JPH0232678Y2 - - Google Patents

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JPH0232678Y2
JPH0232678Y2 JP5330486U JP5330486U JPH0232678Y2 JP H0232678 Y2 JPH0232678 Y2 JP H0232678Y2 JP 5330486 U JP5330486 U JP 5330486U JP 5330486 U JP5330486 U JP 5330486U JP H0232678 Y2 JPH0232678 Y2 JP H0232678Y2
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treatment furnace
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furnace
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  • Feeding, Discharge, Calcimining, Fusing, And Gas-Generation Devices (AREA)
  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
  • Furnace Details (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
産業上の利用分野 本考案は、窒素などの不活性ガスをベースとす
るガス雰囲気下に金属等の被処理材料の熱処理を
行うための熱処理炉に関するものである。 従来の技術 〈熱処理、その種類、雰囲気ガス〉 金属材料に所望の性質を与えるための熱的操作
を熱処理と言う。熱処理により、金属加工の際に
起こる結晶の歪みの修正、金属中のカーボンやシ
リカの量や配列の変更がなされる結果、金属が強
靭性を有するようになつたり、美麗仕上げがなさ
れる。 熱処理の種類としては、焼なまし、焼入れ、焼
もどし、浸炭、浸炭窒化、窒化、軟室化、鑞付
け、焼結、焼ならし、光輝熱処理などがあげられ
る。 このような熱処理に際して用いられる雰囲気ガ
スとして、従来より、この業界では周知のRXガ
ス、DXガス、NXガス、HNXガス、AXガスと
呼ばれるガスをはじめとする種々の組成の変成ガ
スが使用されている。たとえばRXガスは、
CO22〜25%、H232〜34%、N2残部の比率を持つ
ガスであり、無酸化焼入れ、浸炭、焼結などに際
しての雰囲気ガスとして広く用いられている。 〈変成炉を用いる方式〉 変成ガスの製造および熱処理炉への供給方式と
しては、熱処理炉とは別個に設けられる触媒を充
填した変成炉に、原料ガスであるメタン、プロパ
ン、ブタンなどの炭化水素系ガスと空気との混合
物またはアンモニアガスを供給し、該変成炉で触
媒と接触させて所望の変成ガス組成となし、この
変成ガスを必要に応じて冷却装置で冷却した後、
目的によつては炭酸ガスを除去して、熱処理炉に
送る方式が現在最も一般的となつている。 この変成炉方式によれば、たとえばRXガス
は、プロパンやブタンに空気を混入した原料ガス
をニツケル系やロジウム系などの触媒を充填した
変成炉に供給して約1150℃で高熱分解することに
より得られる。 変成炉は、上述のように熱処理炉とは別個に独
立して設置されるが、触媒を充填しかつ加熱手段
を内蔵したレトルトを熱処理炉の炉壁を貫通して
設ける提案もなされている。(たとえば特公昭60
−45795号公報) 〈変成炉を使用しない方式〉 変成炉を使用しない方式の一つとして、特公昭
48−34085号公報には、熱処理炉内に内管と外管
とからなる二重構造の電熱管を配置し、電熱管の
うち内管の一端からLPGと空気との混合物を供
給して内管内で熱分解させると共に、熱分解ガス
を内管の他端から熱処理炉内に送り込み、一方電
熱管のうち外管により熱処理炉内を加熱する方式
が示されている。 変成炉を使用しない方式として、最近では、窒
素などの不活性ガスにメタノール、プロパン、
LPGなどを混合したガスを直接熱処理炉に供給
して炉内で熱分解を行い、雰囲気ガスとするいわ
ゆる窒素ベース熱処理法が注目されている。 この窒素ベース熱処理法は、変成炉および触媒
が不要になることからイニシヤルコスト、電力消
費、メンテナンス、設置スペースの点で有利であ
り、また窒素ベースであるため安全性にすぐれ、
夜間の無人操業が簡単であつたり、熱処理炉の立
ち上がりが速く、操作性、作業性が向上すること
などの点でも有利である。窒素ベース熱処理法
は、原料となる窒素として吸着分離方法による窒
素、つまりたとえばいわゆるPSA方式により得
られる窒素を使用できるので、そのランニングコ
ストは従来法と同等となり、さらに上述のような
有利さがあるので、将来大変有望視されている技
術である。 考案が解決しようとする問題点 上記中変成炉を用いる方式は、従来より広く採
用されているが、変成炉およびそれに充填する触
媒の使用を必須とするため、イニシヤルコスト、
メンテナンスなどの点で不利であり、また変成炉
はエージング(馴し運転)が必要である。 これに対し窒素ベース熱処理法は、前述のよう
な利点を有するのでその将来性が期待されている
が、この方法も次に列挙するような問題点を残し
ている。 熱処理の雰囲気ガスの組成は炉温度に関係な
く常に一定でなければならないが、窒素ベース
熱処理法を採用した場合は熱処理炉の温度が変
化するとそれに応じてガス組成が変動するため
に、熱処理に悪影響を及ぼす。たとえば浸炭熱
処理の場合、浸炭の活性炭素濃度、深さが不均
一になりやすい。 熱処理温度が低くなると煤(スス)が発生す
るおそれがあり、特に窒素−メタノール、窒素
−LPGの場合には煤が発生しやすく、普及の
障害となつている。 軟窒化処理については、この処理が550〜600
℃という比較的低温で行う処理であるため、窒
素ベース熱処理法では分解が不充分で、従つて
窒素ベース熱処理法は軟窒化処理には適用でき
ない。 熱処理温度が低い場合、熱分解が完全には進
まないため熱分解ガスの発生量が少なく、従つ
て供給する原料ガスの量が多くなり、コスト的
に不利になる。 また変成炉を使用しない方式の一つとして先
にあげた特公昭48−34085号公報の技術は、原
料ガス(LPGと空気との混合物)の加熱を専
ら電熱管(内管)のみにより行うものであるた
め、熱処理炉の炉内温度が熱分解には有効利用
されないこと、原料ガスが内管内を通過する短
時間の間に熱分解を完了しなければならないた
め、電気エネルギーの消費が多くなり、また熱
分解不足を生ずるおそれがあることなどの問題
点がある。そのため、この方法を窒素ベース熱
処理法に適用しようとしても、実用化までは期
待できるものではない。 本考案は、窒素ベース熱処理法を採用しながら
も、窒素ベース熱処理法の持つ上述のような問題
点を解消することを目的に鋭意研究を重ねた結果
到達したものである。 問題点を解決するための手段 本考案の熱処理炉は、不活性ガスをベースとす
るガス雰囲気下に被処理材料の熱処理を行うため
の熱処理炉であつて、熱処理炉1の内部に外筒2
および内筒3からなる二重筒構造の小室4を付設
して外筒2と内筒3との間の空間および内筒3の
内部空間によりガス流路5を形成すると共に、外
筒2には原料ガス供給口6を設け、内筒3には外
筒2との連通口7と熱分解ガスを熱処理炉1の内
部空間に導出するための熱分解ガス導出口8とを
設け、さらに内筒3の内側空間には加熱手段9を
配設したことを特徴とするものである。 本考案において用いられる原料ガスとしては、
不活性ガス(通常は窒素、場合によりアルゴン、
ヘリウム)をベースとし、熱処理の目的によつて
還元性ガス(水素など)、浸炭性ガス、液(メタ
ン、プロパン、ブタン、メタノール、プロパノー
ル、アセトンなど)を添加したものが用いられ
る。具体例のいくつかを以下に列挙する。 1 光輝熱処理、鑞付け、焼結雰囲気ガス (a) N2+H2 完全光輝熱処理 (b) N2+H2+炭化水素 非脱炭光輝熱処理 (c) N2+メタノール 非脱炭光輝熱処理 2 浸炭、浸炭窒化雰囲気ガス (a) N2+炭化水素 浸炭熱処理 (b) N2+メタノール+炭化水素 浸炭熱処理 (c) N2+メタノール+炭化水素+アンモニア 浸炭、窒化熱処理 熱処理炉1はバツチ式の炉であつても、連続式
の炉であつてもよい。連続式の場合、熱処理炉1
はたとえば昇温ゾーン1a、浸炭ゾーン1b、拡
散ゾーン1cおよび降温ゾーン1dからなるが、
小室4はこれら各ゾーンのうち一定の温度を保有
している浸炭ゾーン1bまたは/および拡散ゾー
ン1cに設置することが好ましい。 小室4は、熱処理炉1の外壁10を貫通して炉
内に突出するように設けるほか、被処理材料15
の装入、取出しまたは移送に支障のないように配
置するのであれば、熱処理炉1内の任意の位置に
設置することができる。 小室4内に設ける加熱手段9としては、電気的
加熱手段、たとえば電熱ヒーター方式のほか、他
の工程の排ガスの顕熱を利用する方式、直接通電
方式、赤外線加熱方式、高周波加熱方式など任意
の加熱方式を採用することができる。 被処理材料15としては、溶接構造用鋼、機械
構造用炭素鋼、機械構造用合金鋼、ステンレス
鋼、炭素工具鋼、合金工具鋼、特殊用途鋼、鋳
鉄、鋳鋼、鍛鋼などが用いられる。 作 用 窒素などの不活性ガスをベースとし、これに還
元性ガス、浸炭性ガス、液などを混入した原料ガ
スは、原料ガス供給系統13から原料ガス供給口
6を経て小室4内に供給され、ガス流路5のうち
外筒2と内筒3との間の空間を通過する間に熱処
理炉1の熱により熱分解されると共に、ガス流路
5のうち内筒3の内部空間を通過する間に不足の
熱量を加熱手段9により補償され、熱分解して所
定のガス組成となり、ついで熱分解ガス導出口8
から熱処理炉1の内部空間に導出される。被処理
材料15はこの導出された雰囲気ガスの下に熱処
理される。 もし小室4内で煤が発生したときは、空気供給
系統14から空気を送り込むことにより、小室4
内で煤が燃焼によつて除去される(バーンアウト
される)。 窒素ガスをベースとし、これにそれぞれメタノ
ール、メタン、メタンと二酸化炭素、メタンと水
を混入して小室4に供給したときの加熱分解反応
は、主として次式の左辺の物質から右辺の物質が
生成する反応によるものと推定される。 N2+CH3OH→N2+H2+CO+CH4+CO2
H2O N2+CH4→N2+H2+C+CH4 N2+CH4+CO2→N2+H2+CO+CH4+CO2
H2O N2+CH4+H2O→N2+H2+CO+CH4+CO2
H2O 実施例 次に実施例をあげて本考案の熱処理炉をさらに
説明する。 実施例 1 第1図は、本考案の熱処理炉の一例を示した断
面説明図である。 1は熱処理炉であり、10はその外壁である。
11は熱処理炉1内を所定の温度に加熱するため
のラジアントチユーブ、12は炉内の雰囲気を攬
拌または循環するためのフアンである。 4はこの熱処理炉1の外壁10を貫通して炉内
に突出するように設けた小室である。 小室4は、外筒2および内筒3からなる二重筒
構造を有しており、外筒2と内筒3との間の空間
および内筒3の内部空間によりガス流路5が形成
されている。 外筒2には、外部から原料ガスを供給するため
の原料ガス供給口6を設けてある。 内筒3には、外筒2との連通口7を設けてあ
る。また内筒3には、熱分解ガスを熱処理炉1の
内部空間に導出するための熱分解ガス導出口8を
設けてある。 9は、内筒3の内部空間に配設した加熱手段9
の一例としての電熱ヒーターである。なお、加熱
手段9により加熱を制御するため、通常は温度制
御装置が設けられるが、図示を省略してある。 13は原料ガス供給系統であり、窒素などの不
活性ガスをベースとし、これに適当なガスまたは
液を混入した原料ガスが前記の原料ガス供給口6
に供給できるように配管されている。 14は、小室4内に煤が付着したときにこれを
燃焼除去するための空気供給系統である。 この熱処理炉1を用いてRX相当雰囲気ガスに
よる鉄鋼材料の浸炭処理を行つた。 熱処理炉1の炉内温度は、被処理材料装入時に
は定常状態に比し最大300℃前後低下するが、こ
の定常状態からはずれる温度低下分については、
温度制御装置を用いて加熱手段9としての電熱ヒ
ーターをそれに見合つて作動させることにより補
償し、小室4における加熱分解温度を定常状態の
温度と同じ温度に設定した。 原料ガスとしては、N255vol%およびメタノー
ル45vol%を使用した。 種々の温度における熱分解ガス(すなわち雰囲
気ガス)の組成を第1表に示す。
【表】 また、上記において熱処理温度を850℃に設定
し、被処理材料としてそれぞれS15C、SCM415、
SCr415を用いて熱処理を行つたときの熱処理後
の製品の品質を第2表に示す。
【表】 硬度の標準偏差は、S15Cの場合が0.431、
SCM415の場合が0.410、SCr415の場合が0.443で
ある。 なお参考のため、従来のRXガスを用いて熱処
理を行つた場合を第2表に〔 〕で示した。 比較例 1 小室4を設けることなく、従来の窒素ベース熱
処理法に従つて実験を行つた。種々の熱処理温度
における熱分解ガス(すなわち雰囲気カス)の組
成を第3表に示す。
【表】 また、上記において熱処理温度を850℃に設定
し、被処理材料としてそれぞれS15C、SCM415、
SCr415を用いて熱処理を行つたときの熱処理後
の製品の品質を第4表に示す。
【表】 硬度の標準偏差は、S15Cの場合が0.493、
SCM415の場合が0.465、SCr415の場合が0.501で
ある。 なお参考のため、従来のRXガスを用いて熱処
理を行つた場合を第4表に〔 〕で示した。 第1表と第3表との比較から、次のことがわか
る。 まず通常の窒素ベース熱処理法による比較例1
においては、熱処理温度によつて原料ガスの加熱
分解挙動が異なるため、熱処理温度が変わると組
成がかなり変動し、しかも微量成分であるCO2
よびH2Oの割合が熱処理温度に応じ著しく変動
する。 このように微量成分であるCO2およびH2Oの割
合が変化することは、 2CO=CO2+〔C〕 CO+H2=H2O+〔C〕 に従い雰囲気ガス中のCO2およびH2Oを計測して
浸炭処理時の活性炭素濃度〔C〕を制御する方法
を採用しようとすると、熱処理温度ごとに制御条
件を変えなければならないことになり、制御系統
が著しく複雑になることを免かれない。 また、このように酸化性ガス(CO2、H2O)の
生成量が低温側の熱処理条件下で増大すること
は、被処理材料の粒界酸化層が増加するなど悪影
響を与えることになる。 これに対し本考案の熱処理炉を用いて熱処理を
行つた場合においては、熱処理温度の如何にかか
わらず、雰囲気ガス組成が微量成分であるCO2
よびH2Oを含め一定している上、被処理材料の
熱処理に悪影響を与える酸化性ガス(CO2
H2O)の生成が少ない。 従つて本考案においては、雰囲気ガス中のCO2
およびH2Oを計測して浸炭処理時の活性炭素濃
度〔C〕を制御することが容易であり、また酸化
性ガス(CO2,H2O)の生成量が低温側の熱処理
条件下でも少ないので、熱処理製品の品質が安定
することになる。 第2表と第4表に示した熱処理後の製品の品質
を比較すると、硬度標準偏差値に見られるように
実施例1の方が良く、本考案の熱処理炉を用いれ
ば従来のようなバラツキまたは品質のむらを生じ
ないことがわかる。 実施例 2 第2図は、本考案の熱処理炉の他の例を示した
要部の断面説明図である。 実施例1においては加熱手段9としての電熱ヒ
ーターを内筒3内に1本配設したが、この例では
電熱ヒーターを3本配設してある。 他については実施例1の場合と同様であるの
で、説明を省略する。 実施例 3 第3図は、本考案の熱処理炉のさらに他の例を
模式的に示した説明図である。この実施例は、本
考案を連続式の熱処理炉に適用した場合を示した
ものである。 1は熱処理炉であり、昇温ゾーン1a、浸炭ゾ
ーン1b、拡散ゾーン1cおよび降温ゾーン1d
からなる。 4,4は、熱処理炉1中、浸炭ゾーン1bおよ
び拡散ゾーン1cに付設した小室である。この小
室4の内部構造は実施例1の場合と同じである。 他については実施例1の場合と同様であるの
で、説明を省略する。 考案の効果 本考案の熱処理炉を用いれば、熱処理温度の如
何にかかわらず雰囲気ガス組成が一定しているの
で、被処理材料の熱処理を安定して行うことがで
きる。しかも、たとえばRXガスに相当する雰囲
気ガスを得る場合、酸化性ガス(CO2,H2O)の
生成量が低温側の熱処理条件下でも少ないので、
品質のすぐれた熱処理製品が得られる。 また、このように熱処理温度が変化しても原料
ガスの分解挙動が一定し、しかも微量成分である
CO2およびH2Oの割合も一定しているため、雰囲
気ガス中のCO2およびH2Oを計測して浸炭処理時
の活性炭素濃度〔C〕を制御する制御系統が簡単
となり、制御の精度も高くなる。 加えて原料ガスの熱分解が小室4内で完全に行
われるため、生成する雰囲気ガス量が多くなり、
従つて同一容量の雰囲気ガスを得るのに要する原
料ガスの量がそれだけ低減し、ランニングコスト
上有利となる。 そして本考案においては、原料ガス供給口6か
ら小室4内に供給された原料ガスは、ガス流路5
のうち外筒2と内筒3との間の空間を通過する間
に熱処理炉1の熱により熱分解されるので、熱処
理炉1の熱が原料ガスの分解に有効利用され、加
熱手段9は熱エネルギー発生能力の比較的小さい
ものを用いることができ、しかもこの加熱手段9
を作動させるエネルギーも節約できるので有利で
ある。不足する熱量は、ガス流路5のうち内筒3
の内部空間を通過する間に加熱手段9により補償
されるので、完全な熱分解が可能である。このよ
うに本考案の熱処理炉においては、原料ガスは、
外筒2と内筒3との間の空間→内筒3の内部空
間、を経て熱処理炉1に導出されるので、小室4
内での滞留時間が長く、従つてガスの分解不足を
生ずるおそれがなく、分解操作を安定して行うこ
とができる。 また、従来においては熱処理温度が低いため窒
素ベース熱処理法を適用できなかつた軟窒化処理
にも、本考案の熱処理炉を用いれば適用が可能と
なる。 加えて、小室4の設置は装置コスト上それほど
負担が大きいものではなく、また先にも述べたよ
うに熱処理炉の熱が原料ガスの熱分解に有効利用
されるので、加熱手段9の作動は被処理材料挿入
時に熱処理炉が温度低下するときや熱処理温度が
低いときにその温度不足分を補償するだけで足
り、従つて熱エネルギーの点でもそれほどの負担
にはならない。よつて上述の種々の利点を考慮す
ると、小室4設置のための装置コスト、加熱手段
9作動のために要する熱エネルギーなどの不利を
はるかに上回るメリツトがある。 なお本考案は原料ガスの加熱分解を行うもので
あるため、窒素−メタノール、窒素−LPGなど
の組合せなどの場合には煤発生を完全には防止で
きないこともあるが、煤が発生しても煤の付着は
熱処理炉に付設した小室4内にとどめることがで
きるため、熱処理炉自体はほとんど汚染されず、
従つて熱処理炉内の清浄度を保つことができる。
また、小室4内に空気を導入できる構造とすれ
ば、たとえ小室4内に煤が付着しても、その煤を
簡単に燃焼除去することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の熱処理炉の一例を示した断面
説明図である。第2図は、本考案の熱処理炉の他
の例を示した要部の断面説明図である。第3図は
本考案の熱処理炉のさらに他の例を模式的に示し
た説明図である。 1……熱処理炉、1a……昇温ゾーン、1b…
…浸炭ゾーン、1c……拡散ゾーン、1d……降
温ゾーン、2……外筒、3……内筒、4……小
室、5……ガス流路、6……原料ガス供給口、7
……連通口、8……熱分解ガス導出口、9……加
熱手段、10……外壁、11……ラジアントチユ
ーブ、12……フアン、13……原料ガス供給系
統、14……空気供給系統、15……被処理材
料。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 不活性ガスをベースとするガス雰囲気下に被
    処理材料の熱処理を行うための熱処理炉であつ
    て、熱処理炉1の内部に外筒2および内筒3か
    らなる二重筒構造の小室4を付設した外筒2と
    内筒3との間の空間および内筒3の内部空間に
    よりガス流路5を形成すると共に、外筒2には
    原料ガス供給口6を設け、内筒3には外筒2と
    の連通口7と熱分解ガスを熱処理炉1の内部空
    間に導出するための熱分解ガス導出口8とを設
    け、さらに内筒3の内側空間には加熱手段9を
    配設したことを特徴とする熱処理炉。 2 小室4が熱処理炉1の外壁10を貫通して炉
    内に突出するように設置されている実用新案登
    録請求の範囲第1項記載の熱処理炉。 3 加熱手段9が電気的加熱手段である実用新案
    登録請求の範囲第1項記載の熱処理炉。 4 熱処理炉1がバツチ式の炉である実用新案登
    録請求の範囲第1項記載の熱処理炉。 5 熱処理炉1が連続式の炉である実用新案登録
    請求の範囲第1項記載の熱処理炉。
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