JP7307596B2 - 鋼板スラブ構造の施工方法 - Google Patents
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Description
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、並設された複数の形鋼を上下の鋼板で挟んでなる所謂サンドイッチ型の鋼板スラブ構造の施工方法において、複数の形鋼に対して上下夫々の鋼板を溶接により接合可能な構成を実現し、接合作業の簡略化及び意匠性の向上を図ることができる技術を提供する点にある。
前記第1鋼板のスラブ内側を向く内面を、前記形鋼のフランジの縁部に対して隅肉溶接する形態で、前記第1鋼板を複数に分割した分割第1鋼板の夫々を予め工場側で前記形鋼に溶接接合してなる複数の第1鋼板ユニットを製作する第1鋼板ユニット製作工程と、
前記第1鋼板ユニット製作工程で製作された複数の第1鋼板ユニットの夫々を施工箇所に設置する第1鋼板ユニット設置工程と、
前記第2鋼板の端面を、前記形鋼のフランジの外面に対して隅肉溶接する形態で、前記第1鋼板ユニット設置工程で設置された複数の第1鋼板ユニットに設けられた複数の形鋼に対して前記第2鋼板を溶接接合する第2鋼板接合工程と、を備えた点にある。
よって、上記第1鋼板を形鋼に接合する際の溶接作業と上記第2鋼板を形鋼に接合する際の溶接作業は、共に同じ側からの作業となることから、接合作業の簡略化して工期の短縮を図ることができる。
従って、本発明により、並設された複数の形鋼を上下の鋼板で挟んでなる所謂サンドイッチ型の鋼板スラブ構造の施工方法において、複数の形鋼に対して上下夫々の鋼板を溶接により接合可能な構成を実現し、接合作業の簡略化及び意匠性の向上を図ることができる技術を提供することができる。
また、本構成によれば、上記第1鋼板については、上記第1鋼板ユニット製作工程により上記複数の第1鋼板ユニットを予め工場側で製作し、それら予め製作された複数の分割鋼板ユニットを上記第1鋼板ユニット設置工程により施工箇所に設置する形態で、当該施工箇所において複数の形鋼に対して溶接接合することができる。そして、第2鋼板については、上記第2鋼板接合工程により施工箇所において設置された複数の第1鋼板ユニットに設けられた複数の形鋼に対して、当該第2鋼板の外面側からの溶接作業により簡単に溶接接合することができる。このことにより、施工箇所での作業を極力少なくして工期の短縮を図ることができる。
前記複数の形鋼の上側に敷設される上側鋼板が前記第2鋼板である点にある。
前記複数の穴部の周長の合計が前記形鋼の長手方向に沿った前記第2鋼板の幅と略同等に設定されている点にある。
鋼板スラブ構造100は、図1に示すように、並設された複数の形鋼30(形鋼の一例)を上下の下側鋼板10(第1鋼板の一例)と上側鋼板20(第2鋼板の一例)とで挟んで構成された所謂サンドイッチ型の鋼板スラブ構造として構成されている。この構成により、見付寸法を極力小さくしながら良好な剛性が確保されている。
即ち、鋼板スラブ構造100では、下側鋼板10の上面10a(スラブ内側を向く内面の一例)が、形鋼30の下側フランジ31の縁部31aに対して隅肉溶接されている。一方、上側鋼板20の端面20aが、形鋼30の上側フランジ32の上面32a(スラブ外側を向く外面の一例)に対して隅肉溶接されている。
よって、下側鋼板10を形鋼30に接合する際の溶接作業と上側鋼板20を形鋼30に接合する際の溶接作業とは、共に上方側からの作業となる。このことで、接合作業を簡略化して工期の短縮が図られている。
また、形鋼30に対する上側鋼板20の接合作業は、上方側からの作業となることから、形鋼30等を足場として無理なく簡単に行うことができる。
このことで、上側鋼板20の幅を形鋼30の配置ピッチよりも大きく設定して継ぎ目が少ないものとした場合であっても、その上側鋼板20の幅内に配置した穴部20cにおいて形鋼30と溶接接合することができる。また、この穴部20c内は、溶接ビードで満たされた状態となるので、上側鋼板20の上面20bを窪みや段差の無い略フラットな状態とすることができる。
例えば、穴部20cは平面視において略円状に形成されており、この穴部20cは形鋼30の長手方向に沿って、穴部20cの直径の略円周率倍(例えば3倍)のピッチで複数配置されている。
このことで、複数の穴部20cの内周面を形鋼30の上側フランジ32の上面32aに隅肉溶接するにあたり、上側鋼板20の幅と同等の溶接長が確保されることになり、形鋼30に対する上側鋼板20の接合強度が適切なものとなる。
本施工方法では、図6及び図7に示すように、後述する各工程を順に実行する形態で、周囲を鉄骨梁50で支持させる状態で本実施形態の鋼板スラブ構造100を構築する方法として構成されている。尚、周囲の鉄骨梁50については、矩形に配置されたものが一般的であるが、矩形でない多角形等に配置しても構わない。
次に、本施工方法で実行される各工程について説明する。
即ち、この下側鋼板ユニット製作工程では、下側鋼板10を複数に分割した分割下側鋼板10A(分割第1鋼板の一例)の夫々を予め工場側で形鋼30に溶接接合してなる複数の下側鋼板ユニット40が製作される。具体的には、分割下側鋼板10Aの上面10aに、位置決め用ボルトBを用いて位置決めした状態で一又は複数の形鋼30が設置され、その設置された形鋼30の下側フランジ31の縁部31aが、下側鋼板10の上面10aに対して隅肉溶接される。更に、分割下側鋼板10Aの一方側の縁部の上面には、側方に配置される支持プレート55や下側鋼板10に載置される連結プレート12が溶接接合により取り付けられている。この連結プレート12には、支持プレート55や下側鋼板10に立設された位置決め用ボルトBが下方側から挿通されるボルト挿通穴Hが形成されている。
即ち、上側鋼板接合工程では、図5に示すように、施工箇所に設置された鉄骨梁50及び形鋼30の上側フランジ52,32の上面全体に亘らせた状態で、上側鋼板20が敷設される。このとき、当該上側鋼板20は、継ぎ目のない一体物とすることができるが、適所で分割したものを利用することもできる。
そして、図6に示すように、上側鋼板20に穿設された複数の穴部20cの内面が形鋼30の上側フランジ32の上面32aに対して上方側から隅肉溶接される。更には、上側鋼板20の縁部20dが鉄骨梁50の上側フランジ52の上面に対して上方側から隅肉溶接されて、上側鋼板20が鉄骨梁50及び形鋼30に対して簡単に溶接接合される。
以上のような施工方法により、施工箇所での作業が極力少なくなり、工期の短縮が図られている。
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
10A 分割下側鋼板(分割第1鋼板)
10a 上面(内面)
20 上側鋼板(第2鋼板)
20a 端面
20c 穴部
30 形鋼
31 下側フランジ
31a 縁部
32 上側フランジ
32a 上面(外面)
40 下側鋼板ユニット(第1鋼板ユニット)
100 鋼板スラブ構造
Claims (3)
- 並設された複数の形鋼を上下の第1鋼板と第2鋼板とで挟んでなる鋼板スラブ構造の施工方法であって、
前記第1鋼板のスラブ内側を向く内面を、前記形鋼のフランジの縁部に対して隅肉溶接する形態で、前記第1鋼板を複数に分割した分割第1鋼板の夫々を予め工場側で前記形鋼に溶接接合してなる複数の第1鋼板ユニットを製作する第1鋼板ユニット製作工程と、
前記第1鋼板ユニット製作工程で製作された複数の第1鋼板ユニットの夫々を施工箇所に設置する第1鋼板ユニット設置工程と、
前記第2鋼板の端面を、前記形鋼のフランジの外面に対して隅肉溶接する形態で、前記第1鋼板ユニット設置工程で設置された複数の第1鋼板ユニットに設けられた複数の形鋼に対して前記第2鋼板を溶接接合する第2鋼板接合工程と、を備えた鋼板スラブ構造の施工方法。 - 前記複数の形鋼の下側に敷設される下側鋼板が前記第1鋼板であり、
前記複数の形鋼の上側に敷設される上側鋼板が前記第2鋼板である請求項1に記載の鋼板スラブ構造の施工方法。 - 前記第2鋼板に複数の穴部が穿設されており、当該複数の穴部の内周面が前記端面として前記形鋼のフランジの外面に対して隅肉溶接されており、
前記複数の穴部の周長の合計が前記形鋼の長手方向に沿った前記第2鋼板の幅と略同等に設定されている請求項1又は2に記載の鋼板スラブ構造の施工方法。
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JP2006336231A (ja) | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 複合床版 |
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