JPS6316084B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、白菜とかキヤベツまたはカリフラワ
ー等の種子の如く、極微粒子の種子の播種装置に
係るものである。

前記野菜を圃場に移植するときは、５cm四方位
の桝目を多数有する育苗箱内にまず床土を詰め、
その床土上に種子を蒔いて苗を育成し、前記桝目
より床土ごと抜き出して土付苗とし、これを移植
機に装着して移植する。

本発明は、前記土付苗をうるための播種装置に
係るものである。

前記育苗箱の桝目内の床土上に種子を蒔く場合
は、２〜３粒ずつ桝目の中心に蒔くようにし、決
して、バラ蒔きなどしない。もし、バラ蒔きなど
したら、結局は一本立ち（又は二本立ち）にする
ため、大変な間引作業を行なわなくてはならな
い。

然して、種子が大根のように大粒の場合は、二
粒又は三粒ずつ蒔くことができるという装置を製
作するのに、それ程困難性はないのだが、白菜等
の種子は極微粒子だから、相当の困難性を伴な
う。

本発明は、前記目的を達成しうる播種装置につ
いて鋭意工夫したものである。

本発明は、特に、育苗箱を水平に載置する水平
台の近傍位置に上面が開口している種子箱を設
け、水平台の上方位置には種子箱上を摺動して育
苗箱上まで横移動する吸入箱を設け、該吸入箱の
底面に形成した吸入孔により種子箱内の種子を吸
着して育苗箱の桝目上で種子を落下させるように
構成した育苗箱用播種装置に於いて、前記吸入箱
の底面に形成する吸入孔は、一つの桝目に対して
複数形成すると共に、複数の吸入孔は、吸入箱の
移動方向に対して横にずらして開口したことを特
徴とする育苗箱用播種装置の構成を要旨とするも
のである。

全体の構造について説明すると、１はフレーム
である。フレーム１には育苗箱２を載置する水平
台３が設けられる。水平台３の高さは、一般の机
位であり、作業員が育苗箱２を持つて容易に載置
し得る程度にする。実施例に於ける水平台３は、
その中央部を外して両側に育苗箱２を載置し得る
長さに形成されている。水平台３は、中央部を除
き、殆んど平面状に形成され、前後方向から育苗
箱２を滑らせて供給し易く形成されている。育苗
箱２は、合成樹脂で形成されており、略５cm位の
四角の桝目４を縦５個横10個位（その数は任意で
あるが通常縦横は１：２に形成されている）設け
たものである。前記した水平台３の中央部分に
は、左右方向に所定の幅Ｌを有する種子箱５が設
けられる。種子箱５は特殊な形状であり、上方か
らみると前後側の方が長い矩形を呈する縦筒６と
該筒６内を上下動する底部材７とより形成されて
いる。金属薄板を板金加工して形成された縦筒６
は、その上端８が水平台３上に載置した育苗箱２
の上縁９よりαだけ上方に必ず突出するように設
けられる。縦筒６の上端８は完全に水平にカツト
された状態に開口１０しており、その左右両上端
８には、自動車のワイパーのようなゴム状の掻片
１１が嵌合して取付けられている。前記掻片１１
は種子を掻き落とす作用をするが、掻片１１の間
でも種子を貯留するから、種子箱５の一部を兼ね
ているものである。前記掻片１１の上縁１２は次
第に肉薄に形成されており、左右の掻片１１は全
く同一高さＸ―Ｘであり、左右側からみると、完
全に水平に取付けられている。縦筒６は上部から
下部にかけて終始同一寸法に形成され、内部には
型の底部材７が密着嵌合している。第一実施例
に於る底部材７の中央の下面には垂直片１３の上
端が固着されており、垂直片１３には上下方向の
ラツクギヤ１４が取付けられている。ラツクギヤ
１４にはピニオンギヤ１５が噛合つており、ピニ
オンギヤ１５の軸１６は前方に突出し、手動ハン
ドル１７が固着される。従つて、ハンドル１７を
手動で回転させると、底部材７は上下動する。前
記縦筒６の内面と底部材７の上面とによつて形成
される上方開口の凹部が種子の入る種子箱５とな
るのである。前記種子箱５の左右両側にはそれぞ
れこぼれ種子の回収用ホツパー１８，１８′が取
付けられる。ホツパー１８，１８′の上縁１９，
１９′は、縦筒６の上端８と略同一高さに形成さ
れている。前記したように、育苗箱２は、ホツパ
ー１８，１８′の外側位置にそれぞれ対称的に載
置される。第１図は育苗箱２，２を載置してある
状態を示しており、第２図は育苗箱２，２を取外
した状態を示している。左右に載置された育苗箱
２，２の一方の育苗箱２の上方位置には特殊な形
状の種子吸入箱２０が設けられる。吸入箱２０の
大きさは育苗箱２と同じ位である。吸入箱２０は
四角な箱であつて、特に、その底面２１は完全水
平に形成されている。又、底面２１は、静電を帯
びることは許されず、良質のステンレス板によつ
て形成されている。吸入箱２０は後述する装置に
よつて水平に横に移動する。吸入箱２０は、一方
の育苗箱２の真上位置から水平に横動し、その底
面２１は前記したワイパー状の掻片１１の上部に
摺接して更に横動し、他方の育苗箱２の真上に達
して停止する。吸入箱２０の底面２１の位置は、
必ず、掻片１１に接触して水平に移動するように
形成されている。吸入箱２０はこれを吊設するア
ーム２２，２２′にローラー２３，２３′が取付け
られており、ローラー２３，２３′は、フレーム
１に左右方向に水平に設けられているレール２４
上を転動する。吸入箱２０に直接又は間接的に取
付けられたモーター２５によつて移動する。モー
ター２５は、吸入箱２０の上面に取付けられてい
る支持部材２６に取付けられており、その軸２７
は前後方向の軸心となるように固着され、軸２７
にピニオンギヤ２８を固定し、該ギヤ２８を左右
方向のラツクギヤ２９に噛合わせる。フレーム１
の所望の位置に設けたメインスイツチを入にする
と、モーター２５に通電されて吸入箱２０は横動
するが、所定の位置で自動的に停止させるため
に、吸入箱２０の進行方向の突当り位置にモータ
ー２５の通電を切るスイツチ３０，３０′を設け
る。吸入箱２０の上面には、吸入箱２０より面積
的に大きい当板３１を当接し、当板３１と吸入箱
２０はビス３２により止着されている。当板３１
を別途当接して吸入箱２０を固着する点も工夫の
ある点であるが、その理由は、当板３１に種々の
装置を取付けるために便ならしめるためである。
当板３１の左右両端は、吸入箱２０よりも左右方
向にそれぞれ突出しおり、その突出部３２′，３
２″にそれぞれ均し具３３，３３′を取付ける。均
し具３３，３３′も特殊構造のものであつて、金
属丸棒３４の外周にコイル針金３５を遊嵌したも
のである。該丸棒３４及び針金３５は共に種子箱
５内の種子を表面に接してこれを均すが、そのと
き、コイル針金３５の接触抵抗による自転で、種
子を前後方向にある程度移動させるものである。
前記丸棒３４は、その両端が直角に屈曲されて屈
曲部３６となり、屈曲部３６の上端を前記突出部
３２′，３２″に下から差し込んでビスで固着す
る。吸入箱２０の底面２１には、育苗箱２の桝目
４の各中心に相当する位置に白菜の種子の如き極
微粒子を２粒〜３粒（一粒のときもある）のみ吸
着する吸入孔３７が形成される。吸入孔３７は、
各桝目４の中心に２個〜３個位が集合して開口さ
れているが、この場合複数の吸入孔３７は、第８
図のように、移動方向に対して重つて開口してい
ると、種子箱５内の種子を吸着する作用に悪影響
ができるので、第９図〜第１１図に示したように
横にずらせて開口させる。各吸入孔３７は、種子
がその内部に入るように形成されている。吸入箱
２０の上面には２個の吸引口３８，３８′と、複
数個の流入口３９…が開口されている。２個の吸
引口３８，３８′は、吸入箱２０の底面２１に穿
けられた多数の吸入孔３７より万遍なく等しい吸
引力で種子を吸引するために、特にその場所を工
夫している。即ち、育苗箱の寸法は、左右幅１：
前後幅２の割合いであるから、前後方向よりみる
と左右側の中心であるが、左右方向よりみると、
２等分した前半分と後半分の各中心にそれぞれ開
口している。２個の吸引口３８，３８′は第４図
のように１個の吸引筒４０で接続され、吸引筒４
０の中心に、吸引ブロアー４１に接続される蛇腹
４２が接続される。吸入箱２０に形成した多数の
流入口３９…は前後方向に一直線に並んでおり、
その上面には前後２個のソレノイド４３，４３′
により上下動するバルブ４４がそれぞれ取付けら
れている。ソレノイド４３，４３′は当板３１よ
り上方に突起している突片４５，４５′にそれぞ
れ固着してあり、ソレノイド４３，４３′の各作
動子４６，４６′に連杆４７を掛けわたし、連杆
４７に各バルブ４４を取付けておき、ソレノイド
４３，４３′に通電すると、複数の流入口３９が
同時に開口するように形成されている。流入口３
９をソレノイド４３，４３′によつて同時に開口
させる点も特殊な工夫のある点であり、それは、
吸入箱２０に衝撃を与えるからである。前記のよ
うな種子は、その表皮自体にも、多量の油分を含
んでおり、したがつて、強く吸引して吸着させる
と、吸引力のみでなく、油分のある付着力で付着
して、なかなか自重落下しない。本発明者は、こ
の点工夫し、衝撃を与えて完全に自重落下させる
ようにしたもので、ソレノイド４３，４３′は、
流入口３９を開口させるだけでなく、種子の付着
しているものを突き離す効果も期待しているもの
である。

本発明は以上の構成であるから、種子箱５内に
白菜とかキヤベツとかカリフラワーのような種子
を一杯に投入し、手動ハンドル１７を僅かに回転
させて底部材７を少し上動させて種子の一部はワ
イパー状の掻片１１，１１を越えて少しばかりホ
ツパー１８，１８′にこぼれるようにし、その状
態で吸入箱２０が無い側の水平台３上に育苗箱２
を載置し、スイツチを入にすると、吸引ブロアー
４１が回転して各吸入孔３７よりエヤーを吸入す
るようになる。

然して、モーター２５に通電されると、その回
転軸２７に固定されているピニオンギヤ２８は回
転して吸入箱２０を例えば第２図に於いて右動さ
せる。吸入箱２０は右動すると、その先端に取付
けられている均し具３３′により種子箱５の種子
上面を均し、吸入箱２０の底面２１が種子の上面
を摺接するとき、底面に形成されている吸入孔３
７で種子を吸着し、更に右動するとスイツチ３０
に突き当り、吸入箱２０は育苗箱２の上部で停止
し、ソレノイド４３，４３′に通電して流入口３
９のバルブ４４を衝撃的に上動させて吸入孔３７
に吸着している種子を育苗箱２の桝目４内に落下
させるものである。そして、種子箱５内の種子の
減少に応じて手動ハンドル１７を回転させて底部
材７を上動させると、種子箱５内の種子を順次吸
着させてそれがなくなるまで播種することができ
る。

この場合、吸入孔３７は２個か３個が集合して
形成されていて、２粒点播か３粒点播が行なえる
のであるが、各吸入孔３７は、吸入箱２０の移動
に対して横の方向にずれて開口しているから、第
８図のように一個の吸入孔３７ａで吸着した直後
を次の吸入孔３７ｂで吸着するというような現象
はみられず、良好に吸着するものである。

本発明は以上の如くであるが、特に、吸入箱２
０の底面２１に形成する吸入孔３７を複数個ずつ
集合させて形成して２〜３粒点播を行なうに当
り、各吸入孔３７を、吸入箱２０の移動方向に対
して横方向にずらせて開口したので、各吸入孔３
７に対する種子の吸着は完全であつて、２粒〜３
粒点播を正確に行なえる特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の正面図、第２図は第１図より育
苗箱を取除いた要部縦断正面図、第３図は第１図
の左側面図、第４図は同左縦断側面図、第５図は
平面図、第６図は均し具の正面図、第７図は種子
箱の斜視図、第８図〜第１１図は吸入孔と移動方
向との関係を示す説明図である。 符号の説明、１…フレーム、２…育苗箱、３…
水平台、４…桝目、５…種子箱、６…縦筒、７…
底部材、８…上端、９…上縁、１０…開口、１１
…掻片、１２…上縁、１３…垂直片、１４…ラツ
クギヤ、１５…ピニオンギヤ、１６…軸、１７…
手動ハンドル、１８，１８′…回収用ホツパー、
１９，１９′…上縁、２０…吸入箱、２１…底面、
２２，２２′…アーム、２３，２３′…ローラー、
２４…レール、２５…モーター、２６…支持部
材、２７…回転軸、２８…ピニオンギヤ、２９…
ラツクギヤ、３０，３０′…スイツチ、３１…当
板、３２…ビス、３２′，３２″…突出部、３３，
３３′…均し具、３４…金属丸棒、３５…コイル
針金、３６…屈曲部、３７…吸入孔、３７ａ…吸
入孔、３７ｂ…吸入孔、３８，３８′…吸引口、
３９…流入口、４０…吸引筒、４１…吸引ブロア
ー、４２…蛇腹、４３，４３′…ソレノイド、４
４…バルブ、４５，４５′…突片、４６，４６′…
作動子、４７…連杆、Ｌ…幅。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 育苗箱を水平に載置する水平台の近傍位置に
   上面は開口している種子箱を設け、水平台の上方
   位置には種子箱上を摺動して育苗箱上まで横移動
   する吸入箱を設け、該吸入箱の底面に形成した吸
   入孔により種子箱内の種子を吸着して育苗箱の桝
   目上で種子を落下させるように構成した育苗箱用
   播種装置に於いて、前記吸入箱の底面に形成する
   吸入孔は、一つの桝目に対して複数形成すると共
   に、複数の吸入孔は、吸入箱の移動方向に対して
   横にずらして開口したことを特徴とする育苗箱用
   播種装置。