JPH023524Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 背景と目的 光フアイバケーブルを海底に布設したとき、大
きな圧力を受けて局所的に曲りが生じると、伝送
損失が増大する。

本考案は、大きな外圧を受けても局所的な曲り
ができないようにしたものである。

構成と作用の説明 本考案の基本的な考え方は、光フアイバを剛性
の大きな線材に添わせ、外力を受けたとき光フア
イバが線材に支えられて局所的な曲りや変形を起
こさないようにすることである。

第１図にその一例の断面図を示す。１０は円形
断面の中心線である。これには剛性が大きくて容
易に変形や曲げを起こさないステンレス鋼を用い
る。２０はフアイバ心線でたとえばフアイバ２２
の上に軟い被覆２４を施したものを用いる。３０
は添え線である。これはフアイバ心線２０と同じ
外径の円形断面の線材で、材質としては剛性が大
きくて容易に変形や曲りを起こさないステンレス
鋼線が用いられる。このように中心線１０と添え
線３０に、剛性が大きくかつ抗張力の大きい材料
を用いると、曲りに強いと同時に引つ張りにも強
い光フアイバケーブルが得られる。

以上のようにした上に、たとえばナイロンなど
の被覆４０を設けて光フアイバケーブルとする。
このようにすると、各フアイバ心線２０は第２図
のように２本の添え線３０と中心線１０とで作る
らせん形の溝５０の中に納まることになる。それ
で外力が加わつても回りを剛性の大きい線材で、
がつちりと囲まれているので、曲りや変形を起こ
さない。また製造時にも曲りの生じるのが防がれ
る。

実施例 フアイバ２２は、コア径60μｍ、外径150μｍ、
屈折率差1.0％の石英系ガラスからなるグレーデ
ツドインデツクス型。その上に軟いシリコーンゴ
ムの被覆２４がかぶせられて、フアイバ心線２０
全体の外径が450μｍとされている。中心線１０
と添え線３０は、ともに直径450μｍのＡ種ステ
ンレス鋼線からなる。これらを第１図のようによ
り合わせ、その上にナイロンの被覆４０を設け全
体の外径を1.4mmとした。ケーブル化前のフアイ
バ心線２０の損失は、波長0.85μｍで2.50dB／Km
であつたが、ケーブル化による損失増加は
0.1dB／Km以下であり、無視できるほど小さかつ
た。

また、できたケーブルを300Kg／cm²の静水圧下
においたときの損失増加は、0.05〜0.10dB／Km
で、耐圧力特性が非常に優れていることが確認さ
れた。

また、第３図のように上記ケーブルをユニツト
６０として、抗張力体７０の回りに６本より合わ
せ、その上にコアラツプ８０およびアルミ、ポリ
エチレンのラミネートシース９０を施して18心ケ
ーブルとした。この多心化による損失増加は観察
されず、非常に安定なケーブルであることが確認
された。

効 果 製造時には、フアイバ心線２０は、剛性の大き
い鋼線からなる中心線１０の回りに、両側を剛性
の大きい鋼線からなる添え線３０ではさまれなが
らよられる。また、この状態で被覆４０をかぶせ
られる。それでフアイバ心線２０は外力（主に半
径方向）を受けても、上記のように周りを固めら
れているので局所的な曲りや変形を起こさない。
また水底に布設後も同様に変形しない。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例に関し、第１図は断面
図、第２図は作用の説明図、第３図はさらに多心
ケーブルを構成した場合の断面図である。 １０…鋼線からなる中心線、２０…フアイバ心
線、３０…鋼線からなる添え線、２４…軟い被
覆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋼線からなる円形断面の中心線１０の回りに、
   一本以上の軟い被覆２４が施されたフアイバ心線
   ２０を、これと同じ太さの鋼線からなる多数の添
   え線３０とともにすき間まなく接し合うように、
   かつフアイバ心線２０の隣りには必ず添え線３０
   が来るようにしてより合わせ、これらの上に被覆
   ４０を施したことを特徴とする光フアイバケーブ
   ル。