JPH0231205Y2 - - Google Patents
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- JPH0231205Y2 JPH0231205Y2 JP15731684U JP15731684U JPH0231205Y2 JP H0231205 Y2 JPH0231205 Y2 JP H0231205Y2 JP 15731684 U JP15731684 U JP 15731684U JP 15731684 U JP15731684 U JP 15731684U JP H0231205 Y2 JPH0231205 Y2 JP H0231205Y2
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Landscapes
- Metal Extraction Processes (AREA)
Description
産業上の利用分野
この考案は、内周面に複数条の螺旋状リブを形
成してなるライフルチユーブを引抜加工する際に
使用するプラグに関するものである。 従来の技術 周知のように各種の熱交換器においては、流体
の流れを乱して熱伝達率をを高めるために、螺旋
状のリブを内周面に形成したライフルチユーブが
用いられている。そしてこの種のチユーブは、通
常、所謂円柱型のプラグを用いた冷間引抜加工に
よつて製造されている。 しかるに従来一般に用いられているプラグ、す
なわち所定の内径の中空なベアリング部と、その
ベアリング部に対して素管進入側(引抜方向に対
し後方の側)に連続しかつ内径が素管進入側に向
けて次第に拡大されるアプローチ部とを有するダ
イスと組合されて用いられるプラグによつてライ
フルチユーブの引抜加工を行なつた場合、第6図
に示すように、得られたライフルチユーブ1にお
ける螺旋状リブ2のうち、引抜方向(第6図の矢
印方向)での前方を向く面(以下、前面という)
2Aにダレ(あるいは欠肉)3が生じ、その結
果、得られたライフルチユーブ1を熱交換器に用
いた場合に、その熱伝達率が低下する不都合が生
じていた。これに加え、従来のプラグでは、前記
リブ2のうち引抜方向での後方を向く面(以下、
後面という)2Bの底部のコーナ部で焼付きが生
じ易く、その結果、プラグ自体の耐用寿命が短い
欠点があつた。 従来、上述した問題点を解消するためのプラグ
が、特開昭56−45208号によつて提案されている。
その提案に係るプラグは、素管の内面側における
材料流れ速度の素管軸方向成分が、絞りの進行に
伴つて増大することに着目した構成であつて、螺
旋状リブを素管内面に形成するための螺旋溝の進
み角を、先端部で所期進み角と一致させ、かつ後
端部側で次第に増大させた構成である。 考案が解決しようとする問題点 上記の提案に係るプラグにおいては、螺旋状リ
ブ2における前面2Aでのダレ(欠肉)3の防止
に効果があることが認められる。しかしながら、
後面2B側の底部コーナ部での焼付を完全には防
止することができず、これに加え後面2Bのエツ
ジ部にささくれ状のひれ(バリ)が発生すること
が認められる。 この考案は上記の事情に鑑み、欠肉や焼付ある
いはささくれ状のひれなどが生じることなくライ
フルチユーブを引抜加工することができるプラグ
を提供することを目的とするものである。 問題点を解決するための手段 この考案のプラグは、上記の目的を達成するた
めに、リブ形成用螺旋溝を形作る2側壁のうち軸
線方向における後方側の側壁のリード角を、前端
部側におけるよりも後端部側で大きく設定し、か
つその後方側の側壁における外周方向への開口端
エツジ部の曲率半径を、前端部側におけるよりも
後端部側で大きくなるように設定したことを特徴
とするものである。 ここでこの考案のプラグと組合されて使用され
るダイスは、所定の内径の中空なベアリング部
と、そのベアリング部に対して素管進入側に連続
しかつ内径が素管進入側に向けて次第に拡大され
るアプローチ部とを有するものである。またリー
ド角とは、JIS B0102「歯車用語」で規定される
「進み角」、あるいはJIS B0101「ねじ用語」で規
定される「リード角」と実質的に同じであり、螺
旋溝を形作る各側壁のそれぞれがなすツル巻線と
プラグ軸線に対し直角な平面とがなす角度と定義
することができる。さらに、上記の後方側の側壁
とは、引抜方向に対して後方側の側壁、したがつ
て形成すべき螺旋状リブにおける引抜方向後方側
の面(第6図の後面2B)を形成するための側壁
を意味する。 作 用 この考案のプラグでは、螺旋溝を形作るための
2側壁のうち、後方側の側壁のリード角を、後端
部側で大きくなるように設定しているため、螺旋
溝の幅が後端部側で広くなつている。そのため、
螺旋溝に対するリブ成形開始時(初期)における
材料の噛み込み幅が広く、その後次第に噛み込み
幅が狭められて行く。すなわち、初期は材料が広
い幅で溝内に取込まれ、その後に幅が狭くなるに
伴なつて、溝内の材料(肉)の幅が狭くなるとと
もにその肉の高さが盛り上がつて溝内に充満さ
れ、最終的に欠肉(ダレ)のないリブが形成され
る。 またこの考案で対象としているようなダイスを
用いてライフルチユーブ引抜加工を行なうにあた
つては、プラグの回転速度はダイスのベアリング
部に対応する部分の溝(螺旋溝の前端部側の部
分)で決定されて全体的にある一定の回転速度と
なる。これに対し材料の流れ速度はプラグの前端
部側の部分よりも後端部側の部分(ダイスのアプ
ローチ部に対応する部分)で遅くなる。そのため
材料の溝内での噛み込み開始初期には材料とプラ
グの溝の側壁との間で周方向のスリツプが生じる
ことになる。このスリツプは、プラグの螺旋溝の
後方側の側壁が材料を押す(削ぐ)ような態様で
発生する。そのため従来はリブの後面において材
料が削がれてささくれ状のひれが発生したり、ま
たスリツプにより焼付が発生していた。これに対
してこの考案のプラグでは、螺旋溝の後方側の側
壁における開口端エツジ部18の曲率半径を、後
端部側で(すなわち噛み込み初期に相当する部分
で)大きくなるように設定しているため、材料に
対する溝内への噛み込み初期における面圧(荷
重)の集中が回避され、円滑なすべりが得られ、
その結果ささくれ状のひれや焼付の発生が防止さ
れる。 実施例 以下、この考案の実施例を図面を参照して説明
する。第1図はこの考案の一実施例である円柱型
のプラグ10を示す正面図であり、絞りおよびリ
ブ成形に直接関与する超硬部11の外周面に、リ
ブ成形用の複数条の螺旋溝12が形成されてお
り、その超硬部11の後端部には、マンドレルバ
ー13を接続するシヤンク部14が形成され、ま
た先端部に先端シヤンク部15が形成されてい
る。 そして前記螺旋溝12が、従来のプラグとは異
なり、以下に述べる特殊形状とされている。すな
わち第2図は螺旋溝12の1本を示す展開図であ
つて、先端部から所定寸法の範囲、より正確には
引抜加工時にダイス(図示せず)のベアリング部
に対応する部分(仮に平行部という)16におい
て、引抜方向(第2図に矢印で示す方向)におけ
る前方側壁12Aと後方側壁12Bとが共に同一
のリード角φ1に設定され、溝幅が均一になつて
おり、それに続く部分(仮にテーパ部という)1
7においては、後方側壁12Bのリード角が前記
の角度φ1より大きい角度φ2に設定されている。
したがつて螺旋溝12はテーパ部17においてそ
の幅が次第に広くなつている。また前記後方側壁
12Bにおける開口端エツジ部18は断面円弧面
とされており、その曲率半径r1,r2,r3は、第3
図A〜Cに示すように前端部側よりも後端部側で
大きくなるように(r3<r2<r1)設定されている。
実際上は、前端部側では通常の螺旋溝成形加工で
生じる程度の曲率半径(0.2〜0.3mm程度)であれ
ば良く、これに対し後端部側では積極的に面取り
加工を行なつて、後端に向けて次第に曲率半径が
大きくなるようにする。具体的には、第2図のZ
−Z線で示した位置の曲率半径(第3図Cのr3)
は0.2〜0.3mm程度、第2図のY−Y線で示した位
置の曲率半径(第3図Bのr2)は例えば0.5mm程
度、第2図のX−X線で示した位置の曲率半径
(第3図Aのr1)は1.5mm程度とすれば良い。 上記のプラグ10の使用方法は従来と同様であ
つて、第5図に示すように、マンドレルバー13
の先端部に取付けてダイス19の内周側に同心状
に配置し、その状態でプラグ10とダイス19と
の間に素管20を通し、かつプラグ10を回転さ
せつつ素管20を引抜くことにより引抜加工を行
なう。その場合、素管20がダイス19によつて
縮径されるとともに、プラグ10によつて内径が
規制されるから、素管20の内周部で前記螺旋溝
12へのかみ込みが生じ、その結果、螺旋状リブ
21が形成される。このように螺旋溝12へのか
み込みが生じる場合、上述したプラグ10におい
ては、前記後方側壁12Bのリード角が後端部側
において大きく設定され、溝幅がかみ込みの生じ
始める後端部側で広くなつているため、螺旋溝1
2に対するかみ込み肉の充満度が高く、したがつ
て欠肉(ダレ)のない螺旋状リブ21を形成する
ことができる。ここで、第2図のX−X線の位
置、Y−Y線の位置、Z−Z線の位置における螺
旋溝内12での素管20の材料22の状態をそれ
ぞれ第4図A、第4図B、第4図Cに示す。噛み
込み開始初期は第4図Aに示すように螺旋溝12
の幅が広いため材料22が広い幅で螺旋溝12内
に取込まれ、その後第4図B→第4図Cに示すよ
うに溝幅が狭くなるに伴なつて溝内の肉(材料)
22の高さが盛り上がつて次第に溝内に充満され
るようになり、最終的に溝内に完全に充満され
て、欠肉(ダレ)のないリブが形成される。 また、前記後方側壁12Bの開口端エツジ部1
8は、その曲率半径が後端部側で大きくなるよう
に設定されているから、螺旋溝12に対する素管
20の材料の噛み込み開始時には既に述べたよう
に荷重(面圧)の集中が回避されて、材料と後方
側の側壁12Bとが円滑に滑り、そのためリブ2
1のエツジにおけるひれの発生や焼付きの発生が
防止される。 なおこの考案のプラグと組合わされるダイスと
しては、第6図に示される形状のものに限らず、
前述のように要は所定の内径の中空なベアリング
部と、そのベアリング部に対して素管進入側(引
抜方向に対して後方側)に連続しかつ内径が素管
進入側に向かつて拡大するアプローチ部とを有す
るものであれば良いのであつて、アプローチ部や
ベアリング部が断面曲線状をなすような形状のダ
イスであつても良い。 第1表はこの考案のプラグの効果を確認するた
めに行なつた実験結果を示すものである。比較の
ために挙げてある従来例は、リブ成形用螺旋溝
の幅およびリード角が一定のプラグについての結
果であり、また従来例は、螺旋溝を形作る側壁
のうち軸線方向で前方側の側壁のリード角を、後
端部側で大きく設定したプラグについての結果で
ある。なお、引抜加工は、規格ASME SA21
0・GR−Cにより外径72.0mm、肉厚11.4mmの素
管を、外径63.5mm、肉厚7.10mm、リブ条数8条、
リブ高さ1.15±0.30mmのライフルチユーブに加工
することにより行なつた。
成してなるライフルチユーブを引抜加工する際に
使用するプラグに関するものである。 従来の技術 周知のように各種の熱交換器においては、流体
の流れを乱して熱伝達率をを高めるために、螺旋
状のリブを内周面に形成したライフルチユーブが
用いられている。そしてこの種のチユーブは、通
常、所謂円柱型のプラグを用いた冷間引抜加工に
よつて製造されている。 しかるに従来一般に用いられているプラグ、す
なわち所定の内径の中空なベアリング部と、その
ベアリング部に対して素管進入側(引抜方向に対
し後方の側)に連続しかつ内径が素管進入側に向
けて次第に拡大されるアプローチ部とを有するダ
イスと組合されて用いられるプラグによつてライ
フルチユーブの引抜加工を行なつた場合、第6図
に示すように、得られたライフルチユーブ1にお
ける螺旋状リブ2のうち、引抜方向(第6図の矢
印方向)での前方を向く面(以下、前面という)
2Aにダレ(あるいは欠肉)3が生じ、その結
果、得られたライフルチユーブ1を熱交換器に用
いた場合に、その熱伝達率が低下する不都合が生
じていた。これに加え、従来のプラグでは、前記
リブ2のうち引抜方向での後方を向く面(以下、
後面という)2Bの底部のコーナ部で焼付きが生
じ易く、その結果、プラグ自体の耐用寿命が短い
欠点があつた。 従来、上述した問題点を解消するためのプラグ
が、特開昭56−45208号によつて提案されている。
その提案に係るプラグは、素管の内面側における
材料流れ速度の素管軸方向成分が、絞りの進行に
伴つて増大することに着目した構成であつて、螺
旋状リブを素管内面に形成するための螺旋溝の進
み角を、先端部で所期進み角と一致させ、かつ後
端部側で次第に増大させた構成である。 考案が解決しようとする問題点 上記の提案に係るプラグにおいては、螺旋状リ
ブ2における前面2Aでのダレ(欠肉)3の防止
に効果があることが認められる。しかしながら、
後面2B側の底部コーナ部での焼付を完全には防
止することができず、これに加え後面2Bのエツ
ジ部にささくれ状のひれ(バリ)が発生すること
が認められる。 この考案は上記の事情に鑑み、欠肉や焼付ある
いはささくれ状のひれなどが生じることなくライ
フルチユーブを引抜加工することができるプラグ
を提供することを目的とするものである。 問題点を解決するための手段 この考案のプラグは、上記の目的を達成するた
めに、リブ形成用螺旋溝を形作る2側壁のうち軸
線方向における後方側の側壁のリード角を、前端
部側におけるよりも後端部側で大きく設定し、か
つその後方側の側壁における外周方向への開口端
エツジ部の曲率半径を、前端部側におけるよりも
後端部側で大きくなるように設定したことを特徴
とするものである。 ここでこの考案のプラグと組合されて使用され
るダイスは、所定の内径の中空なベアリング部
と、そのベアリング部に対して素管進入側に連続
しかつ内径が素管進入側に向けて次第に拡大され
るアプローチ部とを有するものである。またリー
ド角とは、JIS B0102「歯車用語」で規定される
「進み角」、あるいはJIS B0101「ねじ用語」で規
定される「リード角」と実質的に同じであり、螺
旋溝を形作る各側壁のそれぞれがなすツル巻線と
プラグ軸線に対し直角な平面とがなす角度と定義
することができる。さらに、上記の後方側の側壁
とは、引抜方向に対して後方側の側壁、したがつ
て形成すべき螺旋状リブにおける引抜方向後方側
の面(第6図の後面2B)を形成するための側壁
を意味する。 作 用 この考案のプラグでは、螺旋溝を形作るための
2側壁のうち、後方側の側壁のリード角を、後端
部側で大きくなるように設定しているため、螺旋
溝の幅が後端部側で広くなつている。そのため、
螺旋溝に対するリブ成形開始時(初期)における
材料の噛み込み幅が広く、その後次第に噛み込み
幅が狭められて行く。すなわち、初期は材料が広
い幅で溝内に取込まれ、その後に幅が狭くなるに
伴なつて、溝内の材料(肉)の幅が狭くなるとと
もにその肉の高さが盛り上がつて溝内に充満さ
れ、最終的に欠肉(ダレ)のないリブが形成され
る。 またこの考案で対象としているようなダイスを
用いてライフルチユーブ引抜加工を行なうにあた
つては、プラグの回転速度はダイスのベアリング
部に対応する部分の溝(螺旋溝の前端部側の部
分)で決定されて全体的にある一定の回転速度と
なる。これに対し材料の流れ速度はプラグの前端
部側の部分よりも後端部側の部分(ダイスのアプ
ローチ部に対応する部分)で遅くなる。そのため
材料の溝内での噛み込み開始初期には材料とプラ
グの溝の側壁との間で周方向のスリツプが生じる
ことになる。このスリツプは、プラグの螺旋溝の
後方側の側壁が材料を押す(削ぐ)ような態様で
発生する。そのため従来はリブの後面において材
料が削がれてささくれ状のひれが発生したり、ま
たスリツプにより焼付が発生していた。これに対
してこの考案のプラグでは、螺旋溝の後方側の側
壁における開口端エツジ部18の曲率半径を、後
端部側で(すなわち噛み込み初期に相当する部分
で)大きくなるように設定しているため、材料に
対する溝内への噛み込み初期における面圧(荷
重)の集中が回避され、円滑なすべりが得られ、
その結果ささくれ状のひれや焼付の発生が防止さ
れる。 実施例 以下、この考案の実施例を図面を参照して説明
する。第1図はこの考案の一実施例である円柱型
のプラグ10を示す正面図であり、絞りおよびリ
ブ成形に直接関与する超硬部11の外周面に、リ
ブ成形用の複数条の螺旋溝12が形成されてお
り、その超硬部11の後端部には、マンドレルバ
ー13を接続するシヤンク部14が形成され、ま
た先端部に先端シヤンク部15が形成されてい
る。 そして前記螺旋溝12が、従来のプラグとは異
なり、以下に述べる特殊形状とされている。すな
わち第2図は螺旋溝12の1本を示す展開図であ
つて、先端部から所定寸法の範囲、より正確には
引抜加工時にダイス(図示せず)のベアリング部
に対応する部分(仮に平行部という)16におい
て、引抜方向(第2図に矢印で示す方向)におけ
る前方側壁12Aと後方側壁12Bとが共に同一
のリード角φ1に設定され、溝幅が均一になつて
おり、それに続く部分(仮にテーパ部という)1
7においては、後方側壁12Bのリード角が前記
の角度φ1より大きい角度φ2に設定されている。
したがつて螺旋溝12はテーパ部17においてそ
の幅が次第に広くなつている。また前記後方側壁
12Bにおける開口端エツジ部18は断面円弧面
とされており、その曲率半径r1,r2,r3は、第3
図A〜Cに示すように前端部側よりも後端部側で
大きくなるように(r3<r2<r1)設定されている。
実際上は、前端部側では通常の螺旋溝成形加工で
生じる程度の曲率半径(0.2〜0.3mm程度)であれ
ば良く、これに対し後端部側では積極的に面取り
加工を行なつて、後端に向けて次第に曲率半径が
大きくなるようにする。具体的には、第2図のZ
−Z線で示した位置の曲率半径(第3図Cのr3)
は0.2〜0.3mm程度、第2図のY−Y線で示した位
置の曲率半径(第3図Bのr2)は例えば0.5mm程
度、第2図のX−X線で示した位置の曲率半径
(第3図Aのr1)は1.5mm程度とすれば良い。 上記のプラグ10の使用方法は従来と同様であ
つて、第5図に示すように、マンドレルバー13
の先端部に取付けてダイス19の内周側に同心状
に配置し、その状態でプラグ10とダイス19と
の間に素管20を通し、かつプラグ10を回転さ
せつつ素管20を引抜くことにより引抜加工を行
なう。その場合、素管20がダイス19によつて
縮径されるとともに、プラグ10によつて内径が
規制されるから、素管20の内周部で前記螺旋溝
12へのかみ込みが生じ、その結果、螺旋状リブ
21が形成される。このように螺旋溝12へのか
み込みが生じる場合、上述したプラグ10におい
ては、前記後方側壁12Bのリード角が後端部側
において大きく設定され、溝幅がかみ込みの生じ
始める後端部側で広くなつているため、螺旋溝1
2に対するかみ込み肉の充満度が高く、したがつ
て欠肉(ダレ)のない螺旋状リブ21を形成する
ことができる。ここで、第2図のX−X線の位
置、Y−Y線の位置、Z−Z線の位置における螺
旋溝内12での素管20の材料22の状態をそれ
ぞれ第4図A、第4図B、第4図Cに示す。噛み
込み開始初期は第4図Aに示すように螺旋溝12
の幅が広いため材料22が広い幅で螺旋溝12内
に取込まれ、その後第4図B→第4図Cに示すよ
うに溝幅が狭くなるに伴なつて溝内の肉(材料)
22の高さが盛り上がつて次第に溝内に充満され
るようになり、最終的に溝内に完全に充満され
て、欠肉(ダレ)のないリブが形成される。 また、前記後方側壁12Bの開口端エツジ部1
8は、その曲率半径が後端部側で大きくなるよう
に設定されているから、螺旋溝12に対する素管
20の材料の噛み込み開始時には既に述べたよう
に荷重(面圧)の集中が回避されて、材料と後方
側の側壁12Bとが円滑に滑り、そのためリブ2
1のエツジにおけるひれの発生や焼付きの発生が
防止される。 なおこの考案のプラグと組合わされるダイスと
しては、第6図に示される形状のものに限らず、
前述のように要は所定の内径の中空なベアリング
部と、そのベアリング部に対して素管進入側(引
抜方向に対して後方側)に連続しかつ内径が素管
進入側に向かつて拡大するアプローチ部とを有す
るものであれば良いのであつて、アプローチ部や
ベアリング部が断面曲線状をなすような形状のダ
イスであつても良い。 第1表はこの考案のプラグの効果を確認するた
めに行なつた実験結果を示すものである。比較の
ために挙げてある従来例は、リブ成形用螺旋溝
の幅およびリード角が一定のプラグについての結
果であり、また従来例は、螺旋溝を形作る側壁
のうち軸線方向で前方側の側壁のリード角を、後
端部側で大きく設定したプラグについての結果で
ある。なお、引抜加工は、規格ASME SA21
0・GR−Cにより外径72.0mm、肉厚11.4mmの素
管を、外径63.5mm、肉厚7.10mm、リブ条数8条、
リブ高さ1.15±0.30mmのライフルチユーブに加工
することにより行なつた。
【表】
考案の効果
以上の説明から明らかなようにこの考案のプラ
グによれば、欠肉やささくれ状ひれなどの欠陥の
ない螺旋状リブを形成することができ、しかも焼
付や螺旋溝側壁での欠損などが生じないために、
ラツピングの必要回数が少なくなり、生産性の向
上を図ることができ、さらにはプラグの寿命が延
びるため、ランニングコストを低廉化できるなど
の実用上優れた効果を得ることができる。
グによれば、欠肉やささくれ状ひれなどの欠陥の
ない螺旋状リブを形成することができ、しかも焼
付や螺旋溝側壁での欠損などが生じないために、
ラツピングの必要回数が少なくなり、生産性の向
上を図ることができ、さらにはプラグの寿命が延
びるため、ランニングコストを低廉化できるなど
の実用上優れた効果を得ることができる。
第1図はこの考案の一実施例を示す正面図、第
2図はその螺旋溝の展開図、第3図A,B,Cは
それぞれ第2図のX−X線、Y−Y線、Z−Z線
の各位置における拡大断面図、第4図A,B,C
はそれぞれ第2図のX−X線、Y−Y線、Z−Z
線の各位置における螺旋溝内の材料の状況を示す
拡大断面図、第5図は使用状態の略解図、第6図
は従来のプラグで形成したリブの断面形状を示す
図である。 10……プラグ、12……螺旋溝、12A……
前方側壁、12B……後方側壁、18……開口端
エツジ部、20……素管、21……螺旋状リブ、
1,2……リード角、r1,r2……曲率半径。
2図はその螺旋溝の展開図、第3図A,B,Cは
それぞれ第2図のX−X線、Y−Y線、Z−Z線
の各位置における拡大断面図、第4図A,B,C
はそれぞれ第2図のX−X線、Y−Y線、Z−Z
線の各位置における螺旋溝内の材料の状況を示す
拡大断面図、第5図は使用状態の略解図、第6図
は従来のプラグで形成したリブの断面形状を示す
図である。 10……プラグ、12……螺旋溝、12A……
前方側壁、12B……後方側壁、18……開口端
エツジ部、20……素管、21……螺旋状リブ、
1,2……リード角、r1,r2……曲率半径。
Claims (1)
- 所定の内径の中空なベアリング部と、そのベア
リング部に対して素管進入側に連続しかつ内径が
素管進入側に向かつて拡大するアプローチ部とを
有してなるダイスと組合されて使用されるプラグ
であつて、しかもダイスによつて絞られつつ引抜
加工される素管の内周部に、そのダイスおよび素
管に対し同心状に挿入され、かつ外周面にリブ成
形用の複数条の螺旋溝が形成されたプラグにおい
て、前記螺旋溝を形作る2側壁のうち軸線方向に
おける後方側の側壁のリード角が、前端部側にお
けるよりも後端部側で大きく設定され、かつその
後方側の側壁における外周方向への開口端エツジ
部の曲率半径が、前端部側よりも後端部側で大き
くなるように設定されたことを特徴とするライフ
ルチユーブ引抜加工用プラグ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15731684U JPH0231205Y2 (ja) | 1984-10-18 | 1984-10-18 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15731684U JPH0231205Y2 (ja) | 1984-10-18 | 1984-10-18 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6172310U JPS6172310U (ja) | 1986-05-16 |
JPH0231205Y2 true JPH0231205Y2 (ja) | 1990-08-23 |
Family
ID=30715311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15731684U Expired JPH0231205Y2 (ja) | 1984-10-18 | 1984-10-18 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0231205Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009081655A1 (ja) * | 2007-12-26 | 2009-07-02 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | 内面リブ付鋼管の製造方法およびそれに用いられる引抜用プラグ |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4577611B2 (ja) * | 2005-03-29 | 2010-11-10 | 住友金属工業株式会社 | ライフルチューブ引抜加工用工具及びこれを用いたライフルチューブの製造方法 |
MX2017006955A (es) * | 2014-11-25 | 2017-08-10 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | Metodo para producir un tubo estriado. |
-
1984
- 1984-10-18 JP JP15731684U patent/JPH0231205Y2/ja not_active Expired
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009081655A1 (ja) * | 2007-12-26 | 2009-07-02 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | 内面リブ付鋼管の製造方法およびそれに用いられる引抜用プラグ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6172310U (ja) | 1986-05-16 |
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