JPH0232229Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は洗濯機の注水切換装置に関する。

(ロ) 従来技術 従来例としては実開昭57−58387号公報があり、
これを第５図に基づいて説明する。

従来は、洗濯機（図示せず）の操作部（図示せ
ず）の底部５１に設けられた上方への膨出部５２
の上端部に、給水ホース５８が接続される給水筒
５４を設け、該給水筒５４の下端部にＬ字型の給
水パイプ５５の上端部を嵌合している。そして前
記給水パイプ５５はその外周壁よりパイプ上端部
の外周壁と共同して水受容器５６を形成する円形
フランジ５７を外方へ突出し、このフランジ５７
の先端が前記膨出部５２の内壁より突出した複数
の支持片５８上に弾性を利用して嵌められてい
る。

さらに前記操作部の底部５１には給水パイプ５
５の下端より放出される給水を受ける給水ボツク
ス５９が装着されている。この給水ボツクス５９
は洗濯槽へ通じる給水路６０と脱水槽へ通じる給
水路６１を有し、両給水路６０，６１は一体に立
設された仕切り板６２で仕切られている。そして
給水パイプ５５の回動により給水先を給水路６０
或いは６１に振り分ける構造である。

しかし、この構造では給水パイプ５５が着脱容
易でないため修理、交換が面倒であり、また給水
パイプ５５と仕切り板６２との位置決めを行なつ
ていないため両者の間にずれを生じ易く、正確な
給水切換の機能を果たすことができないという欠
点がある。

(ハ) 考案の目的 本考案は、洗濯機の注水切換装置に於ける注水
口体の修理・交換を容易とし、さらに注水先の切
換を正確にすることを目的とする。

(ニ) 考案の構成 本考案は、洗濯槽或いは脱水槽の上部後方に位
置する操作部と、この操作部の底部に取着され仕
切板により複数の注水路が形成された注水箱と、
供給された水を前記各注水路に振り分ける注水口
体と前記注水口体に設けた２本の枢支軸を枢支す
る枢支部とから成り、前記枢支部は前記枢支軸の
一方を挿入支持する挿入孔と他方を嵌合支持する
前記注水箱の開口縁に設けた溝とによつて構成さ
れることを特徴とした洗濯機の注水切換装置であ
る。

即ち注水口体を枢支する枢支部の一方を注水箱
の開口縁としたため、注水箱を取り外せば注水口
体も容易に取り外すことができ、着脱容易とな
る。従つて、修理・交換が簡単になる。

また注水口体に設けた枢支軸を注水箱の開口縁
に設けた溝で受けるため、この溝が注水口体と注
水箱との位置決めの役割を果たす。従つて、注水
口体と注水箱との位置関係が正確になり、注水切
換動作が正確になる。

(ホ) 実施例 本考案の実施例を各図面に基づいて説明する。

第４図に於いて、１は洗濯槽２と脱水外槽３を
内設した洗濯機枠であり、前記脱水外槽３内には
脱水槽４が設けてある。前記機枠１の後方上部に
は操作部５が設置してある。そして、この操作部
５前面の操作パネル６に於いて、７ａ〜７ｄは各
洗濯・脱水行程の操作ボタン、８は溢水水位を調
節する操作レバー、９は電源スイツチ、１０ａは
注水先の切換を行なう操作ボタン、１０ｂは排水
弁の開閉操作を行なう操作ボタンである。

第１図〜第３図に示す通り前記操作部５の底部
１１は一部上向きに膨出した膨出部１２を設けて
おり、この膨出部１２にはその天井を貫通する如
く略筒状のホースジヨイント１３が上下方向に一
体に形成されている。そして、前記膨出部１２は
その前面壁１３のほぼ中央部に後述する枢支軸２
１ａを挿入する挿入孔１４を設け、さらに後面壁
１５とホースジヨイント１３との間より、下端に
半楕円形の切込み１６を有した支持板１７を下方
に向けて一体に突出している。

さて、１８は略筒状の注水口体であり、その入
水側開口部１９を略方形状に成し、出水側開口部
２０を楕円形に形成している。さらに、前記注水
口体１８はその前部及び後部に前記膨出部１２内
に枢支するための円柱状の枢支軸２１ａ，２１ｂ
を突設している。

次に２２は前記操作部５の底部１１（前記膨出
部１２の下方）に装着される注水箱であり、底面
から一体に上向きに突出した仕切り板２３によつ
て分けられた洗濯槽２へ通じる注水路２４ａと脱
水槽４へ通じる注水路２４ｂを左右に有してい
る。

前記注水箱２２は開口縁２５に操作部５の底部
１１に装着する時に底部１１の係合孔（図示せ
ず）と係合する係止片（図示せず）を設けてあ
り、また特に後壁２６の端面２７には略半円形の
溝２８を設けている。

以上の構成より、注水口体１８を操作部５の膨
出部１２に枢支する手順を説明する。

第１図に示す通り、まず注水口体１８の前部に
設けた枢支軸２１ａを膨出部１２の前面壁１３に
設けた挿入孔１４に遊挿する。この状態で注水口
体１８の入水側開口部１９にホースジヨイント１
３の出水部２９を遊挿すると共に前記注水口体１
８の後部に設けた枢支軸２１ｂを前記支持板１７
の切込み１６に下方から嵌合し、枢支軸２１ｂの
上方向の動きを制限する。次に前記注水箱２２を
前記膨出部１２の下方に装着するが、その際に注
水箱２２の後壁２６の端面２７に設けた溝２８に
前記枢支軸２１ｂの下部を嵌合し、下方から支持
する。そして注水箱２２を装着する。

また、修理・交換等の理由で注水口体１８を取
り外したい時は、注水箱２２の係止片の係合を解
き、注水箱２２を操作部５の底部１１から取り外
せば、それに伴なつて注水口体１８も容易に外れ
る。

第２図に示される通り、本実施例に於いては、
前記膨出部１２の前面壁１３と後面壁１５との間
隔があまりに大きいと、注水口体１８が前後方向
にずれを生じ外れてしまうことがあり、また外形
寸法を大きくしてしまうので、これを解消すべく
前記間隔を小さく設計している。そのため、前記
前面壁１３に設けられた挿入孔１４は、上部と下
部に段差をつけ、注水口体１８の枢支軸２１ａを
斜め下方から挿入し易くしている。また、この段
差により挿入孔１４を楽に成形することができ
る。

このように枢支された注水口体１８を、前記注
水箱２２の仕切り板２３の上方で左右に回動させ
ることによつて注水先を切り換える。

尚、本実施例は、洗濯槽２と脱水槽４に注水を
切り換えるものであるが、別に洗濯槽２の上部注
水と下部注水の切換等に用いてもよく、その要旨
を逸脱しなければ様々の用途に使用できる。

(ヘ) 考案の効果 本考案は、注水口体の枢支部の一方を注水箱の
開口縁に設けた溝によつて構成したため、注水箱
を取り外せば注水口体も外れる。即ち、注水口体
を着脱容易としたため、修理・交換等の際の手間
を省くことができる。

更に、この種の注水切換装置は、注水箱に一体
に設けられた仕切り板と、供給された水を各注水
路に振り分ける注水口体との位置関係が正確でな
ければ確実な注水切換の機能を果たさない。しか
しながら、本考案によれば、注水箱の開口縁に設
けた溝が両者の位置決め作用を成すので、注水切
換の機能を確実に果たすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に於ける要部断面斜視図、第２
図は操作部の側断面図、第３図は要部破断図、第
４図は洗濯機の全体斜視図、第５図は従来例に於
ける要部断面図である。 ２……洗濯槽、４……脱水槽、５……操作部、
１１……底部、１２……膨出部、１４……挿入
孔、１８……注水口体、２２……注水箱、２３…
…仕切り板、２１ａ，２１ｂ……枢支軸、２４
ａ，２４ｂ……注水路、２５……開口縁、２８…
…溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯槽或いは脱水槽の上部後方に位置する操作
   部と、この操作部の底部に取着され、仕切板によ
   り複数の注水路が形成された注水箱と、供給され
   た水を前記各注水路に振り分ける注水口体と、前
   記注水口体に設けた２本の枢支軸を枢支する枢支
   部とから成り、前記枢支部は前記枢支軸の一方を
   挿入支持する挿入孔と他方を嵌合支持する前記注
   水箱の開口縁に設けた溝とによつて構成されるこ
   とを特徴とした洗濯機の注水切換装置。