JPH0233784Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 使用済みの注射器を迅速に、且つ安全に廃棄処
理することができる使用済み注射器廃棄容器に関
する。

［従来の技術］ 最近、注射針によるウイルスや細菌等の感染防
止のため、使い捨ての注射器を用い、使用後注射
針にキヤツプを被せて、段ボール箱や合成樹脂シ
ート製袋の中に入れて廃棄している。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、感染防止のために注射針にキヤツプ
を被せるという作業において、誤つてその注射針
により自己の手指を傷つけ、感染の原因となると
いう事態が生じており、それを避けるためにキヤ
ツプを被せる作業を省くと、廃棄処理の作業中
に、作業者が注射針により傷を負つて感染すると
いう恐れが生ずる。

本考案は、使用済みの注射器を迅速に、且つ安
全に廃棄処理することができる使用済み注射器廃
棄容器を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案は、注射針
１…１の刺通が不可能な突き抜け防止層２上に、
注射針１…１を任意部位より刺入することがで
き、且つ刺入された注射針１…１を摩擦により保
持する刺入保持層３を積層して成る注射針保持体
Ａを、開閉自在の凾体Ｂ内に、先端の注射針１…
１が刺入保持層３に刺入保持された状態で刺入保
持層３上に立ち並んだ注射器４…４を凾体Ｂ内部
に収容し得、且つ凾体Ｂを開くことにより外部に
開放される凾体内空間５に刺入保持層３上面が臨
むするように固定している。

その場合、凾体Ｂを、天板を構成する蓋体Ｂ１
を折目線ｌを介して側板Ｂ２上縁に連設してな
る、紙製または合成樹脂シート製のものとし、注
射針保持体Ａは、突き抜け防止層２を凾体Ｂの底
板Ｂ３に固着することにより凾体Ｂ内に固定する
という手段をとるのが最も一般的である。

［作用］ 注射器４先端の注射針１を刺入保持層３上面の
任意位置より該刺入保持層３に対し十分刺入すれ
ば、注射針１は刺入保持層３に保持され注射器４
は刺入保持層３上に立ち並ぶ。刺入の際に細かい
作業は要せず、刺入は迅速且つ確実に行なわれ得
る。刺入保持層３の下には突き抜け防止層２が積
層されているので、注射針１刺入時においても、
注射針１が刺入保持層３に刺入された状態で凾体
Ｂが閉じられ運搬等がなされた場合においても、
注射針１が外に突き抜けることはない。

［実施例］ 第１図の凾体Ｂは、完全に展開することができ
るものであり、これにより注射針１…１の刺入作
業が一層容易なものとなつている。注射針保持体
Ａは、突き抜け防止層２を凾体Ｂ内面の一つに接
着して固定している。凾体Ｂは段ボール製であ
り、刺入保持層３はナイロン不織布、突き抜け防
止層２は、ベニヤ合板である。なお、刺入保持層
３は、各種不織布の外、フオームラバー、軟質フ
オームドプラスチツク等のスポンジ体などでもよ
いが、刺入された注射針１…１の摩擦保持に適し
た密度や硬さのものであることを要する。突き抜
け防止層２は、木製、合成樹脂製、金属製等の板
を採用し得る。

第１図ａは、凾体Ｂを展開して注射針１…１の
刺入を行なつている状態、第１図ｂは、注射針１
…１を注射針保持体Ａにより保持した状態で凾体
Ｂを閉じて廃棄に備えた態様である。６は凾体Ｂ
を閉じるのに用いた粘着テープである。

第２図の凾体Ｂは、紙製または合成樹脂シート
製であり、側板Ｂ２上縁に、天板を構成する蓋体
Ｂ１を折目線ｌを介して側板Ｂ２上縁に連設して
いる。凾体Ｂの開閉は、蓋体Ｂ１を折目線ｌを中
心に円弧動させることにより行なう。注射針保持
体Ａは、突き抜け防止層２を凾体Ｂの底板Ｂ３内
面に接着することにより凾体Ｂ内に固定してい
る。

この場合、刺入保持層３をスポンジ体の如く弾
力性を有するものとし、且つ刺入保持層３の厚さ
を注射器４…４の針の長さより厚くし、刺入保持
層３上面とそれに相対する蓋体Ｂ１内面との距離
を注射器４…４の針を除いた長さより短くすれ
ば、注射器４…４を刺入保持層３に刺入した状態
で前記蓋体Ｂ１を閉じた際に、注射器４…４の頭
部が蓋体Ｂ１内面に押圧され、刺入保持層３の弾
力性と相まつて凾体Ｂ内の注射針１…１及び注射
器４…４の保持が一層確実になる。

第３図は、刺入保持層３の上面３ａの密度をそ
の余の部分に比し小さくすることによりその上面
部３ａの刺入抵抗を小さくした注射針保持体Ａを
示す。

これによつて、刺入保持層３全体の刺入抵抗が
大きいことによる注射針１刺入の不便さや刺入時
に注射針１が折れる危険性及び全体の密度が小さ
いことによる注射針１保持力の不十分さを回避
し、刺入保持層３における注射針１の刺入容易性
と注射針１の保持力の強さを両立している。

なお、刺入保持層３の一か所に注射針１…１が
集中してその部分の保持力が不十分となつてしま
うのを防ぐために、刺入保持層３上面に注射針１
…１を１本づつ刺入する区画を設けるのもよい。

また、刺入保持層３を吸水性材料により構成す
れば、注射針１…１が保有している体液等を刺入
保持層３が吸収し外部に漏れることが防がれるの
で、好適である。

［考案の効果］ 注射器使用直後の処理としては、注射針を刺入
保持層上面の任意位置より該刺入保持層に対し刺
入して保持させればよいので、その際誤つて注射
針で手指等を刺す危険性はほとんどなく、作業の
迅速化に資するところも大きい。

また、廃棄は、下に突き抜け防止層が設けられ
た刺入保持層に注射針が保持され、しかも凾体を
閉じた状態で行なわれるので、凾体が注射針を刺
通し得るものであつても、運搬、焼却等の作業中
において注射針、特にその先端が外部に現れて取
り扱い者に傷を負わせるという虞れがなく、ウイ
ルスや細菌等の感染が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は凾体の斜視図であつて、そのうちａは
凾体を開いた状態を示し、ｂは凾体を閉じた状態
を示す。第２図は開いた状態の凾体の斜視図であ
る。第３図は、注射針保持体の正面図である。 １…１は注射針、２は突き抜け防止層、３は刺
入保持層、Ａは注射針保持体、Ｂは凾体、Ｂ１は
蓋体、Ｂ２は側板、Ｂ３は底板、４…４は注射
器、５は凾体内空間、ｌは折目線である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 注射針１…１の刺通が不可能な突き抜け防止
   層２上に、注射針１…１を任意部位より刺入す
   ることができ、且つ刺入された注射針１…１を
   摩擦により保持する刺入保持層３を積層して成
   る注射針保持体Ａを、開閉自在の凾体Ｂ内に、
   先端の注射針１…１が刺入保持層３に刺入保持
   された状態で刺入保持層３上に立ち並んだ注射
   器４…４を凾体Ｂ内部に収容し得、且つ凾体Ｂ
   を開くことにより外部に開放される凾体内空間
   ５に刺入保持層３上面が臨むするように固定し
   て成る、使用済み注射器廃棄容器。 ２ 凾体Ｂは、天板を構成する蓋体Ｂ１を折目線
   ｌを介して側板Ｂ２上縁に連設してなる、紙製
   または合成樹脂シート製のものであり、注射針
   保持体Ａは、突き抜け防止層２を凾体Ｂの底板
   Ｂ３に固着することにより凾体Ｂ内に固定され
   ている、請求項１記載の使用済み注射器廃棄容
   器。