JPH02420Y2 - - Google Patents

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JPH02420Y2
JPH02420Y2 JP3428885U JP3428885U JPH02420Y2 JP H02420 Y2 JPH02420 Y2 JP H02420Y2 JP 3428885 U JP3428885 U JP 3428885U JP 3428885 U JP3428885 U JP 3428885U JP H02420 Y2 JPH02420 Y2 JP H02420Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、アセトン製造装置に関し、さらに詳
しくはプロピレンを酸化してアセトンを合成する
装置に関するものである。
アセトンは主に溶媒として用いられる他、メチ
ルメタクリレート、メチルイソブチルケトン等の
主原料として使用されている。アセトンの製法は
ベンゼンおよびプロピレンを原料としてフエノー
ルと併産するクメン法とプロピレンの直接酸化に
より製造するワツカー法が主流となつており、国
内で年間約25万トンが製造されている。
ワツカー法は、水の存在下、塩化パラジウムに
より、プロピレンを直接酸化してアセトンを合成
し、還元されて生成した金属パラジウムを塩化第
2銅で酸化再生し、さらに塩化第2銅が還元され
て生成した塩化第1銅を、濃塩酸の存在下、酸素
酸化により再生する方法である。
第8図は、ワツカー法アセトン製造装置の概略
フローを示す図である。図において、原料のプロ
ピレン1は触媒と共に管式反応管19に供給さ
れ、温度90〜120℃、圧力7〜12atmでアセトン
が生成される。反応生成物は、触媒溶液と共に放
散塔20に供給され、アセトン留分がフラツシユ
蒸発される。触媒液はここで底部に取り出され、
高温のまま酸化管18に送入される。この際空気
2も同時に吹き込まれて、反応管19で生成され
た塩化第1銅の酸化が行なわれる。酸化を終わつ
た触媒は反応管19に入る前に触媒分離器27で
不活性ガスである窒素を分離する。
放散塔20を出たアセトンは粗アセトン塔21
にかけられ、次に脱ガス塔21に供給されプロピ
オンアルデヒド5を分離される。脱ガス塔22を
出たアセトンはアセトン精留塔12に入り、冷却
後製品となる。
(発明が解決しようとする問題点) 本ワツカー法においては、(1)濃塩酸を使用する
ため塩素化合物が多く副生され、プロピレンから
のアセトン収率は90〜94%と低く、反応工程も多
い、(2)塩化パラジウムを再生するために多量の塩
化第2銅を必要とする、(3)濃塩酸使用による高腐
食性等が問題点とされている。
本考案の目的は、上記した従来技術の欠点をな
くし、プロピレンを温和な条件下で酸化し、高収
率、低コストでアセトンを製造する装置を提供す
ることにある。
(問題点を解決するための手段) 要するに本考案は、酸素錯体を形成し得る金属
錯体触媒とプロピレンの酸化触媒からなる複合触
媒に酸素を吸収させて前記酸素錯体を含む触媒液
を調製する酸素吸収塔と、該酸素錯体を含む前記
複合触媒液中でプロピレンを酸化させる酸化反応
塔と、該酸化反応塔で生成した反応液から触媒液
を分離する触媒分離塔と、該触媒を分離した後の
反応液から未反応プロピレン、水以上の高沸点留
分と、プロピオンアルデヒド等の低沸点留分とを
順次分離、除去するアセトン精製装置と、前記複
合触媒液を酸素吸収塔へ再循環させる系統とを備
えたことを特徴とする。
(実施例) 以下、本考案を図面により詳細に説明する。
第1図は、本考案の一実施例を示すアセトン合
成装置のフローを示す図である。図において、装
置系統は、酸素錯体を形成する酸素吸収塔7と、
多段に設けられた酸化反応塔8と、生成物から触
媒液を分離する触媒分離塔9と、触媒液分離後の
生成物から未反応プロピレンその他の低沸点成分
を分離するプロピレン分離塔10と、水以上の高
沸点成分を分離する水分離塔11と、水分離塔1
1の塔頂物からアセトンとプロピオンアルデヒド
を分離するアセトン精製塔12とから主として構
成される。ここで触媒成分として、例えば酸素錯
体を形成し得る遷移金属錯体として、塩化第1銅
(CuCl)とリン酸の誘導体であるヘキサメチルホ
スホルアミド(以下、hmpaと記す)との錯体
CuCl・hmpaを、また、プロピレン(C3H6)の
酸化触媒としてPdCl2が使用される(特願昭59−
44469号および特願昭59−12144号)。
アセトン生成の原料であるプロピレン1は、酸
素吸収塔7で生成された酸素錯体触媒と共に酸化
反応塔8に供給される。ここでプロピレン1は触
媒液に溶解しPdCl2によつて酸化され、アセトン
(CH3COCH3)および副生成物となるプロピオン
アルデヒドが生成される。
C3H6+PdCl2+H2O →CH3COCH3+Pd+2HCl C3H6+PdCl2+H2O →CH3CH2CHO+Pd+2HCl ここで生成される金属パラジウムは触媒液中の
酸素錯体によつて次式のように還元される。
Pd+1/2(CuCl・hmpa)2O2+2HCl→PdCl2
CuCl・hmpa+H2O なお、酸素錯体は酸素吸収塔7において、触媒
に空気(または酸素)2を通気することにより生
成される。3は酸素吸収塔7の排気を示す。
CuCl・hmpa+1/2O2 →1/2(CuCl・hmpa)2O2 プロピレンの酸化反応は発熱反応であり、酸化
反応塔8においては触媒液の温度は上昇するが、
極度の温度上昇による触媒液の安定性、反応液の
蒸発を防ぐため、酸化反応塔8は多段に設置さ
れ、中間に冷却器13が設けられている。
触媒液は、このように多段に設けられた酸化反
応塔8、触媒分離塔9、および酸素吸収塔7を通
つて循環される。
一方、触媒分離塔9においては、アセトンおよ
び水を限界成分とし、沸点がアセトン以下の物質
(未反応プロピレン、プロピオンアルデヒド、ア
セトン)と沸点が水以上の物質(水および触媒)
が分離される。17は真空ポンプを示す。
次にプロピレン分離塔10においては、反応に
寄与しなかつた未反応プロピレンおよび他の低沸
点物質(プロピオンアルデヒドより低沸点の物
質)4が分離除去される。塔底物として得られる
アセトン、プロピオンアルデヒド、水および他の
高沸点物質は次に水分離塔11に導かれ、水およ
び水よりも高沸点物質28が塔底物として除去さ
れる。なお、図中、15は凝縮器、16は再沸器
である。
水分離塔11の塔頂物として得られるアセトン
およびプロピオンアルデヒドは、最後にアセトン
精製塔12に供給され、ここで両物質が分離さ
れ、塔頂からプロピオンアルデヒド5、塔底から
アセトン製品6が得られる。
次に、塔の圧力および温度条件について述べ
る。これらはプロセスの経済性を左右する大きな
因子である。
酸化反応塔8における温度、圧力と反応速度と
の関係を第2図に示す。反応速度は、プロピレン
の触媒への溶解度と溶解プロピレンの酸化反応速
度の両者の影響を受ける。すなわち、プロピレン
の溶解度は、温度が低いほど、圧力が高いほど、
高くなり、反応速度も速くなる。またプロピレン
の酸化反応速度は温度、圧力共に高いほど速くな
る。圧力に関しては高いほど反応速度は速くな
り、酸化反応塔8の容積を小さくすることができ
る。
次に触媒の安定性に及ぼす温度の影響を第3図
に示す。温度100℃以上で、触媒分解が顕著にな
る。このことは長時間の運転により、触媒が劣化
し、性能低下をまねくため、温度は100℃以下が
好ましいことがわかる。これは酸素反応塔7、触
媒分離塔9においても同様である。
第4図に温度、圧力とアセトン収率との関係を
示す。圧力10atm以下の場合、温度100℃以下
では収率はほとんど変化がなく、収率は約97%と
なる。
酸化反応塔8での圧力は、高いほど酸化反応塔
を小さくできることは前述のとおりであるが、一
方、周辺機器および塔自体のコストは逆に高くな
る。第5図に全体的な経済性を示す製造コスト
(原料コスト、ユーテイリテイコスト、設備コス
トの合計)と圧力との関係を示す。圧力は10atm
以下が有利となる。また副生成物の収率を低減す
るためにも圧力は低いほうが望ましい。一方、温
度は100℃に近い温度が最適であるが、局部的な
温度上昇等を考慮し、60〜100℃の範囲が好まし
い。
次に酸素吸収塔7における酸素吸収速度に及ぼ
す塔の圧力、温度の影響を第6図に示す。温度、
圧力共に高いほど酸素吸収速度は速くなり、塔の
容積を小さくすることが可能である。したがつて
温度は酸化反応塔8と同様の理由で60〜100℃と
することが望ましい。一方、酸素吸収塔における
圧力と製造コストの関係を第7図に示す。酸素源
として空気を用いる場合Aと酸素を用いる場合B
とで圧力の最適値は異なるが、両方共10atm以
下とすることが有利である。
触媒分離塔9においては温度は前述のごとく
100℃以下とすることが有利である。塔の温度は
再沸器16において塔底物の沸点となり、ここで
の温度が塔内で最も高くなるが、再沸器16の温
度を100℃以下にする目的で、圧力は大気圧以下、
すなわち減圧蒸留塔とすることが好ましい。真空
度は真空ポンプ17等の減圧設備により得ること
ができる。
なお、分離塔を減圧にする代わりに、蒸留塔に
不活性ガスを吹き込んで分圧を下げ、常圧付近の
圧力で蒸留塔を操作するようにしても同様の効果
が得られる。
(考案の効果) 本考案の実施により次の効果が得られる。
1 プロピレンからのアセトン収率を約97%と高
くすることができ、その分だけ原料量を低減で
きる。
2 設備コスト、ユーテイリテイコスト共に大幅
に低減することができる。例えば製造コストは
従来法(Wacker法)の80%以下とすることが
できる。
3 長時間の運転においても性能の劣化のほとん
どない装置を提供することができる。このため
触媒の補充量を大きく低減できる。
4 従来法(Wacker法)に比べて、触媒液の腐
食が非常に小さく、機器、配管等に低級の材料
を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案によるアセトン合成装置の説
明図、第2図は、プロピレンの酸化反応速度に及
ぼす温度と圧力の影響を示す図、第3図は、触媒
の分解度に及ぼす温度の影響を示す図、第4図
は、アセトンの収率に及ぼす温度および圧力の影
響を示す図、第5図は、製造コストに及ぼす酸化
反応塔の温度および圧力の影響を示す図、第6図
は、酸素吸収塔における酸素吸収速度に及ぼす温
度および圧力の影響を示す図、第7図は、製造コ
ストに及ぼす酸素吸収塔の温度および圧力の影響
を示す図、第8図は、Wacker法(従来法)によ
るアセトン合成装置の説明図である。 1……プロピレン、2……空気または酸素、4
……未反応プロピレン、5……プロピオンアルデ
ヒド、6……アセトン、7……酸素吸収塔、8…
…酸化反応塔、9……触媒分離塔、10……プロ
ピレン分離塔、11……水分離塔、12……アセ
トン精製塔、13……冷却器、14……熱交換
器、15……凝縮器、28……水および高沸点
物。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 酸素錯体を形成し得る金属錯体触媒とプロピ
    レンの酸化触媒からなる複合触媒に酸素を吸収
    させて前記酸素錯体を含む触媒液を調製する酸
    素吸収塔と、該酸素錯体を含む前記複合触媒液
    中でプロピレンを酸化させる酸化反応塔と、該
    酸化反応塔で生成した反応液から触媒液を分離
    する触媒分離塔と、該触媒を分離した後の反応
    液から未反応プロピレン、水以上の高沸点留分
    と、プロピオンアルデヒド等の低沸点留分とを
    順次分離、除去するアセトン精製装置と、前記
    複合触媒液を酸素吸収塔へ再循環させる系統と
    を備えたことを特徴とするアセトン製造装置。 (2) 特許請求の範囲第1項において、酸素吸収塔
    または/および酸化反応塔の温度を60〜100℃、
    圧力を10atm以下とし、触媒分離塔を減圧蒸留
    塔としたことを特徴とするアセトン製造装置。 (3) 特許請求の範囲第1項において、アセトン積
    製装置は、未反応プロピレン分離塔、水分離塔
    およびアセトン精製塔からなることを特徴とす
    るアセトン製造装置。
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