JPH086102B2 - 噴流層ガス化装置 - Google Patents

噴流層ガス化装置

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JPH086102B2
JPH086102B2 JP1273418A JP27341889A JPH086102B2 JP H086102 B2 JPH086102 B2 JP H086102B2 JP 1273418 A JP1273418 A JP 1273418A JP 27341889 A JP27341889 A JP 27341889A JP H086102 B2 JPH086102 B2 JP H086102B2
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昭雄 植田
浩 石坂
成仁 高本
栄次 木田
俊太郎 小山
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バブコツク日立株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は石炭、コークス、石炭液化残渣等の炭素微粉
原料ガス化炉に係わり、特に安定して連続運転でき、信
頼性の高いバーナを有する炭素微粉原料ガス化装置に関
する。
[従来の技術] 従来、石炭ガス化炉には、固定層、流動層、噴流層等
を用いる方式が種々提案されている。これらの方式の中
で、噴流層を用いる石炭ガス化炉は炭素質の原料を微粉
にして酸素、空気等の酸化剤と共に炭素微粉原料の灰の
融点以上(1300〜1600℃)の温度の炉内に供給してガス
化させるため、他の方式に比較し、ガス化効率が高く、
適用炭種が広く、また公害性の副産物が少ない等の特徴
を有していることから、合成ガス、複合発電、燃料電池
等の燃料製造に適している。
噴流層方式のガス化炉としては、微粉炭またはチャー
(ガスと共に飛散するカーボン粒子)とガス化剤(酸
素、空気、スチーム等)を同じバーナより吹き込む一段
方式の装置と、前記のバーナに加えて、微粉炭またはチ
ャーだけを単独に吹き込むバーナを設置する二段方式の
装置がある。
また、石炭ガス化反応は大別すると以下の方式で表さ
れる。
石炭→チャー、H2,CO,CO2,CH4 ……(1) チャー+O2→CO2,CO,H2 ……(2) 石炭+O2→CO,CO2,H2 ……(3) (1)式の反応は熱分解反応であり、前記した二段方
式において、微粉炭だけを単独に吹き込むバーナによっ
て起こりやすい。(1)式と(2)式の反応を明らかに
区別して併発させる方式の代表例としては公知のごとく
米国のBI−GASプロセスがある。またバーナから石炭と
ガス化剤とを同時に供給し、意図的に(1)式と(2)
式とを区別しない(3)式の反応式によるプロセスがあ
り、代表例としてはTexacoプロセス、Shell−Koppersプ
ロセス等がある。また本発明者らは、例えば特願昭58−
47162号および特願昭58−50496号に示すように、炉内に
酸化剤の配分量の異なるバーナを二段にして、これらを
複数設置した二段方式のプロセスを提案している。第9
図に、その方法を示すが、微粉炭等の炭素微粉原料1お
よび炭素微粉原料搬送ガス6と酸化剤16を供給するバー
ナ17a,17bをガス化炉本体10のガス化室11の上段および
下段にそれぞれ設置し、酸化剤16を上段バーナ17aには
少なく、下段バーナ17bには多く投入するものである。
ここで、ホッパ2、3内に酸素が入らないようにするた
め、安全を考慮して一般には不活性ガスである窒素ある
いは炭酸ガスが原料搬送ガス6として用いられる。
微粉炭1はホッパ2、3、ロータリフイーダ4を経て
原料搬送ライン7に供給され、原料搬送ライン7の途中
で搬送ガス6と合流し、分配器8に供給される。微粉炭
1は分配器8により分流されバーナ17a,17bに供給され
る。断熱材13で囲まれたガス化炉10内で微粉炭1をガス
化し、生成ガス12は炉10の頂部から排出され、スラグ18
は炉10底部の冷却水15中に降下し、炉外へ排出される。
なお、石炭ガス化炉10の底部側壁にはスラグタップ19に
スラグが滞留しないように加熱用のスラグタップ加熱用
バーナ14を設けている。スラグタップ加熱用バーナ14に
は燃料20および酸化剤21が供給される。
酸化剤16を上述のごとく配分することによって、下段
バーナ17bでは特に、 石炭+O2→CO2+H2O ……(4) 上段バーナ17aでは特に、 チャー+CO2→2CO ……(5) チャー+H2O→H2+CO ……(6) の反応を起こりやすくするものである。本方法では、酸
化剤16を下段バーナ17bに多く配分し、スラグ18を流下
させる孔(スラグタップ)19の付近を高温にし、かつ上
段バーナ17aでは活性なチャーを生成させようとするも
のである。
また第10図及び11図に、ガス化炉に設置する従来のバ
ーナの一例を示す。第10図に示す例は、原料噴出ノズル
35の周りに冷却水32による冷却路を介して酸化剤噴出ノ
ズル36を設置したバーナ本体40からなるもので、バーナ
本体40の外で微粉原料31と酸化剤16とが混合されるた
め、外部混合型と呼ばれる型式のバーナである。第11図
に示すバーナは、原料噴出ノズル35に酸化剤噴出ノズル
33を設置したバーナ本体40からなるもので、バーナ本体
40の内部で微粉原料31と酸化剤16とを混合させてガス化
炉内に噴出させる内部混合型バーナである。いずれのプ
ロセスにおいても、ガス化に用いられるバーナは、
(1)式〜(6)式に示すような反応を速やかに起こさ
せるために、微粉原料31と酸化剤16とを速やかに、かつ
良好に混合させようとしたものである。
[発明が解決しようとする課題] 特にガス化反応を二段で行わせる方法では、通常複数
のバーナをガス化炉の炉壁に設置するが、炉内の各段の
バーナで均一の反応を起こさせたとき、一段で行わせる
方法に比較し、当然高いガス化効率が得られる。酸化剤
はガスであるため、酸化剤の流量測定および流量制御
は、従来技術によって、容易に各段のバーナに均等に配
分することができる。しかし微粉炭のような粉体につい
ては、例えばロータリーフィーダのごとく供給機を各バ
ーナに対して設置すると、イニシャルコストが非常にか
かるので不経済である。また一般に炭素微粉原料ガス化
法では、粉体原料を搬送するガスの使用量を減少させる
ため、また、生成ガス中の該搬送ガスの割合を減少させ
るため、一般には、管の内径が5mmから20mm程度の細い
配管を用いる。従って、粉体原料を各バーナで均一に分
配しようとして、バルブあるいはオリフィスのごとき配
管の内径を減少させる抵抗体を各バーナ配管に設置すれ
ば、バルブ等の狭くなった部分で原料の粉体が閉塞する
ため、バルブのような抵抗体を使用することはできな
い。従って、一般には絞り部の無いY型の分配器を設置
し、分配器から各バーナにいたる配管の長さを少なくと
も同一にしているが、均等分配の調整が難しく、更に運
転中に原料の配分を変化できないのが現状である。
また、第9図のような配置をした場合、分配器8に近
いバーナ17と遠いバーナ17とができるが、配管の抵抗を
同一にしようとして同じ長さの配管をすれば、分配器に
近いバーナ17の配管は大きく曲げて配管せざるを得な
い。その結果、見栄えも悪く、また、配管の長さを最も
長い距離のバーナ17の長さに合わすため、高い圧力損失
をとらざるを得ない。しかしながら、同一の長さの配管
をしても配管の曲率、曲げの位置、長さを全く同じにす
ることは不可能であり、たとえ曲率及び長さを同一にし
ても助走距離が異なるため、圧力損失を同一にするのが
非常に難しい。したがって、試運転の時に、分配器8か
らバーナ17までの原料搬送ライン9の長さを試行錯誤で
変化させ、各バーナ17に均等に原料が配分されるように
しているのが現状である。
また、噴流層ガス化法においても、原料と酸化剤との
混合が良好なほど、高いガス化効率が得られる。しか
し、第11図に示す、搬送ガスで送られる原料31と酸化剤
16との混合が良好である内部混合型バーナでは、原料噴
出ノズル35から噴出するガスの噴出速度が低いので、バ
ーナ本体40の上方から流下するスラグによって原料噴出
ノズル35が覆われるようになる。炉内の温度が高いとき
には、粘度の低いスラグとなるので原料噴出ノズル35が
スラグで覆われることはない。しかし、炉内の温度が低
下し粘度が高くなったり、あるいは石炭の処理量が非常
に多くなり、原料噴出ノズル35におけるスラグの流下量
が多くなると、原料噴出ノズル35におけるスラグの抵抗
が大きくなるため、原料の配分が不均等になる。不均等
がひどくなると、あるバーナには原料が全く供給されな
くなるため、そのバーナは酸化剤のみが噴出すようにな
り、ガス化効率が低下するのみならず炉内耐火材の焼
損、炉内の爆発等の重大な事故につながる場合もある。
したがって、内部混合型バーナが利用できるガス化炉は
炭種及び運転条件に制限があつた。
一方、外部混合型バーナ(第10図)では、噴出流速の
小さい原料噴出ノズル35の周りに、酸化剤16を高速で噴
出できるので、バーナ本体40の上方から流下するスラグ
によって、原料噴出ノズル35が覆われることはない。し
かし、酸化剤16と搬送ガスで送られる原料31との混合が
良好ではないため、内部混合型バーナと同程度にガス化
効率を高くすることができなかった。
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を無くし、
バーナ先端部がスラグで覆われることもなく、微粉炭等
の固体原料と酸化剤との混合が良好で、更に、該原料を
各バーナに均等に分配することができる高効率の石炭ガ
ス化装置を提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明の上記した目的は、次の構成により達成され
る。すなわち、 炭素質の固体原料を微粉にし、窒素ガス、炭酸ガス等
の酸素を含有しないガスを該固体原料の搬送ガスとする
固体原料の搬送ラインと、更に酸素、空気等からなる酸
化剤の供給ラインを設けた固体原料灰の溶融点以上の温
度で前記固体原料をガス化する噴流層ガス化装置におい
て、該固体原料の搬送ラインの途中に複数のバーナにそ
れぞれ固体原料を搬送するための分岐原料搬送ラインと
該分岐原料搬送ラインの分岐点に固体原料分配器を設
け、酸化剤の少なくとも一部の供給ラインを固体原料分
配器上流側の固体原料の搬送ラインに接続した噴流層ガ
ス化装置、または、 炭素質の固体原料を微粉にし、窒素ガス、炭酸ガス等
の酸素を含有しないガスを搬送ガスとする固体原料の搬
送ラインと、該固体原料の搬送ラインの途中に複数のバ
ーナにそれぞれ固体原料を搬送するための分岐原料搬送
ラインと、該分岐原料搬送ラインの分岐点に固体原料分
配器を設け、各々の分岐原料搬送ラインに酸素、空気等
からなる酸化剤の供給ラインを接続した固体原料灰の溶
融点以上の温度で前記固体原料をガス化する噴流層ガス
化装置において、各バーナへの固体原料を均等に分配す
るために酸化剤の供給量を制御する酸化剤供給量制御手
段を各酸化剤の供給ラインに設けた噴流層ガス化装置で
ある。
本発明の上記噴流層ガス化装置において、酸化剤供給
量制御手段に、固体原料を複数のバーナに分配する分配
器と各バーナの固体原料ガス化炉内への原料噴出ノズル
との間の分岐原料搬送ラインに配置される原料流量の検
出手段と、該検出手段の検出信号に基づいて原料噴出ノ
ズル方向に向かって酸化剤の一部を噴出する酸化剤供給
ノズルの酸化剤噴出量を制御する手段と、を設けた構成
とすることができる。
また、本発明の次の構成とすることもできる。すなわ
ち、 炭素質の固体原料を固体原料ガス化炉内に噴出する複
数のバーナを設置した固体原料ガス化炉の周りに、固体
原料ガス化炉を取り巻く該固体原料の供給用集合管を設
置し、該集合管から各バーナへ接続する分岐管を設け、
該分岐管の途中に該バーナ方向に酸化剤の一部を噴出さ
せて、該固体原料を分配させる固体原料分配器を設けた
噴流層ガス化装置である。
本発明の上記いずれの噴流層ガス化装置においても、
固体原料分配器に用いる固体原料分配用のガスとして、
固体原料ガス化装置で生成したガスを用いることができ
る。
[作用] 酸化剤の一部を原料搬送ラインに注入するので原料と
酸化剤との混合が良好であり、本装置では、原料噴出ノ
ズルの周りに酸化剤を噴出するノズルを設置したバーナ
を用いても微粉状の固体原料と酸化剤との混合が予め行
われているので、原料噴出ノズルがスラグで覆われるこ
ともなく、高いガス化効率が得られる。
また、固体原料噴出ノズルの周りに酸化剤供給ノズル
を有し、更に、固体原料噴出ノズルの上流において酸化
剤供給ノズルを設けたバーナは固体原料と酸化剤の混合
が良好な上に、原料噴出ノズルが閉塞することもなくな
る。
更に、本装置では酸化剤の一部を原料搬送ラインの原
料の流れる方向に向けているので、該酸化剤を高速で噴
出すれば、該酸化剤噴出孔付近は減圧になる。したがっ
て、該酸化剤の分配量を変えることによって、搬送ライ
ンの圧力を変化できるので、複数のバーナに原料を配分
するようなガス化装置では、各バーナに供給する原料量
を検出する手段を設け、かつ該酸化剤の分配量を制御す
れば、各バーナの原料供給量を常に一定にすることがで
きるのである。
また、固体原料を固体原料ガス化炉内に噴出する複数
のバーナを設置した固体原料ガス化炉の周りに、固体原
料ガス化炉を取り巻く固体原料の供給用集合管を設置
し、該集合管から各バーナへ接続する分岐管を設け、該
分岐管の途中に該バーナ方向に酸化剤の一部を噴出させ
て、固体原料を分配させる噴流層ガス化装置用の微粉原
料分配器は原料供給ラインの配管の長さを短くでき、ま
た原料供給系の圧力損失を小さくできる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面基づいて説明する。
(実施例1) 第1図に本発明の石炭ガス化装置を示す。
第1図の石炭ガス化装置において、第9図で説明した
ものと同一部材についての説明は省略する。
複数のバーナを設置している本ガス化装置では微粉化
された固体原料1を分配器8にて分配するが本実施例で
は、原料搬送ライン7の途中に酸化剤16の一部を供給す
るものである。バーナ17に供給する酸化剤16の一部を原
料搬送ライン7に供給するので、供給ホッパ3に酸化剤
16が混入することがない。また、原料1と酸化剤16とが
予め一部分混合できるので、高いガス化効率が得られ
る。すなわち、従来から用いられている微粉原料31と酸
化剤16との混合が良くない第10図に示す外部混合型バー
ナを本実施例の石炭ガス化装置に用いれば、流下するス
ラグに対し原料噴出ノズル35(第10図)が閉塞されない
長所を保持したままで、微粉状の固体原料1と酸化剤16
との混合が良くなるので、高いガス化効率が得られる。
分配器8は図1に示すように原料搬送ライン7側から原
料搬送方向に向けて、その径が徐々に大きくなっている
ので、原料搬送ライン7から分配器8内に搬送されてき
た固体原料1と酸化剤16は分配器8内で攪拌混合され、
固体原料1と酸化剤16は均一に混合される。その結果、
分配器8の後流側の原料搬送ライン9には固体原料1と
酸化剤16の均一混合物が搬送される。
なお、安全を考慮すれば、原料搬送ライン7中に供給
する酸化剤16の量は、原料搬送ライン7中で可燃範囲に
ならないようにすればよく、微粉化原料1の理論燃焼酸
素量の約40%以下に設定すればよい。
第2図は本発明の石炭ガス化用バーナの一実施例の断
面図を示す。
バーナ本体40の中心部は原料搬送ライン9の一部を構
成し、微粉炭のごとく固体原料1が窒素ガス、炭酸ガス
等の不活性ガスを搬送ガスとして搬送され、高温の石炭
ガス室11に供給される。バーナ本体40の石炭ガス室11内
へ臨む原料噴出ノズル35付近は冷却水32で冷却され、石
炭ガス化室11の輻射熱等の熱により、原料1がバーナ本
体40内部で溶融し、付着するのを防止している。冷却水
32ラインの外側には酸素、空気等の酸化剤16が流れ、石
炭ガス化室11へ臨むノズル36より石炭ガス化室11に噴出
するものである。バーナ本体40の原料噴出ノズル35付近
には原料噴出ノズル35の方向に向かって、複数のノズル
41が設置してあり、該ノズル41から酸化剤16の一部を噴
出させる。本実施例のバーナ本体40は、第10図及び第11
図に示す従来のバーナの長所を加えたバーナであり、固
体原料1と酸化剤16との混合も良好で、その結果、高い
ガス化効率が得られ、更にバーナ本体40の上方から流下
するスラグによって、原料噴出ノズル35が閉塞されるこ
ともない。
噴流層式のガス化炉内では微粉化された固体原料1と
酸化剤16との反応でCO及びH2に富むガスが生成するが、
一般に固体原料1と酸化剤16との混合が良好な程、ガス
化効率は高い。本実施例のバーナ本体40では酸化剤16の
一部を原料搬送ライン9中に注入するので、当然、微粉
化された固体原料1と酸化剤16との混合は良好であり、
その結果、高いガス化効率が得られる。
噴流層式のガス化法では、微粉原料1中の灰分を溶融
させてスラグとして排出する。したがって、バーナ本体
40の原料噴出ノズル35の端面43にスラグが流下すること
になるが、本実施例のバーナ本体40では、噴出流速の小
さい原料噴出ノズル35の周りに、酸化剤16を高速で噴出
するノズル36を設置しているので、バーナ本体40の上方
から流下するスラグによって、原料噴出ノズル35が覆わ
れることはない。したがって、複数のバーナ本体40に微
粉化された固体原料1を配分する装置では、固体原料1
の配分が均等になるので、石炭ガス化効率が低下するこ
ともなく、更に、不均等配分によつて酸化剤16のみがガ
ス化炉本体10内に噴出することが無いので、石炭ガス化
室11内で爆発等の重大な事故につながることもなく安全
に運転ができるのである。
第3図および第4図に、第2図に示すバーナ本体40の
a−a視図を示す。第3図は、ノズル41の中心線がバー
ナ本体40の中心に向かっており、旋回の無い場合であ
り、第4図は、ノズル41の中心線をバーナ40の中心線と
ずらし、旋回を付加できる構造を示す。旋回の有無につ
いては、旋回を付加した第4図の方がノズル41から噴出
したガスが原料搬送管の中心部に集まらず原料搬送管壁
に沿って流れるため、原料搬送系に与える影響が少ない
ので好ましい。
(実施例2) 第5図は、本発明の石炭ガス化装置の一実施例を示
す。本装置は第2図に示すバーナ本体40を設置した石炭
ガス化装置であり、原料搬送ガス6と微粉化された固体
原料1との固気混相流を複数のバーナ17に分配する分配
器8を備えたものである。第5図における石炭ガス化装
置において、第9図で説明したものと同一の部材につい
ての説明は省略する。
酸化剤16はバーナ17の二箇所から互いに独立に供給さ
れ、第2図に示すバーナ本体40の原料噴出ノズル35の周
囲のノズル36および原料搬送ラインの原料噴出ノズル35
付近のノズル41に供給される。
分配器8より各バーナ17に供給され固体原料1の流量
の検出手段60を原料搬送ライン9に設け、その検出信号
の値が予め設定した範囲値に入るように酸化剤16の配分
を制御する制御器66とを設けている。
第2図に示すバーナ本体40の酸化剤16の一部を噴出す
るノズル41の噴出方向は固体原料1の流れる方向に向け
られており、該酸化剤16を高速で噴出したとき、該ノズ
ル41付近のバーナ本体40は減圧になる。すなわち、酸化
剤16のガスを噴出することによって固体原料1と搬送ガ
スを引き寄せることができる。したがって、ノズル36お
よび41から噴出する酸化剤16の配分量を変えることによ
って、原料搬送ライン9に接続されるバーナ本体40の圧
力を変化できる。
第5図に示す複数のバーナ17に微粉化された固体原料
1を配分するようなガス化装置では各バーナ17に供給す
る原料量検出手段、例えばインパクト型の粉体流量計、
あるいは、一定距離間の圧力損失を検出する圧力計から
なる検出器60を原料搬送ライン9に設け、これらの検出
値が一定になるようにノズル41(第2図)から噴出する
酸化剤16のガス量を制御するものことができる。すなわ
ち、原料供給量検出値が信号ライン63を介して、制御器
66に送られ、制御器66は信号ライン64、65を介して酸化
剤供給制御弁61、62を作動させ検出器60の固体原料供給
量の検出値が一定値となるように酸化剤16の噴出量を制
御するものである。このように制御することによって、
各バーナ17の微粉の固体原料供給量を一定にすることが
できるのである。
このことをさらに詳述すると、第6図に示すように、
n本の各バーナ17に供給する原料流量をQiとし、その流
量を測定し、平均値および標準偏差σを求め、更に標
準偏差σを平均値で除算した変動係数が設定値K1より
も小ならば再び流量の測定を行い、大ならば不均等に微
粉固体原料1が配分されていることになる。また、原料
搬送ライン9中に酸化剤16のほぼ全量を供給し、原料噴
出ノズル35の周辺に設置したノズル36から噴出する酸化
剤16の量を非常に少なくすると、該ノズル35および36が
流下するスラグで閉塞される危険性があるので、ノズル
41に分配する酸化剤ガス量Di×nの全酸化剤供給量に対
する上限値K2を予め設定しておく。そこで、この設定値
K2よりも分配ガス量が大きい場合、原料流量が大きいバ
ーナ17に対してはノズル41より噴出する酸化剤ガス量を
減少させて、原料供給量を減少させる。また、分配ガス
量がK2よりも少ない場合、原料流量が少ないバーナ17に
対して、ノズル41より噴出する酸化剤ガス量を増加させ
て原料供給量を増加させるように制御するものである。
このような制御を行うと、各バーナ17に常時、均等に微
粉原料1を配分できるので、不均等分配によって、効率
が低下することが無い。
(実施例3) 本実施例では第7図に示すようにリング状の分配器を
用いる例を示す。石炭ガス化炉本体10(第1図)の周り
にリング状の原料供給管70があり、該原料供給管70より
複数本のバーナ17にそれぞれ分岐管71が接続されてい
る。バーナ17は第2図に示すバーナ本体40が設置されて
いる。すなわち、各バーナ17には二方向から酸化剤16が
供給される。更に図示はしていないが該分岐管71の途中
に、実施例2で示したものと同様の原料流量の検出器60
と該検出信号の値が予め設定した範囲値に入るように酸
化剤16の配分を制御する制御器66とを設けている。な
お、本実施例の場合、酸化剤16の供給量の制御は各バー
ナ17に対して一方の酸化剤16の供給ラインのみで行っ
た。
本実施例においては、バーナ17は第2図に示すバーナ
本体40のノズル41から噴出する酸化剤16の配分量を第6
図に示す制御法を用いて、各バーナ17に固体原料1を均
等に分配するものである。第9図に示す従来の分配器8
では、分配器8の設置場所によっては分配器8に近いバ
ーナ17と遠いバーナ17とができ、原料供給ライン9の配
管の抵抗を同一にしようとして同じ長さの配管にするた
め、バーナ17近くの原料供給ライン9の配管を複雑にせ
ざるを得ず、広い場所が必要なうえ、見映えも悪かっ
た。しかし、本実施例ではバーナ17の近くに固体原料1
の集合管であるリング状原料供給管70を配置できるの
で、原料供給ライン9の配管の長さが短くできる。その
結果、原料供給系の圧力損失を小さくでき、見映えもよ
くなる。また、原料供給ライン9の配管の長さが短いの
でバーナ17付近の作業、たとえばバーナ17の点検、交換
等も容易になる。
(実施例4) 第8図に、リング状の固体原料供給管70の他の実施例
の構造を示す。本実施例は図示しないバーナに接続され
る分岐管71の端に高速で酸化剤16の一部を噴出するノズ
ル81を設置したもので、該ノズル81より酸化剤16の一部
を高速に噴出し、分岐管71の入口部の圧力を減圧させる
ことによって、微粉化された固体原料1を均等に分配さ
せるものである。
以上述べた本発明の各実施例では、固体原料1をガス
で搬送するいわゆる乾式供給法について説明したが、原
料1を水あるいは油等のいわゆる湿式供給法(スラリ)
による方法についても有効である。特にスラリのばあ
い、原料噴出ノズル35(第2図)よりガスを噴出させる
ことによって、スラリが微粒化するので石炭ガス化炉本
体10(第1図)でのガス化反応が促進される。また、本
発明の第5図、第7図および第8図に示す例では分配用
のガスとして酸化剤16の一部を用いているが、搬送ガス
として用いる不活性ガスを用いてもよいし、石炭ガス化
炉本体10で生成したガスを用いてもよい。不活性ガスを
用いた場合、生成ガスの顕熱損失を増加させ、ガス化効
率を低下するが、生成ガスを再循環させて使用する場合
ガス化効率は低下しない。また、酸化剤16に酸素と水蒸
気の2種類を用いる場合、分配用のガスには酸素を用い
る方が、石炭との反応が良好になるのでよい。
[発明の効果] 本発明によれば、各バーナに均等に原料が配分され、
更に酸化剤の一部を予め原料搬送ラインに注入するので
原料と酸化剤との混合が良好にでき、高いガス化効率が
得られる。また、原料噴出ノズルの周りに酸化剤を噴出
するノズルを設置したバーナを用いても、炭素質微粉原
料と酸化剤との混合が予め行われているので、原料噴出
ノズルの周りがスラグに覆われて原料の噴出ができなく
なるおそれもなく、安全に連続運転することができる。
また、固体原料噴出ノズルの周りに酸化剤供給ノズル
を有し、更に固体原料噴出ノズルの上流において、酸化
剤供給ノズルを設けたバーナは固体原料と酸化剤の混合
が良好な上に、原料噴出ノズルが閉塞することもなくな
る。
更に、本装置では酸化剤の一部を原料搬送ラインの原
料の流れる方向に向け、その噴出量を変化することによ
って、搬送ラインの圧力を変化できるので、複数のバー
ナに原料を配分するようなガス化装置では、各バーナに
供給する原料量を検出する手段を設け、かつ該酸化剤の
分配量を制御すれば、各バーナの原料供給量を常に一定
にすることができるのである。
また、固体原料を固体原料ガス化炉内に噴出する複数
のバーナを設置した固体原料ガス化炉の周りに、固体原
料ガス化炉を取り巻く固体原料の供給用集合管を設置
し、該集合管から各バーナへ接続する分岐管を設け、該
分岐管の途中に該バーナ方向に酸化剤の一部を噴出させ
て、固体原料を分配させる噴流層ガス化装置用の微粉原
料分配器は原料供給ラインの配管の長さを短くでき、ま
た原料供給系の圧力損失を小さくできる。
更に、上記各バーナへの固体原料分配用ガスとして固
体原料ガス化装置で生成したガスを用いてもガス化効率
は低下しない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の微粉固体原料ガス化装置を
示す。第2図はそのガス化用バーナの断面図、第3図お
よび第4図は、第2図に示すバーナのa−a視図を示
す。第5図は、本発明の他の実施例の微粉固体原料ガス
化装置、第6図は第5図のガス化装置における制御方法
を示すフローチャート、第7図および第8図は本発明の
固体原料分配器の一実施例、第9図は従来のガス化装
置、第10図および第11図は従来のガス化用バーナを示
す。 1……固体原料、8……分配器、9……原料搬送ライ
ン、10……固体原料ガス化炉、16……酸化剤、17……バ
ーナ、40……バーナ本体、35……原料噴出ノズル、36、
41……酸化剤供給ノズル、60……検出器、66……制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木田 栄次 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 小山 俊太郎 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭53−40002(JP,A) 特開 昭63−142095(JP,A) 特開 昭56−907(JP,A) 実開 平1−144620(JP,U)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素質の固体原料を微粉にし、窒素ガス、
    炭酸ガス等の酸素を含有しないガスを該固体原料の搬送
    ガスとする固体原料の搬送ラインと、更に酸素、空気等
    からなる酸化剤の供給ラインを設けた固体原料灰の溶融
    点以上の温度で前記固体原料をガス化する噴流層ガス化
    装置において、 該固体原料の搬送ラインの途中に複数のバーナにそれぞ
    れ固体原料を搬送するための分岐原料搬送ラインと該分
    岐原料搬送ラインの分岐点に固体原料分配器を設け、酸
    化剤の少なくとも一部の供給ラインを固体原料分配器上
    流側の固体原料の搬送ラインに接続したことを特徴とす
    る噴流層ガス化装置。
  2. 【請求項2】炭素質の固体原料を微粉にし、窒素ガス、
    炭酸ガス等の酸素を含有しないガスを搬送ガスとする固
    体原料の搬送ラインと、該固体原料の搬送ラインの途中
    に複数のバーナにそれぞれ固体原料を搬送するための分
    岐原料搬送ラインと、該分岐原料搬送ラインの分岐点に
    固体原料分配器を設け、各々の分岐原料搬送ラインに酸
    素、空気等からなる酸化剤の供給ラインを接続した固体
    原料灰の溶融点以上の温度で前記固体原料をガス化する
    噴流層ガス化装置において、 各バーナへの固体原料を均等に分配するために酸化剤の
    供給量を制御する酸化剤供給量制御手段を各酸化剤の供
    給ラインに設けたことを特徴とする噴流層ガス化装置。
  3. 【請求項3】酸化剤供給量制御手段に、固体原料を複数
    のバーナに分配する分配器と各バーナの固体原料ガス化
    炉内への原料噴出ノズルとの間の分岐原料搬送ラインに
    配置される原料流量の検出手段と、該検出手段の検出信
    号に基づいて原料噴出ノズル方向に向かって酸化剤の一
    部を噴出する酸化剤供給ノズルの酸化剤噴出量を制御す
    る手段と、を設けたことを特徴とする請求項2記載の噴
    流層ガス化装置。
  4. 【請求項4】炭素質の固体原料を固体原料ガス化炉内に
    噴出する複数のバーナを設置した固体原料ガス化炉の周
    りに、固体原料ガス化炉を取り巻く該固体原料の供給用
    集合管を設置し、該集合管から各バーナへ接続する分岐
    管を設け、該分岐管の途中に該バーナ方向に酸化剤の一
    部を噴出させて、該固体原料を分配させる固体原料分配
    器を設けたことを特徴とする噴流層ガス化装置。
  5. 【請求項5】固体原料分配器に用いる固体原料分配用の
    ガスとして、固体原料ガス化装置で生成したガスを用い
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載
    の噴流層ガス化装置。
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