JPH0232266Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、尿器の代用となる尿バツグ（尿袋）
に関するものである。

〔考案の概要〕

本考案は、防水層と吸水層を有する袋部とシー
ト部をＬ字形に結合し、袋部前端の開口縁の両側
下方に補助パツドを設けることにより、主として
女性向けの手軽な尿器として使用しうるようにし
たものである。

〔従来の技術〕

従来、動けない病人や老人などが部屋又は床
（とこ）の中で使う尿器として、尿瓶（しびん）
がある。これらの尿瓶は、一般にガラス又はプラ
スチツク製で一定の形状に作られている。また、
重病人などの失禁状態の人に対しては、紙おむつ
がある。このほか、カテーテルを尿道に挿入して
採尿器に尿を導出する導尿器なども使用されてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の尿瓶は、材質に柔らかさが全くなく形が
固定しているので、人によつてはフイツトせず尿
が漏れる心配があり、特に女性は不向きである。
また、紙おむつは、常時あてがつておく必要があ
るため不快である。なお、導尿器も、不快である
ばかりでなく、尿がひとりでに垂れるため回復後
に排尿神経が麻痺（まひ）する虞れがある。

したがつて、本考案は、上述のような欠点がな
く、しかも使い捨てにしうる簡便な尿袋を提供し
ようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、柔らかい材料で作りうる防水層及び
吸水層を有する袋部とシート部をＬ字形に結合
し、袋部のほぼ開口縁に沿つて１対の補助パツド
を設け、開口縁をめくつて折り曲げたとき開口縁
の前方にシートが広がると共に補助パツドの開口
部の両側下方に位置するように構成した。

〔作用〕

柔らかい材料で作りうるので、使用時に袋部の
開口縁をめくつて局部によくフイツトさせること
ができ、従来の欠点をことごとく解消すると共
に、コストが安く使い捨てが可能である。また、
補助パツドが股間のくぼみを塞ぐため、尿がシー
トの方に流れない。

〔実施例〕

第１図は本考案の好適な実施例を示す側面図、
第２図はその使用状態を示す斜視図である。

これらの図において、１は前端が開口し輪郭が
長方形の袋部、２は長方形のシート本体２₁を含
むシート部、３は吸水材料より成り袋部１の内側
に設けられた補助パツドである。袋部１及びシー
ト部２は、共に外側に防水層、内側に吸水層を有
する軽くて柔らかい材料である。例えば、市販の
紙おむつはこの要求をよく満たすので、これを利
用することができる。袋部１は、第１図に１点鎖
線１₁で示すように傾斜した開口縁を有し、この
開口縁１₁以外はすべて閉塞されている。ただし、
この開口縁１₁は、後述のように実際に本実施例
を作るときには現われないので、仮想的な開口縁
である。シート部２は、シート本体２₁とこれを
上記傾斜した開口縁１₁に結合する３角形の結合
片２₂とより成る。ただし、この結合片２₂も、説
明の都合により名付けたものにすぎず、実際には
現われない。補助パツド３は、ほぼ開口縁１₁に
沿つて両側下方に設ける。第１図により、シート
部２は袋部１の長手方向に対しほぼ直角の方向に
結合され、シート部２が２つに折畳まれた状態で
は、外観がＬ字形を呈することが認められるであ
ろう。

このＬ形尿バツグを使用する際は、折畳まれた
シート本体２₁及び結合片２₂を両側に開くと、開
口縁１₁が横に広がるが、更に結合片２₂及び開口
縁１₁の上部を折曲げて、第２図に示すように充
分に広がつて安定した開口部１₂を形成する。こ
のとき、シート本体２₁は開口部１₂の前方に広が
り、補助パツド３は開口部１₂の両側下方に位置
する。そこで、開口部１₂を正しく局所に当て、
補助パツド３のところで股間を押えるようにす
る。この動作は、自分で行つてもよく、また他人
が行うこともできる。１対の補助パツド３がある
ため、使用者は押える場所がはつきりして使い易
く、また、これにより股間のくぼみが塞がれ尿が
シート本体２₁の方に流れない効果がある。

次に、上述のＬ形尿バツグの作り方の一例を述
べる。１枚の紙おむつを用い、Ｌ形尿バツグを展
開した形状にこれを裁断する。補助パツド３を所
定場所に接着したのち、所定の線に沿つて折曲げ
所定の個所を溶着又は接着する。第３図に、その
裁断例を示す。同図において、破線は折曲げる個
所を示す。したがつて、この場合は、第１図の開
口縁１₁やシート本体２₁と結合片２₂との境界線
２₃は、始めから終りまで現われない。ただし、
上記以外の方法により本考案のＬ形尿バツグを作
つてもよいことは勿論である。

〔考案の効果〕

本考案によれば、次のような多くの実用的効果
が得られる。

１ 材質が柔らかいため、どんな人にも、どんな
状態でもようフイツトし、尿が漏れたり、飛散
したりするこてがなく、特に女性向けとして好
適である。

２ 従来の尿瓶に比べコストが易いので使い捨て
にすることができ、また、収納するのに場所を
とらない。

３ 紙おむつ、導入器のような不快感は全くな
い。また、繰返し使用による害もない。

４ 軽くて柔らかいので取扱い易く使用方法が簡
単なため、自分でも他人でも、使用が容易であ
る。

５ 吸水量が大きいので、充分に従来の尿瓶の代
わりとして使用できる。

６ 補助パツドがあるため、使用者は押える所が
はつきりして使い易い。

７ 補助パツドにより、股間のくぼみが塞がれ尿
がシートの方に流れない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の好適な実施例を示す側面図、
第２図はその使用状態を示す斜視図、第３図はそ
の作り方の一例を示す裁断図である。 １……袋部、１₁……その開口縁、１₂……開口
部、２……シート部、２₁……シート本体、３…
…補助パツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 外側に防水層、内側に吸水層があり、前端に傾
   斜した開口縁を有する袋部と、 外側に防水層、内側に吸水層があり、上記開口
   縁と上記袋部の長手方向に対しほぼ直角の方向に
   結合されたシート部とより成り、 上記袋部の内側にほぼ上記開口縁に沿つて１対
   の補助パツドが設けられ、上記開口縁をめくつて
   折曲げたとき開口部の前方に上記シート部のシー
   ト本体が広がると共に上記補助パツドが上記開口
   部の両側下方に位置するように構成されたＬ形尿
   バツグ。