JPH0233824B2 - Sairo - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は鋼製サイロに係るものである。

（従来の技術） 従来の大型サイロはその構造によつてコンクリ
ート製、鋼製、及びコンクリートと鋼との複合タ
イプに大別される。

（発明が解決しようとする課題） 而してコンクリート構造の場合、長時間に亘つ
てコンクリートの連続打設作業を行なうのに多数
の人員や設備が必要となり、工期が長びき、工費
が嵩むという欠点があつた。

また鋼構造や複合タイプの場合には、仮組立に
広い作業スペースや大型の揚重機が必要で、本組
立作業には高所作業が多く、気象条件の影響を受
け易かつた。

（課題を解決するための手段） 本発明はこのような問題点を解決するために提
案されたものであつて、鋼製垂直円筒体を円周方
向に亘つて分割してなり、円周方向両側縁に夫々
側縁係着部を具えた鋼製円弧状板の外周面に、母
線方向に亘つて両端部に夫々端部係着部を具えた
垂直鋼管が固着されたサイロ構成用エレメントか
らなり、円周方向に相隣る同エレメントにおける
各側縁係着部が係着、溶接され、母線方向に相隣
る前記各エレメントの鋼製円弧状板が溶着される
とともに、同各円弧状板に夫々固着された母線方
向に相対する前記鋼管の端部係着部が係着されて
なることを特徴とするサイロに係るものである。

（作用） 本発明によれば予め前記サイロ構成用エレメン
トを製作し、円周方向に相隣る同エレメントにお
ける、同各エレメントの主体を構成する前記鋼製
円弧状板の円周方向両側縁に設けた側縁係着部相
互間を係着、溶接することによつて、円筒の層を
組立てるとともに、母線方向に相隣る前記各エレ
メントにおける前記円弧状板を溶着し、且つ同円
弧状板の外周面に母線方向に亘つて固着された各
垂直鋼管の端部係着部間を係着することによつ
て、前記エレメントによつて組立てられた円筒の
層が母線方向に亘つて組立てられ、かくして鋼製
のサイロが組立てられるものである。

（発明の効果） 本発明によれば前記したように、鋼製垂直円筒
体を円周方向に亘つて分割してなり、円周方向両
側縁に夫々側縁係着部を具えた鋼製円弧状板の外
周面に、母線方向に亘つて両端部に夫々端部係着
部を具えた垂直鋼管を具えたサイロ構成用エレメ
ントを予め構成し、同エレメントを前記円弧状板
の側縁係着部を利用して円周方向に継接、溶着す
るとともに、前記鋼管を利用して前記エレメント
を母線方向に継接し、且つ同各エレメントを溶着
することによつて、サイロを組立てるようにした
ので、各エレメントの重量が小で、輸送取扱いが
容易になり、工事現場の工程に合わせて搬入、組
立が可能となり、大型の揚重機を使用する必要が
なく、余剰のスペースが不要となる。

また組立に際して、円周方向に相隣る前記エレ
メントにおける鋼製円弧状板の円周方向両側縁に
設けた側縁係着部を係着し、母線方向に相隣る前
記エレメントにおける鋼製円弧状板の外周面に母
線方向に亘つて固着された垂直鋼管を継接するよ
うにしたので、同鋼管並に前記側縁係着部をガイ
ドとして各エレメントの組立作業が精確、且つ容
易に行なわれるものであり、組立て作業に際して
特殊な機器が不要であり熟練を要せず、更に組立
作業の途中で休止することも可能である。更に前
記エレメントの組立作業が精確に行なわれること
によつて、サイロ内面が平滑で、気密保持が容易
であり、貯蔵物の残留や品質の変化が生じ難い。

また前記各エレメントにおける鋼製円弧状板の
外周面に母線方向に亘つて固着された垂直鋼管は
母線方向のエレメント継手部の役割を果す外に、
サイロ外周面に沿つて母線方向に亘つて継接され
た前記鋼管は、サイロ内温度等の各種検出器のス
ペース、各種配線用スペース、サイロ内温度調整
用媒体の通路、雨水等の排水路等に使用しうるも
のである。

（実施例） 以下本発明を図示の実施例について説明する。

Ａはサイロ構築用のエレメントで、鋼製円筒板
を円周方向に亘つて複数に分割した鋼製円弧状板
１の両端近傍外周面に母線方向に亘つて垂直鋼管
２が溶着して構成されている。

前記円弧状板１の両端縁には折曲係止縁３ａ，
３ｂが設けられ、同係止縁３ａ，３ｂは上下嵌込
め式、または同一円周方向に亘る旋回式に係合す
ることによつて、相隣る円弧状板１の接合が行な
われる。（第４図参照） また前記鋼管２の下端部は先端に至るに伴つて
径の漸減したテーパ部２ａに形成され、（第５図
参照）上端部は同テーパ部２ａが係合するように
内径が下端に至るに伴つて漸減したテーパ状係止
凹部２ｂが形成されている。（第６図参照）なお
前記下端テーパ部２ａにはガイド突起２ｃを突設
し、（第５図参照）前記テーパ状係止凹部２ｂに
は同突起２ｃが可摺動的に係合するガイド溝２ｄ
を設けてもよい。（第７図参照） 或いはまた鋼管２の下端小径部２ｅの外周にガ
イド突起２ｆを設け、同小径部２ｅが嵌合する上
端部には、ガイド突起２ｆが係合する逆Ｔ字型ガ
イド溝２ｇを設けて上下の鋼管２を継続するよう
にしてもよい。（第８図及び第９図参照） 而してサイロの組立に際しては、円周方向に相
隣るエレメントＡの鋼製円弧状板１の側縁部間を
継接溶着して第１層の円筒部を基礎Ｂ上に組立て
る。

次いで第１層の円筒状部上に、第２層の円筒状
部を前記同様にして組立てる。この際、第２層の
エレメントの鋼管２を第１層のエレメントの鋼管
２に継接するとともに、上下のエレメント間を溶
着する。

以下同様の施行を反覆して鋼製サイロを組立て
る。図中ａ，ｂは夫々前記エレメントの縦溶接継
目部並に横溶接継目部である。

なお前記エレメントＡの溶接は全自動溶接器を
使用して行なわれ、同溶接器は既に組立てられた
エレメント内面をガイドとしてタイヤ移動方式に
よつて行なわれ、この際電源ケーブルはホツパ下
部より立上がり、捩れ防止のためユニバーサルコ
ネクタを介して前記溶接器に接続される。

前記実施例によれば、鋼製円弧状板１の外周面
に母線方向に亘つて垂直鋼管２を固着したエレメ
ントＡを使用し、同エレメントを円周方向及び母
線方向に継接溶着してサイロを組立てるようにし
たので、輸送、取扱いが容易で工事現場の工程に
対応して搬入、組立が行なわれるので、仮組用等
の余剰なスペースや大型の揚重機が不要となり、
また母線方向に相隣るエレメントＡの継接に当つ
ては、夫々の垂直鋼管２を継接するので組立作業
が簡単、且つ精確に行なわれ、またサイロ外周面
に母線方向に亘つて接続された鋼管２は、サイロ
内温度等の各種検出器のスペース、各種配線用ス
ペース、サイロ内温度調整用媒体の通路、雨水等
の排水路等に利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るサイロの一実施例を示す
正面図、第２図はその横断平面図、第３図はエレ
メントの横断平面図、第４図は鋼製円弧状板の継
手部を示す横断平面図、第５図は垂直鋼管の正面
図、第６図及び第７図は垂直鋼管上端部の縦断面
図、第８図及び第９図は垂直鋼管の他の実施例の
上端部及び下端部の縦断面図、第１０図は第１図
の部分拡大縦断面図、第１１図は第１０図の横断
平面図である。 Ａ……エレメント、１……鋼製円弧状板、２…
…垂直鋼管、ａ……縦溶接継目、ｂ……横溶接継
目。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鋼製垂直円筒体を円周方向に亘つて分割して
   なり、円周方向両側縁に夫々側縁係着部を具えた
   鋼製円弧状板の外周面に、母線方向に亘つて両端
   部に夫々端部係着部を具えた垂直鋼管が固着され
   たサイロ構成用エレメントからなり、円周方向に
   相隣る同エレメントにおける各側縁係着部が係
   着、溶接され、母線方向に相隣る前記各エレメン
   トの鋼製円弧状板が溶着されるとともに、同各円
   弧状板に夫々固着された母線方向に相対する前記
   鋼管の端部係着部が係着されてなることを特徴と
   するサイロ。