JPS5920238Y2 - 二槽式洗濯機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は排水機構、溢水機構等の水排出機構を内設する
ための水排出室を洗濯槽の内側に形成した構成をなし且
つ所謂脱水すすぎ機能を有する二槽式洗濯機に関する。

従来、プラスチック製の洗濯槽の内側に外方へ膨出して
上下に延びる溝状の水排出室を形成し、この水排出室内
に水排出機構として排水機構及び溢水機構を設は且つ水
排出室の槽内を臨む開口部にストレーナ部材を配置し、
以て排水、溢水の両機構を一個所に集約配置する構成に
なして点検の容易化等を図ったものがある。

しかしながらこのようなものにおいては、水排出室の開
口部が形成時の歪、熱変形成いは洗濯槽内の水の荷重に
よって拡開する現象を生じ、その開口部に保合手段によ
って塞ぎ設けであるストレーナ部材が外れるおそれが多
分にあった。

本考案は上記の欠点を除去すべくなされたものであり、
その目的は洗い時に洗濯槽に注水し、所謂脱水すすぎ時
に脱水槽内に注水すべく設けた注水ケースによって水排
出室の開口部の拡開現象を確実に防止でき、且つこれを
達成するのに専用の補強部材を要しないので生産コスト
の上昇も回避できる二槽式洗濯機を提供するにある。

以下本考案の一実施例について図面を参照しながら説明
する。

１は図示しない外箱内に配置されたプラスチック製の桶
本体であり、これは洗濯槽２と脱水かご３を内設するた
めの脱水槽４とを併設状に一体成形して成る。

５は洗濯槽２の内側に形成した水排水室で、これは上下
に溝状に延び且つ外方へ膨出した形状をなし、特にその
下端が攪拌翼６を配設した凹陥部７と連通している。

８は水排出室５内の底部に形成されて排水ホース９を連
結した排水口、１０は水排出室５内に上下動可能に配置
した管支持体であり、この管支持体１０の下端に連結筒
部１１を一体に形成すると共に、該連結筒部１１の下端
に排水口８の周縁に接離する環状の弁体１２を固着し、
該連結筒部１１の上端に溢水筒体１３の下端を連結して
これを立設状に保持している。

１４は通水孔群１５を下部領域に形成した排水ストレー
ナ１６とこれとは別体の溢水ストレーナ１７とから成る
ストレーナ部材で、その内の排水ストレーナ１６を水排
出室５の槽内を臨む開口部１８の下方部分にこれを塞ぐ
ように配置し、その開口部１８の残余にこれを塞ぐよう
に溢水ストレーナ１７を配置している。

この場合、排水ストレーナ１６の平端部付近をねじ１９
によって水排出室５の内底部に予め設けであるボス部２
０に固定し、上端部分を水排出室５の内底部に突設した
係合棒２１に保合により保持させている。

また溢水ストレーナ１７も、その下端を係合棒２１との
係合により保持させている。

２２は調節部材で、溢水ストレーナ１７の通水スリット
２３の一個を利用してこれに上下動可能に設けられその
上下調節位置にラッチ機構２２３によって保持できるよ
うにされている。

この調節部材２２の水排出室５内への延出端を溢水筒体
１３の上半部に形成しである伸縮自在な蛇腹状部１３ａ
の上端に保持し、以て調節部材２２の上下により溢水筒
体１３の溢水口部１３ｂを上下に調節設定して溢水水位
を切換え得るようにしている。

２４は左右に長い略樋状をなしたプラスチック製の注水
ケースで、これの図中左端付近を深底容器状に形成する
ことによってこの部分を給水受凹部２５となし、この給
水受凹部２５の前面下部に洗濯槽用注水口２６を形成し
ている。

また注水ケース２４において、給水受凹部２５の右側壁
部２５ａから右端に到るまでの部分を流水路２７として
おり、この流水路２７の右端部分を注水ケース２４の装
着状態で脱水かご３の上端付近に位置するように前方に
指向させてその先端開放部を脱水槽用注水口２８として
いる。

一方、洗濯槽２及び脱水槽４の上端面部、即ち桶本体１
の上部フランジ部２９には注水ケース２４を両槽２，４
間にわたるように嵌め込み装着するための複数の凹部３
０ ａ乃至３０Ｃを形成していると共に、特に凹部３０
ｂ、３０ｂは水排出室５の開口部１８の互に対向する左
右両端の上端例えば上面に位置し、そしてこれら３０ｂ
。

３０ Ｓには保合孔３１．３２を形成している。

これに伴い注水ケース２４の下面中、前記係合孔３１．
３２と夫々対向する位置には該係合孔３１，３２とで嵌
合手段を構成するための係合突起３３．３４を一体に形
成している他、水排出室５内の上端開口と対向する位置
には上下に貫通状となる案内筒部３５を一体に設けてい
る。

そして上記の注水ケース２４をこれが各凹部３０ ａ、
３０ ｂ、 ３０ Ｃ内に嵌め込まれるようにして桶
本体１の一部に装着し、このとき各係合突起３３．３４
を係合孔３１．３２に圧挿状に嵌合せしめる。

尚、３６は凹部３０ ａの開口縁に形成した孔３６ ａ
に挿入する補助突起で、注水ケース２４の固定を一層確
実化するために注水ケース２４の左端に一体に設けてい
る。

３７は桶本体１の上部後方にて前記注水ケース２４を包
囲するように外箱に装置した操作箱で、これの底板部３
８には注水ケース２４の上面開放口に嵌合する隆起部３
８ ａを形成し且つこの隆起部３８ ａには上面に透孔
３９を有して前記案内筒部３５の上端に被冠する筒部４
ｏを突設している。

４１は操作箱３７内に設けられた給水切換機構で、これ
は水道ホース４２を継ぐ給水口体４３を有し、この給水
口体４３を通過した水を注水ケース２４の給水受凹部２
５内と流水路２７内とに選択的に振り分ける操作レバー
４４を備えている。

４５は操作箱３７の操作パネル４６に設けられた切換摘
みで、索条４７の一端を連結した回動部材４８を直結し
ている。

この索条４７の他端は筒部４ｏの透孔３９及び案内筒部
３５内を介して水神水室５内に導入されて後、管支持体
１０の上端に連結している。

尚、４９は注水ケース２４の外底面と管支持体１０の上
端との間に介在された圧縮コイルばね、５０は溢水スト
レーナ１７の上部を注水ケース２４に保持させる保合機
構である。

以上の構成において、排水口８及び弁体１２は排水機構
５１をなし、排水口８及び溢水筒体１３は溢水機構５２
をなし、そしてこれら両機構５１．５２の何れもが水排
出機構に相当する。

次に上記構成の一般的作用を述べる。

即ち、洗いまたは洗濯槽２内でのすすぎ時には水が給水
切換機構４１から注水ケース２４の給水受凹部２５内に
供給されその洗濯槽用注水口２６から洗濯槽２内に放出
される。

脱水すすぎ時には水が給水切換機構４１から注水ケース
２４の流水路２７に供給されその脱水槽注水口２８から
脱水槽４内の特に脱水かご３内にすすぎ水として供給、
される。

洗い完了に伴い、切換摘み４５を操作して索条４７によ
って管支持体１０を圧縮コイルばね４９の弾発力に抗し
て上昇させると排水口８から弁体１２が離れるため、洗
濯槽２内の水が水排出室５内から排水口８を介して機外
に排出される。

また、溢水すすぎにおいては、弁体１２が排水口８の周
囲に接した状態で洗濯槽２内の水が水排出室５内から溢
水口部１３ｂに溢流し溢水筒体１３内を通り排水口８を
介して機外に排出される。

以上の構成によれば、注水ケース２４に係合突起３３、
３４を形成し、これら面係合突起３３．３４を水排出室
５の開口部１８の左右両端の上端部に形成した各保合孔
３１．３２に夫々嵌合せしめているので、組立て後にお
ける水排出室５の開口部１８が成形時の歪、熱変形成い
は洗濯槽２内の水の荷重によって拡開してしまうと云う
変形は高い強度の注水ケース２４によって確実に防止さ
れる。

また、このような拡開現象の防止を専用の補強部材では
なく注水ケース２４を利用しているのでコスト高になっ
てしまうことも防止できる。

従って上記の如き拡開現象によって水排出室５の開口部
１８を塞ぐようにこれに嵌合状に設けたストレーナ部材
１４が、開口部１８内でがたついて外れ易くなると云う
不具合を確実に防止することができる。

更に、上記の如き拡開現象等開口部１８部分に変形を生
ずると開口部１８の両縁部間に槽内面で段違いとなるよ
うな段差を生じ、これが洗濯物に損傷を与えるおそれを
生ずるが本考案による上記構成によればこのような不都
合も防止できる。

尚、本考案は上記実施例のみに限定されるものではなく
、例えば係合突起３３．３４を洗濯槽２側に設は係合孔
を注水ケース２４側に設ける構成としてもよい。

本考案は以上述べたように、水排出機構を設けるための
水排出室をプラスチック製の洗濯槽の内側に一体に形成
し且つ該水排出室５の開口部にストレーナ部材を着脱可
能に設ける構成としたものにおいて、上記開口部の拡開
現象を洗濯槽及び脱水槽に選択的に注水すべく設けた単
一の注水ケースによって防止でき、以てストレーナ部材
の不用意な外れを防止できる上に、このことを専用の補
強部材を要さずにコストの上昇をほとんど招くことなく
遠戚できる二槽式洗濯機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部の縦断側面図、第
２図は注水ケース配置部分の分解斜視図、第３図は第２
図の組立て完了状態でのＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う拡大縦
断側面図である。 図中、２は洗濯槽、４は脱水槽、５は水排出室、１４は
ストレーナ部材、１８は開口部、２４は注水ケース、２
６は洗濯槽用注水口、２８は脱水槽用注水口、３１．３
２及び３３．３４は夫々嵌合手段をなす係合孔及び係合
突起、５１及び５２はは夫々水排出機構をなす排水機構
及び溢水機構である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 脱水槽と共に併設されたプラスチック製の洗濯槽の
   内側に上下に延び且つ外方へ膨出する如く一体に形成さ
   れた水排出室とこの水排出室の槽内を臨む開口部に着脱
   可能に塞ぎ設けられたストレーナ部材と槽内の水を機外
   に放出すべく前記水排出室内に設けられた水排出機構と
   を備えたものにおいて、前記洗濯槽及び脱水槽の上端面
   部にこれら両者間にわたるように洗濯槽用注水口及び脱
   水槽用注水口を有する単一の注水ケースを配置し、この
   注水ケースを前記水排水室の開口部の左右両端の上端部
   に嵌合手段により固着したことを特徴とする二槽式洗濯
   機。 ２ 嵌合手段は前記注水ケースと前記上端部とのうちの
   一方に形成した保合孔と他方に一体に突設され該保合孔
   に挿入される保合突起とによって構成されていることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載の二槽
   式洗濯機。