JPH0237301Y2 - - Google Patents
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- JPH0237301Y2 JPH0237301Y2 JP1983201651U JP20165183U JPH0237301Y2 JP H0237301 Y2 JPH0237301 Y2 JP H0237301Y2 JP 1983201651 U JP1983201651 U JP 1983201651U JP 20165183 U JP20165183 U JP 20165183U JP H0237301 Y2 JPH0237301 Y2 JP H0237301Y2
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- JP
- Japan
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- mass
- connecting member
- crankshaft
- torsional
- torsional damper
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- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 claims description 2
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- 238000010168 coupling process Methods 0.000 description 3
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 description 3
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
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Landscapes
- Mechanical Operated Clutches (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
本考案はトーシヨナルダンパに関し、さらに具
体的には、本考案のトーシヨナルダンパは、2個
のマスを互に相対回転可能に構成するとともに、
該両マスの間に所定の回転数以上になると該両マ
スを結合することができるクラツチ機構を配設し
たことを特徴とする。
体的には、本考案のトーシヨナルダンパは、2個
のマスを互に相対回転可能に構成するとともに、
該両マスの間に所定の回転数以上になると該両マ
スを結合することができるクラツチ機構を配設し
たことを特徴とする。
従来の技術として、プーリーに固着されたバツ
クプレートに、マスが防振部材を介して取り付け
られたクランクシヤフトの捩り振動を防止するた
めのダンバーは、例えば実開昭55−100732号公報
に記載されているように公知であり、また、原動
機軸に固定されたフライホイールと遊転できるよ
うに装着したフライホイールとの間にあつて軸が
停止中及び回転が極く遅いときと極めて速いとき
に両フライホイールを結合し、軸が中速回転のさ
いには両フライホイールを分離させる作用を遠心
力により行う結合分離装置から成る各種原動機用
可変フライホイールは、例えば特公昭47−45981
号公報に記載されているように公知である。
クプレートに、マスが防振部材を介して取り付け
られたクランクシヤフトの捩り振動を防止するた
めのダンバーは、例えば実開昭55−100732号公報
に記載されているように公知であり、また、原動
機軸に固定されたフライホイールと遊転できるよ
うに装着したフライホイールとの間にあつて軸が
停止中及び回転が極く遅いときと極めて速いとき
に両フライホイールを結合し、軸が中速回転のさ
いには両フライホイールを分離させる作用を遠心
力により行う結合分離装置から成る各種原動機用
可変フライホイールは、例えば特公昭47−45981
号公報に記載されているように公知である。
一般に、クランク軸には間けつ的に回転力が作
用するため、捩り振動を生ずるが、この捩り振動
はクランク軸がある回転数になると該軸の固有振
動と共振してクランク軸に激しい振動を起させる
ため、内燃機関の円滑な運転が不可能になる。従
つて、高速機関やトルクの大きいデイーゼル機関
及びクランク軸の長い直列形機関等には捩り振動
を抑制するためにトーシヨナルダンパが装備され
る。
用するため、捩り振動を生ずるが、この捩り振動
はクランク軸がある回転数になると該軸の固有振
動と共振してクランク軸に激しい振動を起させる
ため、内燃機関の円滑な運転が不可能になる。従
つて、高速機関やトルクの大きいデイーゼル機関
及びクランク軸の長い直列形機関等には捩り振動
を抑制するためにトーシヨナルダンパが装備され
る。
トーシヨナルダンパには種々の構造のものがあ
るが、最も一般的なものは、クランクプーリに取
付けられる円板形のリテーナと、該リテーナに固
定されたゴム製の緩衝部材と、該緩衝部材に固定
された環状のマス(すなわち重錘)と、から成る
ものである。クランク軸系の振動特性は該マスの
質量と該緩衝部材の弾性及び振動減衰特性とによ
つて左右されるため、マスの質量及び慣性モーメ
ントの決定は機関性能決定の上で重要である。
るが、最も一般的なものは、クランクプーリに取
付けられる円板形のリテーナと、該リテーナに固
定されたゴム製の緩衝部材と、該緩衝部材に固定
された環状のマス(すなわち重錘)と、から成る
ものである。クランク軸系の振動特性は該マスの
質量と該緩衝部材の弾性及び振動減衰特性とによ
つて左右されるため、マスの質量及び慣性モーメ
ントの決定は機関性能決定の上で重要である。
第1図はマスの慣性モーメントがクランク軸系
の捩り振動に与える影響を示したものである。同
図において、横軸はクランク軸の回転数N(rpm)
であり、縦軸はクランク軸の捩れ角θ及び振動の
振幅の大きさ、aを表わしている。また、実線の
曲線Aはトーシヨナルダンパを装着しない場合の
クランク軸の振動特性、点線の曲線Bは慣性モー
メントの大きいマスを有するトーシヨナルダンパ
を装着した場合のクランク軸の振動特性、一点鎖
線の曲線Cは慣性モーメントの小さいマスを有す
るトーシヨナルダンパを装着した場合のクランク
軸の振動特性、をそれぞれ示している。また同図
において、N1は最大常用回転数、R1は常用回転
領域、N2はオーバーラン領域R2における最大オ
ーバーラン回転数、R3は非使用回転領域、であ
る。
の捩り振動に与える影響を示したものである。同
図において、横軸はクランク軸の回転数N(rpm)
であり、縦軸はクランク軸の捩れ角θ及び振動の
振幅の大きさ、aを表わしている。また、実線の
曲線Aはトーシヨナルダンパを装着しない場合の
クランク軸の振動特性、点線の曲線Bは慣性モー
メントの大きいマスを有するトーシヨナルダンパ
を装着した場合のクランク軸の振動特性、一点鎖
線の曲線Cは慣性モーメントの小さいマスを有す
るトーシヨナルダンパを装着した場合のクランク
軸の振動特性、をそれぞれ示している。また同図
において、N1は最大常用回転数、R1は常用回転
領域、N2はオーバーラン領域R2における最大オ
ーバーラン回転数、R3は非使用回転領域、であ
る。
第1図から明らかなように、トーシヨナルダン
パのマス質量が小さいと、常用回転領域R1にお
いてクランク軸の固有捩り振動のピークを最もよ
く抑制することができるため、従来はトーシヨナ
ルダンパのマス質量を比較的小さい値に決定して
いた。この場合、オーバーラン領域R2における
捩り振動のピークはマス質量を大きくした場合に
くらべて高くなるが、従来のエンジンではオーバ
ーラン領域を使用することはなかつたので問題に
はならなかつた。
パのマス質量が小さいと、常用回転領域R1にお
いてクランク軸の固有捩り振動のピークを最もよ
く抑制することができるため、従来はトーシヨナ
ルダンパのマス質量を比較的小さい値に決定して
いた。この場合、オーバーラン領域R2における
捩り振動のピークはマス質量を大きくした場合に
くらべて高くなるが、従来のエンジンではオーバ
ーラン領域を使用することはなかつたので問題に
はならなかつた。
しかし、最近では高速回転域で高性能を発揮す
る排気ターボ装着車等が広く使用されるようにな
つたため、エンジンをオーバーラン領域R2で運
転する場合も増加しており、従つてオーバーラン
領域におけるクランク軸系の捩り振動もできるだ
け小さくすることが必要となつてきている。それ
故、第1図から明らかなようにオーバーラン領域
R2のみに関してはマスの慣性モーメントの大き
なトーシヨナルダンパを使用することが好ましい
が、マスの慣性モーメントの大きなトーシヨナル
ダンパを使用すると、常用回転領域R1では捩れ
振動のピークが大きくなつて常用回転領域におけ
るエンジン性能を低下させるという事態を招くこ
とになる。
る排気ターボ装着車等が広く使用されるようにな
つたため、エンジンをオーバーラン領域R2で運
転する場合も増加しており、従つてオーバーラン
領域におけるクランク軸系の捩り振動もできるだ
け小さくすることが必要となつてきている。それ
故、第1図から明らかなようにオーバーラン領域
R2のみに関してはマスの慣性モーメントの大き
なトーシヨナルダンパを使用することが好ましい
が、マスの慣性モーメントの大きなトーシヨナル
ダンパを使用すると、常用回転領域R1では捩れ
振動のピークが大きくなつて常用回転領域におけ
るエンジン性能を低下させるという事態を招くこ
とになる。
本考案は前記の如き事情を考慮してなされたも
のであり、本考案の目的は、常用回転領域におい
てクランク軸の固有捩り振動のピークを最も効果
的に低減できるとともにオーバーラン領域におい
てもクランク軸の固有捩り振動のピークを最も効
果的に低減することのできる、新規なトーシヨナ
ルダンパを提供することである。
のであり、本考案の目的は、常用回転領域におい
てクランク軸の固有捩り振動のピークを最も効果
的に低減できるとともにオーバーラン領域におい
てもクランク軸の固有捩り振動のピークを最も効
果的に低減することのできる、新規なトーシヨナ
ルダンパを提供することである。
本考案のトーシヨナルダンパは、前記目的を達
成するために、減衰部材を介してリテーナに固定
したマスの溝内に、軸受を介して、このマスに対
し相対回転可能な他のマスを設け、リテーナに固
定したマスに、ばねで付勢されるとともに、スト
ツパで変位を制限される連結部材を有する遠心ク
ラツチ機構を設け、回転軸が所定の回転数になる
と連結部材が遠心力により変位し、両マスを一体
的に回転可能に連結することができるように構成
する。したがつて、本考案のトーシヨナルダンパ
では、第1のマスと第2のマスの間に双方を結合
させるクラツチ機構が設けられており、回転軸が
所定の回転数以上になると該クラツチ機構によつ
て前記両マスが自動的に結合される。
成するために、減衰部材を介してリテーナに固定
したマスの溝内に、軸受を介して、このマスに対
し相対回転可能な他のマスを設け、リテーナに固
定したマスに、ばねで付勢されるとともに、スト
ツパで変位を制限される連結部材を有する遠心ク
ラツチ機構を設け、回転軸が所定の回転数になる
と連結部材が遠心力により変位し、両マスを一体
的に回転可能に連結することができるように構成
する。したがつて、本考案のトーシヨナルダンパ
では、第1のマスと第2のマスの間に双方を結合
させるクラツチ機構が設けられており、回転軸が
所定の回転数以上になると該クラツチ機構によつ
て前記両マスが自動的に結合される。
以下に第2図乃至第9図を参照して本考案の好
適実施例について説明する。
適実施例について説明する。
第2図乃至第5図は本考案の第一実施例による
トーシヨナルダンパを示したものである。
トーシヨナルダンパを示したものである。
第2図において、1はクランク軸プーリ等に固
着される環状円板形のリテーナであり、該リテー
ナ1の一方の面には環状の減衰部材2が固着され
ている。減衰部材2の他方の面には、端面に周方
向の溝3aが形成された環状の第1マス3が固着
され、該第1マス3はリテーナ1及び減衰部材2
とともに常に一体となつて中心軸線Xを中心とし
て回転するようになつている。第1マス3はその
内周縁に沿つてリム3bを有し、該リム3bには
球軸受4のインナーレース4aが嵌着されてお
り、該球軸受4は第1マス3と一体化されてい
る。第1マス3の溝3a内には環状円板形の第2
マス5が第1マス3に対して相対的に回転しうる
ように嵌装され、該第2マス5は球軸受4のアウ
ターレース4bに嵌着されて該球受4のアウター
レース4bとともに第1マス3の溝3a内で中心
軸線Xを中心として回転しうるようになつてい
る。
着される環状円板形のリテーナであり、該リテー
ナ1の一方の面には環状の減衰部材2が固着され
ている。減衰部材2の他方の面には、端面に周方
向の溝3aが形成された環状の第1マス3が固着
され、該第1マス3はリテーナ1及び減衰部材2
とともに常に一体となつて中心軸線Xを中心とし
て回転するようになつている。第1マス3はその
内周縁に沿つてリム3bを有し、該リム3bには
球軸受4のインナーレース4aが嵌着されてお
り、該球軸受4は第1マス3と一体化されてい
る。第1マス3の溝3a内には環状円板形の第2
マス5が第1マス3に対して相対的に回転しうる
ように嵌装され、該第2マス5は球軸受4のアウ
ターレース4bに嵌着されて該球受4のアウター
レース4bとともに第1マス3の溝3a内で中心
軸線Xを中心として回転しうるようになつてい
る。
第2マス5の外側に位置する第1マス3の外周
縁部には、第3図及び第4図に示すように少くと
も1箇所の凹部3cが形成されており、該凹部3
c内には第1マス3と第2マス5とを一体化させ
るためのクラツチ機構6が設けられている。
縁部には、第3図及び第4図に示すように少くと
も1箇所の凹部3cが形成されており、該凹部3
c内には第1マス3と第2マス5とを一体化させ
るためのクラツチ機構6が設けられている。
この実施例に示されたクラツチ機構6は、第1
マス3にピン7で基端部を枢着された連結部材8
と、該連結部材8の先端部を常に中心軸線Xの方
向に(第3図の矢印b方向に)附勢するように該
第1マス3と連結部材8の先端との間に取付けら
れたばね9と、該連結部材8の停止位置を定める
ために第1マス3に設けられたストツパ10と、
から成つている。また、該連結部材8の基端部に
は第2マス5の外周面に係合しうる係合片11が
取付けられており、該係合片11は第5図に示す
ように連結部材8の先端が大きく外周側に引き上
げられた時にのみ第2マス5の外周面と強く係合
するようになつている。係合片11は一般に摩擦
係数が大きく且つ弾性の大きな材料で構成される
ことが望ましく、ゴム系材料に適当な充填剤を混
入して形成した高摩擦且つ耐摩耗性のある材料で
形成される。
マス3にピン7で基端部を枢着された連結部材8
と、該連結部材8の先端部を常に中心軸線Xの方
向に(第3図の矢印b方向に)附勢するように該
第1マス3と連結部材8の先端との間に取付けら
れたばね9と、該連結部材8の停止位置を定める
ために第1マス3に設けられたストツパ10と、
から成つている。また、該連結部材8の基端部に
は第2マス5の外周面に係合しうる係合片11が
取付けられており、該係合片11は第5図に示す
ように連結部材8の先端が大きく外周側に引き上
げられた時にのみ第2マス5の外周面と強く係合
するようになつている。係合片11は一般に摩擦
係数が大きく且つ弾性の大きな材料で構成される
ことが望ましく、ゴム系材料に適当な充填剤を混
入して形成した高摩擦且つ耐摩耗性のある材料で
形成される。
ばね9の強さと連結部材8の先端部質量とは該
連結部材8の作動条件を決定する重要な要素であ
る。本考案においては、クラツチ機構6を介して
第1マス3と第2マス5とが一体化される回転数
を第1図のN1となるように連結部材8の先端部
質量とばね9の引張り力とを定めてある。
連結部材8の作動条件を決定する重要な要素であ
る。本考案においては、クラツチ機構6を介して
第1マス3と第2マス5とが一体化される回転数
を第1図のN1となるように連結部材8の先端部
質量とばね9の引張り力とを定めてある。
次に前記の如き構成を有する本考案の第一実施
例のトーシヨナルダンパの作用について第1図乃
至第6図を参照して説明する。
例のトーシヨナルダンパの作用について第1図乃
至第6図を参照して説明する。
第3図乃至第5図に示したクラツチ機構6を有
する本考案のトーシヨナルダンパをクランク軸に
装着して使用した場合、常用回転領域R1(第1
図)では連結部材8に作用する遠心力がばね9の
矢印b方向の力よりも小さいため、連結部材8は
第3図図示の状態にある。従つて、第1マス3と
第2マス5とは結合することなく、第2マス5は
球軸受4のアウターレース4bとともに静止する
一方、第1マス3のみがクランク軸とともに回転
する。この状態では捩り振動の減衰に寄与する質
量は第1マス3のみであるから、クランク軸の捩
れ角θ及び振動振幅aの変化は常用回転領域R1
内では第1図の二点鎖線の曲線cのようになる。
する本考案のトーシヨナルダンパをクランク軸に
装着して使用した場合、常用回転領域R1(第1
図)では連結部材8に作用する遠心力がばね9の
矢印b方向の力よりも小さいため、連結部材8は
第3図図示の状態にある。従つて、第1マス3と
第2マス5とは結合することなく、第2マス5は
球軸受4のアウターレース4bとともに静止する
一方、第1マス3のみがクランク軸とともに回転
する。この状態では捩り振動の減衰に寄与する質
量は第1マス3のみであるから、クランク軸の捩
れ角θ及び振動振幅aの変化は常用回転領域R1
内では第1図の二点鎖線の曲線cのようになる。
クランク軸の回転数が常用最大回転数N1を越
えると、連結部材8に作用する遠心力がばね9の
張力に打ち勝つて連結部材8は第5図に示すよう
にストツパ10から離れて外周方向へピン7を中
心として反時計方向に回動され、その結果、連結
部材8の基端部に固着されている係合片11が第
2マス5の外周面に圧接される。それ故、それま
で静止していた第2マス5は係合片11との摩擦
係合により第1マス3と一体化されて回転を始
め、その結果、オーバーラン領域R2においては
第1マス3と第2マス5とのそれぞれの質量の合
計が捩り振動の減衰質量として作用することにな
り、従つて、オーバーラン領域R2でのクランク
軸の捩れ角θ及び振動振幅aの変化は第1図の曲
線Bのようになる。同様オーバーラン領域R2の
最大回転数N2を越えた非使用回転領域R3におい
ても第1マス3と第2マス5とは合体しているの
で該非使用回転領域R3におけるクランク軸の捩
れ角θの変化も第1図の曲線Bのようになる。
えると、連結部材8に作用する遠心力がばね9の
張力に打ち勝つて連結部材8は第5図に示すよう
にストツパ10から離れて外周方向へピン7を中
心として反時計方向に回動され、その結果、連結
部材8の基端部に固着されている係合片11が第
2マス5の外周面に圧接される。それ故、それま
で静止していた第2マス5は係合片11との摩擦
係合により第1マス3と一体化されて回転を始
め、その結果、オーバーラン領域R2においては
第1マス3と第2マス5とのそれぞれの質量の合
計が捩り振動の減衰質量として作用することにな
り、従つて、オーバーラン領域R2でのクランク
軸の捩れ角θ及び振動振幅aの変化は第1図の曲
線Bのようになる。同様オーバーラン領域R2の
最大回転数N2を越えた非使用回転領域R3におい
ても第1マス3と第2マス5とは合体しているの
で該非使用回転領域R3におけるクランク軸の捩
れ角θの変化も第1図の曲線Bのようになる。
本考案のトーシヨナルダンパを装着した場合の
クランク軸の捩れ角の変化は第6図の実線で表示
された曲線Dのようになり、常用回転領域R1で
は従来のトーシヨナルダンパにおいてマスの慣性
質量が大きい場合のクランク軸の捩れ角の変化B
よりも低いピークを示す一方、オーバーラン領域
R2においても従来のトーシヨナルダンパにおい
てマスの慣性質量が小さい場合のクランク軸の捩
れ角の変化Cよりも低いピークを示すようにな
る。その結果、本考案によるトーシヨナルダンパ
によれば非使用回転領域R1においては従来のト
ーシヨナルダンパと同じ減衰性能が得られる一
方、オーバーラン領域では従来のトーシヨナルダ
ンパよりもすぐれた減衰性能が得られるため、エ
ンジンをオーバーラン領域で運転してもクランク
軸に危険な状態をもたらす恐れはなくなる。
クランク軸の捩れ角の変化は第6図の実線で表示
された曲線Dのようになり、常用回転領域R1で
は従来のトーシヨナルダンパにおいてマスの慣性
質量が大きい場合のクランク軸の捩れ角の変化B
よりも低いピークを示す一方、オーバーラン領域
R2においても従来のトーシヨナルダンパにおい
てマスの慣性質量が小さい場合のクランク軸の捩
れ角の変化Cよりも低いピークを示すようにな
る。その結果、本考案によるトーシヨナルダンパ
によれば非使用回転領域R1においては従来のト
ーシヨナルダンパと同じ減衰性能が得られる一
方、オーバーラン領域では従来のトーシヨナルダ
ンパよりもすぐれた減衰性能が得られるため、エ
ンジンをオーバーラン領域で運転してもクランク
軸に危険な状態をもたらす恐れはなくなる。
第7図乃至第9図は本考案の第2実施例を示
す。この実施例ではクラツチ機構6がくさび結合
の原理によつて構成されていることを特徴とす
る。第7図乃至第9図に示すように、第2マス5
の背面(すなわち、第1マス3の溝3aの溝底面
に接している端面)には全周に渡つて延在する環
状溝5aが形成されており、環状溝5aは第7図
及び第8図に示されるように第2マス5の中心側
から外周方向に向つて直線的に深さが減小するく
さび形の横断面形状を有している。
す。この実施例ではクラツチ機構6がくさび結合
の原理によつて構成されていることを特徴とす
る。第7図乃至第9図に示すように、第2マス5
の背面(すなわち、第1マス3の溝3aの溝底面
に接している端面)には全周に渡つて延在する環
状溝5aが形成されており、環状溝5aは第7図
及び第8図に示されるように第2マス5の中心側
から外周方向に向つて直線的に深さが減小するく
さび形の横断面形状を有している。
環状溝5a内には、第1マス3の溝3aの底面
に突設された枠形突条3dが第9図の矢印c,d
方向に相対摺動可能に挿入されている。また、枠
形突条3d内には第8図及び第9図において上下
方向(第1マス3の軸心に対して半径方向)に摺
動可能な連結部材12が収容されており、該連結
部材12は該枠形突条3d内に収容された圧縮ば
ね13によつて常に第1マス3の軸心方向に向つ
て(第8図及び第9図に於て下向きに)附勢され
ている。この連結部材12は第7図及び第8図に
示されるように該枠形突条とともに第2マス5の
環状溝5a内に収容され、枠形突条内で該溝状溝
5aを横切る方向に(つまり、第2マス5の軸心
に対して半径方向に)該環状溝5a内を移動する
ことができるが、第7図及び第8図に示すように
環状溝5aの最大深さ部分に対応した断面寸法の
くさび形の断面形状を有しているため、該環状溝
5aの外周側部分(つまり、溝深さの浅い部分)
へ移動した時には該環状溝5aの内壁面との摩擦
によつて固定される。
に突設された枠形突条3dが第9図の矢印c,d
方向に相対摺動可能に挿入されている。また、枠
形突条3d内には第8図及び第9図において上下
方向(第1マス3の軸心に対して半径方向)に摺
動可能な連結部材12が収容されており、該連結
部材12は該枠形突条3d内に収容された圧縮ば
ね13によつて常に第1マス3の軸心方向に向つ
て(第8図及び第9図に於て下向きに)附勢され
ている。この連結部材12は第7図及び第8図に
示されるように該枠形突条とともに第2マス5の
環状溝5a内に収容され、枠形突条内で該溝状溝
5aを横切る方向に(つまり、第2マス5の軸心
に対して半径方向に)該環状溝5a内を移動する
ことができるが、第7図及び第8図に示すように
環状溝5aの最大深さ部分に対応した断面寸法の
くさび形の断面形状を有しているため、該環状溝
5aの外周側部分(つまり、溝深さの浅い部分)
へ移動した時には該環状溝5aの内壁面との摩擦
によつて固定される。
連結部材12の底面(すなわち、第1マス3の
溝3aの底面に接する面)にはピン14が突設さ
れており、該ピン14は第1マス3の溝底面に貫
設された長溝3e内を摺動しうるように該長溝内
に挿入されている。また、該ピン14の先端には
第1マス3の背面に沿つて摺動するスライダ兼抜
け防止用ストツパ15が固定されている。
溝3aの底面に接する面)にはピン14が突設さ
れており、該ピン14は第1マス3の溝底面に貫
設された長溝3e内を摺動しうるように該長溝内
に挿入されている。また、該ピン14の先端には
第1マス3の背面に沿つて摺動するスライダ兼抜
け防止用ストツパ15が固定されている。
前記の構造において、連結部材12と該連結部
材に関連して第1マス3と第2マス5とに形成さ
れた諸部分とは、第1マス3と第2マス5とを合
体させるためにクラツチ機構6を構成しており、
このクラツチ機構6は第1実施例の連結装置と同
様の機能を有している。
材に関連して第1マス3と第2マス5とに形成さ
れた諸部分とは、第1マス3と第2マス5とを合
体させるためにクラツチ機構6を構成しており、
このクラツチ機構6は第1実施例の連結装置と同
様の機能を有している。
第7図乃至第9図の実施例に示されたクラツチ
機構を有するトーシヨナルダンパにおける作動は
次の通りである。
機構を有するトーシヨナルダンパにおける作動は
次の通りである。
クランク軸の回転数が常用最大回転数N1(第1
図もしくは第6図参照)よりもかなり低い範囲で
は連結部材12に働く遠心力が圧縮ばね13の押
下げ力よりもかなり小さいため、連結部材12は
第8図及び第9図の如き状態にあり、従つて、第
1マス3と第2マス5とは合体することなく、互
いに分離した状態にある。それ故、第8図及び第
9図の状態では第1マス3のみが回転し、第2マ
ス5は球軸受4のアウターレース4bとともに静
止している。また、第1マス3と一体の枠形突条
3d及び連結部材12並びに圧縮ばね13は第9
図において第2マス5の環状溝5a内を円周方向
に(第9図の矢印Cもしくはdのいずれか一方の
向きに)移動している。
図もしくは第6図参照)よりもかなり低い範囲で
は連結部材12に働く遠心力が圧縮ばね13の押
下げ力よりもかなり小さいため、連結部材12は
第8図及び第9図の如き状態にあり、従つて、第
1マス3と第2マス5とは合体することなく、互
いに分離した状態にある。それ故、第8図及び第
9図の状態では第1マス3のみが回転し、第2マ
ス5は球軸受4のアウターレース4bとともに静
止している。また、第1マス3と一体の枠形突条
3d及び連結部材12並びに圧縮ばね13は第9
図において第2マス5の環状溝5a内を円周方向
に(第9図の矢印Cもしくはdのいずれか一方の
向きに)移動している。
クランク軸の回転数が常用最大回転数N1に近
付くにつれて連結部材12に作用する遠心力が増
加して圧縮ばね13を押し縮める力が大きくなる
が、常用最大回転数N1に達しない間は前記の如
き状態が継続し、第1マス3と第2マス5とは合
体されない。
付くにつれて連結部材12に作用する遠心力が増
加して圧縮ばね13を押し縮める力が大きくなる
が、常用最大回転数N1に達しない間は前記の如
き状態が継続し、第1マス3と第2マス5とは合
体されない。
クランク軸の回転数が常用最大回転数N1を越
えると、連結部材12に作用する遠心力が圧縮ば
ね13の押下げ力を上回り、その結果、連結部材
12は環状溝5aを横断する方向に第1マス3の
中心側から外周側に向つて半径方向外向きに移動
する。このように、該連結部材12が環状溝5a
内の深い位置から浅い位置へと移動すると、該連
結部材12のより厚さの大きい部分は環状溝5a
の浅い部分の内壁に係合してそれ以上の移動が不
可能となるため、第1マス3と第2マス5とは該
連結部材12を介して結合されることとなり、従
つて、この状態が続くかぎり、第1マス3と第2
マス5とは結合して回転するようになる。
えると、連結部材12に作用する遠心力が圧縮ば
ね13の押下げ力を上回り、その結果、連結部材
12は環状溝5aを横断する方向に第1マス3の
中心側から外周側に向つて半径方向外向きに移動
する。このように、該連結部材12が環状溝5a
内の深い位置から浅い位置へと移動すると、該連
結部材12のより厚さの大きい部分は環状溝5a
の浅い部分の内壁に係合してそれ以上の移動が不
可能となるため、第1マス3と第2マス5とは該
連結部材12を介して結合されることとなり、従
つて、この状態が続くかぎり、第1マス3と第2
マス5とは結合して回転するようになる。
このため、第2実施例のトーシヨナルダンパに
よつても第1実施例のトーシヨナルダンパと同じ
効果が得られ、このトーシヨナルダンパを装着し
たクランク軸の捩れ角変化は第6図の実線の曲線
Dのようになる。
よつても第1実施例のトーシヨナルダンパと同じ
効果が得られ、このトーシヨナルダンパを装着し
たクランク軸の捩れ角変化は第6図の実線の曲線
Dのようになる。
以上に説明したように、本考案によれば、回転
数の変動に応じて慣性モーメントが変化する可変
イナーシヤ型の新規なトーシヨナルダンパが提供
され、本考案のトーシヨナルダンパによれば常用
回転領域のみならずオーバーラン領域でもクラン
ク軸に危険な捩り振動が生ずることを未然に防止
することができ、その結果、内燃機関の高速化及
び安全性の向上に寄与することができる。
数の変動に応じて慣性モーメントが変化する可変
イナーシヤ型の新規なトーシヨナルダンパが提供
され、本考案のトーシヨナルダンパによれば常用
回転領域のみならずオーバーラン領域でもクラン
ク軸に危険な捩り振動が生ずることを未然に防止
することができ、その結果、内燃機関の高速化及
び安全性の向上に寄与することができる。
なお、前記実施例にはばねを用いて連結部材の
作動を調整する場合を示したが、ばねの代りに流
体圧調整装置や電気的な調整装置を用いて連結部
材の作動を調整してもよい。これらの調整装置が
ばねと等価な部材であることは明らかであり、こ
の等価な部材が本考案の範囲に含まれていること
については論を要しないであろう。また、第一実
施例において、第2マス5の外周面に係止片11
に係合する凹部を形成しておいてもよい。
作動を調整する場合を示したが、ばねの代りに流
体圧調整装置や電気的な調整装置を用いて連結部
材の作動を調整してもよい。これらの調整装置が
ばねと等価な部材であることは明らかであり、こ
の等価な部材が本考案の範囲に含まれていること
については論を要しないであろう。また、第一実
施例において、第2マス5の外周面に係止片11
に係合する凹部を形成しておいてもよい。
第1図はトーシヨナルダンパのマスの慣性モー
メントの大小とクランク軸の捩り振動の変化との
関係を示した。第2図は本考案の第1実施例のト
ーシヨナルダンパの断面図、第3図は第2図に示
したトーシヨナルダンパの主要部正面図、第4図
は第3図の−矢視断面図、第5図は第3図の
変化状態を示した図、第6図は本考案のトーシヨ
ナルダンパを装着したクランク軸の捩り振動特性
を示した図、第7図は本考案の第2実施例のトー
シヨナルダンパの要部断面図、第8図は第7図の
E部分の拡大図、第9図は第8図の−矢視
図、である。 1……リテーナ、2……減衰部材、3……第1
マス、4……球軸受、5……第2マス、6……連
結装置。
メントの大小とクランク軸の捩り振動の変化との
関係を示した。第2図は本考案の第1実施例のト
ーシヨナルダンパの断面図、第3図は第2図に示
したトーシヨナルダンパの主要部正面図、第4図
は第3図の−矢視断面図、第5図は第3図の
変化状態を示した図、第6図は本考案のトーシヨ
ナルダンパを装着したクランク軸の捩り振動特性
を示した図、第7図は本考案の第2実施例のトー
シヨナルダンパの要部断面図、第8図は第7図の
E部分の拡大図、第9図は第8図の−矢視
図、である。 1……リテーナ、2……減衰部材、3……第1
マス、4……球軸受、5……第2マス、6……連
結装置。
Claims (1)
- 減衰部材を介してリテーナに固定したマスの溝
内に、軸受を介して、このマスに対し相対回転可
能な他のマスを設け、リテーナに固定したマス
に、ばねで付勢されるとともに、ストツパで変位
を制限される連結部材を有する遠心クラツチ機構
を設け、回転軸が所定の回転数になると連結部材
が遠心力により変位し、両マスを一体的に回転可
能に連結することができるようにしたことを特徴
とするトーシヨナルダンパ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20165183U JPS60110750U (ja) | 1983-12-29 | 1983-12-29 | ト−シヨナルダンパ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20165183U JPS60110750U (ja) | 1983-12-29 | 1983-12-29 | ト−シヨナルダンパ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60110750U JPS60110750U (ja) | 1985-07-27 |
JPH0237301Y2 true JPH0237301Y2 (ja) | 1990-10-09 |
Family
ID=30763644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20165183U Granted JPS60110750U (ja) | 1983-12-29 | 1983-12-29 | ト−シヨナルダンパ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60110750U (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0902840D0 (en) * | 2009-02-19 | 2009-04-08 | Ricardo Uk Ltd | A flywheel |
JP6531387B2 (ja) * | 2014-12-22 | 2019-06-19 | アイシン精機株式会社 | ダンパ装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5918184Y2 (ja) * | 1979-01-05 | 1984-05-26 | 日産デイ−ゼル工業株式会社 | クランクシヤフトの捩り振動防止用ダンパ− |
-
1983
- 1983-12-29 JP JP20165183U patent/JPS60110750U/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60110750U (ja) | 1985-07-27 |
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