JPH0237282Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はアキユムレータに係る。更に詳細に
は、アキユムレータのガス封入バルブを構造簡単
にして、ガス封入後の組付を容易にしたアキユム
レータに関する。

本考案に関する先行技術としては第１図に示す
もの（実公昭52−2105号公報）が存在する。第１
図のアキユムレータはシエル５０の図示上部にネ
ジ穴があり、このネジ穴にバルブ５１の一端側の
ネジ部を組込むことによりバルブ５１が取付けら
れている。当該バルブ５１には流通路５４が設け
られており、この流通路５４の閉弁はカバー５３
をバルブ５１の他端側にパツキン５２を介して組
込むことにより成される。そして、アキユムレー
タへのガスの供給は所定のガス圧力を有する容器
にアキユムレータを内在させ、ガス自身の圧力に
よつて、ガスはバルブ５１の流通路５４からアキ
ユムレータ内に供給される。しかし、アキユムレ
ータは高圧ガス体内に存在するから、カバー５３
を人の手で締めることはできず、高圧ガスを有す
る容器に外側からカバー５３を回すことのできる
装置を設けなければならない。又、この装置で締
付たとしても、アキユムレータを入れるような大
きな容器であるから、操作もむずかしくカバー５
３の締付も不十分になる。従つて、アキユムレー
タ内へガスを供給した後に、カバー５３によりバ
ルブ５１を閉弁するのに困難性があり、多数のア
キユムレータにガスを供給する場合には、各アキ
ユムレータにおける閉弁の密封能力にばらつきが
生じ、アキユムレータから時間と共にガスが流出
する問題を有する。

本考案は上述のような問題点に鑑みなされたも
のであつて、その目的は、所定のガス圧力内にア
キユムレータを配置し、このガス圧力によつてア
キユムレータ内へガスを供給すると共に、アキユ
ムレータのガス封入閉弁を確実にして簡単にする
ことにある。

このため、本考案の課題解決のための技術的手
段は以下のように構成されている。

すなわち、ガス室４を内部に形成するシエル１
の一端に当該ガス室４側から外方へ窄まるテーパ
穴６を設け、前記テーパ穴６と嵌合するテーパ外
周面を有する軟質材製のライナ８と前記ライナ８
の内周面に一体に嵌着した弁棒１０とを有する弁
体１２を備え、高圧ガス内に前記シエル１を介在
させて前記テーパ穴６から前記ガス室４にガスを
流入させると共にそのガス圧力で前記シエル１の
テーパ穴６に前記弁体１２を圧入させ、前記シエ
ル１内のガス室４の圧力ガスを封入するようにし
たものである。

そして、技術的手段の作用は以下のようにな
る。

例えば、アキユムレータを第２図のような状態
に細い棒を利用して容器内に吊るしておく。

そして、圧力ガス容器内に圧力ガスを流入させ
ると、弁体とシエルとの結合はテーパ面で嵌合し
ているから、シエルの外圧が高くなるにつれて弁
体がシエル内へ押込まれる。そして、弁体とシエ
ルとの開いた間から高圧ガスはシエルのガス室に
流入する。流入するにつれて、ガス室の圧力がシ
エル外の圧力と一定になると、シエルの重量によ
り、弁体とシエルとはテーパ面で嵌合する。

この状態で、圧力ガス容器内のガスを放出する
と、ガス室の圧力によりテーパ面で結合している
弁体は外方へ押圧されるから、軟質材製のライナ
はますますテーパ穴に密着して密封的に結合され
る。

その結果、本考案の特有の効果は次のようにな
る。

第１図に示す従来技術において、多数のアキ
ユムレータにガスを封入するためには、多数の
アキユムレータを圧力ガス容器に配置して、バ
ルブの流通路より圧力ガスを供給することがで
きるが、アキユムレータに圧力ガスを供給した
後のカバーによるバルブの閉弁が困難であり、
しかも、カバーの締付がすべてのアキユムレー
タにおいて一定にするのが困難であるから、長
期的には圧力ガスが漏洩することになる。しか
し、本考案のように、軟金属材製のテーパ外周
面を有する弁体をシエルのテーパ穴に嵌合する
ことにより、ガス圧力により弁体はシエルにま
すます密封嵌合するから、アキユムレータから
圧力ガスが漏洩するのを効果的に防止できる。

多数のアキユムレータを圧力容器内に内在さ
せて、アキユムレータへガスを供給できると共
に、そのアキユムレータの閉弁は弁体をテーパ
穴に嵌合するのみで、確実にして、極めて容易
であるから、アキユムレータへのガス供給の量
産が計れる効果がある。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。第２図は本考案のアキユムレータの
断面図である。シエル１内の空室２はブラダ５に
より液体室３とガス室４に区画されている。そし
て、シエル１のガス室４側にはガス室４側から外
方に向つて窄まるテーパ穴６が設けられている。

このテーパ穴６と対応する形状のテーパ外周面
７を有するアルミ材製にライナ８は内周面もテー
パ外周面と同方向にテーパ状の嵌合穴９が形成さ
れ、金属材製の弁棒１０のテーパ部１１に圧入嵌
着して弁体１２を形成している。この弁体１２の
ライナ８はアルミ材の他、銅、銀等の軟金属材
料、又は必要に応じてプラスチツク等が使用され
る。更に、弁体１２の弁棒１０はシエル１の厚さ
と略同じ厚さで、厚さ方向に外周面がテーパ部１
１に形成されている。そして、弁棒１０には一端
側に細い棒１３が一体に設けられており、必要に
応じて細い棒１３の付根側に切欠き部１４が設け
られて、この切欠き部１４から細い棒１３の先端
側を切すてることができるように成されている。

そして、圧力ガス容器内でシエル１内のガス室
４にテーパ穴６からガスを供給した後、細い棒１
３を図示上方に引上げることによつて、テーパ穴
６と弁体１２とを嵌合すると共に、シエル１内の
内圧により弁体１２に有する軟質材製のライナ８
を利用して、シエル１と弁棒１０とを密封嵌着
し、シエル１内のガス室４に圧力ガスを封入する
ことができる。細い棒１３は必要に応じて切欠き
部１４から切り取るか、シエル１の外面に折曲げ
てストツパの役目をさせることができる。

その結果、アキユムレータへの圧力ガスの供給
は極めて容易であり、更に多数のアキユムレータ
への圧力ガス供給が短時間に可能であり、その閉
弁は密封性にすぐれた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のアキユムレータの断面図、第２
図は本考案のアキユムレータの断面図である。 １……シエル、２……空室、３……液体室、４
……ガス室、５……ブラダ、６……テーパ穴、７
……テーパ外周面、８……ライナ、９……テーパ
状の嵌合穴、１０……弁棒、１１……テーパ部、
１２……弁体、１３……細い棒、１４……切欠き
部、５０……シエル、５１……バルブ、５２……
パツキン、５３……カバー、５４……流通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガス室４を内部に形成するシエル１の一端に当
   該ガス室４側から外方へ窄まるテーパ穴６を設
   け、前記テーパ穴６と嵌合するテーパ外周面を有
   する軟質材製のライナ８と前記ライナ８の内周面
   に一体に嵌着した弁棒１０とを有する弁体１２を
   備え、高圧ガス内に前記シエル１を介在させて前
   記テーパ穴６から前記ガス室４にガスを流入させ
   ると共にそのガス圧力で前記シエル１のテーパ穴
   ６に前記弁体１２を圧入させ、前記シエル１内の
   ガス室４の圧力ガスを封入するようにしたアキユ
   ムレータ。