JPH023913Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は筆記具用キヤツプに関するものであ
る。

通常、筆記具用のキヤツプにはクリツプが取付
けられ、更にペン体を密封してインキの蒸発を防
止し、さらに蓋と軸筒を嵌合させる構造を備えた
筒状の蓋入子が内部に固着されるものが多い。従
つて、この種のキヤツプでは部品点数が多くて構
造が複雑となる傾向があるが、ことにクリツプは
簡単な構造であつて、容易に組付けられ、一旦組
付けられるといずれの方向の力が作用してもガタ
ツキがなくしつかりと取付けられることが要請さ
れる。しかしながら、この両方の要請を同時に満
足させるのはなかなか困難であつて、構造が簡単
で容易に組付けられるものはガタツキが生じやす
く、逆にしつかりと取付けるためには構造が複雑
で部品点数が多くなり、組付け作業も煩雑である
問題点があつた。

そこで本考案は、構造が簡単であつて部品点数
が少なく、組付け作業が容易であり、一旦組付け
られるとガタツキの生じることのないクリツプと
筒状の蓋入子を有する筆記具用キヤツプを提供す
ることを目的とする。そしてその構成は、帯材が
Ｌ字状に折曲されて差込部が形成され、この差込
部に係合孔が穿設されたクリツプと、縦方向の内
寸がクリツプの板厚に対して余裕を有するクリツ
プ孔および内方に切り起されたストツパー突起を
有するパイプ状の蓋と、この蓋内に嵌挿したとき
に前記ストツパー突起が摺動するガイド溝が形成
され、このストツパー突起がガイド溝の端面に当
接することによつて位置決めされたときに入口部
が前記クリツプ孔と一致し、その内方においてテ
ーパー部が形成されて縦方向の内寸が狭小になる
クリツプ差込孔およびこれと直交する固着孔が設
けられた蓋入子と、係合突起が形成された蓋栓と
からなり、この係合突起をクリツプの係合孔と蓋
入子の固着孔に嵌入して蓋の尾端に蓋栓を固着し
たことを特徴とするものである。

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体
的に説明する。

クリツプ１は、厚さｄ、横巾ｗの帯状の金属板
をＬ字状に折曲されたものであり、その折曲され
た部分がキヤツプ内で固着される差込部１１であ
つて、その中央には係合孔１２が穿設されてい
る。そして、キヤツプ本体である蓋２は金属パイ
プ製であつて、所定位置にクリツプ孔２１が穿設
されているが、このクリツプ孔２１の横巾はクリ
ツプ１の横巾ｗとほゞ等しく、一方、縦方向の内
寸は板厚ｄに比べて十分な余裕を有する大きさと
なつている。そしてその前方には蓋２に溝形の切
込みを入れてそれを内方に起すことによつてスト
ツパー突起２２が形成されている。。次に、弾性
を有する合成樹脂製の蓋入子３は有底筒状であつ
て、筆記具のペン体を密封し、かつ軸筒と嵌合す
る役目をなすものであるが、その外表面には所定
長さの縦方向のガイド溝３２が設けられ、これに
ストツパー突起２２が摺動するようになつてい
る。そして、厚い底部にはクリツプ差込孔３１が
設けられているが、その入口部の大きさは蓋２の
クリツプ孔２１と等しく、この蓋入子３を、スト
ツパー突起２２をガイド溝３２に摺動させながら
蓋２内に嵌挿し、ガイド溝３２の上端面にストツ
パー突起２２が当接したときに、入口部はクリツ
プ孔２１と一致するようになつている。従つて、
入口部の縦方向の内寸は板厚ｄに比べて十分な余
裕を有するが、下内面の内方にはテーパー部が形
成されて縦方向の内寸が板厚ｄよりやゝ狭小とな
つている。そして、クリツプ差込孔３１と直交す
る袋状の固着孔３３が設けられているが、その内
径はクリツプ１の係合孔１２よりやゝ小さく、ク
リツプ１が差込まれたときに両者は一致する。次
に、蓋栓４には係合突起４１が形成されて、この
係合突起４１は固着孔３３に嵌入されて固着され
る。

しかして、本考案の筆記具用キヤツプの構成部
品は上記の４点であるが、これを組付けるには、
まず、蓋２内に蓋入子３が嵌挿されるが、ストツ
パー突起２２とガイド溝３２とによつて位置決め
されるので、自ずとクリツプ孔２１とクリツプ差
込孔３１は一致する。次に、クリツプ１の差込部
１１がクリツプ孔２１を通してクリツプ差込孔３
１に差込まれるが、クリツプ孔２１の縦方向の内
寸が板厚ｄに対して余裕を有するために極めて容
易に差込むことができる。そして最後に、係合突
起４１を固着孔３３に嵌入して蓋栓４を蓋２の尾
端に固着すればよい。

この様に本考案は、構成部品は４点のみであつ
てナツトなどの他の部品を必要とせず、クリツプ
と蓋もそれぞれ帯材とパイプ材で良いために形状
が簡単であり、素材歩留りも大きい。そして、ク
リツプを容易に差込むことができ、クリツプ差込
孔の内方がテーパー部を介してクリツプの板厚よ
りやゝ狭小となつているので、クリツプの差込部
は挾圧され、更に蓋栓の係合突起が係合孔と固着
孔に嵌入されているので、クリツプが抜け落ちた
りガタツキが生じることがない。よつて本考案に
従えば、構造が簡単であつて部品点数が少なく、
組付け作業が容易であり、一旦組付けられるとガ
タツキの生じることのないクリツプと筒状の蓋入
子を有する筆記具用キヤツプを提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の断面図、第２図はクリ
ツプの斜視図、第３図は蓋の斜視図、第４図は蓋
入子の斜視図を示す。 １……クリツプ、１１……差込部、１２……係
合孔、２……蓋、２１……クリツプ孔、２２……
ストツパー突起、３……蓋入子、３１……クリツ
プ差込孔、３２……ガイド溝、３３……固着孔、
４……蓋栓、４１……係合突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帯材がＬ字状に折曲されて差込部が形成され、
   この差込部に係合孔が穿設されたクリツプと、縦
   方向の内寸がクリツプの板厚に対して余裕を有す
   るクリツプ孔および内方に切り起されたストツパ
   ー突起を有するパイプ状の蓋と、この蓋内に嵌挿
   したときに前記ストツパー突起が摺動するガイド
   溝が形成され、このストツパー突起がガイド溝の
   端面に当接することによつて位置決めされたとき
   に入口部が前記クリツプ孔と一致し、その内方に
   おいてテーパー部が形成されて縦方向の内寸が狭
   小になるクリツプ差込孔およびこれと直交する固
   着孔が設けられた蓋入子と、係合突起が形成され
   た蓋栓とからなり、この係合突起をクリツプの係
   合孔と蓋入子の固着孔に嵌入して蓋の尾端に蓋栓
   を固着したことを特徴とする筆記具用キヤツプ。