JPH0232610Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は収穫された草木花類の圃場から集荷場
までの輸送時に、所謂通い用包装材として使用さ
れる包装材に関するものである。

（従来の技術） 従来、長葱、蕗、枝豆、松、菊等の如き草木花
類は、その包装時の緊定作業ならびに輸送中の振
動等外的要因により発生する圧縮、折曲げ等によ
つて、茎や枝の表皮、花弁等が損傷し易く、した
がつて商品価値が著しく低下するため、これが防
止策として、予め河川敷等に自生する茅等天然素
材を刈取り乾燥させた後、適宜密度で組成して成
る菰が主たる包装材として使用されていた。

しかしながら、これ等茅等天然素材は耐久性に
乏しく嵩張りかつ近年は入手難のため、ダンボー
ルで代替使用しているが、容量ならびに寸法的に
草木花類の収容量ならびに大きさが限定されると
共に、耐摩耗性ならびに耐水性に劣る等通い用包
装材として不適であるという欠点を有していた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の如き、従来使用されていた茅等天然素材
から成る菰等草木花類の包装材は、その材質上腐
蝕し易いため、その保管場所ならびに雨天時の輸
送に注意を要すると共に、圧縮、摩耗、屈折性等
に乏しいことから、通い用包装材として数回の輸
送にも耐え得ず、また資源的にも茅の自生地たる
河川敷は、年々施工される護岸工事等のため急激
に減少の傾向にあり、したがつて草木花類の包装
材として菰の原料である茅は入手難となり、量産
が前提とする代替品の出現の必要性に迫まられて
いる現状にある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題解決のため、耐摩耗性ならび
に耐蝕性に富んだ合成繊維素材から成り、通気性
を有する密度で組網された所定大きさの網体の、
少なくとも一辺方向の中央付近に、柔軟性に優れ
た合成繊維素材を比較的高密度で同時に組網の
後、他辺方向に剛性を有する合成樹脂もしくは合
成樹脂を被覆した鋼線等の線材を網体に適宜間隔
で並列状態に配設せしめると共に、少なくとも線
材の１本に挿通環を突設させ、緩衝性、対屈折
性、寸法安定性ならびに巻装性を保持させること
により、草木花類の圃場から集荷場までの輸送時
に外的要因により発生する圧縮、折曲げ等による
損傷を防止し、草木花類の商品価値の低下防止を
確実に為し得ようとするものである。

（作用） 本考案は上記の如き構造であるから、量産が可
能かつ廉価であり、また巻取り、折畳みが可能な
ため、輸送、保管が至便であり、寸法安定性に優
れているから、包装作業が良好であると共に、輸
送時の積込み、積下し、また振動等による衝撃、
摩擦を吸収せしめるから、草木花類の損傷防止を
合理的に可能ならしめるものである。

（実施例） 第１〜３図はそれぞれ本案草木花類の包装材の
斜視図、使用状態図ならびに一部断面図である。

本実施例に於いて、網体１は耐摩耗性ならびに
耐蝕性に優れた合成繊維素材から成り、通気性を
有する所定の大きさネツト状のもので、第３図に
示す様に、網体１の少なくとも一辺の方向の中央
部付近に柔軟性に優れた合成繊維から成る緩衝材
２を比較的高密度で同時に組網しながら織込むと
共に、他辺の方向に剛性を有し、少なくともその
１本の中央付近に挿通環４を突設させた合成樹脂
もしくは合成樹脂を被覆した鋼線等から成る線材
３を網体１の片面に適宜間隔で並列状態で配設さ
せて草木花類の包装材Ａを構成するものである。

本考案草木花類の包装材Ａは、上記の如く構成
されているから、包装材Ａの巻取り、折畳みが可
能かつ嵩張らず、したがつて輸送、保管等が簡便
に為し得るものである。

なお本考案草木花類の包装材Ａは、その包装作
業に際して、予め第１図に示す様に展張し、所定
量の長葱、蕗、枝豆、松、菊等の如き草木花類６
を茎の表皮および花弁が包装材１の中央付近に織
込まれた緩衝材２上に位置する様に揃えて重置さ
せた後、第２図の様に、本考案草木花類の包装材
Ａを以つて巻装し、線材３に突設させた挿通環４
に挿通した縄５で、ほぼ草木花類の包装材Ａの中
央部を結着固定するものである。

（考案の効果） 本考案は上記の構成および作用を有するもので
あり、耐蝕性ならびに通気性を有する密度の合成
繊維素材から成る所定の大きさの網体の少なくと
も一辺方向の中央部付近に柔軟性に優れた同様合
成繊維から成る緩衝材を比較的高密度で同時に組
網しながら織込むと共に、他辺方向に剛性を有
し、少なくともその１本の中央付近に挿通環を突
設させた合成樹脂もしくは合成樹脂を被覆した鋼
線等から成る線材を、包装材に適宜間隔で並列状
態で配設させているから、本考案の包装材で包装
されて圃場から集荷場に輸送される草木花類は、
その損傷が著しく防止され、したがつて商品価値
の高い長葱、蕗、枝豆、松、菊等の出荷を合理的
に為し得ることになるものである。

さらに上記作業に際し、巻取り、折畳みが容易
であり、また運搬、保管が簡便、その構造上量産
が可能であるから廉価に提供し得ると共に、通い
用包装材として、耐久性に優れているから、従来
の菰に対比し、数倍以上の回数の使用が可能とな
る効果を有することになるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は草木花類の包装材の斜視図、第２図は
使用状態を示す斜視図、第３図は第１図のＸ−
X′断面図である。 １……網体、２……緩衝材、３……線材、４…
…挿通環、５……縄、６……草木花類、Ａ……包
装材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 通気性を有する所定大きさの網体の、少なく
   とも一辺の方向の中央部付近に、柔軟性に優れ
   た繊維を比較的高密度で同時に組網させて成る
   ことを特徴とする草木花類の包装材。 (2) 上記草木花類の包装材は、耐腐蝕性に優れた
   合成繊維から成ることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第(1)項に記載の草木花類の包装
   材。 (3) 上記草木花類の包装材は、他の一辺方向に剛
   性を有する合成樹脂もしくは合成樹脂を被覆し
   た鋼線等の線材を、適宜間隔で並列状態に配設
   させて成ることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第(1)項に記載の草木花類の包装材。 (4) 上記草木花類の包装材は、少なく共線材の１
   本の中央付近に挿通環を突設させて成ることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)項に記
   載の草木花類の包装材。