JPH0236549Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はパチンコ店で遊戯者がパチンコ玉を
入れ、整理したり、移動したりする時に使用する
手持玉箱に関する。

（従来技術） パチンコ店には適量のパチンコ玉が収容できる
手持玉箱が備えてあり、玉出し機から購入した玉
の受取りや、パチンコ機の玉受皿に溜まつた賞玉
の整理、また遊戯終了時の賞玉の精算への持ち運
び等に使用する。

この種の手持玉箱は通常プラスチツクで出来て
おり、不使用時には箱同志を下位箱に上位箱を挿
入する形で積み重ねて置かれ、使用時に上位箱か
ら順次に抜き取つて使用する。

ここで下位箱に対し上位箱の抜き取りを容易に
するため、下位箱に対し上位箱を若干浮き上り状
態となるように、箱体の側壁面上部に係止段を設
けた玉箱が、本考案者によつて提案され、実用化
されている。

上記構成の玉箱は、玉箱不使用時に箱同志を積
み重ねた状態で、箱相互間には僅かな隙間を形成
し、上位箱の抜き取り時にこの隙間を通じて空気
の出入りが自由で、下位箱がくつついてくるよう
なことがなく便利なものである。

第４図は従来の玉箱の底面図、第５図は空箱同
志を積み重ねた状態にある一部欠除した側面図で
ある。

図に於いて、箱体１は平面的に見て長方形状に
出来ており、底板２から上面開口３に向けて前後
側壁４、及び左右側壁５のそれぞれが外方に傾斜
して立上がり。これ等側壁４，５の上部に外方に
向けて連続した水平張出状に開口縁６を設けてな
る。

前後側壁４の中央部外面には把手体７が設けら
れ、これは上端を開口縁６に結合して全体として
外方下向きに傾斜させてなり、その下部から側部
にかけて丸みを付けてここに凹凸状の把持面を形
成し、また把持体上半部と側壁間に複数の立てリ
ブ９を設け、把手体下半部と側壁間には指先挿入
隙間１０を形成している。

把手体７の両側で、前後側壁４の上部には該前
後側壁４が丸みを付けて左右側壁５に交わるコー
ナ部近くまで下向き段状に係止段１１を設け、空
箱同志、下位箱内に上位箱下半部を挿入して積み
重ねる際に、上下箱相互間に隙間１２を形成し
て、下位箱に対し上位箱を若干浮き上り状態とに
なるようにする。

尚、図中１３は前後側壁４の開口縁面に形成し
た凹凸状の指当面である。

ところで、上記する構成の玉箱を積み重ねた状
態から、その最上位箱を抜き取るには、短辺とす
る前後側壁４に設ける把手体７を持つて抜き取る
よりも、長辺とする左右側壁５の開口縁６の片方
に指を掛けて持ち上げて抜き取る方が、手に持た
れる点から対向する側壁までの距離が短く、持ち
上げ高さが低くて抜き取り易いものである。

（考案が解決しようとする問題点） 次に上記の抜き取り時の要領を考察する。

第５図に示すように積み重ねた状態から、上位
箱１の右側壁５ａがわの開口縁６に指を掛けて持
ち上げると、持ち上がると同時に左側壁５ｂがわ
の係止段１１ｂも下位箱開口縁面から離れるた
め、下位箱内に浮上状態にあつた上位箱１はその
浮上支持点を失い、傾くと同時に下位箱内に落ち
込んで、第６図に示すようにその左側壁５ｂが下
位箱の開口縁部に、また右側壁５ａの下端縁が下
位箱の右側壁内面に引つ掛かる形になる。

従つて爾後の上位箱の抜き取りはこの状態から
の抜き取りとなり、下位箱がくつついて持ち上が
り途中で落下したり、下位箱の右側壁内面を上位
箱の右側壁下端縁が擦つて損傷したり、また、抜
き取りにくくして騒音を発する等の難点がある。

この考案は上記の点に鑑がみなされたものであ
つて、多数の玉箱を積み重ねた状態から一つ一つ
の玉箱を抜き取る際に、極めてスムーズに抜き取
りを実現した便利な玉箱を提供することを目的と
する。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するこの考案の要旨とすると
ころは、底部より上面開口に向けて側壁が外方に
傾斜してなる箱体の側壁面上部に、空箱同志下位
箱内に上位箱を挿入して積み重ねる際に、下位箱
開口縁部に上位箱が僅かに浮上状態になるように
係止する係止段を設けた玉箱に於いて、前記係止
段を、箱体の前後側壁に、該前後側壁が左右側壁
に交わるコーナ部にかけて設け、該係止段が左右
側壁がわに終わる外縁を同レベルの左右側壁に水
平に合致させたことを特徴とするパチンコ店用手
持玉箱にある。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図はこの考案の底面図、第２図は一部を欠
除した空箱同士積重ねた状態の側面図である。第
４図及び第５図と共通、若しくは対等部分は同一
符号を付ける。

この考案では、箱体１の前後側壁４に設ける係
止段１１を、該前後側壁４が左右側壁５に交わる
コーナ部１４にかけて設け、該係止段１１が左右
側壁５がわに終わる外縁１５を同レベルの左右側
壁面に水平に合致させたものである。

またこの考案では、空箱同志積み重ねた状態
で、上位箱１の把手体中央部位の縦リブ９の下縁
９ａを下位箱１の指当面１３の中央凹部１３ａに
嵌入させて積み重なる同志の中心を合わせるよう
にしている。

次にこの考案の玉箱を積み重ねた状態からの抜
き取り要領を説明する。

第２図に示すように、積み重ねた状態にある上
位箱１の右側壁５ａがわの開口縁６に指を掛けて
持ち上げると、上位箱１の把手体中央部位の縦リ
ブ９の下縁９ａが下位箱１の指当面１３の中央凹
部１３ａから外れて上位箱１は若干左寄りに隙間
１０分だけ僅かにずれ動き、係止段外縁１５が下
位箱開口縁面で回動支点となつて上位箱１は傾
き、第３図に示すように持ち上がつて引き抜かれ
る。

つまり、この考案では、下位箱に対して上位箱
を抜き取る際、下位箱内に浮上支持する支点が失
われぶして両箱間に形成する僅かな隙間の中での
抜き取りが行われるものである。

従つてこの考案によれば、積み重ねた状態にあ
る玉箱の上位箱を抜き取るのに、該上位箱を持ち
上げるだけで箱相互間での落ち込みによる引つ掛
かりや、下位箱がくつついて来るようなことがな
く、全く無抵抗の下でのスムーズな抜き取りを実
現して極めて使い勝手のよい玉箱を提示し得る効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の玉箱の底面図、第２図は一
部を欠除した空箱同士積み重ねた状態の側面図、
第３図は上位箱の抜き取り要領説明図、第４図は
従来の玉箱の底面図、第５図は一部を欠除した空
箱同士積み重ねた状態の側面図、第６図は上位箱
の抜き取り要領説明図である。 １…箱体、２…底板、３…開口、４…前後側
壁、５…左右側壁、６…開口縁、７…把手体、８
…把持面、９…立てリブ、１０…指先挿入隙間、
１１…係止段、１２…隙間、１３…指当面、１４
…コーナ部、１５…外縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部より上面開口に向けて側壁が外方に傾斜し
   てなる箱体の側壁面上部に、空箱同志下位箱内に
   上位箱を挿入して積み重ねる際に、下位箱開口縁
   部に上位箱が僅かに浮上状態になるように係止す
   る係止段を設けた玉箱に於いて、前記係止段を、
   箱体の前後側壁に、該前後側壁が左右側壁に交わ
   るコーナ部にかけて設け、該係止段が左右側壁が
   わに終わる外縁を同レベルの左右側壁面に水平に
   合致させたことを特徴とするパチンコ店用手持玉
   箱。