JPH0232008Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、一定位置で苗取出し作動する植付爪
に供給するマツト状苗を載置する苗のせ台を設け
た苗植付装置に関する。

〔従来の技術〕

近年、マツト状苗として、植付爪に対する供給
方向適当間隔おきに条播して育成されたものが使
用されることが行なわれており、そして、このよ
うに葉茎の条が供給方向適当間隔おきに位置する
マツト状苗を植付ける際には、隣り合う葉茎条の
間に相当する床部を分断して苗の定量取出しを行
なわせることになる。

一方、従来、マツト状苗を植付爪側へ供給する
においてその移動範囲を規制するに、マツト状苗
における床部の植付爪側への移動範囲を規制する
ストツパーを固定支持させて設けるようにしてい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

この場合、上記葉茎の条間が異なるマツト状苗
を植付けようとすると、条間が狭い場合において
植付爪が不必要に葉茎の２条分に相当する苗を取
出す状態がもたらされたり、又、条間が広い場合
において植付爪が葉茎の存在しない床部だけを取
出す状態がもたらされる等、所定通りの苗取出し
作動を行なわせることができないものとなる。

本考案は、上記実状に鑑みて為されたものであ
つて、その目的は、マツト状苗の植付爪がわへの
移動範囲を規制する構造に簡単な改造を加えて、
葉茎の条が供給方向適当間隔おきに位置するマツ
ト状苗を植付けるにあたつて、葉茎の条間が異な
るマツト状苗をも葉茎の一条分づつを存在させる
状態で所定通りの苗取出し作動を行なえるように
する点にある。

〔課題を解決するための手段〕 本考案の構成は、一定位置で苗取出し作動する
植付爪と、前記植付爪に供給するマツト状苗を載
置する苗のせ台とを設けた苗植付装置において、
前記苗のせ台に、マツト状苗を植付爪での苗取出
し部側へ向けて係止送りすべく所定のタイミング
で作動する苗送り具を設け、前記苗取出部へ係止
送りされた前記マツト状苗における葉茎根元部の
前記植付爪がわへの移動範囲を規制する第１スト
ツパーを、その規制位置を変更設定自在に設ける
と共に、前記マツト状苗における床部の前記植付
爪がわへの移動範囲を規制する第２ストツパー
を、前記植付爪がわへ後退変位自在に弾性支持さ
せて設けてあることを特徴とする。

上記の特徴構成による作用および効果は次の通
りである。

〔作用〕

横一条分の苗が取出され、それまで前記苗送り
具の係止作用によつて自重落下を規制されていた
マツト状苗が、前記苗送り具の作動によつて植付
爪側に向けて繰出されると、たとえ前記第２スト
ツパーが先行してマツト状苗の床土部に接当した
としても、マツト状苗の自重による滑落作用と苗
送り具の作用力とが働いていれば、第２ストツパ
ーが単独では支え切れないので、第２ストツパー
は後退変位し、次いでマツト状苗の葉茎根元部が
第１ストツパーに接当し、前記苗送り具による送
り作動が終了してマツト状苗は位置規制される。
したがつて、第２ストツパーのマツト状苗に対す
る接当開始位置は、予め、第１ストツパーがマツ
ト状苗の葉茎部分に対して接当開始する位置より
も、やゝ先行して接当するように設定しておくだ
けで、第１ストツパーと第２ストツパーとが共に
マツト状苗に作用する所定の規制位置でマツト状
苗を支持できる。

〔考案の効果〕

その結果、葉茎条の間隔の変動に拘らず、マツ
ト状苗における取出し対象葉茎条の植付爪に対す
る位置を、一定又は略一定に維持させて苗分割を
行うことができ、従つて、取出した苗に葉茎の一
条分づつを存在させた良好な苗取出作動を行わせ
ることができるのである。

又、上記した効果に加えて、前記第１ストツパ
ーは前記葉茎根元部に対して位置規制する位置を
変更可能であるから、苗取り量調節によつて第２
ストツパー及び第１ストツパーが共に植付爪側に
移動した場合等において、第１ストツパーと第２
ストツパーとの相対位置関係を調節するのに便利
である。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

例示図は、車体の後部に連結装備する２条植え
苗植付装置を示し、一定位置で上下に循環作動し
ながら苗取出し作動する植付爪１の２個を機体横
巾方向に沿つて並設し、２枚のマツト状苗Ｗを横
方向に並べた状態で、且つ、側枠２ａの複数個に
よつてマツト状苗Ｗ……の横移動を規制した状態
で載置する傾斜姿勢の苗のせ台２を設け、苗のせ
台２の苗取出側下端部及び上端部に取付けた苗の
せ台支持枠３，４の夫々を、固定ガイド５，６に
横移動可能に支持すると共に、苗のせ台２の上下
中間部に連結支持した螺軸７を、植付ミツシヨン
ケース８に、一定ストロークで横往復スライド駆
動される状態で貫通支持し、もつて、苗のせ台２
を植付爪１に対して一定ストロークで往復駆動移
動させるようにしてある。又、マツト状苗Ｗを植
付爪１に苗取出し部がわへ係止送りする苗送り具
９の複数個を、苗のせ台２がストロークエンドに
達する毎に適当角度づつ駆動回転させる状態で設
け、さらに、苗押出し具１０を、爪１に、それが
下死点近くに達すると突出作動させる状態で取付
けてある。

もつて、苗のせ台２の横移動に伴つて植付爪１
が順次一株分づつの苗を取出し植付けるように構
成してある。

前記苗送り具９の送り作用及び自重による下降
作用より植付爪１に供給されるマツト状苗Ｗの植
付爪側への移動範囲を規制させるに、マツト状苗
Ｗにおける葉茎根元部の植付爪側への移動範囲を
規制する逆Ｕ字型の杆状第１ストツパー１１を、
植付爪１に対する遠近方向に横軸１２周りで揺動
自在に枢支すると共に、第１ストツパー１１の植
付爪側への揺動位置を変更及び接当固定するボル
ト１３を設けてある。又、マツト状苗Ｗにおける
床部の植付爪側への移動範囲を規制する板状第２
ストツパー１４を、植付爪がわへ前記横軸１２周
りで後退揺動自在に枢支すると共に、第２ストツ
パー１４を植付爪１がわへの揺動を許容する状態
で弾性支持する押圧スプリング１５を設け、さら
に、スプリング１５の付勢力を変更調節するボル
ト１６を設け、もつて、マツト状苗Ｗの葉茎根元
部の植付爪１に対する間隔を一定に維持させる状
態で、マツト状苗Ｗの移動範囲を規制できるよう
にしてある。

要するに、葉茎の条が植付爪１への供給方向適
当間隔おきに位置するマツト状苗Ｗを植付ける場
合において、葉茎条の間隔の変動に拘らず、隣り
合う葉茎条の間に相当する部分の床部を分断させ
ながら苗取出しを行なわせることができるように
してある。

本案を実施するに、第１ストツパー１１を固定
支持させる構造、その規制位置を変更調節する構
造、及び、第２ストツパー１４を後退変位自在に
弾性支持させる構造は、各種変更可能である。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は苗植付装置の切欠き側面図、第２図は
苗移動範囲規制構造を示す切欠き側面図、第３図
は苗移動範囲規制構造の平面図である。 １……植付爪、２……苗のせ台、９……苗送り
具、１１……第１ストツパー、１４……第２スト
ツパー、１５……スプリング、Ｗ……マツト状
苗。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 一定位置で苗取出し作動する植付爪１と、前
   記植付爪１に供給するマツト状苗Ｍを載置する
   苗のせ台２とを設けた苗植付装置であつて、前
   記苗のせ台２に、マツト状苗Ｗを植付爪１での
   苗取出し部側へ向けて係止送りすべく所定のタ
   イミングで作動する苗送り具９を設け、前記苗
   取出部へ係止送りされた前記マツト状苗Ｗにお
   ける葉茎根元部の前記植付爪がわへの移動範囲
   を規制する第１ストツパー１１を、その規制位
   置を変更設定自在に設けると共に、前記マツト
   状苗Ｗにおける床部の前記植付爪がわへの移動
   範囲を規制する第２ストツパー１４を、前記植
   付爪がわへ後退変位自在に弾性支持させて設け
   てある苗植付装置。 ２ 前記第２ストツパー１４を支持するスプリン
   グ１５を、付勢力変更調節自在に設けてある実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載の苗植付装
   置。