JPH0232620Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は梱包装置に係り、特に電気掃除機等を
梱包する梱包装置に関するものである。

〔従来の技術〕

第６図に示すように、収納ケース１内に掃除機
本体２やこの掃除機本体２に着脱されるホース
３、延長管４、吸込口体５等の付属品を収納した
電気掃除機を出荷のために梱包する場合、従来、
収納ケース１内に、あらかじめ掃除機本体２及び
各種付属品３，４，５を収納してから第７図に示
す梱包箱６内に収納して梱包している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、このように収納ケース１内に掃除機本
体２等を収納してから梱包するのでは、梱包箱６
に入れる際、重くて作業が容易でない。

そこで、先ず収納ケース１のみを梱包箱６内に
入れ、その後に掃除機本体２等を収納ケース１内
に収納し、梱包することが考えられる。

しかし、この場合でも、第６図に示すように、
収納ケース１の上部に高さのある蓋体７がヒンジ
８で回動開閉自在に取付けけられているものであ
るときは、この収納ケース１の寸法に合つた梱包
箱６に収納ケース１をその蓋体７を開けたまま入
れようとしても、蓋体７の後縁が梱包箱６の開口
縁にぶつかつてしまい、蓋体７を開けた状態で収
納ケース１を梱包箱６内に入れることができず、
従つて、梱包箱６の大きさを第７図のように蓋体
７の高さ分だけ大きくする必要が生じ、梱包箱６
のコストが高くなるとともに、梱包箱６がかさば
つて流通上不都合を生じ、購入者も持ち帰りに不
便となる。

本考案はこのような問題点に鑑みなされたもの
で、梱包が容易であるとともに、被梱包物の寸法
に合つた極力小さい梱包箱で梱包でき運搬性のよ
い梱包装置を提供することを目的とするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は前記問題点を解決するため、被梱包物
として上部に蓋体を有する収納ケース内に物品を
収納したものを上面に開口部を有する梱包箱で梱
包する際、梱包箱の内底部に緩衝材を設けるとと
もに、この緩衝材に前記梱包箱内に収納される前
記収納ケースをその蓋体が前記梱包箱の上面開口
部から外部に突出する高さに保持する嵩上保持部
を設けたもので、収納ケースの蓋体が梱包箱の開
口縁にぶつからないよう、収納ケースを嵩上保持
部で持上げておくものである。

〔作用〕

本考案は、梱包箱内の緩衝材に設けた嵩上保持
部上にあらかじめ収納ケースのみを乗せておき、
収納ケース内に各種物品を収納してから嵩上保持
部による収納ケースの保持を解除して梱包するも
のである。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図乃至第３図に
基づいて説明する。

先ず、この実施例の梱包装置で梱包される被梱
包物としての電気掃除機について説明する。

図示しない電動送風機を内蔵するとともに、前
側に吸込口を有し、かつ、内部に集塵袋を着脱自
在に装着した掃除機本体１１に、付属品として前
記吸込口に順次着脱自在に接続されるホース１
２、図示しない２本の延長管、吸込口体等が備え
られている。

そして、これら掃除機本体１１及び各種付属品
は、収納ケース２１内に収納される。

この収納ケース２１は、合成樹脂で上面を開口
した略直方体状に形成され、その開口部２２の開
口縁側に取付けたヒンジ２３を介して下面開放の
箱状に形成された蓋体２４が開閉自在に取付けら
れている。

次に、この梱包装置について説明する。

この梱包装置は前記収納ケース２１よりやや大
きい直方体状のダンボール製梱包箱３１と、この
梱包箱３１内の底部両側に設置され梱包箱３１内
に収納される前記収納ケース２１の底部両側を保
持する一対の下部緩衝材３２と、この梱包箱３１
内の上部両側に設置され梱包箱３１内に収納され
る前記収納ケース２１の上部両側を保持する一対
の上部緩衝材３３とを備えている。

そして、前記梱包箱３１は上面に矩形状の開口
部３４を有し、この開口部３４の４つの辺からな
る開口縁に開閉自在の４枚の上蓋３５を有してい
る。

また、前記一対の下部緩衝材３２は発砲スチロ
ールなど弾力性及び可撓性のある材質のもので形
成されおり、そのそれぞれが梱包箱３１の矩形状
の底面の一辺に沿つた形状で、第３図に示すよう
に、収納ケース２１の底面を保持する底板４１
と、この底板４１の一側から立上がり前記収納ケ
ース２１の側面を保持する第１の側板４２と、底
板４１及び第１の側板４２の両側に設けられ収納
ケース２１の他の側面を保持する第２及び第３の
側板４３，４４とを備え、これら底板４１、第
１、第２、第３の各側板４２，４３，４４で囲ま
れて形成された凹所を収納ケース２１の下部を嵌
合する嵌合部４５としたものである。そして、第
１の側板４２の両端部に、上方に向かつて突設さ
れるとともに先端が梱包箱の内側に向かつて折曲
され、前記収納ケース２１の底部を保持して収納
ケース２１の開口部２２より上の部分、すなわち
蓋体２４が梱包箱３１の開口部３４から外部に突
出する高さに嵩上げする嵩上保持部４６が突設さ
れている。さらに、第１の側板４２の中央部に上
方に向かつて立上がるとともに、収納ケース２１
の下部に当接して収納ケース２１を前記嵌合部４
５内に案内する傾斜面４７を形成してあるガイド
板４８が立設されている。

また、前記一対の上部緩衝材３３も梱包箱３１
の開口縁の一辺に沿つた形状で、それぞれ前記収
納ケース２１の上部すなわち蓋体２４の両側を嵌
合する嵌合部５１を有しており、嵩上保持部４６
及びガイド板４８がない点を除いて下部緩衝材３
２と同様の構造をしている。

次に、この実施例の作用について説明する。

収納ケース２１内に掃除機本体１１や各種付属
品を収納する前に、あらかじめ収納ケース２１の
みを梱包箱３１内に入れ下部緩衝材３２の嵩上保
持部４６上に載置する。このとき収納ケース２１
の開口部２２から上の部分、すなわち蓋体２４は
梱包箱３１の開口部３４から外部に突出してい
る。従つて、蓋体２４を開けても蓋体２４が梱包
箱３１の開口縁にぶつかることがない。

そして、蓋体２４を開けて収納ケース２１内に
掃除機本体１１や各種付属品を収納し、蓋体２４
を閉じると、電気掃除機の自重により、あるいは
上方から収納ケース２１を押すことにより所定の
荷重が嵩上保持部４６に加わると嵩上保持部４６
が撓んで収納ケース２１の外方に逃げるので保持
機能が失われ、収納ケース２１は下部緩衝材３２
の嵌合部４５内に落ちこんで梱包箱３１内に収ま
る。そこで、収納ケース２１の上部に上部緩衝材
３３を嵌合して梱包箱３１の上蓋３５を閉じ梱包
を終了する。

次に他の実施例を第４図に基づいて説明する。

この実施例において嵩上保持部４６は、前記下
部緩衝材３２の第２、第３の側板４３，４４上か
ら上方に向かつて立設され収納ケース２１の側面
を保持するガイド部６１と、このガイド部６１か
ら側方へ向かつて水平に突設され前記収納ケース
２１の底面を支える支持部６２とを備え、前記支
持部６２の基部にこの支持部６２を折損可能にす
るスリツト６３を形成したもので、その他の部分
は前記実施例と同様である。

この場合、空の状態で梱包箱３１内に収納され
る収納ケース２１は嵩上保持部４６の支持部６２
上に載置され、前記と同様に収納ケース２１内に
掃除機本体１１や各種付属品を収納すると、電気
掃除機の自重によりあるいは収納ケース２１を上
方から押すことにより所定の荷重が嵩上保持部４
６の支持部６２に加わつて、支持部６２がスリツ
ト６３の部分で折れるのでその保持機能が失わ
れ、収納ケース２１は下部緩衝材３２の嵌合部４
５内に落ちこむ。

そこで、梱包箱３１の上蓋３５を閉じて梱包を
終了する。

なお、折れた支持部６２が邪魔にならないよう
に第５図に示す如く、支持部６２の下方の底板４
１に支持部６２より大きい空所６４を形成してお
いてもよい。

なお、この実施例では、収納ケース２１を備え
た電気掃除機を梱包する場合について説明した
が、この梱包装置は、このような電気掃除機に限
らず前記のような収納ケース２１を備えたものな
らばどのようなものでも梱包できることはいうま
でもない。

また、この実施例において、梱包される収納ケ
ース２１の蓋体２４は、第１図に示すように、所
定の高さを有しており、本考案は本来このような
所定の高さを有する蓋体２４を備えた収納ケース
２１をあらかじめ必要最少限の大きさの梱包箱３
１に収納してから収納ケース２１内に他の物品を
収納できるようにして梱包を容易にするためにな
されたものであるが、蓋体２４の高さの低いもの
を梱包する場合もあらかじめ収納ケース２１を梱
包箱３１内に収納して梱包作業を容易にすること
ができるので、本考案では特に蓋体２４の高さを
限定する必要はない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、あらかじめ収納ケースを梱包
箱内に収納してからその他の被梱包物を収納ケー
スに収納して梱包することができるので、梱包作
業が容易に行なえる。

また、収納ケースをあらかじめ梱包箱内に収納
しておくので、収納ケースの外面に傷が付く機会
が少なくなり、収納ケースの保護を十分に図るこ
とができる。

さらに、嵩上保持部を設けて収納ケースの蓋体
が梱包箱の上面開口部から外部に突出する高さに
保持したので、蓋体の開閉に梱包箱の開口縁が邪
魔にならず、従つて、梱包箱自体の大きさを収納
ケースの収納に必要最少限の大きさにすることが
でき、梱包箱の小形化による低廉化を図り、か
つ、運搬の容易性を確保することができ、購入者
も持ち運びが容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの装置の一実施例を示す縦断正面
図、第２図は梱包状態を示す縦断正面図、第３図
は下部緩衝材の斜視図、第４図は他の実施例の緩
衝材を示す斜視図、第５図はその変形例を示す斜
視図、第６図は被梱包物としての電気掃除機の斜
視図、第７図は従来の梱包装置の断面図である。 １１……物品としての掃除機本体、２１……収
納ケース、２４……蓋体、３１……梱包箱、３２
……緩衝材、３４……開口部、４６……嵩上保持
部、６１……ガイド部、６２……支持部、６３…
…スリツト、６４……空所。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 上部に蓋体を有する収納ケースと、この収納
   ケース内に収納される物品とを備えた被梱包物
   を、上面に開口部を有する梱包箱で梱包する梱
   包装置において、 前記梱包箱の内底部に緩衝材を設け、この緩
   衝材に前記収納ケースを前記蓋体が梱包箱の上
   面開口部より外部に突出する高さに保持すると
   ともに所定の荷重でその保持機能を失う嵩上保
   持部を設けたことを特徴とする梱包装置。 (2) 前記嵩上保持部は、前記緩衝材から上方に向
   かつて立設され収納ケースの側面を保持するガ
   イド部と、このガイド部から側方へ向かつて水
   平に突設され前記収納ケースの底面を支える支
   持部とを備え、前記支持部の基部にこの支持部
   を折損可能にするスリツトを形成したことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   梱包装置。 (3) 前記支持部の下方にこの支持部より大きい空
   所を形成したことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第２項記載の梱包装置。