JPH0232648Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、男性かつらや部分かつらを頭髪に固
定するためのかつらストツパーに関する。

男性かつら等を地毛に固定するためのピンは、
種々の構造のものが知られ、かつ用いられている
が、かつらを使用する人の毛髪は弱々しいものが
多いので、確実に捕捉することがむずかしく、使
用中に外れてしまうものもあつた。

本考案はそのような欠点を改良し毛髪を広い範
囲で握持し脱落しにくくしたもので、反転可能に
形成した両側片間に中間片を設け反転した際該中
間片及び一方の側片に圧接するピンで毛髪の複数
部分を挾持するようにしたかつらストツパーであ
る。

本考案のピンは、正転した際同一方向に開口す
る毛髪の差込空間を形成するよう一方の側片から
他方の側片に向けて延出しているが、その際ピン
群を２例に設けた場合と１列に設けた場合の実施
例について以下説明する。

第１図〜第４図において、中間片１とその両側
に位置する側片２，３は、ステンレス板等の有弾
性金属製薄板で構成してあるが、有弾性合成樹脂
製薄板その他の弾性薄板で作ることができ、中間
片に対し両側片が開脚状態となるよう打抜加工等
により形成し、該側片の自由端を中間片の端部に
収束して連結し、全体を反転可能に構成してあ
る。第１図においては、中間片の一端に側片の同
方向の端部を連結してあり、第２図においては、
中間片の両端に側片の対向する端部を連結してあ
る。上記中間片と側片の間に形成される空間は、
左右を同じ幅に形成したり、一端から他端に向か
つて幅が変化するようにしたり、左右の幅を変え
たり適宜にすることができる。ピン４は、有弾性
の線部材を、１本若しくは図に示すように２本折
り重ね、その基端を溶着、接着等により固着す
る。図においては、該ピンは、一方の側片３から
中間片１に達する長さのピン群５と、中間片１か
ら他方の側片２に達する長さのピン群６を有し、
それぞれのピン群を、一方の側片３と中間片１に
固着位置をずらして固着し、先端がそれぞれ隣接
する中間片１及び他方の側片２の裏面下方に位置
している（第３図）。

而して、上記ストツパーを、男性かつら等のか
つら本体（図示略）の適宜部位に縫着等により取
付ければ、第３図に示すような正転した状態にお
いて、中間片１及び側片２の裏面とピンの先端の
間にはそれぞれ同一方向に開口する毛髪を差し込
む空間が形成されているので、かつら本体を頭部
に装着すれば、毛髪（地毛）がそれぞれの空間に
入り込む。そして、ストツパー全体を上方から押
圧して反転させれば、両側の側片２，３が下方に
反転すると共に中間片１は上方に反転する（第４
図）。それに伴つてピンの先端は、上方に移動し、
それぞれ中間片１及び側片２の裏面に圧接し、毛
髪をその間に圧着する。該毛髪は中間片及び側片
の広い範囲で握持され、簡単に抜け落ちることが
ない。第４図に示す状態から反転させ正転状態に
戻せば、ピンの先端は中間片及び側片から離れ、
毛髪を解放し、かつらを外すことができる（第３
図）。

第５図〜第８図に示すストツパーは、中間片１
及び側片２，３の構成はそれぞれ上記第１図及び
第２図に示すストツパーとほぼ同様に反転可能に
構成してあるが、ピンは一方の側片から他方の側
片に達する長さのピン群７を一方の側片３に固着
したものである。該ピンは上記中間片と側片の間
の差込空間に突出する屈曲部８を有している。該
屈曲部は、図においては、１ケ所設けてあるが、
中間片の両側の空間に突出するよう２ケ所設ける
こともできる。該屈曲部は、基端が中間片及び側
片にぴつたりと圧接するよう上記空間の幅に対応
した形状に形成してある。該ピンの先端はストツ
パーの表側から上記中間片１及び他方の側片２の
裏面下方に延びている（第７図）。したがつて、
図に示すストツパーをかつら本体（図示略）の裏
面の適宜部位に縫着等により取付ければ、かつら
本体を頭部に装着したとき、毛髪（地毛）が上記
中間片１及び側片２の裏面とピンの先端の間の差
込空間に入り込む。ここで、ストツパーを反転さ
せれば、上記側片２，３が下方に移動しながら中
間片１が上方に移動する。ピンは、この反転に伴
つて上方へ移動し、上記屈曲部が中間片と側片の
間の空間に突出すると共に該屈曲部の基端が中間
片１と側片２に圧接し、毛髪をその間に圧着する
（第８図）。毛髪は中間片と側片の広い範囲で圧着
され、かつ上記中間片と側片の間に入り込んだ毛
髪も屈曲部により両側に振り分けられて屈曲部の
基端に集まり、確実に中間片及び側片とピンによ
つて圧着される。その状態から正転状態に戻せば
（第７図）、毛髪はストツパーから抜け出し、かつ
らを外すことができる。なお、第５図等に示すス
トツパーと第１図等に示すストツパーを組み合
せ、第５図等に示すストツパーの中間片に、第１
図等に示すように隣接する側片に達する長さのピ
ン群を固着位置をずらして設けることもできる
（図示略）。

本考案は以上のように構成されているので、反
転した際、中間片及び一方の側片に圧接しかつ正
転した際同一方向に開口する毛髪の差込空間を形
成するよう複数のピンを一方の側片から他方の側
片方向に向かつて並設したから、本考案の上記ス
トツパーを取付けたかつらを装着するには、スト
ツパーを正転させた状態でかつらを頭に載せ、差
込空間に毛髪が入り込む方向にストツパーを軽く
移動させれば、頭の自髪は容易に捕捉され、その
後反転することにより、中間片及び側片の２箇所
の広い範囲で確実にしつかりと止着することがで
きる。また、かつらを取り外す際には、上記スト
ツパーを正転させ装置時と逆方向に移動させれば
ピンは自髪から容易に抜け出し簡単に外すことが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図及び第２
図は、ピン群を２列設けたものの各斜視図、第３
図及び第４図はそれぞれ正転状態及び反転状態を
示す横断面図、第５図及び第６図は、ピン群を１
列設けたものの各斜視図、第７図及び第８図はそ
れぞれ正転状態及び反転状態を示す横断面図であ
る。 １……中間片、２，３……側片、４……ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 弾性材料で形成された中間片とその両側に位
   置する側片の端部を反転可能に連結し、反転し
   た際上記中間片及び一方の側片に圧接しかつ正
   転した際同一方向に開口する毛髪の差込空間を
   形成するよう複数のピンを一方の側片から他方
   の側片方向に向かつて並設したかつらストツパ
   ー。 ２ ピンは、一方の側片から中間片に達する長さ
   を有し該側片に設けたピン群と、該中間片から
   他方の側片に達する長さを有し該中間片に設け
   たピン群を含む実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のかつらストツパー。 ３ ピンは、一方の側片から他方の側片に達する
   長さを有し、反転した際上記側片と中間片の間
   に突出する屈曲部を具備し一方の側片に設けら
   れている実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   かつらストツパー。