JPH0240716B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、細かく分割された固体燃料のガス化
に関する。

このガス化−部分燃焼としても知られている−
は、固体燃料と酸素含有ガスとの反応により行わ
れる。該燃料は有用な成分主に炭素及び水素を含
有し、酸素と−及び多分水蒸気及び二酸化炭素と
−反応して一酸化炭素及び水素を生成する。温度
に依り、メタンの生成もまた可能である。原則と
して、植物源及び動物源のすべての可能な固体物
質例えば石炭、褐炭、木材パルプ等が燃料として
適合する。該酸素含有ガスは、通常、空気又は酸
素又はその混合物である。

現存の石炭ガス化法においては、石炭粒子は、
1000℃未満の温度において、固定または流動化床
中で、反応器中の酸素含有ガスと接触させられ
る。石炭粒子の滞留時間は、比較的長い（確か
に、１分より長い）。該方法の欠点は、すべての
タイプの固体燃料が上記のようにしてガス化され
得るとは限らず、このことにより該方法の適応性
が制限される、ということである。例えば、高度
に膨潤する石炭は不適合であり、何故なら、該石
炭は、一緒に焼結しそして反応器を閉塞するから
である。いくつかの場合、該方法のメタンの高収
率は不利である。

それ故、これに代わる方法が開発され、この方
法では、細かく分割された固体燃料は、比較的高
速度で、バーナーを通じて反応器中に通され、そ
して該燃料は、1000℃を越える温度で、酸素含有
ガスと炎中で反応する。後者の方法において、反
応器中の燃料の滞留時間は比較的短い（通常、10
秒未満）。この方法により、すべてのタイプの固
体燃料をガス化することが可能である。メタンの
収率は低い。該方法に、高圧で行われ得る。

後者の方法において、燃料は、通常、キヤリヤ
ガス中で、バーナーを通じて反応器に通され、一
方、酸素含有ガスもまた、該バーナーを通じて該
反応器に通される。固体燃料は、たとえ細かく分
割されていても、液体又は気体の燃料よりも、通
常反応性が劣る（固体燃料は、バーナーにより噴
霧化され得ない）ので、燃料と酸素とが混合され
る態様に、大きな配慮が払われる。反応器中の混
合が不充分な場合、加熱不足の帯域が、加熱過剰
の帯域の隣に、反応器中で発生し、何故なら、燃
料の一部は充分な酸素を受け取らず、かつ燃料の
他の一部は余りにも多い酸素を受け取るからであ
る。その場合、燃料の一部は充分にガス化され
ず、他の一部は二酸化炭素及び水蒸気に完全に変
換される。反応器中の局部的に高い温度は、通常
反応器が具備している耐火性内張りを損傷させ
る、という欠点となる。

反応器中の温度を抑制するために、水蒸気を含
有する調整剤ガスが、しばしば反応器に供給され
る。該水蒸器は燃料の一部と反応して、水素及び
一酸化炭素を生成する。問題の反応は吸熱的であ
る。該調整剤ガスは、バーナーを通じて又は他の
方法で、反応器に供給され得る。

燃料と酸素含有ガスとの良好な混合を保証する
ために、該混合がバーナー中で又はバーナーの上
流で行われるようにすることが、すでに提案され
ている。そのため、固体燃料は、キヤリヤガスと
しての酸素によつてガス化反応器中に通される。
キヤリヤガスとして空気を用いることも可能であ
る。しかしながら、その大きな不利は、特にガス
化が高圧で行われる場合、該目的に適合する装置
の設計及び操作が非常に重要になるということで
ある。このことは、混合の瞬間と混合物が反応器
に入る瞬間との間の経過時間が、該混合物の燃焼
誘導時間よりも必然に短くなければならない、と
いうことである。この誘導時間は、ガス化圧が上
昇するとき実質的に低減する。この問題の観点
で、燃料はキヤリヤガス中で供給されること、キ
ヤリヤガスの燃料負荷は、キヤリヤガスが過度の
熱バラストを構成しないことを保証するため高く
なければならないこと、及び供給されるべき酸素
の量は供給される燃料の量に関連させること、し
かし、これらのすべての制限因子にも拘わらず、
反応器を変動可能な生産速度で操作すること、即
ち、燃料を交互に大量及び少量、１つの同じバー
ナーを通じて供給することが可能であるべきであ
ること、を心に留めるべきである。少量の燃料
（キヤリヤガス）を少量の酸素含有ガスと一緒に
供給する場合、バーナー中の速度は低く、その結
果上記誘導時間は達成され又は超過する、という
ことは明らかであろう。

米国特許第3847564号公報には、液体炭化水素
中に懸濁された固体燃料がバーナーを通じてガス
化反応器中に通され、しかもその際該燃料は酸素
含有ガス及び調整剤により取り囲まれているよう
にする、ことが提案されている。キヤリヤ液即ち
該液体炭化水素もガス化される。この提案は、キ
ヤリヤ液のガス化及び固体燃料の反応性と比べて
高いキヤリヤ液の反応性に因り、多量の熱がバー
ナー口の近くで発生する、という欠点がある。そ
れ故、該バーナー口には冷却剤室が設けられてお
り、しかし冷却剤が該冷却剤室を通される。この
ため、該バーナーの操作は複雑になる。

本発明の目的は、先行技術の方法の欠点を除去
し、そして燃料及び酸素含有ガスがバーナーの末
端近くでのみ混合される一方、強度の混合が、初
期段階において即ち燃料及び酸素含有ガスの反応
器中への流入時に、バーナー近くの反応器壁の加
熱過剰を起こすことなく達成される反応を提供す
ることである。

それ故、本発明は、調整剤ガスを用いて、細か
く分割された固体燃料を酸素含有ガスと部分燃焼
させることにより、水素及び一酸化炭素を含むガ
スを製造するに際し、上記の３つの成分をバーナ
ーを通じて空の反応器空間に別々に供給し、しか
も固体燃料はキヤリヤ中にてバーナーの中央に通
しかつ正確に軸モーメントでもつてバーナーを去
らしめ、酸素含有ガスは燃料流の回りに同心的に
かつ燃料流から離してバーナーに通しかつ軸方向
で内方に向かつた半径モーメントでもつてバーナ
ーを去らしめ、調整剤ガスは酸素含有ガスの回り
に同心的にかつ酸素含有ガスから離してバーナー
に通しかつ軸方向で内方に向かつた半径モーメン
トでもつてバーナーを去らしめ、しかもバーナー
の冷却が行われる、水素及び一酸化炭素を含むガ
スを製造する方法において、前記固体燃料が、キ
ヤリヤガス中に細かく分割されて導入されるこ
と、かつバーナー軸に垂直な前面を有する壁をバ
ーナーの前面部が具備し、該壁の前面が反応器空
間に隣接し、冷却剤として働く調整剤ガス用通路
が該壁の内側に沿つて設置されておりかつこの通
路はこの点において方向が変わつているバーナー
を用いることにより、上記のバーナーの冷却が達
成されること、を特徴とする方法に関する。

今や、調整剤ガスが、バーナーから流れる燃料
流及び酸素含有ガス流を取り囲みかつ調整剤ガス
及び酸素含有ガスがバーナーを去る速度及び方向
に関して許容度が作られるので、燃料と酸素含有
ガスとの効率的混合が保証され得る一方、バーナ
ー近くの反応器壁の満足な冷却が達成され得、何
故なら調整剤ガスがそれらと接触するからであ
る。

さらに、バーナーの直ぐそばで、反応器中の酸
素含有ガス流及び酸素含有ガス流を取り囲む調整
剤ガスの被覆体（jacket）が、反応器中に生成し
た一酸化炭素と水素との熱混合物が酸素含有ガス
流と時期尚早に混合されるようになることを防ぐ
（それによつて、かなりの程度の加熱過剰が、バ
ーナー口の近くで防がれる）。かくして、バーナ
ー口での熱い炎前線（flame front）の生成が防
がれる。

燃料含有ガスと酸素含有ガスとの良好な混合を
得るために、燃料含有キヤリヤガスが正確に軸モ
ーメントでもつてバーナーを去ること、及び酸素
含有ガスが軸モーメント及び内方に向かつた半径
モーメントでもつてバーナーを去ることを確実に
行う。このようにして、酸素含有ガスの流れは、
バーナーの外の燃料含有キヤリヤガスの流れに向
けられる。

本明細書において、ガス流の“モーメント”
は、質量処理量と速度（ｖ）との積を意味し、質
量処理量は、バーナーを去る１秒当りの関係流の
質量のKg数である。質量処理量は質量のKg／秒で
表され、そして速度はｍ／秒で表わされる。

酸素含有ガスの半径モーメントと燃料含有ガス
キヤリヤガスの軸モーメントとの比率が0.2ない
し1.0である場合、良好な混合が通常実際に得ら
れる。

本発明による方法はバーナーの前面部の壁がこ
の壁の前面において反応器空間に隣接しているバ
ーナーの使用を可能にし、該壁はバーナーの内側
で調整剤ガスにより冷却される。このようにし
て、バーナーの前面部の満足な保護が得られる。

調整剤ガスは、軸モーメント及び内方に向かつ
た半径モーメントでもつてバーナーを去る。その
結果、燃料含有ガス及び酸素含有ガスが時期尚早
段階で熱い一酸化炭素及び水素と混合されるよう
になつてバーナー近くの反応器壁と接触するよう
になることが防がれ、そのため局所的な加熱過剰
が防がれる。

本発明による方法は、ガス化反応器中に進出す
る２個又はそれ以上のバーナーによつても、無論
行われ得る。

本発明はまた、本発明の方法を実施するための
バーナーに関する。このようなバーナーは、燃料
含有キヤリヤガス用の中央通路、及び該中央通路
の回りの酸素含有ガス及び調整剤ガス用の同心通
路を有する。

該バーナーは、内方の前方の一点に向けられる
酸素含有ガス用の出口開口部、及び該開口部と主
に平行に走行する調整剤ガス用の１個又はそれ以
上の出口開口部を有する。

本発明によれば、該バーナーの前面部はバーナ
ー軸に垂直な前面を有する壁を具備し、該壁の内
側に沿つて調整剤ガス用通路が設置され、しかし
て該通路はこの点において方向を変える。このよ
うにして、バーナー前面の満足な冷却が得られ
る。

本発明を添付図面を引用して下記にさらに説明
する。

図面は、本発明の具体例によるバーナーの前面
部の軸方向横断概略図を示す。

バーナーは反応器壁１の開口部中に取り付けら
れており、しかして該バーナーは、概略的に示さ
れかつ外壁２及び内壁の二重壁３，４を包含す
る。外壁２及び外側の二重壁３の間に、調整剤ガ
スの通路用環状空間５が存在する。二重壁３及び
４の間に、酸素含有ガスの通路用環状空間６が存
在し、そして内側の二重壁４内に、細かく分割さ
れた固体燃料を有するキヤリヤガス用の軸方向通
路７が存在する。

通路７は、バーナー口内の空間８中に直接進出
する。二重壁３，４の前面部は、連結壁９により
連結されている。この壁において、多数の穴１０
が付与され、それらの中心線１１の円錐面中に位
置し、その頂点１２は、流れ１３の方向にみられ
る空間８中又は空間８の向こうに存在する。穴１
０は、空間６と空間８のとの間の連結を形成す
る。

外壁２の前面部は、バーナーの中心線１５に垂
直に向けられた前面１４を具備し、かつ連結壁９
の環状スロツト１７に緩く嵌合する内方に向けら
れた末端１６を有する。このようにして、空間５
は、前面１４の内側に沿つてバーナー前面部近く
に延び、そしてそれにも拘わらず、該空間５は、
穴１０に実質的に平行である方向において空間８
中に進出する。

操作中、バーナーは、調整剤ガスの被覆体によ
り取り囲まれた燃料と酸素との充分に混合された
流れを反応器中に射出し、しかしてバーナーの前
面部は調整剤ガスにより冷却される。

多数の変更が図示されたバーナーに関してなさ
れ得る、ということは明らかであろう。例えば、
穴１０の数は、変えられ得又は環状スリツトによ
り置換され得、環状のスロツト１７は、分離した
穴により置換され得る。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明の具体例によるバーナーの前面
部の軸方向横断面概略図である。 １……反応器壁、２……外壁、３，４……二重
壁、５，６……環状空間、７……軸方向通路、８
……空間、９……連結壁、１０……穴、１２……
頂点、１４……前面、１５……中心線、１６……
末端、１７……環状スロツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 調整剤ガスを用いて、細かく分割された固体
   燃料を酸素含有ガスと部分燃焼させることによ
   り、水素及び一酸化炭素を含むガスを製造するに
   際し、上記の３つの成分をバーナーを通じて空の
   反応器空間に別々に供給し、しかも固体燃料はキ
   ヤリヤ中にてバーナーの中央に通しかつ正確に軸
   モーメントでもつてバーナーを去らしめ、酸素含
   有ガスは燃料流の回りに同心的かつ燃料流から離
   してバーナーに通しかつ軸方向で内方に向かつた
   半径モーメントでもつてバーナーを去らしめ、調
   整剤ガスは酸素含有ガスの回りに同心的にかつ酸
   素含有ガスから離してバーナーに通しかつ軸方向
   で内方に向かつた半径モーメントでもつてバーナ
   ーを去らしめ、しかもバーナーの冷却が行われ
   る、水素及び一酸化炭素を含むガスを製造する方
   法において、 前記固体燃料が、キヤリヤガス中に細かく分割
   されて導入されること、かつ バーナー軸に垂直な前面を有する壁をバーナー
   の前面部が具備し、該壁の前面が反応器空間に隣
   接し、冷却剤として働く調整剤ガス用通路が該壁
   の内側に沿つて設置されておりかつこの通路はこ
   の点において方向が変わつているバーナーを用い
   ることにより、上記のバーナーの冷却が達成され
   ること、 を特徴とする方法。 ２ 調整剤ガスを用いて、細かく分割された固体
   燃料を酸素含有ガスと部分燃焼させることによ
   り、水素及び一酸化炭素を含むガスを製造するた
   めのバーナーであつて、該バーナーが、燃料含有
   キヤリヤ用の中央通路７及び該中央通路の回りの
   酸素含有ガス６用及び調整剤ガス５用の同心通路
   を有し、酸素含有ガス用出口開口部１０が内方の
   前方の一点に向けられ、そして調整剤ガス用の１
   個又はそれ以上の出口開口部１７が前者の開口部
   と主に平行に延びているバーナーにおいて、 前記バーナーは、バーナーの中心線１５に垂直
   な前面１４及び内方に向けられた末端１６を有す
   る壁２を具備しており、該末端は連結壁９の環状
   スロツトの形態の出口開口部１７に緩く嵌合して
   おり、調整剤ガス用のこの出口開口部１７は前記
   壁の内側に沿つて設置されていてこの出口開口部
   は前記前面が設置されている部分の前記壁を冷却
   するために方向が変わつており、空間５はバーナ
   ー前面部の近くで前記前面１４の内側に沿つて延
   びるがこの空間５は穴１０に実質的に平行である
   方向において空間８中に進出している、 ことを特徴とするバーナー。