JPH0232575Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は野菜、果物等主として生鮮食品等を収
納する底の浅い包装箱に関するもので、特に多数
積重ねて使用する場合に安定した積重ね状態を得
るようにした包装箱に関する。

［従来の技術］ 従来、この種の包装箱は第１図で示す如く箱の
相対する２側板より桟板ａをそれぞれ延長し、こ
の桟板ａの左右端縁に設けた係止片ｂを、他の２
側板の上部に設けた係止孔ｃに係止して桟板ａを
固定したものが広く使用されている。このように
すると包装箱を多数積上げた場合、上段の包装箱
の底が下段の包装箱内に食込むようなこともなく
安定した積重ね状態を得ることができるものであ
る。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、この従来例では桟板の固定が不安定で
あり、使用中桟板が簡単にはずれるという欠点が
あり、これを改良したものも従来種々提案されて
きたが、いずれも組立てが複雑であり、簡単に使
用できるものが少なく、且つこの種従来例では多
数包装箱を積重ねた場合、個々の箱が移動するの
を防止することができなかつた。

［問題点を解決するための手段］ ここにおいて本考案は上記桟板の固定を極めて
簡単な組立て作業で確実なものとし、併せて包装
箱を積上げた場合、個々の包装箱が左右前後に移
動することのない包装箱を提供することを目的と
する。

上記目的のために本考案は、長方形底板の４周
に対向する妻板及び側板を連設してなる天面開口
型の包装箱において、相対する両妻板の上端に桟
板を連設し、該桟板の両端に支持板を連設すると
共に、該支持板の先端に差込片を付設し、また相
対する両側板の基部両脇に差込孔を穿設して、該
差込孔に前記差込片を挿入して前記支持板を垂直
に折曲げ、側板上に固定し、また両側板の上縁に
前記両支持板間の間隔に対応した左右幅をもつよ
うに形成された長幅の押え板を突設し、箱を積重
ねた際に、前記押え板の内側に上段の箱の底部を
嵌め込むと共に、上段の箱の両支持板間に押え板
と嵌装して両支持板と押え板の端縁相互が突き合
せ係合するようにしたことを特徴とする。

［実施例］ 以下、本考案を図示の実施例で具体的に説明す
る。

第２図は本考案の実施例を示す展開図であつ
て、矩形状底板１の相対向する２辺に妻板２，２
を連設し、他方の相対向する２辺に側板６，６を
連設する。前記妻板２，２の延長には桟板３，３
を連設すると共に、該桟板３の上下には先端に差
込片４を有する支持板５をそれぞれ設ける。

一方、側板６，６の底板１に接する差込孔８を
それぞれ穿設する。また両側板６の左右には柱体
形成用フラツプ９，１０をそれぞれ延設すると共
に、フラツプ１０には係止用凸部１１を設け、桟
板３の上下には係止用凸部１１に対応する係止孔
１２をそれぞれ穿設する。

また、前記側板６の上縁に押え板７を突設する
もので、この押え板の幅は、後記するように組立
時左右の支持板５，５間に納まる寸法に形成し、
且つ支持板５の内側の端縁に押え板７の端縁とが
係合し合うように構成する。

［作用］ 本考案は以上の如く構成されたフラツトブラン
クを組立てて包装箱とするものであり、組立てに
当つては先ず側板６をそれぞれ起立させると共に
底板１の四隅に左右に延設したコーナ補強用フラ
ツプ９，１０を内側に三角形状に折曲げてコーナ
柱を形成し、次いで妻板２をそれぞれ起立させる
と共に桟板３を下方に折曲げて係止用凸部１１を
係止孔１２に挿入係止せしめる。このようにして
から支持板５を垂直に折曲げ、外側から側板６に
重ね合せるようにして差込片４を差込孔８にそれ
ぞれ挿入すると第３図、第４図で示す如き包装箱
が得られる。

生鮮野菜や果実を収容し、これを運搬する場合
は、内部に商品を納めたまま第５図のように段積
みする。このようにすると、第６〜７図に示す如
く、上方の箱体の側面を押え板が挟持し、かつ上
方の左右支持板の間に押え板が嵌り込み、支持板
と押え板の端縁が相互に係合して互いに箱の重合
せ状態を維持し、個々の包装箱が左右前後方向に
移動することがなくなることとなる。

なお、組立状態において側板６を傾斜するよう
に構成すれば、テーパーつきのすわりのよい包装
箱が得られる。

［考案の効果］ 以上のように、本考案による包装箱においては
桟板３は支持板５を介して差込孔８に挿入された
差込片４によつて固定されており、桟板３が上方
に引張られても下側で底板１と接している差込片
４は差込孔８から容易に抜け出ることがなく、桟
板３は極めて安定された状態で固定されるもので
ある。

本考案の包装箱は、組立て状態において両妻板
２，２の上端に桟板３，３が連設され、該桟板の
両端に設けた支持板５，５を側板６の外側位置に
垂直に折曲げて側板に固定しているから、箱のコ
ーナ部の耐積圧強度が増強され、かつ側板部は頑
丈な２重構造になるから、箱を多段に積重ねて使
用するに適した堅牢な箱が得られる。両妻板の上
端に連設された桟板３，３の形成により積重ねる
箱の受座面積が増加するので、箱を積重ねた際に
上段の箱の下段の箱への落込みを防止できる。

また箱の積重使用時に、上段の包装箱の底部が
下段の包装箱の押え板７，７の内側に挟持された
状態となり、またこの押え板７は上段の箱の両支
持板５，５間に嵌装され、両支持板５と押え板７
の端縁相互が突き合うので、積み上げた包装箱の
前後左右の移動が制限され、バンド掛けする必要
もなく、安定確実な積重状態が得られるので、保
管運搬時における箱の倒壊を防止できるという効
果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す斜視図、第２図は本考案
の実施例を示す展開図、第３図は同上組立過程を
示す斜視図、第４図は同上組立状態を示す斜視
図、第５図は積重ね状態を示す斜視図、第６図は
同上縦断面図、第７図は積重ね状態において、押
え板と支持板との係合状態を示す拡大図である。 １……底板、２……妻板、３……桟板、４……
差込片、５……支持板、６……側板、７……押え
板、８……差込孔、９，１０……フラツプ、１１
……係止用凸部、１２……係止孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長方形底板１の４周に対向する妻板２，２及び
   側板６，６を連設してなる天面開口型の包装箱に
   おいて、相対する両妻板２，２の上端に設けた桟
   板３，３の両端に支持板５，５を連設すると共
   に、該支持板５，５の先端に差込片４を付設し、
   また相対する両側板６，６の基部両脇に差込孔
   ８，８を穿設して、該差込孔８，８に前記差込片
   ４を挿入して前記支持板５，５を垂直に折曲げて
   側板上に固定し、また両側板６，６の上縁に前記
   両支持板５，５杆の間隔に対応した左右幅をもつ
   よに形成された長幅の押え板７，７を突設し、箱
   を積重ねた際に、前記押え板７，７の内側に上段
   の箱の底部を嵌め込むとともに、上段の箱の両支
   持板５，５間に押え板７を嵌装して、両支持板
   ５，５と押え板７の端縁相互が突合せ係合するよ
   うにしたことを特徴とする積重ね用包装箱。