JPH023732Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、運搬車に兼用される走行機体のフロ
アを折畳み可能として、折畳んだフロア上に脱穀
部を搭載できるようにした移動脱穀部に係るもの
である。

従来の技術 走行機体上に脱穀部を取付取外し自在に搭載
し、脱穀部を取外せば運搬車として使用できる移
動脱穀機が一般に知られているが、従来この種の
移動脱穀機は、走行機体上面のフロアを大形とし
て、運搬車として使用する際の運搬効率の向上を
図つている。

本考案が解決しようとする問題点 ところが走行機体上面のフロアを大形としたも
のでは、脱穀作業をするときでも、フロアが脱穀
機の外方に大きく張出して作業に不便な許りでな
く機体を格納するときに大きなスペースが必要と
なる。しかも機体に搭載された脱穀部を、大形の
フロア周辺部に固定するために、大きな機枠を取
付けなければならず、余分な材料が必要となるう
え、運搬車として使用する際には、機枠を取付け
たままフロアから取外された脱穀機本体を格納す
るのにも、広いスペースが必要となるなどの問題
点がある。

本考案は上記の如き実状に鑑み、これらの問題
点を解決すべく創案されたものであつて、運搬車
として使用する際には走行機体上面の広いフロア
を利用して効率よく運搬作業ができるものであり
ながら、脱穀作業をする際には、脱穀機本体を走
行機体の折畳んだフロア上に搭載して、脱穀機全
体を作業に便利なコンパクトなものにすることが
できる移動脱穀機を提供することを目的としたも
のである。

問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するため、本考案が講じた技
術的手段は、走行機体のフロア上に脱穀部を取
付、取外し自在に搭載し、脱穀部を取外した走行
機体を運搬車に兼用できるようにした移動脱穀機
において、上記フロアを機体フレームに固定した
主フロアと該主フロアに回動自在に支持した補助
フロアとに分割構成して、補助フロアを主フロア
の外側に突出させてフロア面積を拡大した伸展位
置と、反転させて主フロア上に重合させた折畳み
位置とに回動切換え可能にすると共に、上記補助
フロアには、伸展位置としたときの下面側に、機
体フレームの延長線上に位置して補強フレームを
固定し、補助フロアを折畳み位置とした際に、機
体フレームの上方に位置する補強フレームで脱穀
部の取付座を形成したことを特徴とするものであ
る。

考案の作用 上記の如く構成することにより、走行機体のフ
ロア上から脱穀部を取外して運搬車に兼用すると
きには、補助フロアを外側に突出した伸展位置と
すれば補助フレームで補強された広いフロアを利
用して効率よく運搬作業を行うことができる。

そして脱穀機として使用するときには、補助フ
ロアを内側に反転させれば、主フロア上に重合し
て折畳まれるのでフロアの大きさを小さくするこ
とができる。このとき、反転した補助フロアの補
強フレームが、機体フレームの上方に位置して脱
穀部の取付座を形成するので、重い脱穀部を取付
座で案内しながら正確に位置決めして取付けるこ
とができて、移動脱穀機全体をコンパクトなもの
にすることができるものである。

実施例 本考案の構成を図面に示された実施例について
説明すれば、１は走行機体であつて、走行部２を
備えた機体フレーム３，３の上面に、前端部が機
体フレーム３，３よりも前方に張り出した大形の
フロア４が張設されており、その後部には運転操
作部５並びにエンジン６が搭載されている。

上記フロア４は２分割型に構成されていて、前
方に張り出した前半部である補助フロア４ａは、
機体フレーム３，３に固定されたフロア４の後半
部である主フロア４ｂの前端に左右方向のヒンジ
７を介して枢着されており、前方に張り出した伸
展位置と、後方に反転して主フロア４ｂ上に重合
する折畳み位置とに回動自在となつている。

また、上記補助フロア４ａには、伸展位置とし
たときの下面側に前後方向の補強フレーム８，８
が前記機体フレーム３，３の延長線上に位置して
固定されていて補助フロア４ａを伸展位置とした
ときは、補強フレーム８，８の後端が機体フレー
ム３，３の先端に接当するようになつている。

そして上記フロア４の補助フロア４ａを後方に
反転させ、主フロア４ｂに重合する折畳み位置に
回動させると、重合した補助フロア４ａと主フロ
ア４ｂを挾んで、機体フレーム３，３の上方に位
置した補強フレーム８，８によつて、脱穀部９の
取付座が形成されるようになつている。１０は機
体フレーム３，３間に固定された左右方向の補強
部材である。

１１は上記脱穀部９の下部に装着された機枠で
あつて、前後方向は脱穀部９と略同一長さに形成
され、幅員は補強フレーム８，８の間隔と略同一
巾に形成されている。そして上記機枠１１の下面
には補強フレーム８，８に案内されて転動するロ
ーラ１２が軸着されている。１３は脱穀部９の穀
稈供給装置、１４は供給台、１５は排藁装置、１
６は揚穀機、１７は排塵ダクトである。

上記の如き構成において、いま脱穀部９を取外
して走行機体１を運搬車として使用する際には、
フロア４の補助フロア４ａを伸展位置に回動させ
れば、補助フロア４ａが機体フレーム３，３より
も前方に張り出して、大形のフロア４を形成する
ので、荷物の積載面積を大きくすることができ、
しかも補助フロア４ａの補強フレーム８，８後端
が機体フレーム３，３の先端に接当するのでフロ
ア４の強度が大となり積載重量も増加して効率よ
く運搬作業を行うことができる。

そして脱穀作業を行う際には、フロア４の補助
フロア４ａを折畳むことができる。ついで脱穀部
９の後端を持上げて機枠１１を補強フレーム８，
８で形成された取付座上に乗せ、ローラ１２を取
付座に案内させながら押し上げるのみで容易に脱
穀部９を折畳んだフロア４上の所定の位置に正確
に位置決めして搭載することができ、しかも、取
付座を形成する補強フレーム８は機体フレーム３
の上方に位置しているので、重い脱穀部９であつ
ても安定した状態で確実に支持することができ
て、図示しない緊締具で機枠１１をフロア４に固
定すれば移動脱穀機全体をコンパクトにすること
ができる。したがつて、従来のようにフロア先端
が大きく張出して作業に支障を及ぼすことはな
く、円滑に脱穀作業を行うことができ、機体を格
納する際にも、特に大きなスペースが必要となる
ことはない。また機体に搭載された脱穀部９は折
畳んだフロア４上に固定されるので、より安定し
た状態に搭載することができる。

考案の効果 これを要するに本考案は、走行機体のフロア上
に脱穀部を取付、取外し自在に搭載し、脱穀部を
取外した走行機体を運搬車に兼用できるようにし
た移動脱穀機において、上記フロアを機体フレー
ムに固定した主フロアと該主フロアに回動自在に
支持した補助フロアとに分割構成して、補助フロ
アを主フロアの外側に突出させてフロア面積を拡
大した伸展位置と、反転させて主フロア上に重合
させた折畳み位置とに回動切換え可能にすると共
に、上記補助フロアには、伸展位置としたときの
下面側に、機体フレームの延長線上に位置して補
強フレームを固定し、補助フロアを折畳み位置と
した際に、機体フレームの上方に位置する補強フ
レームで脱穀部の取付座を形成したから、脱穀部
を取外して走行機体を運搬車として使用する際に
は、補助フロアを外側に突出した伸展位置とすれ
ば、補強フレームで補強された広いフロアを利用
して効率よく運搬作業を行うことができる。

そして脱穀作業を行う際には、補助フロアを主
フロア上に重合する折畳み位置に反転させれば、
フロアの大きさを小さく折畳むことができる。

このとき折畳んだフロア上には、反転した補助
フロアの補強フレームにより取付座が形成される
ので、脱穀部を取付座で案内しながら正確に位置
決めして取付ることができる。しかも取付座を形
する補強フレームは機体フレームの上方に位置し
ているので、重い脱穀部であつても安定した状態
で確実に固定できて移動脱穀機全体をコンパクト
にすることができる。したがつてフロアが外方に
突出して作業に支障を及ぼすようなことはなく、
円滑に脱穀作業を行うことができるうえ、機体を
格納する場合にも、殊更広いスペースを必要とす
ることがない等、極めて有用な実用的効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る移動脱穀機の実施例を示す
ものであつて、第１図は脱穀部を取外しフロアを
伸展位置とした斜視図、第２図は同上折畳み位置
とした斜視図、第３図は全体平面図、第４図は同
上側面図、第５図は脱穀部下部機枠部の切欠斜視
図である。 図中、１……走行機体、３……機体フレーム、
４……フロア、４ａ……補助フロア、４ｂ……主
フロア、８……補強フレーム、９……脱穀部であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行機体１のフロア４上に脱穀部９を取付、取
   外し自在に搭載し、脱穀部９を取外した走行機体
   １を運搬車に兼用できるようにした移動脱穀機に
   おいて、上記フロア４を機体フレーム３に固定し
   た主フロア４ｂと該主フロア４ｂに回動自在に支
   持した補助フロア４ａとに分割構成して、補助フ
   ロア４ａを主フロア４ｂの外側に突出させてフロ
   ア面積を拡大した伸展位置と、反転させて主フロ
   ア４ｂ上に重合させた折畳み位置とに回動切換え
   可能にすると共に、上記補助フロア４ａには、伸
   展位置としたときの下面側に、機体フレーム３の
   延長線上に位置して補強フレーム８を固定し、補
   助フロア４ａを折畳み位置とした際に、機体フレ
   ーム３の上方に位置する補強フレーム８で脱穀部
   ９の取付座を形成したことを特徴とする移動脱穀
   機。