JPH0234898A - 鍵盤吹奏楽器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は空気室の他に副空気室を備えた鍵盤吹奏楽器
に関し、笛室を挟んで配役したこれらの空気室と副空気
室とを笛室の隔壁に形成した連通孔により連通ずること
により、共鳴特性を改善し易くするものである。

〔従来の技術〕

一般に、この種の鍵盤吹奏楽器としては、各音高のそれ
ぞれに対応して、互いに隔壁で区切られた複数の笛室を
設けている。この笛室の空気流入口にリードを配設する
と共に、排出口を鍵操作と連動する弁で通常は閉塞して
いる。演奏時に吹口から送り込まれた空気が空気室を通
って笛室に流入し、この流入した空気が鍵操作により開
放された排出口から排出される時、リードを奏鳴させる
ようにしている。

この場合、上記空気室は全部の笛室に共通するように笛
室の並設方向に沿って細長く形成されている。この空気
室内の空気は空気室の長さや体積等によって定まる固有
振動数を有している。したがって、この固有振動数に近
接した振動数のリード、が振動した場合には空気室内の
空気が共振して相互に干渉し合う。このため、うなりを
生じて音が濁ったり、音量が変化する不都合があった。

そこで、この欠点を解消するものとして、従来より例え
ば実公昭５８−４１５９０号公報、実公昭６２−４６２
２８号公報にそれぞれ記載した鍵盤吹奏楽器が知られて
いる。

前者にあっては、主空気室の他に補助空気室を設け、こ
の補助空気室と主空気室とを連通孔を介して連通したも
のである。この補助空気室によって空気室の固有振動数
をリードの振動数と著しく異なった値に設定する。これ
により、共振を防止し、音量、音色のバランスを向上さ
せるものである。

後者にあっては、笛室の上下にそれぞれ空気室を設け、
これらの上下の空気室を、上記笛室の高音側と低音側と
の２箇所において互いに連通させている。そして、これ
らの上下の空気室のいずれか一方に空気遮蔽用の仕切り
板を設けている。

これにより、空気の対流バランス（空気室の共鳴特性）
を改善し、低音から高音までの全ての音を平均した音量
で演奏し得るようにしている。すなわち、上下の空気室
により空気の対流バランスがとれるため、両方の空気室
内が吹きとまりとならず、低音から高音まで全域にわた
って平均した音量で演奏することができるものである。

そして、一方の空気室を仕切り板で２室に仕切り、それ
ぞれの室を他方の空気室に連通させている。合計３つの
空気室を備えているため、２つの空気室を設けた場合に
比べて共鳴特性の調整に際しての自由度がより大きく、
空気の対流のバランスが取り易い。換言すれば、共振周
波数（ｆＯ）を下げ易いものである。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような従来の鍵盤吹奏楽器にあって
は、以下の欠点が生じていた。

すなわち、前者にあっては、補助空気室と主空気室とを
連通ずる連通孔は空気室形成部材の最高音側に１箇所形
成されているのみであったため、共鳴特性の調整に際し
ての自由度が小さいものであった。

一方、後者にあっては、前者に比較して自由度は増して
いる。しかし、上下の空気室を、笛室形成部材にあって
笛室の高音側と低音側との２箇所において連通させてい
るのみである。したがって、仕切られた２つの空気室の
長さ（容積）は変更することができるとしても、仕切り
板の位置を調整することができるに過ぎないため、依然
としてその自由度に乏しいものであった。

本発明は、共鳴特性の調整に際しての補助空気室の位置
、大きさ、連通孔の位置等の設計の自由度を高めること
をその目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

そこで、本発明は、複数の音高のそれぞれに対応し、隔
壁によって互いに区切られて並列状に形成された複数の
笛室と、吹口に連通されるとともに、上記各笛室にそれ
ぞれリードを介してこの吹口からの空気を流通させる空
気室と、上記笛室を挟んで配設され、この空気室と連通
ずる副空気室と、上記複数の笛室にそれぞれ開口し、鍵
操作と連動する複数の弁によってそれぞれ開閉される複
数の空気排出口とを備えた鍵盤吹奏楽器において、上記
空気室と副空気室とを上記笛室の隔壁に設けた連通孔に
より連通した鍵盤吹奏楽器を提供することにより、上記
目的を達成するものである。

〔作用〕

本発明に係る鍵盤吹奏楽器にあっては、笛室を挟んで配
設した空気室と副空気室とを笛室の隔壁に形成した連通
孔により連通している。したがって、連通孔の位置、数
は限定されることがなく、かつ、副空気室の位置、大き
さ、数も連通孔によっては制限を受けることはない。

〔実施例〕

以下、この発明を図面に示す実施例に基づいて詳細に説
明する。

第１図はこの発明に係る鍵盤吹奏楽器の第１実施例を示
すその縦断面図である。第２図は第１実施例に係る鍵盤
吹奏楽器の平面図である。第３図は第２図の■−■矢視
断面図である。第４図は第１実施例に係るフレームを示
すその平面図である。

これらの図において、１１は鍵盤吹奏楽器の凹状の楽器
ケースであり、上側が開口した略長方形の箱型に形成さ
れている。そして、この楽器ケース１１は鍵盤１５をそ
なえたフレーム２１や空気室部材２５等を保護、収納す
るとともに音の響鳴効果も高めている。

第１図に示すように、この楽器ケース１１の内部にはフ
レーム２１が挿入されて固定されており、フレーム２１
には複数の鍵１３が並設され鍵盤１５を構成している。

このフレーム２１には空気室部材２５が結合されている
。フレーム２１には上記複数の鍵１３のそれぞれに対応
して同数の笛室３１が形成されている。３３はこれらの
笛室３１同士を画成する隔壁である。笛室３１は鍵配列
方向（水平方向）に配列されているのに対し、この隔壁
３３は、第３図に示すように、上下方向に沿って延在し
ている。

フレーム２１の下方には空気室部材２５によって所定の
容積の主空気室３５が形成されている。

この主空気室３５と上記笛室３１との間にはり−トプレ
ート４１が介在してフレーム２１側にねじで固定されて
おり、リードプレート４１に設けられた複数の開口によ
って主空気室３５と各笛室３１とが互いに連通している
。そして、これらの複数の開口には、それぞれ短冊状の
薄い金属板からなる複数のり一ト４２が片持支持されて
いる。すなわち、各リード４２の一端は該開口の縁部に
例えばスポット溶接によって固着され、その他端は笛室
３１を通る空気流によって振動することができるように
構成されている。このリード４２の振動によって上記開
口は周期的に開閉され断続的な空気流が形成されること
により所定音高の音が発生することとなる。

また、フレーム２１には、これらの笛室３１と楽器ケー
ス１１の内部空間４３とを連通する空気排出口４５が複
数個形成されている。これらの空気排出口４５は、上記
鍵１３に一体的に垂下、形成された弁４７によってそれ
ぞれ開閉され、任意の笛室３１に空気流を生じさせるこ
とができ、鍵１３の操作により所望音高の音の発音がで
きる。

なお、この内部空間４３は上記フレーム２１の外壁との
間に形成されるもので、外部空間に開放されている。

更に、フレーム２１の上側には鍵配列方向に沿って延在
する副空気室５１が形成されている。すなわち、副空気
室６１は主空気室３５との間に上記複数の笛室３１を挟
むようにして配設されているものである。

また、この副空気室δ１は、第３図に示すように、隔壁
５３によって所定の容積を有する所定数の小室たとえば
３つの小室５１Ａ、５１Ｂ、５】Ｃに区分されている。

ここで、第３図および第４図に示すように、上記各笛室
３１を画成する隔壁３３の内の所定のものには上下方向
に延在する連通孔６１が形成されている。これらの連通
孔６１は上記副空気室５１の小室５１Ａ、５１Ｂ、５１
Ｃと上記主空気室３５とを連通している。

なお、第２図および第３図に示すように、上記楽器ケー
ス１１の長手方向の一端には吹口部材６３か取り付けら
れている。吹口部材６３は主空気室３５に連通ずる流通
路６５を有している。この吹口部材６３より吹き込まれ
た空気は、流通路６５を通り主空気室３５にまず導入さ
れ、ついて、笛室３１および副空気室５１に導入される
。

以上の構成に係る鍵盤吹奏楽器にあっては、吹口部材６
３より空気を吹き込み、任意の鍵１３を押圧すると、対
応してその弁４７が空気排出口４５を開く。その結果、
鍵１３に対応する笛室３１に主空気室３５がら空気が流
入し、空気排出口４５から流出する。このとき、主空気
室３５と笛室３１との間に配設されたリードプレート４
１の開口に配設されているリード４２が空気流により振
動する。よって、所定の発音を得ることができる。

以上の場合にあって、副空気室５１は主空気室３５が有
する固有振動数を変更してリード４２の固有振動数とは
異なるものとして空気室全体として適当な振動特性を有
するようにしている。また、副空気室５１は隔壁３３に
形成した連通孔６１を介して主空気室３５と連通してい
る。したがって、主空気室３５に流入した空気流はここ
れら複数の連通孔６１によって副空気室５１との間に連
通しているため、いきどまり感は生じない。吹き込みへ
の抵抗感が少なくなっているものである。

〔効果〕

以上説明してきたように、本発明によれば、副空気室の
設計においてその自由度が大幅に増している。また、連
通孔の設計自由度も増している。

したがって、空気室の共鳴特性全般をきめ細かく改善で
きて共鳴特性の最適化が可能である。この結果、鍵盤楽
器の発音バランスを向上させることができるものである
。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る鍵盤吹奏楽器の第１実施例を示
すその縦断面図、 第２図は第１実施例に係る鍵盤吹奏楽器の平面図、 第３図は第２図の■−■矢視断面図、 第４図は第１実施例に係るフレームを示すその平面図で
ある。 １１　・ １３　・ ２１　・ ３１　・ ３３　・ ３５　・ ４２　・ ４５　・ ４７　・ ・楽器ケース、 ・鍵、 ・フレーム、 ・笛室、 ・隔壁、 ・主空気室、 ・リード、 ・空気排出口、 ・弁、 ・副空気室、 ・連通孔、 ・吹口部材、 ・流通路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）複数の音高のそれぞれに対応し、隔壁によって互
   いに区切られて並列状に形成された複数の笛室と、 吹口に連通されるとともに、上記各笛室にそれぞれリー
   ドを介してこの吹口からの空気を流通させる空気室と、 上記笛室を挟んで配設され、この空気室と連通する副空
   気室と、 上記複数の笛室にそれぞれ開口し、鍵操作と連動する複
   数の弁によってそれぞれ開閉される複数の空気排出口と
   を備えた鍵盤吹奏楽器において、上記空気室と副空気室
   とを上記笛室の隔壁に設けた連通孔により連通したこと
   を特徴とする鍵盤吹奏楽器。