JPH0336482B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、白菜とかキヤベツまたはカリフラワ
ー等の種子の如く、極微粒子の種子の育苗箱用播
種装置に係るものである。

（従来技術） 前記の野菜を圃場に移植する場合は、５cm四方
位の桝目を多数有する育苗箱内に床土を詰め、そ
の床土上に種子を蒔いて育成し、前期桝目より床
土ごと苗を抜き出して土付笛とし、これを移植機
により移植する。

本発明は、前期土付笛を得るための播種装置に
係るものである。

（発明が解決しようとする問題点） 前記育苗箱の桝目内の床土上に種子を蒔く場合
は、２〜３粒ずつ桝目の中心に蒔くようにし、決
して、バラ蒔きなどはしない。もし、バラ蒔きし
たら、結局は一本立ち（又は二本立ち）にするた
めに、大変な間引作業を行なわなくてはならな
い。

しかして、公報には掲載されていないが、本発
明に対する先行技術は、第１図〜第５図のよう
に、装置に取付けてある吸引用ブロアとそのモー
タは機体側に設けてあつて、吸引用ブロアと移動
する種子吸入箱の間は蛇腹で連結されていたか
ら、装置が複雑となる問題があつた。

本発明は、他の部分は先行技術と同じである
が、特に、吸引用ブロアとそのモータを、移動す
る種子吸入箱側に固定して、装置を簡略構成にし
たものである。

（問題を解決するための手段） よつて本発明は、育苗箱２を水平状態に載置し
うる水平台３の近傍位置に上面が開口している種
子箱５を設け、水平台３の上方位置には前記種子
箱５を摺動して育苗箱２上まで横移動する種子吸
入箱２０を設け、該種子吸入箱２０の底面２１に
形成した吸入孔３７により前記種子箱５内の種子
を吸着し育苗箱２の桝目４で種子を落下させるよ
うに構成した育苗箱用播種装置において、前記種
子吸入箱２０に取付けるモータ付吸引用ブロア４
１は、種子吸入箱２０の上面に固定状態に固着
し、該モータ付吸引用ブロア４１は前記種子吸入
箱２０と共に横移動するように構成した育苗箱用
播種装置としたものである。

（実施例） 本発明の一実施例を図面により説明すると、第
１図〜第５図は、本発明の先行技術と構造を示し
ている。本発明の具体的実施例は、第８図と第９
図に示されているが、要部を除外すると、他の構
造は同一なので、まず、第１図〜第５図について
説明するとつぎのとおりである。

１はフレームである。フレーム１には育苗箱２
を載置する水平台３が設けられている。水平台３
の高さは、一般の机位であり、作業員が育苗箱２
を持つて容易に載置し得る程度にする。

水平台３は、左右両側に育苗箱２を載置し得る
長さに形成されている。

育苗箱２は、合成樹脂で形成されており、略５
cm平方位の四角の桝目４を縦５個横10個位（その
数は任意であるが通常は縦横１：２に形成されて
いる）設けたものである。

前記水平台３の中央部分には、左右方向に所定
の幅Ｌを有する種子箱５が設けられる。種子箱５
は上方からみると前後側の方が長い短形を呈する
縦筒６と該縦筒６内を上下動する底部材７とによ
り形成されている。

縦筒６は、その上端８が水平台３上に載置した
育苗箱２の上縁９よりαだけ上方に必ず突出する
ように設けられる。

縦筒６の上端８は完全に水平に開口１０してお
り、その左右側の両上端８，８には、自動車のワ
イパーのようなゴム状の掻片１１が嵌合して取付
けられている。前記掻片１１は吸入箱の底面に付
着している種子を掻き落す作用をする。

前記掻片１１の上縁１２は次第に肉薄に形成さ
れており、左右の掻片１１は全く同一高さＸ−Ｘ
である。縦筒６の内部には型の底部材７が密着
嵌合している。底部材７の中央の下面には垂直片
１３の上端が固着されており、垂直片１３には上
下方向のラツクギヤ１４が取付けられている。

ラツクギヤ１４にはピニオンギヤ１５が噛合つ
ており、該ピニオンギヤ１５の軸１６は前方に突
出し、手動ハンドル１７が固着される。

前記縦筒６の内面との底部材７の上面とによつ
て形成される上方開口の凹部が種子の入る種子箱
５となるのである。

前記種子箱５の左右両側にはそれぞれこぼれ種
子の回収用ホツパー１８，１８′が取付けられる。
１９，１９′は回収用ホツパー１８，１８′の上縁
である。育苗箱２は、回収用ホツパー１８，１
８′の外側位置にそれぞれ対称的に載置される。

第１図は育苗箱２，２を載置してある状態を示
しており、第２図は育苗箱２，２を取外した状態
を示している。左右に載置された育苗箱２，２の
一方の育苗箱２の上方位置には特殊な形状の種子
吸入箱２０が設けられている。

種子吸入箱２０の大きさは育苗箱２と同じ位で
ある。種子吸入箱２０は四角な箱であつて、特
に、その底面２１は完全水平に形成されている。
又、底面２１は、静電を帯びることは許されず、
良質のステンレス板によつて形成されている。

種子吸入箱２０は、一方の育苗箱２の真上位置
から水平に横動し、ワイパー状の掻片１１の上部
を摺動して更に横動し、他方の育苗箱２の真上に
達して停止する。種子吸入箱２０はフレーム１に
横動自在に取付けられるが、この場合、その底面
２１の位置は、必ず、掻片１１に接触して水平に
移動するように形成されている。

種子吸入箱２０はこれを吊設するアーム２２，
２２′にはローラー２３，２３′が取付けられてお
り、ローラー２３，２３′は、フレーム１に左右
方向に水平に設けられているレール２４上を転動
する。種子吸入箱２０は、モータ２５によつて移
動する。

モータ２５は、種子吸入箱２０の上面に取付け
られている支持部材２６に取付けられており、そ
の回転軸２７は前後方向の軸心となるように固着
され、回転軸２７にピニオンギヤ２８を固定し、
該ピニオンギヤ２８をフレーム１に取付けた左右
方向のラツクギヤ２９に噛合わせる。フレーム１
の所望の位置に設けたメインスイツチをONにす
ると、モータ２５に通電されて種子吸入箱２０は
横動するが、所定の位置で自動的に停止させるた
めに、種子吸入箱２０の進行方向の突き当り位置
にモータ２５の通電を切るスイツチ３０，３０′
を設ける。

種子吸入箱２０の上面には、種子吸入箱２０よ
り面積的に大きい当板３１を当接し、当板３１と
種子吸入箱２０はビス３２により止着されてい
る。

当板３１の左右側の両端は、種子吸入箱２０よ
りも左右方向にそれぞれ突出しており、その突出
部３２′３２″にそれぞれ均し具３３，３３′を取
付ける。均し具３３，３３′も特殊構造のもので
あつて、金属丸棒３４の外周にコイル針金３５を
遊嵌したものである。該金属丸棒３４及びコイル
針金３５は共に種子箱５内の種子の表面に接して
これを均すが、そのとき、コイル針金３５の接触
抵抗による自転で、種子を前後方向にある程度移
動もさせるものである。

前記金属丸棒３４は、その両端が直角に屈曲さ
れて屈曲部３６となり、該屈曲部３６の上端を前
記突出部３２′３２″の下から差し込んでビスで固
着する。

種子吸入箱２０の底面２１には、育苗箱２の桝
目４の各中心に相当する位置に白菜の種子の如き
極微粒子を２粒〜３粒吸着する吸入孔３７が形成
される。吸入孔３７は、種子がその内部に嵌合す
るように形成されている。

種子吸入箱２０の上面には、２個の吸引口３
８，３８′と、複数個の流入口３９…とが開口さ
れている。２個の吸引口３８，３８′は、種子吸
入箱２０の底面２１に穿けられた多数の吸入孔３
７により万遍なく等しい吸引力で種子を吸引する
ために、特にその場所を工夫している。

即ち、育苗箱の寸法は、縦１：横２の割合であ
るから、前後方向よりみると左右側の中心である
が、左右方向よりみると２等分した前半分と後半
分の各中心にそれぞれ開口している。

２個の吸引口３８，３８′は第４図のように一
個の吸引筒４０で接続され、吸引筒４０の中心に
吸引ブロア４１接続される蛇腹４２が接続され
る。種子吸入箱２０に形成した多数の流入口３９
…は前後方向に一直線に並んでおり、その上面に
は前後２個のソレノイド４３，４３′により上下
動するバルブ４４がそれぞれ取付けられている。

ソレノイド４３，４３′は当板３１により上方
に突出している突片４５，４５′にそれぞれ固着
してあり、ソレノイド４３，４３′の各作動子４
６，４６′には連杆４７に各バルブ４４を取付け
ておき、ソレノイド４３，４３′に通電すると、
複数の流入口３９が同時に開口するように形成さ
れている。

流入口３９をソレノイド４３，４３′によつて
同時に開口させると、種子吸入箱２０に衝撃を与
えるからである。

前記のような種子は、その表皮自体にも、多量
の油分を含んでおり、したがつて、強く吸引して
吸着させると、吸引力のみでなく、油分のある付
着力で吸入口３７に付着するため、なかなか自重
落下しない。

第８図と第９図は、その細部の構造は、前記詳
細に説明した先行技術と全く同一であるが、吸引
ブロア４１および吸引ブロア４１を回転させるモ
ータは、種子吸入箱２０の上面に一体的に固定し
た点のみ相違し、そのため、蛇腹４２は不要とな
り、構造が簡単になる。

（作用） 次に作用を述べる。

本発明の作用を説明するが、前記したとおり、
本発明はその吸引ブロア４１と吸引ブロア４１を
回転させるモータを種子吸入箱２０の上面に一体
的に固定した点が先行技術と相違するのみで、播
種そのものの作用は、第１図〜第５図の構成のも
のが奏する作用と同一である。

したがつて、第１図〜第５図の播種作用につい
て述べると、つぎのとおりである。

種子箱５内に白菜とかキヤベツとかカリフラワ
ーのような種子を一杯に投入し、手動ハンドル１
７を僅かに回転させて底部材７を少し上動させ、
もつて種子の一部はワイパー状の掻片１１，１１
を越えて少しばかり回収用ホツパー１８，１８′
にこぼれるようにする。

その状態で種子吸入箱２０が位置してない側の
水平台３上に育苗箱２を載置し、スイツチをON
にすると、吸引ブロア４１が回転して各吸入孔３
７より空気を吸入する。

しかして、モータ２５に通電されると、その回
転軸２７に固定されているピニオンギヤ２８は回
転して、種子吸入箱２０を例えば第２図において
右動させる。種子吸入箱２０が右動すると、その
右端に取付けられている均し具３３′により種子
箱５の種子上面を均し、種子吸入箱２０の底面２
１が種子の上面を摺接するとき、底面２１に形成
されている吸入孔３７で種子を吸着し、種子は各
吸入孔３７内に完全に嵌合する。

種子吸入箱２０が更に右動するとスイツチ３
０′に突き当り、種子吸入箱２０は育苗箱２な上
部で停止し、ソレノイド４３，４３′に通電して
流入口３９を衝撃的に上動させて吸入孔３７に吸
着している種子を育苗箱２の桝目４内に落下させ
るものである。

そして、種子箱５内の種子の減少に応じて手動
ハンドル１７を上動させると、種子箱５内の種子
は順次吸させてそれぞれが無くなる迄播種するこ
とができる。

（効果） 本発明は上述の構成作用であり、特に、吸引ブ
ロア４１とそのモータ（吸引ブロア４１に取付け
られている）を、種子吸入箱２０の上面に直接固
定したことを要旨とし、そのため、先行技術の蛇
腹付き播種装置に比べると、蛇腹を必要としない
点で構造が簡単であるし、また、吸引の道中が短
くなるから、吸引力も強力となり、故障も生じな
い効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本発明の先行技術を示したも
ので第１図は全体の正面図、第２図は第１図より
育苗箱を取除いた要部縦断正面図、第３図は第１
図の左側面図、第４図は同左縦断側面図、第５図
は平面図である。第６図以降は本発明の実施例を
示し、第６図は均し具の正面図、第７図は種子箱
の斜視図、第８図は正面図、第９図は同要部斜視
図である。 符号の説明、１……フレーム、２……育苗箱、
３……水平台、４……桝目、５……種子箱、６…
…縦筒、７……底部材、８……上端、９……上
縁、１０……開口、１１……掻片、１２……上
縁、１３……垂直片、１４……ラツクギヤ、１５
……ピニオンギヤ、１６……軸、１７……手動ハ
ンドル、１８，１８′……回収用ホツパー、１９，
１９′……上縁、２０……種子吸入箱、２１……
底面、２２，２２′……アーム、２３，２３′……
ローラー、２４……レール、２５……モータ、２
６……支持部材、２７……回転軸、２８……ピニ
オンギヤ、２９……ラツクギヤ、３０，３０′…
…スイツチ、３１……当板、３２……ビス、３
２′，３２″……突出部、３３，３３′……均し具、
３４……金属丸棒、３５……コイル針金、３６…
…屈曲部、３７……吸込孔、３８，３８′……吸
引口、３９……流入口、４０……吸引筒、４１…
…吸引ブロア、４２……蛇腹、４３，４３′……
ソレノイド、４４……バルブ、４５，４５′……
突片、４６，４６′……作動子、４７……連杆、
Ｌ……幅。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 育苗箱２を水平状態に載置しうる水平台３の
   近傍位置に上面が開口している種子箱５を設け、
   水平台３の上方位置には前記種子箱５上を摺動し
   て育苗箱２上まで横移動する種子吸入箱２０を設
   け、該種子吸込箱２０の底面２１に形成した吸入
   孔３７により前記種子箱５内の種子を吸着し育苗
   箱２の桝目４上で種子を落下させるように構成し
   た育苗箱用播種装置において、前記種子吸入箱２
   ０に取付けるモータ付吸引用ブロア４１は、種子
   吸入箱２０の上面に固定状態に固着し、該モータ
   付吸引用ブロア４１は前記種子吸入箱２０と共に
   横移動するように構成した育苗箱用播種装置。