JPH0236861B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は電子レンジなどの調理器を高所に設置
するための調理器設置装置に関する。

(ロ) 従来の技術 最近実開昭59−155411号公報に見られる如く、
システムキツチンに組込まれた調理台の上に置い
て使用される電子レンジなどの調理器を、上記調
理台の上方の無駄な空間に設置し、これにより上
記調理台の上を空け調理作業等のために有効に利
用できるように構成した調理器の設置構造が提案
されている。

斯る設置構造を説明するに、調理基本体上部に
係合金具を固定すると共に、吊戸棚の底壁に上記
係合金具が着脱自在に係合する固定金具を固定
し、そして該固定金具に上記係合金具を係合せし
めることにより、調理器を調理台上方の無駄な空
間に設置するようにしている。

しかるに、上記設置構造においては、上記係合
金具は調理器本体上部に固定されているため、斯
る調理器を必要に応じて従来の如く上記調理台上
に置いて使用する場合には、上記係合金具や手や
衣服が触れ易い高さに位置することとなり、斯る
係合金具により怪我をしたり衣服を引掛けたりす
るという状態が生じ得る。又、上記係合金具が全
体的に直視し得る状態に露呈してしまい外観的に
も好ましくない。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 本発明は、簡単な構造にて且つ調理器本体に別
途金具を固定することなしに、調理器を高所に設
置でき、これにより調理器を必要に応じて調理台
等の上に置いて使用する場合に、怪我をしたり衣
服を引掛けたりするのを防ぐことができ且つ外観
的にも優れた調理器の設置装置を得ることにあ
る。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本発明は、外装両側壁に夫々持運び用把手を有
する調理器を高所に設置するための調理器設置装
置において、高所水平板の上面に位置する上面金
属平板と、該上面金属平板と共に上記高所水平板
を挟む状態にて上記高所水平板の下面に位置し、
上記上面金属平板と連結されて上記上面金属平板
と共に上記高所水平板に固定され、上記一方の把
手に係合する係合部を有する下面金属固定具と、
該下面金属固定具に摺動自在に配置され、上記他
方の把手に係合する係合部を有する摺動金具と、
上記下面金属固定具及び摺動金具双方の係合部が
夫々上記一方及び他方の把手に係合した状態にて
上記摺動金具を固定するための固定具とを備えた
ことを特徴とする。

(ホ) 作用 上記手段により、簡単な構造にて且つ調理器本
体に別途金具を固定することなしに、調理器を高
所に設置できる。

(ヘ) 実施例 以下本発明実施例を説明する。

第１図乃至第５図は調理器としての電子レンジ
を示す。電子レンジ本体１の外装２には、両側壁
２ａ，２ｂに夫々電子レンジ持運び用の把手３
ａ，３ｂが設けられている。そして、上記本体１
内には、前面開口がドア４にて開閉されるマイク
ロ波加熱室５と、調理時間等をセツトするための
操作部６の後方に位置する電装室７とが設置され
ている。斯るマイクロ波加熱室５は、内部に、マ
イクロ波を撹拌するスターラ８、及び該スターラ
を覆うスターラカバー９が配置されている。又、
上記電装室７は、内部に、上記加熱室５に食品を
加熱するためのマイクロ波を供給するマグネトロ
ン１０と、該マグネトロンに高圧を供給するため
の高圧トランス１１と、モータ１２ａ及びフアン
１２ｂからなり、上記マグネトロン１０及び高圧
トランス１１などを冷却するための冷却装置１２
とが配置されている。更に、上記電装室７は、後
部に垂直仕切壁１３が設けられ、且つ後方側部の
加熱室５上部にＬ型仕切壁１４が設けられてい
る。上記垂直仕切壁１３は上部に開口１３ａが穿
たれ、該開口内に上記冷却装置１２のフアン１２
ｂが位置している。

そして、上記冷却装置１２が駆動すると、上記
電装室７側の外装底壁２ｃ後部に形成された多数
の吸気孔１５から電装室７内の垂直仕切壁１３後
部へ外気が冷却風として吸気され、斯る冷却風は
その後垂直仕切壁１３の開口１３ａから電装室７
の前方へ吹出され、マグネトロン１０及び高圧ト
ランス１１などを冷却する。上記冷却風は、その
後、一部は上記Ｌ型仕切壁１４が存在しない部分
から加熱室５外の上部に流れ加熱室５の左側を通
つて下方に至り外装底壁２ｃの左側に形成された
多数の吐出孔１６から外部へ排気される。尚、上
記加熱室５の上部に流れた冷却風の更にその一部
は加熱室上壁５ａ前部に形成された小孔１７から
加熱室５内の下方へドア４内面に沿つて流れる。
斯る冷却風は、その後加熱室５内の換気を行なう
べき、マイクロ波加熱時に食品から発生する水蒸
気などを伴つて図示しない経路を通つて加熱室５
の左側に出、上記加熱室５外の上部から流れてき
た冷却風に合流する。

一方、上記電装室７の前方へ吹出された冷却風
の残りは、加熱室右側壁５ｂのＬ型仕切壁１４下
方に形成された小孔１８を通つて加熱室５内の上
部に流れ、上記スターラ８を回動する。その後、
斯る冷却風は加熱室左側壁５ｃに形成された小孔
１９を通つて加熱室５の左側に出、これも上記加
熱室５の上部から流れてきた冷却風に合流する。

上記電子レンジ本体１は、更に下部に合成樹脂
構成体２０が固定されている。該構成体は、右側
及び左側に夫々右凹部２１ａ及び左凹部２１ｂが
形成されており、これら凹部２１ａ，２１ｂは
夫々前部及び側部に通気孔２２を有している。そ
して、上記右凹部２１ａは上記外装底壁２ｃの吸
気孔１５を通して上記電装室７内の後部に連通し
ており、よつて斯る電装室７内の後部には上記右
凹部２１ａを通して電子レンジ本体１の下部前方
及び右側方から冷却風が吸気される。又、上記左
凹部２１ｂは上記外装底壁２ｃの吐出孔１６を通
して外装２内の加熱室５の左側に連通しており、
よつてこの部分に流れてきた冷却風は上記左凹部
２１ｂを通つて電子レンジ本体１の下部前及び左
側方へ排気される。更に、上記構成体２０は、下
面四隅に支持脚２３が一体的に固定されており、
且つ上記凹部２１ａ，２１ｂ間の下面には電源コ
ード２４を巻取り保持するための保持具２５が一
体的に固定されている。

さて、上述の如く構成された電子レンジは、通
常システムキツチンに組込まれた調理台などの上
に置いて使用したり、或いは把手３ａ，３ｂに手
を掛けて他の場所へ持運んで使用したりする。

しかるに、上記調理台などの上を空けて調理作
業などのために有効利用できるように際し、上記
電子レンジは上記調理台などの上方の無駄な空間
に設置して、即ち吊戸棚に吊下げて使用する。

以下斯る吊下げ設置構造を説明する。

第６図乃至第９図において、調理台２６上方の
吊戸棚２７の、高所水平板としての吊戸棚底壁２
７ａ上面に位置して上面金属平板２８が配置さ
れ、且つ上記吊戸棚底壁２７ａ下面に位置して下
面金属固定具２９が配置されている。そして、斯
る上面金属平板２８及び下面金属固定具２９は、
上記吊戸棚底壁２７ａを挾む状態にて複数のネジ
３０を下面金属固定具２９に一体的に固定された
雌ネジ部３１に締着することにより、互いに連結
され上記吊戸棚底壁２７ａに堅固に固定されてい
る。

而して、上記下面金属固定具２９は前部及び後
部に夫々断面Ｌ型の前ガイド３２ａ及び後ガイド
３２ｂが折曲形成されている。又、上記下面金属
固定具２９の右側部には断面Ｚ型の折曲部３３が
折曲形成され、そして斯る折曲部３３の下辺中央
部には更に上記電子レンジ本体１の右側の外装側
壁２ａに設けられた把手３ａに係合する右係合部
３４ａが折曲形成されている。

更に、上記下面金属固定具２９の左側には摺動
金具３５が摺動自在に配置されている。この場
合、上記摺動金具３５は前部及び後部に前垂下部
３６ａ及び後垂下部３６ｂが折曲形成されてお
り、これら垂下部３６ａ，３６ｂが夫々上記前ガ
イド３２ａ及び後ガイド３２ｂの内部に沿うこと
により、上記摺動金具３５は上記下面金属固定具
２９に対して摺動する。又、上記摺動金具３５の
左側部には断面Ｚ型の折曲部３７が折曲形成さ
れ、そして斯る折曲部３７の下辺中央部には更に
上記電子レンジ本体１の左側の外装側壁２ｂに設
けられた把手３ｂに係合する左係合部３４ｂに折
曲形成されている。

而して、上記摺動金具３５の水平面において、
前部及び後部には右側が開き左右方向に延びた切
込み３８ａ，３８ｂが形成され、且つ中央部には
左右方向に延びたスリツト３９ａ，３９ｂが形成
されている。斯るスリツト３９ａ，３９ｂの右側
は、下方に突出した突出部４０ａ，４０ｂがプレ
ス形成されている。

上述の如き構成された上記摺動金具３５は上記
の如く上記下面金属固定具２９に摺動自在に配置
されているのであるが、斯る摺動状態にて、上記
摺動金具３５の下側には規制金具４１が配置され
ている。斯る規制金具４１は、上記下面金属固定
具２９に下方に突出するように形成された雌ネジ
部４２ａ，４２ｂに、ネジ４３ａ，４３ｂにて締
着されている。上記雌ネジ部４２ａ，４２ｂに上
記スリツト３９ａ，３９ｂ内に位置している。
又、上記規制金具４１の左側には垂下片４４が折
曲形成されている。

而して、上記摺動金具３５は、左側へは、突出
部４０ａ，４０ｂが上記規制金具４１に当接する
位置まで摺動し、一方右側へは、左側部の折曲部
３７の垂下部３７ａが上記規制金具４１の垂下片
４４に当接するまで摺動する。斯る摺動時には、
上記切込み３８ａ，３８ｂは、上記下面金属固定
具２９に固定された左側２つの雌ネジ部３１，３
１を、内側に迎え入れるべく移動する。

上述の如き、上面金属平板２８、下面金属固定
具２９及び摺動金具３５の構成状況において、上
記電子レンジの吊下げ設置は以下のようにして行
なわれている。即ち、電子レンジ本体１を調理台
２６上方に持上げ、右側の外装側壁２ａの把手３
ａを上記下面金属固定具２９の右係合部３４ａに
係合せしめ、そして上記摺動金具３５を垂下部３
７ａが規制金具４１の垂下片４４に当接するまで
右側へ摺動させこの場合左係合部３４ｂを左側の
外装側壁２ｂの把手３ｂに係合せしめ、その後摺
動金具３５が無闇に摺動しないように摺動金具３
５を固定せしめることにより、電子レンジを吊下
げ設置している。

ここに、上記摺動金具３５の固定の方法として
は次の３通りがあり、設置場所の状況に応じてそ
の内の１つの適宜選択されて用いられている。第
１の方法としては、上記摺動金具３５の垂下部３
７ａを上記規制金具４１の垂下片４４にネジ４５
留めする。第２の方法としては、上記右係合部３
４ａ及び左係合部３４ｂを夫々把手３ａ，３ｂに
ネジ４６ａ，４６ｂを留めする。第３の方法とし
ては、上記上面金属平板２８及び下面金属固定具
２９を通して、摺動金具３５に一体的に固定され
た雌ネジ部４７に、ネジ４８を締着する。この場
合、第１の方法が選択されている。

この様にして電子レンジを吊下げ設置した状況
においては、電子レンジの重量は、吊戸棚底壁２
７ａのネジ３０付近に集中して加わらず、上面金
属平板２８の全面を介して吊戸棚底壁２７ａに一
様に加わり、その結果吊戸棚底壁２７ａは破損し
にくく、吊戸棚底壁２７ａの補強がなされてい
る。

又、吊戸棚底壁２７ａと電子レンジ本体１との
間は、下面金属固定具２９における前、後ガイド
３２ａ，３２ｂの垂下部４９ａ，４９ｂ及び折曲
部３３の垂下部５０と、摺動金具３５の折曲部３
７の垂下部３７ａとにより覆われており、外観的
に好ましい。

尚、この様にして吊下げ設置された電子レンジ
は、上述と逆の作業を行なうことにより適宜調理
台２６の上に置いて使用できる。

(ト) 発明の効果 本発明によれば、簡単な構造にて且つ調理器本
体に別途金具を固定することなしに、把手を利用
して調理器を高所に設置でき、これにより調理器
を必要に応じて調理台等の上において使用する場
合に、怪我をしたり衣服を引掛けたりするのを防
ぐことができ且つ外観的にも優れた調理器の設置
装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明実施例を示し、第１図は電子レン
ジを前方下部から見た斜視図、第２図は電子レン
ジの上部断面図、第３図、第４図、第５図は夫々
第２図における−線、−線、−線の
断面図、第６図、第７図は夫々電子レンジを吊戸
棚に吊下げ設置した状態を前方下部及び正面から
見た斜視図及び正面図、第８図は同設置を行なう
ための設置構造を前方下部から見た分解斜視図、
第９図は同設置構造の斜視図である。 １……電子レンジ本体、３ａ，３ｂ……把手、
２８……上面金属平板、２９……下面金属固定
具、３４ａ……右係合部、３５……摺動金具、３
４ｂ……左係合部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外装両側壁に夫々持運び用把手を有する調理
   器を高所に設置するための調理器設置装置におい
   て、高所水平板の上面に位置する上面金属平板
   と、該上面金属平板と共に上記高所水平板を挟む
   状態にて上記高所水平板の下面に位置し、上記上
   面金属平板と連結されて上記上面金属平板と共に
   上記高所水平板に固定され、上記一方の把手に係
   合する係合部を有する下面金属固定具と、該下面
   金属固定具に摺動自在に配置され、上記他方の把
   手に係合する係合部を有する摺動金具と、上記下
   面金属固定具及び摺動金具双方の係合部が夫々上
   記一方及び他方の把手に係合した状態にて上記摺
   動金具を固定するための固定具とを備えたことを
   特徴とする調理器設置装置。