JPH023686Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、播種器に配設した種子穴に種籾を確
実に吸着保持させて、床土上に簡単に播種できる
ようにした播種器に係るものである。

従来の技術 従来、床土上に種籾を播種する播種器には、上
面側に配設したプレートの種子穴と下面側に設け
たプレートの種子穴とを、上下に連通する一致状
態と、連通しない不一致状態となるように切換可
能に構成して、不一致状態とした上面側プレート
の種子穴にブラシ等を用いて種籾を入れ、該プレ
ート上に残つた余分の種籾を除去してから種子穴
を下面側プレートと一致状態に切換えて、保持さ
れていた種籾を床土上に落下させて播種するよう
にしたものが知られている。

本考案が解決しようとする問題点 ところが、上記のような播種器では、不一致状
態としたプレートの種子穴にいちいちブラシ等を
用いて種籾を入れたり、プレート上に残つた余分
の種籾を除去したりするのが面倒で無駄な時間を
費すうえ、播種穴が予め形成されていないマツト
上に播種する場合には、別に種子押し具等を用い
て播種しなければならず、播種作業が非常に面倒
となる問題があつた。

本考案は上記の如き実状に鑑み、これらの問題
点を解決すべく創案されたものであつて、播種器
に設けたプレートの種子穴に種籾を入れて播種す
るようにしたものでありながら、上記種子穴にい
ちいちブラシ等を用いて種籾を入れたり、プレー
ト上に残つた余分の種籾を除去するのに無駄な時
間を費すことはなく、しかも播種穴が予めマツト
上に形成されていない場合でも、殊更、種子押し
具等を用いる必要はなく、能率よく播種作業を行
うことができる播種器を提供することを目的とし
たものである。

問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するため、本考案が講じた技
術的手段は、非磁性体からなる一対のプレート
を、所定間隙を存して対向させて設け、上記プレ
ートの対向間にマグネツトプレートを出し入れ自
在に遊嵌せしめると共に、上記プレートの少くと
も一方には、所定位置に種子穴を多数穿設し、プ
レートの対向間にマグネツトプレートを挿入し
て、上記マグネツトプレートが臨んだ種子穴に、
磁性体粉末が付着された種籾を吸着保持すべく構
成したことを特徴としたものである。

考案の作用 上記の如く構成することにより、所定間隙を存
して対向させた非磁性体からなる一対のプレート
間にマグネツトプレートを挿入し、ついで、プレ
ートに穿設された種子穴側を下にして、磁性体粉
末が付着された種籾を収納した容器内に入れれ
ば、プレートの種子穴に臨んでマグネツトプレー
トが露出しているので、磁性体粉末を付着させた
種籾を種子穴内のみに確実に吸着保持することが
できる。そして、種籾が吸着保持されたプレート
の種子穴を、床土の播種穴の位置に合致させてか
ら、マグネツトプレートを引き抜けば、マグネツ
トプレートから離脱した種籾を床土の播種穴内に
落下させることができる。また、播種穴が形成さ
れていない人工床土の場合には、種子穴に種籾を
吸着保持させたまま、播種器を人工床土に圧着
し、ついでマグネツトプレートを引き抜けば、別
に種子押し具等を用いることなく、種子穴に吸着
保持された種籾を確実に床土中に埋め込むことが
できる。

実施例 本考案の構成を図面に示された実施例について
説明すれば、１は播種器本体であつて、所定間隙
を存して対向状に配設された非磁性体からなる一
対のプレート２，３によつて一体的に形成されて
いる。４は上記プレート２，３の対向間に摺動自
在に遊嵌されるマグネツトプレートであつて、一
端に把持取手５が形成されており、上記プレート
２，３と重合する挿入位置と、プレート２，３の
対向間から抜き出された位置とに出し入れ自在と
なつている。

上記プレート２，３はプラスチツク、木材など
で可及的肉薄に形成され、プレート２には点播種
用の多数の種子穴６，…が所定間隔ごとに穿設さ
れており、他方のプレート３の種子穴６は長孔状
に形成された条播種用種子穴７が所定間隔に並設
されていて、上記プレート２，３の対向間にマグ
ネツトプレート４を挿入すると、プレート２側に
は点播種用の種子穴６，…に臨んでマグネツトプ
レート４が露出し、プレート３側には長孔状の条
播種用種子穴７，…に臨んでマグネツトプレート
４が露出するようになつている。

また、上記マグネツトプレート４の磁力は点播
種用種子穴６、条播種用種子穴７から露出した部
分が種子に接触した際、該種子が吸着される程度
の微弱なものに設定されている。第３図は長孔状
の条播種用種子穴７，…を仕切板７ａによつて複
数の区画に仕切つたものである。８は磁性体粉末
を付着した種籾９を収納した容器、１０は育苗
箱、１１は床土である。

上記の如き構成において、いま播種作業を行う
に当つては、まずプレート２，３の対向間にマグ
ネツトプレート４を挿入すれば、プレート２，３
に穿設した種子穴６，…および長孔状種子穴７，
…に臨んでマグネツトプレート４が露出する。つ
いで、点播種の場合は、点播種用の種子穴６，…
を下方に向けて播種器本体１を容器８に入れ種籾
９上に置けば、プレート２にマグネツトプレート
４の磁力が透過するが磁気量が極めて微量なので
磁性体粉末が付着された種籾９はプレート２には
吸着されることなく、種子穴６に臨んで露出した
マグネツトプレート４にのみ吸着されるので、肉
薄のプレート１から突出した状態で種子穴６，…
に種籾９を吸着保持させることができる。そし
て、第５図Ａ，Ｂ，Ｃに示すように播種器本体１
を育苗箱１０に載置し、種籾９を吸着保持した種
子穴６，…を床土１１の播種穴に合せたのち、マ
グネツトプレート４を引き抜けば、マグネツトプ
レート４から離脱した種籾９を容易に床土１１の
播種穴中に落下させることができる。また播種穴
が予め形成されていない人工マツト等を使用した
場合には、第６図Ａ，Ｂ，Ｃに示すように、播種
器本体１をマツト上に押圧してからマグネツトプ
レート４を引き抜けば、プレート２から突出した
状態で種子穴に吸引保持されていた種籾９をマツ
トに埋込んだ状態に播種することができる。

更に、条播種を行う場合には、プレート３側に
設けた長孔状の条播種用種子穴７を使用して点播
種と同様の操作によつて容易に播種することがで
きる。このとき長孔状の条播種用種子穴７には仕
切板７ａが設けられているのでマグネツトプレー
ト４を引抜くときに、種籾９の位置がズレること
はない。

考案の効果 これを要するに本考案は、非磁性体からなる一
対のプレートを、所定間隙を存して対向させて設
け、上記プレートの対向間にマグネツトプレート
を出し入れ自在に遊嵌せしめると共に、上記プレ
ートの少くとも一方には所定位置に種子穴を多数
穿設し、プレートの対向間にマグネツトプレート
を挿入して、上記マグネツトプレートが臨んだ種
子穴に、磁性体粉末が付着された種籾を吸着保持
すべく構成したから、播種器に設けた種子穴に種
籾を保持して播種するものでありながら、種子穴
にいちいちブラシ等を用いて種籾を入れたり、播
種器上に残つた余分の種籾を除去するのに無駄な
時間を費すことはなく、マグネツトプレートを出
し入れ操作するのみで迅速に播種できるうえ、播
種穴がマツト上に形成されていない場合でも、播
種器をマツト上に押圧するのみで種籾をマツトに
埋込むことができるので殊更種子押し具等を用い
ることなく能率よく播種作業を確実に行うことが
できる等、極めて有用な実用的効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る播種器の実施例を示すもの
であつて、第１図は全体斜視図、第２図は第１図
のプレートの裏面側を上にした場合の斜視図、第
３図は同上要部の拡大図、第４図は種籾容器の側
断面図、第５図Ａ，Ｂ，Ｃおよび第６図Ａ，Ｂ，
Ｃはそれぞれ作用説明図である。 図中、２，３……プレート、４……マグネツト
プレート、６，７……種子穴である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 非磁性体からなる一対のプレート２，３を、所
   定間隙を存して対向させて設け、上記プレート
   ２，３の対向間にマグネツトプレート４を出し入
   れ自在に遊嵌せしめると共に、上記プレート２，
   ３の少くとも一方には、所定位置に種子穴６…を
   多数穿設し、プレート２，３の対向間にマグネツ
   トプレート４を挿入して、上記マグネツトプレー
   ト４が臨んだ種子穴６…に、磁性体粉末が付着さ
   れた種籾９を吸着保持すべく構成したことを特徴
   とする播種器。