JPH0235752Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 産業上の利用分野 本考案はホイスト等のワイヤーロープ巻きドラ
ムの乱巻検知器を点検する装置に関する。

Ｂ 考案の概要 本考案はドラムの外方にワイヤーロープの乱巻
検知器を備えたドラムにおいて、該ドラムと乱巻
検知器の間に該検知器の操作レバーを設け、該操
作レバーは所定の範囲で揺動自在に支持されてい
ると共に操作把手部を具備する構成としたことに
より、前記操作把手部を操作して操作レバーによ
り乱巻検知器を点検できるもので、日常点検や作
業前点検が容易に行なえるようにしたものであ
る。

Ｃ 従来の技術 ホイスト等の巻上機においては荷物を吊り上げ
るワイヤーロープが整列巻きされることは非常に
重要である。なぜなら、ワイヤーロープがドラム
の巻取溝から外れたまま巻上げを続けた場合、ワ
イヤーロープがかたよつた部分で二重三重に巻か
れて巻上機の動作ができなくなる。そして、荷物
を吊上げた状態で停止した場合は作業がストツプ
するだけでなく、最悪の場合、ワイヤーロープ同
志が重なつている部分の山がくずれて該ロープに
衝撃が加わつたり、魔擦が生じるなどして切断事
故が発生するおそれがあり、またドラムケース破
断等のおそれもある。

このようなことから、ワイヤーロープが巻ドラ
ムから外れないようにドラムに巻かれるワイヤー
ロープをローラで押える方法や巻ドラムの外方に
検知器を配設し、ワイヤーロープが乱巻されてド
ラム外方に膨出したとき、このワイヤーロープが
検知器のスイツチをONして警報を発して巻上機
の作動を直ちに停止させる方法等がある。

Ｄ 考案が解決しようとする問題点 乱巻検知器を用いてワイヤーロープの乱巻を検
知する方法において、該乱巻検知器の作動チエツ
クは、検知器を取外して点検するか、又は巻ドラ
ムに乱巻状態を作つて検知器を働かして確認する
のであるが、従来乱巻検知器は殆んど巻上機から
取外すことがないからボルト等で強固に固定され
ているとともに、配設場所も天井高所であるた
め、前記点検作業はいずれも手間がかかる。この
ため乱巻検知器の動作確認は、日常点検、又は作
業前点検をすべきところ、従来は実質的なチエツ
クは殆んど行なわれていないのが現状である。

本考案は上述の欠点に鑑みてなされたもので、
簡単に乱巻検知器を点検できる装置を提供するこ
とを目的とする。

Ｅ 考案が解決しようとする問題点 本考案はドラムの外方にワイヤーロープの乱巻
検知器を備えたドラムにおいて、該ドラムと乱巻
検知器との間に該検知器の操作レバーを設け、該
操作レバーは所定の範囲で揺動自在に支持されて
いると共に操作把手部を具備してなる構成を特徴
とする乱巻き検知器の点検装置である。

Ｆ 実施例 以下本考案を第１図〜第３図に示す実施例にも
とづいて説明する。

第３図はホイストの斜視図で、同図において、
１はワイヤーロープ２の巻ドラム、３はワイヤー
ロープ２に掛けた吊荷フツクである。また、４は
基台５に固着した支持フレームで、この支持フレ
ーム４により巻きドラム１が回転自在に軸支され
ている。。６は巻上電動機で、歯車７，８，９を
介して巻ドラム１と連動連結しており、この巻上
電動機６にて巻きドラム１を駆動し、ワイヤーロ
ープ２を巻きドラム１に巻取り且つ巻解いて吊荷
フツク３を上下動する。

１０は巻ドラム１に巻かれるワイヤーロープ２
の乱巻検知器で、次のように構成されている。即
ち、第４図において、１１は帯状のタツチスイツ
チで、１２はタツチスイツチ１１の取付板であ
る。タツチスイツチ１１は長尺の固定電極板１３
と可動電極板１４をネオプレンゴム製又は塩化ビ
ニール製などの保護カバー１５で被覆し、これを
チヤンネル状の支持板１６に載置し、支持板１６
の両側の爪１６ａ，１６ａで保護カバー１５の両
端縁を押えてなるものである。また、取付板１２
の一側面には所定の間隔を離して一対のガイド突
起１２ａ，１２ａが平行に設けてあり、ガイド突
起１２ａ，１２ａの中間にタツチスイツチ１１を
配設し、、その支持板１６と取付板１２の接触面
は接着剤又はねじ等で固定する。１７はタツチス
イツチ１１の前面に配設した長尺の金属製の板バ
ネであり、その断面形状は外方に湾曲した円弧状
とし且つ両端は例えば折返すなどして抜け止め部
１７ａを形成している。また、１８，１８は平行
に設けた一対の押え部材で、各押え部材１８の対
向側縁に突出縁１８ａを有しており、且つネジ１
９又は接着剤により取付板１２の側面に固定して
ある。

前記押え部材１８，１８とガイド突起１２ａ，
１２ａとの間には空間２０が形成してあり、ガイ
ド突起１２ａ，１２ａの先端と突出縁１８ａ，１
８ａとの間の隙間から金属製板バネ１７の両端部
を挿入し、且つ抜け止め部１７ａを前記空間２０
内に可動的に位置せしめている。従つて、タツチ
スイツチ１１の外面は取付板１２と金属製板バネ
１７とガイド突起１２ａとにより囲繞されると共
に、外方から力が作用すると円弧状断面の金属製
板バネ１７の両端が抜け止め部１７ａによる自由
端として可動的に支持してあるので、該金属製板
バネ１７がスムーズに弾性変形し、保護カバー１
５を介して電極板１３，１４を閉じスイツチを適
確にONすることができる。

しかして、上記乱巻検知器１０のホイストに、
対する取付け例を第３図を参照して説明すると、
タツチスイツチ取付板１２の両端に設けた脚部１
２ｂ，１２ｂにガイド孔２１を設け、このガイド
孔２１を支持フレーム４の上面より突出している
ガイドピン２２にスライド自在に嵌合している。
したがつて、巻きドラム１にワイヤーロープ２が
二重、三重に乱巻きされたとき、該ワイヤーロー
プ２が第４図に示す金属製板バネ１７を押し、保
護カバー１５を介して電極板１３，１４を閉じ乱
巻が発生したことを電気的に検知することができ
る。

つぎに、上記乱巻検知器１０の点検装置は第１
図、第２図のように構成される。各図において、
２３は操作レバーで、該操作レバー２３は支持ブ
ラケツト２４に設けた支軸２５に揺動自在に支持
してあり、その先端は乱巻検知器１０と巻ドラム
１との間に挿入してある。操作レバー２３の他端
には支持ピン２６により操作杆２７を結合してい
る。操作杆２７は、支持ブラケツト２４を先端に
設けた支持筒２８内に挿通してあり、その端部に
は把手部２７ａを設けている。支持筒２７はボル
ト２９，２９により基台５に取付けている。

なお、３０は操作レバー２３と支持ブラケツト
２４との間に挿通したガイド軸で、ガイド軸３０
にコイルバネ３１を巻装してあつて、その両端を
操作レバー２３と支持ブラケツト２４に当てがつ
ている。３２はブラケツト２４に進退自在に設け
たストツパーで、ストツパー３４の先端が操作レ
バー２３の下面に当つて該ストツパー３４の揺動
範囲を任意に設定することができる。

本実施例によると、乱巻検知器１０の動作確認
をするには操作杆２７の把手部２７ａをにぎつて
引下げる。すると操作レバー２３はコイルバネ３
１に抗して支軸２５を中心に揺動し、その先端が
乱巻検知器１０の金属製板バネ１７に当りタツチ
スイツチ１１をON動作させることができ、それ
により乱巻検知器１０が正しく動作するか否かを
確認することができる。また、把手部２７ａから
手を離すとコイルバネ３１のバネ力で操作レバー
２３は元の位置に戻ると共に、巻ドラム１にワイ
ヤーロープ２が正常に巻かれている限りでは、操
作レバー２３の先端が乱巻検知器１０のスイツチ
部に触れることはない。なお、上記実施例では、
乱巻検知器１０の取付板１２は、その両端脚部１
２ｂのガイド孔２１を支持フレーム４から起立し
ているガイドピン２２にスライド自在に嵌合して
いるが、これは巻ドラム１に乱巻されたワイヤー
ロープ２によつて乱巻検知器１０が破損しないよ
うに可動的に支持したものであるが、乱巻検知器
１０を固定的に取付けた場合にも本考案の点検装
置を適用することができる。

Ｇ 考案の効果 本考案によると把作把手部を操作して操作レバ
ーを揺動させ、その先端で乱巻検知器のスイツチ
部を操作して、該乱巻検知器の動作確認を簡単に
行なうことができ、よつて巻上機に取付けられた
乱巻検知器の日常点検や作業前点検が容易となる
というすぐれた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る乱巻検知器の点検装置の
平面図、第２図は同断面説明図、第３図は乱巻検
知器を備えたホイストの斜視図、第４図は乱巻検
知器の断面図である。 １……巻ドラム、２……ワイヤーロープ、１０
……乱巻検知器、２３……操作レバー、２５……
支軸、２７……操作杆、２７ａ……把手部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドラムの外方にワイヤーロープの乱巻検知器を
   備えたドラムにおいて、該ドラムと乱巻検知器の
   間に該検知器の操作レバーを設け、該操作レバー
   は所定の範囲で揺動自在に支持されていると共に
   操作把手部を具備してなる構成を特徴とする乱巻
   検知器の点検装置。