JP3528270B2 - ハーモニカ - Google Patents
ハーモニカInfo
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Description
特に笛室内の空気の固有振動数を低くしてリードの振動
と干渉しないようにし、発音、音量、音色等を改善し得
るようにしたハーモニカに関する。
のハーモニカは、構造上ハーモニカ本体と、発音体とし
てのリードと、カバーの3つの部分で構成されている。
ハーモニカ本体は、各音高のリードに対応して細長い溝
からなる複数個の笛室がその吹口を揃えて並列的に形成
された笛室形成部材と、笛室を覆う如く笛室形成部材に
密接固定されたプレートとを備えている。笛室は笛室形
成部材の長手方向と直交する方向に長く形成されてお
り、各笛室内の空気は笛室の長さと流路断面積によって
決まる固有振動数を有している。笛室の長さはできるだ
け楽器の幅を小さくするため、リード取付けスペースの
余裕をみてリードの長さより若干長め程度に設定されて
いる。リードは0.3〜0.5mm程度の厚さを有する
細長い金属板(ステンレス、黄銅板等)からなり、各笛
室に対応してプレートに形成した長孔状の窓にその一端
を固定されて配設されており、息の出し入れによって振
動される。音高(周波数)は、リードの長さ、厚さ等に
より決まることから、リードを長いものから短いものへ
と順に配列することによって音階を構成している。ま
た、吹いて鳴らす吹リードはプレートの内側に、吸って
鳴らす吸リードはプレートの外側に取り付けられてい
る。カバーは、演奏上ハーモニカ本体を持ち易くする働
きと、リードを保護する働きと、リードで発音した音を
拡大する共鳴器としての働きを有するもので、一般に黄
銅板、ステンレス等によって製作されている。なお、ハ
ーモニカの音量、音色は、リードの材質と形状(厚さ変
化、曲がり具合など)、プレートの材質と形状(特に窓
形状)およびこれらとカバーとの構成によって決定さ
れ、音高を調節する場合、例えば高い方に調節する場合
はリードの先端をやや薄く削って先端の重量を軽くし、
反対に音高を低く調節する場合はリードの根元を削って
弾性を弱くしている。
るハーモニカにおいて、各笛室内の空気は上記した通り
笛室の長さと流路断面積によって決まる固有振動数を有
している。したがって、この固有振動数とリードの振動
数が近接した場合にはリードと笛室内の空気が共振して
相互に干渉し合うため、リードの良好な振動が阻害さ
れ、発音が悪くなったり、音量、音色が変化するという
問題があった。特に発音についてみれば、詰まった感じ
の音となり、音色についてみれば、濁った感じの音とな
り、ハーモニカ本来の明るさ、軽快さといった感じの音
が得られなくなる。
来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすると
ころは、楽器としての大きさを大幅に変更することな
く、笛室内の空気の固有振動数をリードの振動に影響の
ないところに移動させることにより、共振を防止し、発
音、音色、音量のバランスを改善向上させるようにした
ハーモニカを提供することにある。
め、請求項1に記載の発明は、各音高それぞれに対応し
て並列的に形成された複数個の笛室を有し、また各笛室
には各音高のリードがそれぞれ配設されたハーモニカ本
体と、このハーモニカ本体を覆うカバーとを備えたハー
モニカにおいて、少なくとも一つの笛室に副笛室を併設
し、笛室の奥部に副笛室との連通口を設け、前記リード
を副笛室の奥側に配置したことを特徴とする。請求項2
に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記笛
室内に仕切壁を設けることで前記副笛室を形成したこと
を特徴とする。
る副笛室を設けることで笛室長を長くし、笛室内の空気
の固有振動数を下げ、笛室内の空気の固有振動数をリー
ドの振動に影響のないところに移動させる。リードは副
笛室の奥側に配置されることで、発音、音色がよくな
る。これは笛室の長さが長くなったことで笛室内の空気
の対流バランスがよくなることに起因すると考えられ
る。請求項2に記載の発明において、笛室内に仕切壁を
設けて副笛室を形成することで、ハーモニカを大きくす
ることなく笛室内の空気の固有振動数を低くしてリード
の振動に影響のないところに移動させる。
て詳細に説明する。図1はこの発明に係るハーモニカの
一実施例を示す正面図、図2は図1のII−II線拡大断面
図、図3はリードを備えたプレートの平面図、図4は要
部拡大断面図である。これらの図において、本実施例は
1つの音を1枚のリードで鳴らす単音ハーモニカに適用
したものである。全体を符号1で示すハーモニカは、ハ
ーモニカ本体2と、長さが異なる複数個のリード3およ
びハーモニカ本体2を覆うカバー4とで構成されてい
る。ハーモニカ本体2は、射出成形によって一体に形成
され各音高のリード3に対応して細長い溝からなる複数
個の笛室5(5-1〜5-n)がその吹口5Aを揃えて並列
的に形成された笛室形成部材6と、笛室形成部材6の笛
室5を覆うプレート7とで構成されている。笛室5は、
断面形状が略方形で笛室形成部材6の長手方向と直交す
る方向に長く形成されており、その長さは低音側から高
音側に至るにしたがって順次短くなるよう設定されてい
る。リード3は0.3〜0.5mm程度の厚さを有する
細長い金属板(ステンレス、黄銅板等)からなり、各笛
室5に対応して前記プレート7に形成した長孔状の窓8
にその一端を固定されて配設されている。リード3は、
低音側程長さが長く、高音側に至るにしたがい長さが短
くなるように形成されている。また、吹いて鳴らす吹リ
ード(図2)はプレート7の内側に、吸って鳴らす吸リ
ード(図4)はプレート7の外側に取り付けられてい
る。カバー4は、ステンレス、黄銅板、樹脂、耐食アル
ミニウム等で製作され、ハーモニカ本体2の両面を覆っ
ており、背面には放音孔9が形成されている。
いて、笛室5内の空気はその長さと流路断面積によって
決まる固有振動数を有し、この固有振動数とリード3の
振動数が近接した場合、リード3と当該笛室5内の空気
が共振して相互に干渉し合い、リード3の良好な振動を
阻害したり、発音が悪くなったり、音量、音色が変化す
る。そこで、この発明においてはリード3の振動と干渉
し易い笛室、例えば図4に示すように最低音側の笛室5
-1内に仕切壁11をリード3と直交し、笛室の長手方向
と略平行になるように形成し、副笛室50aを形成して
いる。これによって見掛け上の笛室長、すなわち、流路
断面積に対する笛室長を長くして当該笛室5-1内の空気
の固有振動を低くすることにより、その固有振動数をリ
ード3の振動に影響のないところに移動させている。こ
のようにすると、笛室5-1内の空気の振動とリード3の
振動が干渉しないため、発音が悪くなったり、音量、音
色が変化したりせず、発音、音色および音量のバランス
を改善向上させることができる。また、笛室5-1自体の
大きさは変えないので、楽器自体が大型化することもな
い。
ニカの正面図、図6はプレートを取り除いたハーモニカ
本体に対するリード取付位置を示す図である。この実施
例はリード3の振動と干渉し易い最低音側の笛室5-1に
副笛室50aを並設し、笛室5-1の奥部に副笛室50a
との連通口51を設け、副笛室50aの最奥部にリード
3を配置したものである。この笛室5-1は、笛室形成部
材6の左端に形成されているので、その吹口5Aを隣合
う笛室5ー2の吹口5Aと揃えて形成することが可能であ
る。また、笛室形成部材6の幅(笛室5の長手方向の寸
法)が大きくならず、ハーモニカの大型重量化を防止す
ることができる。
笛室5-1に副笛室50aを併設することで笛室の長さを
長くすると、その中の空気の固有振動数が低くなるた
め、上記実施例と同様に笛室5-1内の空気の振動とリー
ド3の振動が干渉せず、したがって、発音が悪くなった
り、音量、音色が変化したりせず、発音、音色および音
量のバランスを改善向上させることができる。さらに、
リード3を副笛室50aの奥側に配置しているので、発
音、音色を向上させることができる。これは笛室の長さ
が長くなったことで笛室内の空気の対流バランスがよく
なることに起因すると考えられる。
視コ字状(またはU字状)に配置する代わりに、図7に
示すように平面視L字型に配置しても上記実施例と同様
な効果が得られる。但し、L字状に配置し、その副笛室
50aにリード3を配置すると、リード3の取付け方向
が他のリード3の取付け方向と異なるため、望ましくは
U字状に折り曲げ形成することが好ましい。また、リー
ド3の振動と干渉し易い笛室5-1を真っ直ぐ延長してそ
の長さを長くすることも考えられるが、その場合は、楽
器自体の幅が長くなるため、大型重量化してしまい、現
実的でない。
発明に係るハーモニカは、各音高それぞれに対応して並
列的に形成された複数個の笛室を有し、また各笛室には
各音高のリードがそれぞれ配設されたハーモニカ本体
と、このハーモニカ本体を覆うカバーとを備えたハーモ
ニカにおいて、少なくとも一つの笛室に副笛室を併設
し、笛室の奥部に副笛室との連通口を設け、前記リード
を副笛室の奥側に配置したので、笛室長が長くなり、笛
室内の空気の固有振動数を下げ、笛室内の空気の固有振
動数をリードの振動に影響のないところに移動させるこ
とができる。したがって、笛室内の空気の振動とリード
の振動が干渉せず、発音が悪くなったり、音量、音色が
変化したりせず、発音、音色および音量のバランスを改
善向上させることができる。また、リードを副笛室の奥
側に配置しているので、笛室内の空気の対流バランスが
よくなり、発音、音色を向上させることができる。請求
項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、笛
室内に仕切壁を設けることで副笛室を形成したので、ハ
ーモニカを大きくすることなく笛室内の空気の固有振動
数を低くしてリードの振動に影響のないところに移動さ
せることができる。
正面図である。
るリード取付位置を示す図である。
取り外したハーモニカ本体に対するリード取付位置を示
す図である。
…カバー、5…笛室、6…笛室形成部材、7…プレー
ト、8…窓、9…放音孔、11…仕切壁、50a…副笛
室、51…連通口。
Claims (2)
- 【請求項1】 各音高それぞれに対応して並列的に形成
された複数個の笛室を有し、また各笛室には各音高のリ
ードがそれぞれ配設されたハーモニカ本体と、このハー
モニカ本体を覆うカバーとを備えたハーモニカにおい
て、 少なくとも一つの笛室に副笛室を併設し、笛室の奥部に
副笛室との連通口を設け、前記リードを副笛室の奥側に
配置したことを特徴とするハーモニカ。 - 【請求項2】 請求項1記載のハーモニカにおいて、前記 笛室内に仕切壁を設けることで前記副笛室を形成し
たことを特徴とするハーモニカ。
Priority Applications (1)
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JP23664294A JP3528270B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | ハーモニカ |
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JP23664294A JP3528270B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | ハーモニカ |
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Family
ID=17003652
Family Applications (1)
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JP23664294A Expired - Fee Related JP3528270B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | ハーモニカ |
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-
1994
- 1994-09-30 JP JP23664294A patent/JP3528270B2/ja not_active Expired - Fee Related
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