JPH0242780Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は水洗便器におけるボール面洗浄用の吐
水ノズルの取付け構造に関する。

（従来の技術） 本考案と対比される従来品は、便器本体のボー
ル面後部における取付口部に吐水ノズルの入水口
部を貫挿し、このボール面後部の背面側に突き出
た入水口部に金属製の導水管をカツプリング等の
接続手段により接続して取付けている構成のもの
である。

それにより、吐水ノズルと導水管の接続のため
のカツプリング等の取付け部品点数が多く且つ専
用工具を用いての組立て作業が煩雑である問題が
ある。

（本考案が解決しようとする問題点） 本考案が解決しようとする問題点は、導水管の
組込みおよび吐水ノズルの接続を圧入するワンタ
ツチ操作で取付けし得るようにし且つ部品点数を
吐水ノズルと導水管との最少部品数にして、製作
性および経済的効果に優れるようにすることであ
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案が叙上の問題点を解決するために講じた
手段は、便器本体のボール面後部における取付口
部にタンク側と連通状の柔軟弾性部材製導水管の
接続口部を、同接続口部先端における上記取付口
部を背面側からくぐり抜けてボール面側の口縁部
に係止する肉薄状係止鍔部と、同接続口部におけ
る上記取付口部の背面側の口縁部に係止する肉厚
状係止鍔部とによる挾持状態に挿着固定し、この
ボール面側に開口した接続口部に、係止鍔部間の
首部を取付口部面に圧接状にする突条部と、肉厚
状係止鍔部を口縁部に対して圧接係止状にする抜
け止めストツパーとを突設形成した吐水ノズルの
入水口部を圧入固定する構成としたことを特徴と
する。

（実施例および作用） 以下図面に基づいて本考案の実施の一例を詳細
に説明する。

図中Ａはタンク密結型の水洗便器であり、便器
本体１はタンク載乗面２の後縁部に垂下状の目隠
壁部３と、この目隠壁部３およびタンク載乗面２
およびボール面４後部の各壁部により囲繞形成さ
れた空間ａを有する形態に一体成型しており、タ
ンク載乗面２におけるタンクＢ側の出水口部B₁
の大径状取付口部５とボール面４後部における吐
水ノズル１２の小径状取付口部６とに亘り導水管
７を、その他端部側を大径状取付口部５から空間
ａに挿入して架装し、導水管７のボール面４側に
開口した接続口部１０に吐水ノズル１２の入水口
部１３を連通状に圧入して接続固定すると共にタ
ンク載乗面２側に開口している接続口８にタンク
Ｂ側の出水口部B₁が連通状に圧挿接続可能なよ
うにしている。

導水管７は柔軟弾性に富むたとえばゴム製で、
他端部の接続口部１０には小径状取付口部(6)６の
ボール面４側における口縁部６ａに係止する係止
鍔部１１を設けていると共に取付口部６と同径の
首部１０ａを径て、取付口部６における空間ａ側
の口縁部６ｂに係止する係止鍔部１５を設けてお
り、両係止鍔部１１，１５で小径状取付口部６を
前後から挾持状に係止して、同取付口部６に接続
口部１０の首部１０ａを接続固定している。この
係止鍔部１５は、取付口部６をくぐり抜け得るよ
うに傘状に絞り込み可能な肉薄状に形成している
係止鍔部１１に対して、取付口部６をくぐり抜け
不可能にすると共に後述せる吐水ノズル１２の入
水口部１３における抜け止めストツパー１６が係
止可能に径方向および管方向に肉厚状に形成して
いる。

導水管７の一端部側の接続口部８には大径状取
付口部５のタンク載乗面２側における口縁部５ａ
に係止する係止鍔部９を設けると共に取付口部５
と同径の首部８ａを経て、取付口部５における空
間ａ側の口縁部５ｂに係止する係止鍔部１４を設
けており、両係止鍔部９，１４で大径状取付口部
５を上下から挾持状に係止して、同取付口部５に
接続口部８の首部８ａを接続固定している。この
係止鍔部１４は、取付口部５をくぐり抜け不可能
に形成している係止鍔部９に対して、縮径するこ
とにより大径状取付口部５をくぐり抜け可能な鍔
高さ程度にすると共に他端部側をテーパー状にし
て取付口部５をくぐり抜け易すく形成している。

吐水ノズル１２は金属製又は合成樹脂製で、ボ
ール面４に向けて下方および左右側方に開口した
ノズル口１７と通じている後方の入水口部１３は
導水管７における接続口部１０にその係止鍔部１
５位置まで圧入着している。また入水口部１３は
首部１０ａ位置の外周面に突帯１８を周設してお
り、突帯１８により首部１０ａを取付口部６に圧
接せしめて、吐水ノズル１２の径方向の揺動を規
制している。さらに入水口部１３は係止鍔部１５
位置の外周面に抜け止めストツパー１６を周設し
ていて、同ストツパー１６により係止鍔部１５を
媒体として口縁部６ｂに圧接係止するようにし
て、吐水ノズル１２の抜け止めをしている。

また便器本体１はボール面４の下流側にトラツ
プを有する本水洗用、或いは便皿（図示せず）を
開閉可能に備えている図面に示すところの簡易水
洗用のものであり、プラスチツク製或いは陶製で
ある。さらに目隠壁部３の有無を選択した態様と
するも任意である。

これにより、柔軟弾性の導水管７を大径状取付
口部５側から空間ａに差込んで小径状取付口部６
とに亘り容易に架装組込みすることができ、そし
てタンク載乗面２側に開口している接続口部８に
タンクＢの出水口部B₁を圧挿するだけで、水洩
れなく接続し得るものである。

（考案の効果） したがつて本考案によれば次の利点がある。

取付口部に導水管の接続口部を圧入して、そ
の肉薄状係止鍔部をボール面側に引出すことに
より、同取付口部に接続口部を両係止鍔部によ
る挾持状態に接続固定することができると共に
この接続口部に対して吐水ノズルをその入水口
部を押込み操作するだけで容易に接続固定する
ことができる。

突条帯が首部を取付口部面に圧接させて径方
向の動きを牽制し、且つ抜け止めストツパーが
係止鍔部を取付口部の背面側に圧接状に係止さ
せて前後方向の動きを牽制していることによ
り、吐水ノズルの固定状態に遊びが全くなく、
取付け簡単でしかも堅牢な接続構造である。

吐水ノズルと導水管との接続状態も、導水管
が柔軟弾性部材製で実質的にパツキング機能を
も兼ねていることにより、水洩れの心配もなく
有用である。

吐水ノズルと導水管との二部品で済み、部品
点数少なくて、製作上の経済的効果に優れるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断側面図。
第２図は要部の部分拡大縦断側面図。第３図は便
器本体の取付口部に導水管の接続口部を接続する
状態を示す部分拡大縦断側面図。第４図は吐水ノ
ズルを導水管に接続せんとする状態を示す部分拡
大縦断側面図である。 図中、Ｂはタンク、B₁は出水口部、１は便器
本体、４はボール面、６は取付口部、６ａ，６ｂ
は口縁部、７は導水管、１０は接続口部、１０ａ
は首部、１１，１５は係止鍔部、１２は吐水ノズ
ル、１３は入水口部、１６は抜け止めストツパ
ー、１８は突条部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 便器本体のボール面後部における取付口部にタ
   ンク側と連通状の柔軟弾性部材製導水管の接続口
   部を、同接続口部先端における上記取付口部を背
   面側からくぐり抜けてボール面側の口縁部に係止
   する肉薄状係止鍔部と、同接続口部における上記
   取付口部の背面側の口縁部に係止する肉厚状係止
   鍔部とによる挾持状態に挿着固定し、このボール
   面側に開口した接続口部に、係止鍔部間の首部を
   取付口部面に圧接状にする突条部と、肉厚状係止
   鍔部を口縁部に対して圧接係止状にする抜け止め
   ストツパーとを突設形成した吐水ノズルの入水口
   部を圧入固定する水洗便器における吐水ノズルの
   取付構造。