JPH0231158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は電気集塵機用接地装置に係り、特に高
圧饋電部に設置されて高圧回路を開閉する機能を
備えた電気集塵機用接地装置に関する。

〔考案の背景〕

第３図ａ，ｂは接地装置を備えた電気集塵装置
の一例を示す回路図である。第３図ａは直流高圧
発生装置が１台に対し集塵室が１室の例であり、
第３図ｂは多数の集塵室を並列接続した例であ
る。

第３図ａにおいて、集塵機１は含塵ガス通路中
に放電極３と集塵極５を所定の間隔をもつて対向
配設して構成され、電気的には集塵極５が接地さ
れ、放電極３には直流高圧発生器７より負の直流
高電圧が印加される。

集塵機１は、放電極３と集塵極５の間に直流高
電圧が印加されることによつて、コロナ放電し、
極板間を通過するダストを帯電させ、この帯電ダ
ストを静電引力によつて集塵極３へ付着させるこ
とにより集塵が行われる。

ところで、集塵機１は、直流高圧発生器７に対
しては容量性負荷となるため、放電極３に対する
電圧印加が停止されても、集塵機１内には残留電
荷が生じており、保守、点検の際には感電事故を
招き、極めて危険となる。このため、従来の電気
集塵機にあつては、第３図ａに示すように接地装
置９が設けられ、放電極３を接地できるようにし
ている。尚、集塵機１を多数並列接続した第３図
ｂの構成にあつては、個々の放電極を単独に接地
できるようにするため、切換開閉器を用いた接地
装置１１₁〜１１_oが集塵機１₁〜１_oの各々に直列
接続されている。

第４図は接地装置１１の従来構成を示す平面図
である。

集塵機１の上部にはＴ字形の開閉器架台２０が
設置され、該架台２０の根元部には可動碍子２２
を介して端子（刃押え）２４が設けられている。
架台２０の両側端には固定碍子２６を介して取付
けられた端子（刃受）２８、及び支柱３０を介し
て取付けられた端子（刃受）３２が設けられてい
る。更に、端子２４にはブレード（刃）３４の一
端が回転自在に軸支される。ブレード３４の他端
は端子２８及び３２に到達する長さを有し、端子
２８または３２に嵌入される。端子２４は放電極
３に接続され、端子２８は直流高圧発生器７に接
続され、更に、端子３２は接地されている。

以上の構成において、集塵機１を稼動させる場
合には、ブレード３４の他端を端子２８に嵌入す
る。これによつて端子２４と２８が電気的に接続
され、直流高圧発生器７の出力が放電極３に印加
される。また、点検、保守等の際には、直流高圧
発生器７の出力をオフにしたのち、ブレード３４
を端子３２に嵌入する。この結果、端子２４と３
０がブレード３４によつて接続され、放電極３が
接地される。さらに、集塵機１の絶縁抵抗を測定
する際には、ブレード３４を端子３２に接触させ
たのち、端子３２と２８の中間にブレード３４を
位置させる。この操作により、放電極３には何ら
の回路も接続されない状態となり、絶縁抵抗の測
定が可能となる。

しかし、従来の電気集塵機用接地装置にあつて
は、絶縁抵抗の測定に際し、高圧発生器を放電極
より分離できない構成にあつては、両者を分離す
る何らかの手段が必要となる。また、第４図の如
き構成にあつては、ブレードを荷電側電極と接地
側電極の中間に位置させる必要があるが、かかる
接地装置は通常、操作しにくい位置に設けられて
いるため、操作に際し多大な時間を要する欠点が
ある。

〔考案の目的〕

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
り、電気集塵機の絶縁抵抗測定を容易に行えらる
ようにした電気集塵機用接地装置の提供を目的と
するものである。

〔考案の概要〕

本考案は上記目的を達成すべく、接地用端子に
隣接して絶縁抵抗測定用の端子を配設し、一旦接
地されたブレードが測定用端子に接続されるよう
にしたものである。

〔考案の実施例〕 以下、本考案による電気集塵機用接地装置を図
面に基づいて説明する。

第１図は本考案の一実施例を示し、第４図と同
一の部分は同一の引用数字で示したので重複する
説明は省略するが、端子３２に隣接（端子２８よ
り遠ざかる側）して、支柱３６によつて支持され
る絶縁抵抗測定用端子３８を設けたものである。
該端子３８にはリード線４０が結線され、絶縁抵
抗測定用端子箱４２に接続される。

第２図は第１図の構成による接地装置の電気回
路を示し、ブレード３４が可動電極として機能
し、端子２８，３２，３８が固定接点として機能
し、結局、１回路３接点の開閉器と同一の機能を
有することになる。この場合、ブレード３４は、
端子２８←→３２←→３８の順序で選択されることに
なる。

以上の構成において、集塵機１の稼動時及び点
検、保守時のブレード３４と端子２８，３２の関
係は前述の通りであるので省略する。絶縁抵抗測
定時には、ブレード３４を端子２８から３２へ移
動させて放電極３の充電々荷を放電させ、ついで
端子３８へブレード３４を移動させる。この操作
によつて端子２４と３８が接続、即ち、放電極３
と絶縁抵抗測定用端子箱４２とが導通し、且つ直
流高圧発生器７及び接地側と放電極が分離され
る。よつて、絶縁抵抗の測定が可能となる。

〔考案の効果〕

以上より明らかなように本考案によれば、ブレ
ードの回転操作のみによつて絶縁抵抗の測定準備
が整うため、容易に測定を実施することができ
る。更に、開閉器箱内に作業員が立入らずに済む
ため、保安上の安全性も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２
図は第１図の構成の電気回路図、第３図ａ，ｂは
従来の接地装置を備えた電気集塵機の２例を示す
回路図、第４図は従来の接地装置を示す平面図で
ある。 １……集塵機、３……放電極、４……集塵極、
７……直流高圧発生器、２０……開閉器架台、２
２……稼働碍子、２４，２８，３２……端子、２
６……固定碍子、３０，３６……支柱、３４……
ブレード、３８……絶縁抵抗測定用端子、４０…
…リード線、４２……絶縁抵抗測定用端子箱。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 集塵機に饋電するための端子、及び前記集塵機
   への通電停止後に機内の電極間に残留している電
   荷を急速放電させる際に前記端子に代えて選択さ
   れる接地用端子を備えた電気集塵機用接地装置に
   おいて、絶縁抵抗測定時に前記集塵機の接地後の
   荷電側電極と接続される絶縁抵抗測定用端子を前
   記接地用電極の近傍に設けたことを特徴とする電
   気集塵機用接地装置。