JPH0239438B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

船外機および船尾駆動装置のごとき舶用推進装
置に関し、操舵トルク（特に水中のプロペラの回
転に伴つて生じる操舵トルクを含む）をバランス
させるように配置されたトリム・タブ又は排気用
突起部を含む舶用推進装置に関する。 このようなトリム・タブは過去において公知で
あり、又舶用推進装置に対してこのようなトリ
ム・タブの位置の調節を行なうことも又公知であ
る。 下記の米国特許を参照されたい。即ち、

【表】 又、1964年６月12日に発行されたカナダ国特許
第687868号も参照されたい。 水中におけるプロペラの回転に伴つて生じる操
舵トルクは、水中におけるプロペラの位置に応じ
て変化する。即ち、プロペラが回転するときその
羽根はプロペラの回転中心の下を通るとき１つの
方向に横方向の力を水から反作用として受け、ま
た回転中心の上を通るとき逆の向きの横方向の力
を受ける。この互いに逆方向の力は、プロペラを
取り巻く水が空気を含んでいないものであれば、
互いに同じ値であつて釣り合い、操舵トルクは発
生しない。しかしながら、水に空気が巻き込まれ
ているとそれに応じて反作用は弱くなり、この空
気が混入する度合いは水面に近いほど大きいた
め、逆方向に働く２つの力は不釣り合いになつて
操舵トルクが発生する。この操舵トルクはある状
態でそれを解消するようにトリム・タブを設定し
ても、推進機を水平の軸線を中心として揺動させ
ることに応じプロペラの水中に位置が変わると変
化する。即ちプロペラが上に行くに従いプロペラ
の上部の水は空気を含む割合が大きくなつて逆方
向に働く２つの力が不釣り合いの度合いが大きく
なり、操舵トルクは大きくなる。 このような操舵トルクの変化に自動的に対応で
きるトリム・タブを備えた舶用推進装置はこれま
で存在しなかつた。 本発明の目的は、かかるトリム・タブを備えた
舶用推進装置を提供することにある。 かかる目的を達成するため、本発明による舶用
推進装置は、回転自在に取り付けられたプロペラ
を含む推進機と、艇体の船尾肋材に固定され、そ
れが艇体に載置される時水平である軸の周囲の枢
動運動するように推進機を取り付ける取り付け装
置と、トリム・タブと、前述の水平軸を横断する
方向の軸の周囲に枢動するように推進機上にトリ
ム・タブを取り付ける装置と、前述の水平軸の周
囲の推進機の運動に応答して、この運動の結果プ
ロペラが水平軸を中心として移動することにより
生じる操舵トルクの変化を打ち消す方向に、前述
の横断する方向の軸の周囲にトリム・タブを変位
させるリンク装置と、を備えている。 かかる構成により、本発明では水中におけるプ
ロペラの位置が変わつてもそれに応じて自動的に
トリム・タブの位置が変わり、操舵トルクが打ち
消される。 図面の第１図には、推進機１３と、操舵のため
の枢動運動および船外機１１が艇体に載置される
時水平方向の軸の周囲の傾斜のための枢動運動と
を行なうように前記推進機１３を取付けるため艇
体の船尾肋材１７に対して固定される装置１５と
を含む船外機１１の形態の舶用推進装置が示され
る。 前記推進機１３は、内燃機関２３を含む動力ヘ
ツドと、その上端部において動力ヘツド２１に固
定され、且つその下端部において前記内燃機関２
３によつて駆動される回転自在に取付けられたプ
ロペラ３１が支持する歯車箱即ち歯車ケース２９
に固定された駆動軸ハウジング２７を含む下部位
置２５とをする。前記下部装置２５には又、略々
前記駆動軸ハウジング２７の歯車ケース２９に対
する結合部に配置されるキヤビテーシヨン板３３
が設けられている。前記キヤビテーシヨン板３３
により支持されるのはトリム・タブ４１で、これ
は本文に開示した構成においては、適当な形状の
ものでよく、その上端部において共通の水平方向
に延在する部材４５から固定的に延長する２個の
トリム・タブ要素即ちフイン４３を含む。必要に
応じて、このトリム・タブ４１は唯１個のトリ
ム・タブ即ちフイン４３のみを使用することがで
きる。前記の水平方向の部材４５から前記キヤビ
テーシヨン板３３により支持されたベアリング即
ちブツシユ４７を介して上方に延長するのはスタ
ツド４９で、これはトリブ・タブを略々垂直の軸
の周囲で標準的即ち基準的な位置に対して枢動運
動させる。前記スタツド４９をキヤビテーシヨン
板３３のベアリング４７に保持するためには、ス
ナツプリング５１の如き適当な手段を使用するこ
とができる。 その結果、トリブ・タブ４１は、以下に説明す
るように、通常の運転位置を最大釣合い位置との
間で運動可能である。 推進装置の取付け装置１５は、第１の船尾肋材
ブラケツト６１を有し、これは艇体の肋材１７に
固定されるようになつており、また、第２の即ち
旋回ブラケツト６３も有し、これは第１の船尾肋
材ブラケツトが艇体に取付けられる時水平である
軸６７の周囲で第１の即ち肋材ブラケツト６１に
対して第２の即ち旋回ブラケツト６３を枢動変位
させる傾斜チユーブ６５の形態でよい適当な装置
により第１のブラケツト６１に対して結合されて
いる。 前記推進機１３を載置する装置１５は又、水平
軸６７を横断する操舵軸７１の周囲で枢動運動す
るように前記第２の即ち旋回ブラケツト６３に対
して推進機１３を結合する装置６９をも含む。
種々の構成が使用できるが、本構成においては、
このような装置６９は内部に穴を有する垂直方向
に延在する脚部７３と、前記穴内で延長しその上
下端部において駆動軸ハウジング２７に対して固
定されるキング・ピン４５とを有する第２の旋回
ブラケツト６３の形成からなる。 以上開示した取付け方法の結果、推進機１３
は、第２の即ち旋回ブラケツト６３に対して、又
第１の即ち船尾肋材ブラケツト６１および前記艇
体の船尾肋材１７に対して前記軸７１の周囲に操
舵可能であり、又前記第１の即ち船尾肋材ブラケ
ツト６１および最下位置と完全傾斜位置即ち引上
げ位置との間で船尾肋材１７に対して第２の即ち
旋回ブラケツト６３と共に水平軸６７の周囲の傾
斜可能である。この最下位置と完全傾斜位置即ち
引上げ位置との間の運動範囲の比較的低い部分
は、しばしばトリム範囲と呼ばれ、枢動運動の全
範囲の上部即ち大部分は傾斜範囲と呼ばれる。前
記第２即ち旋回ブラケツト６３と変位し、且つ推
進機１３を軸６７の周囲で第１即ち船尾肋材ブラ
ケツト６３に対して結合するため、当技術におい
ては周知の種々の装置が使用できる。 過去においては、トリム・タブは通常、推進機
１３が前記最下位置にある時存在するどんな操舵
トルクでも克服するように航行位置に固定されて
いた。前記最下位置から前記トリム範囲への推進
機１３の上方への変位動作は、推進装置が最下位
置にある時に生じるトルクとは益々異なるトルク
条件の発生をもたらす結果になる。 船外機１１には、推進機１３が上方向に傾斜さ
せられるときにこのような上方向の運動に対して
生じる漸進的に異なるトルクと釣合い、即ちこれ
と均衡するため、トリム・タブ４１を通常の航行
位置即ち基準位置からある範囲の位置を介して完
全な補正位置即ち釣合い位置へ変位即ち調整する
ための装置８１も設けられている。 種々の構成が提供し得るが、本構成において
は、このような装置８１は、前記の旋回即ち第２
のブラケツト６３と第１即ち肋材ブラケツト６１
の一方に載置された運動可能な部材８３を含み、
この部材８３は水平軸６７の周囲で第１即ち肋材
ブラケツトに対する第２即ち旋回ブラケツト６３
の運動に応答して部材８３の運動を生じるよう
に、第１と第２のブラケツト６１，６３の他方に
おける装置と係合可能である。 特に本文に開示した構成においては、前記部材
はレバーであつて、その中間において８５で示さ
れる箇所で第２即ち旋回ブラケツト６３に固定さ
れてこれから延在するＬ字型のストラツト８９の
前方に延在する脚部８７に枢着されている。この
レバー８３の上端部においては、第１即ち船尾肋
材ブラケツト６１の側面に固定された凹状のカム
面９３と係合可能な従動子９１を含む。従つて、
第２即ち旋回ブラケツト６３の第１即ち船尾肋材
ブラケツト６１に対する相対的運動は前記レバー
８３の枢動運動を起する。 トリム・タブ４１の変位即ち調整装置８１は
又、前記レバー８３とトリム・タブ４１とを結合
する可撓性のケーブル１０１も含んでいる。種々
の構成が使用可能であるが、本構成においては、
ケーブル１０１は、適当な手段によりレバー８３
の下端部に対しその前端部において枢着され、又
その後端部において適当な手段によりトリム・タ
ブ４９から固定的に延長する交差バー１０７の一
端部と枢着された内部芯部１０３を含む。 ケーブル１０４は又、前記内部芯部１０３を包
囲し且つその前端部において前記ストラツト８９
の脚部８７に対して１０４で固定され、又その後
端部でキヤビテーシヨン板３３に対して１０６で
固定された外部鞘部１１１も含んでいる。 前記従動子９１を前記カム面９３と係合関係に
偏倚させ、又これによりトリム・タブ４１を完全
に均衡する位置に向けて偏倚させるための装置１
２５も設けられる。種々の構成が使用可能である
が、本構成においては、このような装置１２５
は、その後端部においてはトリム・タブのスタツ
ド４０に固定された交差バー１０７の他端部と結
合され、又その前端部においては適当な手段によ
りキヤビテーシヨン板３３に対して１２９で係止
された蔓巻きばね１２７である。 その結果、第２即ち旋回ブラケツト６３（推進
機１３と共に）が最下位置にある時前記ばね１２
７はレバー８３を偏倚し、その結果前記従動子９
１がカム面９３と係合し、これによつてトリム・
タブ４１を通常の航行即ち基準位置に配置する。
もし推進機１３が上方向にトリムされると、第１
即ち船尾肋材ブラケツト６１に対する第２即ち旋
回ブラケツト６３のこのような運動は、ばね１２
７の作用下において、第２図に示すようにレバー
８３を時計方向に回転させ、これによつて前記の
外部鞘部１１１に対する内部芯部１０３の後方へ
の変位を可能にし、又これにより第１図に示すよ
うに時計方向のトリム・タブ４９の回転運動を生
じて、トリム・タブ４１を完全に均衡する位置に
向けて変位する。 第１即ち船尾肋材ブラケツト６１への第２即ち
旋回ブラケツト６３の戻り運動は、内部芯部１０
３を前方に向けて変位させ、これによりトリム・
タブ４１を前記ばね１２７の作用に抗して通常の
航行位置即ち基準位置に戻すように作用する。 本発明は傾斜動作可能であり且つ操舵可能な推
進装置即ち船尾駆動装置の船尾脚部に対しても同
様に適合可能である。 本発明の諸特徴は頭書の特許請求の範囲に記載
されている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の諸特徴を包含する船外機を示
す斜視図、第２図は更に詳細に諸構成要素を示す
第１図に示した船外機の一部の部分拡大図、およ
び第３図は更に詳細に諸構成要素を示す第１図に
示した船外機の他の部分の部分図である。 １１……船外機、１３……推進機、１５……取
付装置、１７……船尾肋材、２１……動力ヘツ
ド、２３……内燃機関、２５……下部装置、２７
……駆動軸ハウジング、２９……歯車ケース、３
１……プロペラ、３３……キヤビテーシヨン板、
４１……トリム・タブ、４３……フイン、４５…
…水平部材、４７……ベアリング、４９……スタ
ツド、６１……船尾肋材ブラケツト、６３……旋
回ブラケツト、６５……傾斜チユーブ、７１……
操舵軸、７３……脚部、７５……キング・ピン、
８１……トリム・タブ調整装置、８３……レバ
ー、８７……脚部、８９……ストラツト、９１…
…従動子、９３……カム面、１０１……ケーブ
ル、１０７……交差バー、１１１……外部鞘部、
１２５……偏倚装置、１２７……ばね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転自在に取付けられたプロペラを含む推進
   機と、艇体の船尾肋材に固定され、それが艇体に
   載置される時水平である軸の周囲に枢動運動する
   ように前記推進機を取付ける取付装置と、トリ
   ム・タブと、前記水平軸を横断する方向の軸の周
   囲に枢動するように前記推進機上に前記トリム・
   タブを取付ける装置と、前記水平軸の周囲の前記
   推進機の運動に応答して、この運動の結果前記プ
   ロペラが前記水平軸を中心として移動することに
   より生じる操舵トルクの変化を打消す方向に、前
   記横断する方向の軸の周囲に前記トルム・タブを
   変位させるリンク装置と、を設けることを特徴と
   する舶用推進装置。 ２ 前記推進機の取付装置は、艇体の船尾肋材に
   対して固定される第１のブラケツトと、前記水平
   軸の周囲に傾斜運動するように前記第１のブラケ
   ツトに対して結合された第２のブラケツトと、前
   記推進機を前記水平軸の周囲で最下位置に対して
   前記第２のブラケツトと共に運動するように、又
   前記水平軸を横断する操舵軸の周囲で前記第２の
   ブラケツトに対して前記推進機を操舵運動させる
   ように前記推進機を前記第１のブラケツトに対し
   て結合する装置とを含み、前記トリム・タブを変
   位させるための前記リンク装置は、前記第１と第
   ２のブラケツトの一方に枢着された部材と、前記
   水平軸の周囲の前記第２のブラケツトの運動に応
   答して前記部材を枢動させるため、前記部材上お
   よび前記第１と第２のブラケツトの他方上の相互
   に係合する装置と、前記部材の変位に応答して前
   記トリム・タブを変位させるため前記部材と前記
   トリム・タブとを結合する可撓性のケーブル装置
   とを含むことを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の舶用推進装置。 ３ 前記リンク装置は更に、前記の相互に係合す
   る装置の係合状態を維持するように前記リンク装
   置を偏倚し、これにより推進機の位置に従つて前
   記トリム・タブを位置決めする装置を含むことを
   特徴とする特許請求の範囲第２項記載の舶用推進
   装置。 ４ 前記偏倚装置が引張りばねであることを特徴
   とする特許請求の範囲第３項記載の舶用推進装
   置。 ５ 前記推進装置がキヤビテーシヨン板を含み、
   前記トリム・タブは前記キヤビテーシヨン板に枢
   着されることを特徴とする特許請求の範囲第４項
   記載の舶用推進装置。 ６ 前記トリム・タブが２個の側方に離間された
   トリム・タブフインを含むことを特徴とする特許
   請求の範囲第５項記載の舶用推進装置。 ７ 前記トリム・タブはその枢着軸の両側に両端
   部を有する交差バーを含み、前記両端部の一方が
   前記の可撓性のケーブル装置に結合され、前記両
   端部の他方が前記引張りばねに結合されることを
   特徴とする特許請求の範囲第６項記載の舶用推進
   装置。 ８ 前記推進機の取付装置は、艇体の船尾肋材に
   固定される第１のブラケツトと、前記水平軸の周
   囲に傾斜運動するように前記第１のブラケツトに
   結合された第２のブラケツトと、前記水平軸の周
   囲で最下位置に対して前記第２のブラケツトと共
   に運動するように、又前記水平軸を横断する操舵
   軸の周囲で前記第２のブラケツトに対して前記推
   進機を操舵運動させるように前記推進機を前記第
   １のブラケツトに結合する装置とを含み、前記ト
   リム・タブを変位させる前記リンク装置は前記第
   ２のブラケツト上に枢着された部材と、前記水平
   軸の周囲の前記第２のブラケツトの運動に応答し
   て前記部材を枢動させるように前記部材と前記第
   １ブラケツト上の相互に係合する装置と、前記部
   材の変位運動に応答して前記トリム・タブを変位
   させるように前記部材と前記トリム・タブを結合
   する可撓性ケーブル装置と、前記の相互係合装置
   の係合状態を維持するように、又推進機の位置に
   従つて前記トリム・タブを位置決めするように前
   記リンク装置を偏倚する装置とを含むことを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の舶用推進装
   置。 ９ 前記部材はその両端部の中間部で枢着され、
   前記の相互係合装置は前記部材の前記端部の一方
   に設けられた従動子と前記第１ブラケツトに設け
   られたカム表面を有し、前記可撓性ケーブル装置
   は前記部材の前記端部の他方に結合されることを
   特徴とする特許請求の範囲第８項記載の舶用推進
   装置。