JPH0237485B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複合継手用器具に関する。

特開昭50−93847号公報に記述された複合継手
用器具は、メモリー金属から作られた「押圧部
材」または熱によつて回復可能な部材と、通常は
挿入部材であるスリーブ部材とを有し、このよう
な材料から構成および（または）組立てられてい
るので、この複合継手用器具の基材への結合を促
進する。代表的に、「押圧」部材と「挿入」部材
は、両者とも一般に管状であり、スリーブ部材は
歯を有しおよび（または）摩損し易い材料から作
られおよび（または）スロツトないし溝の如き相
対的な弱さを与える箇所を備えおよび（または）
複合継手用器具の特殊な適用を考慮するための他
の所望の特性を有する材料から作られている。

上記の公報において説明しているように、「メ
モリー金属」とは転移温度を越えると強度特性お
よび形状特性の変化を示す合金を言い、多くの場
合この温度はマルテンサイト状態とオーステナイ
ト状態との間の転移温度であつて、この金属が低
温のマルテンサイト状態にあるときに、この金属
から作られた物品を変形させることにより熱によ
り回復可能な物品を作るのに使用し得る金属であ
る。物品は、元の形状を回復するオーステナイト
状態への転移温度以上に加熱されるまで、その変
形した形状を保持している。材料を熱的不安定形
状に置くために使用されるこの変形は、通常熱的
に回復可能な塑性変形と称せられ、また特定の場
合に転移温度以上で物品に歪を導入することによ
つても付与し得るもので、このときこの物品は、
転移温度を通過して冷却されると、変形した形状
を帯びる。転移温度は、温度範囲を有していて通
常履歴現象が生じ、転移を生ずる正確な温度が昇
温であるか降温であるかによつて相違することを
理解されたい。更に転移温度は、材料に加えた応
力を含む他のパラメータの函数であり、応力を増
加するに従い温度が上昇する。

このようなメモリー金属のうち、チタンおよび
ニツケルの種々の合金が、例えば米国特許第
3174851号、同第3351463号、同第3753700号、同
第3759552号各明細書、英国特許第1327441号、同
第1327442号各明細書およびNASA出版SP5000
「記憶を有する合金55ニチノール等」（米国政府印
刷局、ワシントン、コロンビア特別区、1972年）
に特に記述されているが、こゝにこれ等を引用し
たのは参考の為である。しかしながら、熱により
回復し得る特性は、このようなチタン−ニツケル
合金にのみ限定されるものではない。従つて、例
えば種々の銅基合金でこの特性を示すものが発表
されており、これは例えば中西他による「スクリ
プタ・メタラージカ（Scripta Metellurgica）
５」433−440頁（ペルガモンプレス発行1971年）
であり、このような金属は、公知の技術により転
移温度を低温域に低下するため添加剤を加えても
よい。同様に304型ステンレス鋼がこのような特
性を有することが江波他による同上663−668頁に
示されている。これ等をこゝに記述したのは前と
同様に参考のためである。

一般に、液体窒素の沸点（−196℃）と室温ま
たは使用中に遭遇する最低温度との間、即ち多く
の大気圏における適用の際には−196℃と−75℃
との間に転移温度を有する如く合金が選定され
る。このことは、この合金から作られた物品が回
復が所望される形状へ変形されることを可能と
し、液体窒素中に貯蔵され、熱による回復後に、
物品がマルテンサイト状態に転移する温度に遭遇
するため、使用中に機械的強度を失う危険が全く
ないことを保証する。

しかしながら、変形した物品を液体窒素中に貯
蔵することは、不便なことがある。金属組成、特
に、特定の銅基合金が、オーステナイト状態に転
移する転移温度を、通常それが起きる温度から一
層高い温度、典型的には室温以上である高温へ一
時的に上昇させ得る方法が最近開発された。後で
行われる回復処理には、物品を加熱することが必
要になる。このような合金は、「前調整」された
と称せられる。前調整する方法は、ジー・ビー・
ブルツク（G.B.Brook）、ピー・エル・ブルツク
ス（P.L.Brooks）およびアール・エフ・アイレ
ス（R.F.Iles）による米国特許第4095999号明細
書（発明の名称「熱処理方法」）、米国特許第
4036669号明細書（「機械的予備処理方法」）およ
び米国特許第4067752号明細書（「金属組成のオー
ステナイト時効」）に記述されているが、これ等
の特許については参考のため記述したものであ
る。

米国特許第4095999号明細書には、メモリー金
属から作られた物品を加熱し、次いで変形するこ
とによりメモリー金属のヒステリシスループを広
げる方法を開示している。米国特許第4036669号
明細書には、メモリー金属から成形した物品を変
形し、メモリー金属がオーステナイト相からマル
テンサイト相へ転移し始める温度よりも高い温度
で変形した形状に維持することによりヒステリシ
スループを広げる方法を開始している。米国特許
第4067752号明細書には、メモリー金属がマルテ
ンサイト相とオーステナイト相との間の可逆性を
失う傾向を少なくする方法を開示している。

上述の如く、前調整の方法を合金に適用するこ
とにより、その合金の転移温度を上昇させること
が出来る。しかしながら、その新しい転移温度を
通つて物品を加熱して回復が一度び行われると、
その合金の温度変化に対する応答性は、前調整以
前にそれが持つていた応答性へ戻る。従つて、こ
の合金は、通常マルテンサイトへの転移が生じる
温度に冷却されるまでオーステナイトのまゝであ
り、その温度は、遭遇しそうな環境温度により、
通常０℃またはそれ以下に選定される。

特開昭50−93847号公報に記載された複合継手
用器具では、挿入部材であるスリーブ部材は、そ
の端部あるいはその近傍において最大の厚みを有
し、その中央部で最小の厚みを有している。すな
わち、スリーブ部材の両端に向かつて厚みが増加
するように勾配が付いている。

特開昭50−93847号公報に記述された複合継手
用器具の代表的な適用は、管状または円筒形基材
を接続することである。適当な寸法を備えたこれ
等の継手は、寸法が大巾に異なる基材を接続する
のに使用し得る。例えば、これ等の継手は、航空
機の液圧装置に使用し得る如き管部材の接続に利
用できる。また、これ等の継手は、非常に大きい
寸法の管部材の接続に使用し得る。

多くの場合に、接続する円筒形基材の許容公差
は、例えば５％またはそれ以上の程度なので、部
材間の寸法間の大きな差異が起こり得るしまた基
材がひどく丸くないこともあろう。また、寸法
が、幾分相違した基材を接合することが所望され
る場合がよくある。従つて、基材におけるこのよ
うな不規則性または変化に適応し得る複合継手用
器具に対する必要性がある。

本発明は、この必要性に適応し得る複合継手用
器具を提供するものである。この継手は、勾配面
を有する少なくとも２個の挿入部材であるスリー
ブ部材とメモリー金属から作つた押圧部材である
熱収縮性中空部材との組合わせからなり、その勾
配面は、スリーブ部材が基材自体或るいは別のス
リーブ部材または押圧部材と相互に補足する勾配
を持つて協働し得るようにスリーブ部材の内側面
または外側面についており、円筒形基材の部材間
の寸法差に適応するか、または丸くない場合のそ
れらの差を補償できるようになつている。継手用
器具内の基材の保持を改善するために、スリーブ
部材が鋸状歯または歯を有するかまたは摩損し易
い部材から作られ、それによつて部材と基材との
間で摩損して接合を強化する。

すなわち、本発明の複合継手用器具に使用する
スリーブ部材は、少なくとも２個の部分に分かれ
ており、両スリーブ部材の外側部材の内面と内側
部材の外面とは勾配を有し、かつ両面が互いに補
足し合つて接触しており、しかもスリーブ部材の
少なくとも一部が、前記熱回復性中空部材の一端
の方へ肉厚が減少するように勾配が付いている。
これは、特開昭50−93847号公報記載のスリーブ
部材の構成と全く異なる。スリーブ部材が本発明
の構成をとることにより、ある範囲のいろいろな
大きさのパイプあるいは他の物体を継ぐことがで
きる。このため、継ごうとする物体の大きさ毎に
それぞれ継手を用意する必要が無い。すなわち、
本発明の複合継手用器具を用いて、種々の径を有
する物体を継げるばかりでなく、更に異形の形状
の物体を継ぐことも容易となつた。

従つて、本発明は、少なくとも一つの熱収縮性
または熱膨張性メモリー金属よりなる中空部材
（以下、熱回復性中空部材という）と、この熱回
復性中空部材のそれぞれ内側または外側に位置す
る少なくとも２個のスリーブ部材とを有し、この
スリーブ部材の少なくとも一主表面（こゝで主表
面とは横或るいは端部の狭い表面ではない、広い
面をいう）の少なくとも一部が勾配を有している
継手用器具を提供する。

ある場合には、熱回復性中空部材が熱膨張性で
あつて、スリーブ部材または各スリーブ部材が熱
回復性中空部材の周囲に位置するようにしてもよ
い。しかしながら、本発明の最も好ましい実施例
においては、熱回復性中空部材は熱収縮性管状部
材であり、そのスリーブ部材または各スリーブ部
材は、管状部材中に同軸的に配設された挿入部材
であり、本発明の下記の記述において、便宜上、
管状の熱収縮性中空部材と称するものは、その中
に位置する一またはそれ以上のスリーブ部材を有
している。

こゝに使用される「管状」という言葉は、正円
筒形部材に限定するものではなく、不規則さおよ
び（または）変化した断面を有すると共に、例え
ばＹ形、Ｔ形およびＸ形の部材と一またはそれ以
上の閉止端部を有する部材をも包含する。

本発明の実施例においては、少なくとも２つの
スリーブ部材が設けられ、これ等の部材の外側の
部材の内面と内側の部材の外面は勾配を有し、相
互に補足し合つて接触している。

この一対の部材の外側部材は、その内面に勾配
があり、一対の内側部材は外面に勾配を有し、そ
れらの共通長手軸に沿つて一方を他方に対して移
動させると、相互の面が接触し得るような傾斜を
持つている。この移動のために、それらスリーブ
部材の勾配面の協働作用により、押圧部材の回復
以前に基材に順応して更に強固に係合するよう
に、内側の部材を変形させることができる。この
ようにして、押圧部材が回復したとき、押圧部材
の及ぼす力のうちのわずかな部分がスリーブ部材
を基材に順応させるための最初の変形に消費さ
れ、残りの大部分が均等に押す力として使われ
る。

本発明のもう一つ別の複合継手用器具において
は、３個のスリーブ部材が設けられ、その内の１
つは、その中央部の方へ向かつて、または中央部
から両端部の方へ向かつて勾配のある主表面を有
し、他の２つは、最初のスリーブ部材の斜表面の
勾配に補足し合う一方向の勾配を持つ主表面をそ
れぞれ有している。こゝでもまた、２個の片勾配
のスリーブ部材を両勾配のスリーブ部材に対し、
好ましくは相対的に移動させ、回復前に気密な結
合を形成できるような手段が設けられているのが
好ましい。３つの部材の種々の配置が可能であ
る。例えば、一つの継手用器具として、１個の両
勾配スリーブ部材が比較的均一な直径の外面と、
両端部付近の最大径から中央部の最小径に向かう
勾配のある内面とを有し、２個の片勾配スリーブ
部材が、該中央部からの両側の内面にそれぞれ接
触する如く位置し、各々のそれ等部材が、比較的
均一な直径の内面と、その外側端部付近の大きい
径から、その内側端部付近の小さい径に向かい勾
配のある外面とを有している。

他の装置として、１個の両勾配スリーブ部材
は、比較的均一な直径の内面と、その両端に近い
所の小さい直径からその中央部の大きい直径に向
かい勾配のある外面とを有し、２個の片勾配スリ
ーブ部材が、該中央部からの両側の外面に接触す
るように位置し、それ等部材の各々が、比較的均
一な直径の外面と、その外端部付近の小さい直径
から、その内端部付近の大きい直径に向かう勾配
のある内面とを有している。

更にもう一つの管継手用器具において、１個の
両勾配スリーブ部材が比較的均一な直径の内面
と、その両端部付近の大きい直径からその中央部
の小さい直径に向かつて勾配のある外面とを有
し、２個の片勾配スリーブ部材が該中央部からの
両側の外面に接触するように位置し、それ等部材
の各々が、比較的均一な直径の外面と、その外端
部付近の大きい直径からその内端部付近の小さい
直径に向かつて勾配のある内面とを有している。

本発明のこれ等の実施例及び他の多くの実施例
において、少なくとも１つのスリーブ部材の一部
分にねじ山が設けられ、そこに締付ナツトがはめ
られ、そのナツトで種々のスリーブ部材を押し込
み易くし、押圧部材の回復前に気密な係合が得ら
れるようにするのか好ましい。ある態様として、
締付ナツト自身が、メモリー金属の熱収縮性中空
部材からなるかまたはその一部を形成しているの
が有利である。

次に本発明による種々の実施例を図面を引用
し、単なる例として更に詳細に説明する。

本発明による他の継手用器具の回復後の状態が
第１図に示されている。この器具は２つのスリー
ブ部材５，６を有し、外側のスリーブ部材５は内
径に勾配があり、一端が最大径で他端が最小径で
ある。図示の如くスリーブ部材５は、最大内径端
に長手スロツト７を有し、回復時の変形を容易に
する。内側スリーブ部材６は、スリーブ部材５の
勾配の反対の外側勾配を有し、一端が最大径で他
端が最小径である。スリーブ部材６は、変形を容
易にするため両端に端部長手スロツト８を有して
いる。第１図に示す如く、内側スリーブ部材６
は、管状基材に周溝１１，１２を形成することに
より、回復後に管状基材９，１０が引抜くことが
できないように歯が設けられている。

押圧部材１３の回復に先立ち、スリーブ部材
５，６が一体に密に楔係合し、スリーブ部材５が
スリーブ部材６に作用して基材の外径の差異また
は基材の楕円形の補償を行う。

外径に大きい変動のある円筒形基材に適用する
本発明の別の器具が第２図に示されている。図示
の如くこの器具は、３個の勾配のあるスリーブ部
材１４，１５，１６を有している。外側スリーブ
部材１４は、ねじ山を切つた端部１７，１８を有
し、ねじ山部分の内径に勾配があつて中央におい
て最小径になつている。図示の如く部材１４は、
ねじ山部分に構造的に弱くなるように長手スロツ
トを有し、押圧部材が回復したときに押圧部材に
よつて変形を受けるのを容易にしている。内側ス
リーブ部材１５，１６は、外径に勾配があり、一
端が最大径で他端が最小径となり、図示の如く端
部の長手スロツトを有するのが好ましい。第２図
に示す如く、内側スリーブ部材は、端部の管状部
１９，２０に係合する歯を持つていてもよい。

回復に先立ち、同一外径または異なる外径を有
する管状基材は、スリーブ部材１５，１６で形成
された空〓に挿入される。締付ナツト２１，２２
は、スリーブ部材１５，１６を初めにスリーブ部
材１４に対し進入させ基材部１９，２０に係合さ
せる装置を提供する。スリーブ部材１５，１６が
進む最大距離は基材部の直径によつて定まること
は明瞭であろう。基材が流体輸送用であれば、密
封のためにＯリング型ガスケツト２３，２４を設
けてもよい。腐蝕性流体からスリーブ部材１４を
保護するため、スリーブ部材１５，１６間に歯部
を設けたリング２５を挿入して流体に対し気密な
継手を形成することができる。勿論リング２５は
流体に侵されない材料から作らねばならない。締
付ナツトとスリーブ部材１５，１６との間に座金
２６，２７を設けることが出来る。リング２５を
使用するときには、ガスケツト２３，２４を省略
してもよい。

第３図に、第２図の装置の変更例が示されてい
る。第３図に示す如くこの装置も３個のスリーブ
部材を有している。しかし、この本発明では、内
側のスリーブ部材２８はねじ山を設けた端部２
９，３０を有し、それに締付ナツト３１，３２を
ねじ込む。それらナツトは勾配のある外側のスリ
ーブ部材３３，３４を押込むのに使用される。こ
れ等スリーブ部材を押込むことにより、スリーブ
部材３３，３４はスリーブ部材２８を押し付け、
押圧部材３６の回復前に基材部３５，３５ａに密
に接触させる。スリーブ部材に構造的に弱いスロ
ツトを設けて変形を容易にするのが好ましい。

第２，３図の両継手用器具において、反対向き
に勾配のある部材を設けることにより、内側の部
材が押圧部材の回復前に変形し、基材と係合させ
ることができる器具が提供される。従つて、回復
が発生するように処理されると、回復力は最初に
一部スリーブ部材を変形するために消費される
が、大部分の回復力がスリーブ部材と基材とを一
層密に係合させるために用いられる。

本発明による他の継手用器具が第４図に示され
ている。この装置において、内側のスリーブ部材
３７の外面が両端部の最大径から中央の所の最小
径にかけて勾配を有している。図示の如くこれに
は歯部と長手スロツトが設けられている。外側の
スリーブ部材３８，３９は、スリーブ部材３７に
協働するため内部に勾配を有している。外側のス
リーブ部材３８，３９は、締付ナツト４０，４１
を装着するため端部にねじ山が設けられている。
これ等のナツトは、スリーブ部材３８，３９を引
張る作用を行い、これにより内側のスリーブ部材
３７を変形させ、基材４２，４３に係合するよう
にさせる。このようにした後、回復可能な押圧部
材４４が転移点以上が加熱され、この結合に必要
な最終的な圧力が加えられる。

前述の継手は、本発明によつて形成し得る多数
の型式の中の例に過ぎない。本発明の継手用器具
は、円筒形の基材の結合を要する場合の多くの用
途に適している。例えば、これ等の継手は、中空
でないまたは管状構造部材またはケーブルを接合
するのに使用し得るであろう。しかしながら、こ
れ等の継手の好ましい用途は、流体、例えば液圧
装置または配管中の流体に輸送に適した中空部材
の接合にある。

【図面の簡単な説明】

第１図は円筒形基材の継手用のもう１つの形式
の複合継手用器具を示し、第２図は流体密接合用
複合継手用器具を示し、第３図は円筒形基材の継
手用の更にもう１つの複合継手用器具を示し、第
４図は継手用器具の更に別の形式を示し、 ５，６，１４，１５，１６，３３，３４，３
７，３８，３９……スリーブ部材、１３，３６，
４４……押圧部材、９，１０，１９，２０，３
５，３５ａ，４２，４３……管状基材、２１，２
２，３１，３２……ナツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ メモリー金属から作られた押圧部材である熱
   回復性中空部材と、この熱回復性中空部材の内側
   又は外側に同軸的に配置された少なくとも２個の
   挿入部材であるスリーブ部材であつて、両スリー
   ブ部材の外側部材の内面と内側部材の外面とは勾
   配を有し、かつ両面が互いに補足し合つて接触し
   ており、しかもスリーブ部材の少なくとも一部
   が、前記熱回復性中空部材の一端の方へ肉厚が減
   少するように勾配がついており、前記熱回復性中
   空部材が加熱されたとき、熱回復性中空部材によ
   つて変形されるようになつているスリーブ部材と
   からなることを特徴とする、複合継手用器具。 ２ 前記熱回復性中空部材が、半径方向の熱収縮
   性管状部材である、特許請求の範囲第１項に記載
   の複合継手用器具。 ３ 前記スリーブ部材が、前記管状部材内に同軸
   的に配置された、特許請求の範囲第２項に記載の
   複合継手用器具。 ４ 前記熱回復性中空部材と前記スリーブ部材と
   の接触面が、非勾配面である、特許請求の範囲第
   １項〜第３項に記載の複合継手用器具。 ５ 前記熱回復性中空部材から、より遠く離れた
   側の、前記スリーブ部材の主表面が複数の歯を有
   する、特許請求の範囲第１項〜第４項のいずれか
   １項に記載の複合継手用器具。 ６ 前記スリーブ部材に構造的に弱い部分を設け
   ることにより、スリーブ部材の変形を容易にす
   る、特許請求の範囲第１項〜第４項のいずれか１
   項に記載の複合継手用器具。 ７ 前記スリーブ部材が摩損し易い材料から作ら
   れている、特許請求の範囲第１項〜第６項のいず
   れか１項に記載の複合継手用器具。 ８ 前記スリーブ部材をその共通長手軸線に沿つ
   て互いに向かい合う方向へ移動させる手段を有す
   る、特許請求の範囲第１項に記載の複合継手用器
   具。 ９ 前記複合継手用器具が、少なくとも１個のね
   じ山のあるナツトを有する、特許請求の範囲第８
   項に記載の複合継手用器具。 １０ 前記ナツトが熱収縮性中空部材からなるか
   又はその一部を形成する、特許請求の範囲第９項
   に記載の複合継手用器具。 １１ ３個のスリーブ部材が設けられ、その内の
   １個が中央部の方へ又は中央部から両端の方へ勾
   配のある主表面を有し、他の２個がそれぞれ前記
   スリーブ部材の主表面の一つと互いに補足し合う
   片勾配の主表面を有する、特許請求の範囲第１項
   〜第７項のいずれか１項に記載の複合継手用器
   具。 １２ 前記２個の片勾配部材を相互に近づけ又は
   隔離するように移動させる手段が設けられた、特
   許請求の範囲第１１項に記載の複合継手用器具。 １３ 前記移動手段が、両勾配スリーブ部材のね
   じ山を設けた両端部と協働する一対のナツトから
   なる、特許請求の範囲第１２項に記載の複合継手
   用器具。 １４ 前記１個の両勾配スリーブ部材が、比較的
   均一な直径の外面と、スリーブ部材の両端部付近
   の大きい直径から中央部の小さい直径に向かつて
   勾配のある内面とを有し、前記２個の片勾配スリ
   ーブ部材が、前記中央部から両側の前記内面に接
   触するように位置し、これら片勾配スリーブ部材
   の各々が比較的均一な直径の内面と、その外端部
   付近の大きい直径からその内端部付近の小さい直
   径に向かつて勾配のある外面とを有する、特許請
   求の範囲第１１項〜第１３項のいずれか１項に記
   載の複合継手用器具。 １５ 前記１個の両勾配スリーブ部材が、比較的
   均一な直径の内面と、その両端部付近の小さい直
   径からその中央部の大きい直径に向かつて勾配の
   ある外面とを有し、前記２個の片勾配スリーブ部
   材が、前記中央部から両側の前記外面に接触する
   ように位置し、これら片勾配部材の各々が比較的
   均一な直径の外面と、その外端部付近の小さい直
   径からその内端部付近の大きい直径に向かつて勾
   配のある内面とを有する、特許請求の範囲第１１
   項〜第１３項のいずれか１項に記載の複合継手用
   器具。 １６ 前記１個の両勾配スリーブ部材が、比較的
   均一な直径の内面と、その両端部付近の大きい直
   径からその中央部の小さい直径に向かつて勾配の
   ある外面とを有し、前記２個の片勾配スリーブ部
   材が、前記中央部から両側の前記外面に接触する
   ように位置し、これら片勾配スリーブ部材の各々
   が比較的均一な直径の外面と、その外端部付近の
   大きい直径からその内端部付近の小さい直径に向
   かつて勾配のある内面とを有する、特許請求の範
   囲第１１項〜第１３項のいずれか１項に記載の複
   合継手用器具。 １７ 前記熱回復性の中空部材が、マルテンサイ
   ト相に転移し始める温度が高くなるように前調整
   されたメモリー金属よりなる、特許請求の範囲第
   １項〜第１６項に記載の複合継手用器具。