JPH0232721Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鉄骨構造の建物において、壁材を壁材
支持鋼材に取付けるために使用する壁材固定金具
に関する。

従来のこの種の金具は、１枚の金属板片をクラ
ンク状に曲折してなるものであり、その１の面で
壁材支持鋼材であるＬ型鋼、Ｈ型鋼等の支持表面
を押さえ、他の面を壁材に接するようにして壁材
にボルト止めして使用するものであつた。このた
めこの金具は、支持鋼材の歪み等により生ずる部
所ごとの鋼材の支持表面の高さ変動に対応するた
め、多様なサイズのものを用意し、使いわけなけ
ればならず、使用しにくいものであつた。また強
度においても、この金具は単に金属板片を曲折し
ただけであるので、不満足なものであつた。

本考案はこれらの不都合を改善し、支持鋼材の
支持表面の多様な高さに対応することができ、か
つ高い強度を持つ金具を得ることを目的としたも
のである。

以下図示する本考案一実施例の壁材固定金具１
０について説明する。１２は背板部であり、長手
方向に弧状となつている。１４，１４は側板部で
あり、背板部１２の両側を弧状凹部側へ曲折して
なる。１６，……は弧状端であり、側板部１４，
１４の両端から突出する。１８は座金板であり、
側板部１４，１４の一端の弧状端１６，１６部分
にピン２０，２０を用いて緩く結合され、この弧
状端１６，１６部分が表面に直接接触するように
なつている。２２は孔であり、背板部１２に形成
されている。

この金具１０は上記の構造であるから、第１図
に示すようにして使用する。すなわち各側板部１
４，１４の弧状端１６の１を座金板１８を介して
壁材２４に、他を壁材支持鋼材２６の支持表面２
８に当接させ、ボルト３０を、スプリングワツシ
ヤ３２を介して孔２２、壁材２４の取付孔に挿通
し、板片３６に螺合させて締付け、壁材２４を壁
材支持鋼材２６に固定する。なおこのとき座金板
１８は弧状端１６と直接接触し、ピン２０に荷重
が加わらないようになつている。

以上から明らかなように、本考案の壁材固定金
具では弧状端が壁材支持鋼材の支持表面、あるい
は座金板を介して壁材に当接するので、支持表面
の壁材表面からの高さが異なる場合であつても、
同一の金具を用いて良好に締付けることができ
る。したがつて本考案の金具では、１または２種
類のサイズのものを用意するだけで、すべての高
さに対応することができ、実用上甚だ便利であ
る。さらにこの金具は座金板を有しているので、
壁材が軽量コンクリート等の表面が破損しやすい
材質のものであつても、弧状端が壁材に食込みヒ
ビ割れを生じさせたりすることが防止され、強力
に締付けることができる。しかも座金板は背板
部、側板部と結合しているので取扱いは便利であ
る。またこの金具は、背板部、側板部の全体が長
手方向に弧状となり、かつ側板部を有するので、
薄い金属板を用いて形成しても強度は極めて高く
なり、従来の金具に比して５倍以上の強度が容易
に実現される。

すなわち本考案は実用性、強度において極めて
すぐれた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は使用
状態の断面図、第２図は分解斜視図である。 １０……壁材固定金具、１２……背板部、１４
……側板部、１６……弧状端、１８……座金板、
２０，２０……ピン、２２……孔、２４……壁
材、２６……壁材支持鋼材、２８……支持表面、
３０……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長手方向に弧状となつた背板部と、この背板部
   の両側を弧状凹部側へ曲折してなる側板部と、こ
   の各側板部の両端に突出する弧状端と、各側板部
   の一端の弧状端部分にピンで緩く結合され、この
   弧状端部分が表面に直接接触するようになつた座
   金板と、背板部に形成され、各側板部の弧状端の
   １を座金板を介して壁材に、他を壁材支持鋼材の
   支持表面に当接されて壁材に締付けるボルトを挿
   通する孔とを有することを特徴とする壁材固定金
   具。