中断さ
れた。多くの場合に、たとえ短時間でも48〜72時
間のオーダーでカルシパリンの中断が行なわれた
ので、いかなる治療にも反応しない急速な腫瘍の
生育が中断後非常に速やかに続行された。これは
MOR……Roger氏の場合であり、その一般的な
状態は急速に悪くなり、1981年9月29日から塩化
ガリウムの薬量を800mg/24時間に増加したにも
かかわらず、その大きさが急速に増加した転位性
の肝臓肥大の外観を呈していた。この薬量は1981
年11月27日まで許容されたが、しかしこの日から
ほぼ完全な食欲不振に陥り、治療を停止せざるを
得なかつた。1981年11月27日までは、腎臓の機能
および血球細胞計算値は正常のままであつた。
1981年9月20日からは−その日はヘパリンによる
治療が停止されたときであつたが−小球体から成
るマグネシウムの割合が明らかに増加したことが
所見された(1981年10月6日に2.96mmol/に
達した)。
第4の患者 HOT……Roland氏(62歳)は結腸の腺癌のた
めに1981年5月14日に手術された。これは直角の
腫瘍であり、ほとんど周辺部に潰瘍を起こし、か
つ浸潤しており、4cmを越える高さにまで拡大し
ており、結腸壁の全面に達しており、右上部の結
腸肉茎(過剰の膜嚢を有する)の結節腫(ガング
リオン)、横行結腸間膜の2つの結節腫、下行ネ
ソ結腸の脂肪性組織内の腫瘍結節、および末端の
小腸の侵襲を有する脂肪性組織中に拡散してい
た。ほとんど全体の結腸切除が行なわれ、20cmの
S状結腸が分離され、かつ15cmの長さを越える小
腸の摘出術が行なわれた。手術の余病は満足のい
くものであり、塩化ガリウムによる治療は経口投
与で1981年5月29日に始められ、1981年7月1日
までは500mg/24時間の薬量、次いで300mg/24時
間で続けられた。4ケ月間は全身(一般)状態は
非常に満足のいくものであり、小球状Mgおよび
胎生期癌抗原の割合は正常のままであつた。1981
年10月15日に、腹部の痛みが感じられ、しだいに
亢進し、小球状マグネシウムの割合は
3.00mmol/に増加し、かつ胎生期癌抗原の割
合は9ng/ml(次いで1981年11月26日には97ng/
ml)に増加した。診査開腹術が1981年11月12日に
行なわれ、離断(解剖)できない回結腸間膜の組
織塊および肝臓の2つの葉の全体に亘つて米粒様
に分布した肝臓肉芽が見い出された。次いで全身
状態が悪くなり、黄疸が現われ、1982年1月7日
に死亡した。この患者について1981年11月10日ま
で続けられた塩化ガリウムによる治療は300mg/
日の薬量では再発を防止するには不十分であつ
た。耐容性は臨床上および生物学的に完全であり
(特に腎臓障害もなく)、かつ臨床状態、胎生期癌
抗原および小球状マグネシウムの割合の間の相関
を強めることができた。
第5の患者 DRU……Michel氏(68歳):食道の分化した、
成熟した、かつ浸潤している類表皮癌の診断が
1981年9月3日になされた。これは大きな腫瘍で
あり、歯弓から23〜32cm拡がつており(内視鏡検
査法からのデータによる)、左の第1気管支の起
始部の背面および気管分岐櫛に侵入していた。
1981年9月8日の気管支鏡検査法において、気管
支の光を2/3だけ遮断している壊死の腫瘍があつ
た。
塩化ガリウムによる治療は1981年9月21日に
800mg/24時間の薬量で経口投与により始められ
た。
さらに気管支鏡検査法は1981年10月13日に行な
われ、同様の気管支内遮断が示された。下部の気
管支のかなりの静止状態および毎晩のデイスプノ
イツク(dispnoeic)な侵襲が存在したことによ
つて、この気管支の腫瘍の治療が1981年10月20日
にレーザー(光メーザー)を用いて行なわれた。
この治療につづいて、えん下(のみこみ)障害が
示され、かつ気管支内の瘻(ろう)が胃蠕動描写
器への通過によつて示された。経口による食物供
給が停止され、同様に塩化ガリウムによる治療も
停止され、そして非経口的食物供給の後、天青石
(SrSO4)の補綴(てつ)が1981年11月3日に内
視鏡経路によつて置かれた。該補綴を置いたこと
による余病は感染性の気管支症候群が現われるこ
とによつて示され、これによつてその患者は1981
年11月18日に死亡した。塩化ガリウムによる治療
は1ケ月間単に正確に続けられたが、800mg/24
時間の薬量での上記全期間における該治療は腎臓
障害も肝臓障害も、かつまた血球細胞計算値にお
ける障害もなく、臨床的および生物学的観点のい
ずれから見ても完全に申し分なく許容されたので
ある。
図1,2および3は、3人の患者、即ちMrs.
BID……Marie−Frarcoise(第1の患者)、Mr.
MOR……Roger(第3の患者)およびMr.HOT…
…Roland(第4の患者)のそれぞれの塩化ガリウ
ムによる治療中の関数としての小球状Mg(1)およ
び液体状(プラズマ状)Mg(2)の曲線を示すもの
である。
これらの曲線は、小球状マグネシウムの割合が
塩化ガリウムによる治療の影響下に該治療が所期
の効果を生じるときに降下することを示してい
る。それらの曲線は、腫瘍反応の進行再開の結
果、とくに治療の停止の場合に再び上昇する。
小球状Mgの割合につづいて、投薬量の判定が
しばしば、かつ繰り返し(1週間に約1回)行な
われなければならない。事実、正弦波の形で変化
する外観を呈する曲線を有する小球状Mgの割合
の周期的な変動が存在し、そしてこれらの周期の
期間は−小球状Mgの割合の重要性と同様に−悪
性腫瘍の進行ポテンシヤル(可能性)の関数であ
る(P.COLLERYら“癌の発育におけるマグネシ
ウムの役割”、Trace Substances in
Environmental Hcalth,XII,1978−A
Symposium−University of Missouri−
Columbia)。この曲線の形は、上に示したよう
に、塩化ガリウムによる抗腫瘍治療によつて部分
修正される。
したがつて、塩化ガリウムは悪性腫瘍、特に生
殖器管の悪性腫瘍の治療に有用な薬剤を構成する
ことができる。該薬剤は経口投与により、場合に
応じて200mgから1gの範囲の用量で投薬され、
その治療は少なくとも2ケ月間続けられなければ
ならない。小球状マグネシウムの割合をチエツク
することは治療の有効性を判定し、かつ該治療の
終了日を決定するのに役立つことができる。上記
の活性成分はいかなる慣用の賦形薬とも組み合わ
せることができ、また経口投与に適したすべての
形状、特に塩化ガリウム100〜500mgを含有する飲
用アンプルの形に包装することができる。
活性成分100mgを含有させた10mlアンプルの組
成物は例として以下に示される。
塩化ガリウム 0.10g 1/5オレンジ濃縮物 1.875g マンダリンのエキス 0.125g メチルp−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム
0.00225g プロピルp−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム
0.00025g グラニユー糖 2g 蒸留水 全体が10mlになるのに十分な量
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は3人の患者の塩化ガリウムによる
治療中の時間の関数としての小球状Mg(1)および
プラズマ状Mg(2)の曲線を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 経口投与のための適当な医薬担体と組合わさ
    れている有効成分として式GaCl3の塩化ガリウム
    を含有してなる悪性腫瘍治療用医薬組成物。 2 塩化ガリウムを100〜500mgの単位用量で含有
    する特許請求の範囲第1項に記載の医薬組成物。 3 飲用アンプルの形態である特許請求の範囲第
    1項に記載の医薬組成物。
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