JPH0231088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、中瓶を内装した魔法瓶などの液体
容器の瓶口部の保持装置に関する。

〔従来の技術〕

従来より、この種の液体容器の瓶口部の保持装
置としては、次の如きものが知られている。

(イ) 第４図に示すように、中瓶Ａの口部Ｂ外側に
対応する肩部材Ｃの下面に環状リブＤを垂下
し、該環状リブＤで水平部E₁と垂直部E₂を有
するパツキンＥを介して中瓶Ａの口部Ｂ外側を
保持するようにしたもの。

(ロ) 実開昭59−174129号公報に示されているよう
に、水平部と垂直部を有する前記パツキンＥと
同様のパツキンを、中瓶の口部の上端面から外
側にかけて設け、肩部材の補強板と前記パツキ
ンとの間にリングを介装し、このリングの環状
リブ（前記Ｄと同様のもの）で上記パツキンを
介して中瓶の口部の外側を保持するようにした
もの。

(ハ) 実開昭56−58925号公報に示されているよう
に、肩部材の栓体挿入口側の内方を板状とし、
その板状部に突条を形成して、この突条を中瓶
の口部上端面に当接するとともに、前記板状部
より外方には断面Ｕ字状の外側部を連続的に形
成し、該外側部の内側垂下壁で中瓶の口部外側
を保持するようにしたもの。

(ニ) 実開昭58−169831号公報に示されているよう
に、肩部材の栓体挿入口の内側下面と中瓶の口
部上端面との間に平パツキンを嵌装する一方、
肩部材と中瓶の口部外側との間に直接又は支持
体を介して蛇腹等の弾機を設けて、中瓶の口部
外側を保持するようにしたもの。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかるに、上記従来例(イ)のものによれば、 (a) 肩部材Ｃの環状リブＤまたは中瓶口部Ｂの寸
法誤差などに起因して、中瓶Ａがガタつくこと
があつた。

(b) 中瓶Ａの口部Ｂ内側は何らガードするものが
ないことから、栓体の着脱時や器体を不用意に
落したときなどに、該中瓶Ａが破損する虞れが
あつた。

(c) 肩部材Ｃの栓体挿入口側の内側下面と中瓶Ａ
の口部Ｂとの間に介装したパツキンＥ近傍には
間隙が生じることから、この間隙から内容液の
熱が放出したり、あるいは液洩れの原因となつ
ていた。

(d) 肩部材Ｅの下方から中瓶Ａを締め上げて、肩
部材Ｅと中瓶Ａを結合するときに、その締め上
げ力により合成樹脂製からなる肩部材Ｅが変形
してしまうこともあつた。

(e) 上記ｄの如く中瓶Ａの締め上げ時に、パツキ
ンＥが板状の環状平パツキンの場合には、その
締め上げ力により、該環状平パツキンが中瓶Ａ
の口部Ｂ内方へずれてしまい組付作業が面倒で
あつた。このずれを回避するため、この従来例
(イ)のパツキンＥには平パツキンより高価な水平
部と垂直部を有する構造のものを採用している
のである。

従来例(ロ)のものは、上記(a)，(b)，(c)，(e)の欠点
をことごとく有する。(d)については、肩部材の下
面に補強板を形成しているから、このような欠点
は生じないとも思われる。

従来例(ハ)のものは、上記(a)，(b)，(c)の欠点をこ
とごとく有する。(d)については、肩部材の断面Ｕ
字状外側部の働きにより、このような欠点はない
かも知れないが、外側部を断面Ｕ字状に形成する
ために材料費が高くなる。

従来例(ニ)のものは、上記(b)，(c)，(e)の欠点をこ
とごとく有する。(a)については、蛇腹等の弾機の
弾発力により、このような欠点はないと思われる
が、肩部材のほかに新たに弾機を必要とするため
部品点数が増えるばかりか、構成が複雑となる。

この考案は上記諸欠点をことごとく解消したも
のを提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するため、この考案は、肩部材
の栓体挿入口側の内側下面と中瓶の口部上端面と
の間に環状平パツキンを嵌装してなる液体容器の
瓶口部保持装置において、前記肩部材の栓体挿入
口側には中瓶の口部内に一定長さ臨ませた内環状
リブを垂下するとともに、肩部材の下面には中瓶
１０の口部外側壁対応位置から肩部材の外側壁内
側にわたり複数の放射状リブを配設し、内環状リ
ブと放射状リブの内側壁との間には前記環状平パ
ツキンを介して中瓶の口部を嵌入させてなるもの
である。

〔第１実施例〕 この考案の第１実施例を第１図と第２図に基づ
いて以下に説明する。

１は魔法瓶や保温水筒などの液体容器の外装ケ
ースであつて、該外装ケース１の上端部には肩部
材２が固定してある。この肩部材２の中央部に形
成した栓体挿入口３から嘴部４にかけて液通路５
が形成され、液通路５の先端に注出口６が形成さ
れている。また、肩部材２の栓体挿入口３側の内
側下面１４と中瓶１０の口部上端面１２との間に
は、ドーナツ状の環状平パツキン９が嵌装してあ
る。

前記肩部材２の栓体挿入口３側には中瓶１０の
口部１１内に一定長さ臨ませた内環状リブ７を垂
下するとともに、肩部材２の下面には中瓶１０の
口部外側壁１３対応位置から肩部材２の外側壁２
ａ内側にわたり複数の放射状リブ８…８を配設
し、内環状リブ７と放射状リブ８の内側壁８ａと
の間には前記環状平パツキン９を介して中瓶１０
の口部１１を嵌入させてあり、この中瓶１０の嵌
入状態では内環状リブ７は前記環状平パツキン９
を被覆して中瓶１０の口部１１に当接している。

前記放射状リブ８は、第２図では等配位置に６
個形成しているが、６個以上または以下でもよ
く、その形状や構造は適宜設計変更できる。

２０は中瓶１０の口部１１（栓体挿入口３）を
閉塞する栓体である。この栓体２０は、肩部材２
に螺合する栓本体２１と、栓本体２１中央部にバ
ネ２２により常時上方に付勢した中子２３と、中
子２３を押し下げる押圧板２４とを主要な構成部
材としており、押圧板２４を押し下げ器体を傾け
ると、中子２３と栓本体２１との間で形成された
流通口２５が開放され、内容液は栓本体２１の通
路２６、肩部材２に形成された液通路５を経て注
出口６より注出できる。

前記栓体２０は図示のものに限定されるもので
はなく任意であり、その形状や構造は問わない。

２７は栓本体２１に嵌装したパツキン、２８は
把手で実施例では肩部材２と一体形成している
が、これに限らず適宜設計変更できる。

〔第２実施例〕 第３図は第２実施例を示す。このものは、第１
実施例で示した肩部材２の構造のものに、中瓶１
０の口部外側壁１３に対応する肩部材２の下面に
外環状リブ３０を垂設し、内外両環状リブ７，３
０と放射状リブ８とを形成してなる点に特徴をも
つものである。

なお、この考案は、実施例で示したハンデイ式
液体容器に限らず、空気圧送式の液体容器などに
も適用されるものである。

〔考案の効果〕

この考案によれば、 (1) 肩部材の栓体挿入口側には中瓶の口部内に一
定長さ臨ませて垂下した内環状リブを設けてい
るから、該内環状リブと栓体の中子との間隙が
狭くなると共に、中瓶の口部上面の間隙が被覆
されるため、中瓶内の空気の放出が少なくな
り、保温（保冷）効力が向上される。

(2) また、内環状リブが中瓶の口部を当接状態で
被覆しているため、中瓶の口部のパツキン部分
まで内容液が行きにくく、そのため内容液の液
洩れ防止効果を奏する。

(3) しかも、この内環状リブにより中瓶口部が保
護されるため、栓体が中瓶に当たつて中瓶が割
れる虞れも少なくなるばかりか、栓体の中瓶口
部への着脱、給湯等の操作が安心して行える。

(4) 肩部材の下面には中瓶の口部外側壁対応位置
から肩部材の外側壁内側にわたり複数の放射状
リブを配設しているから、肩部材の下方から中
瓶を締め上げて肩部材と中瓶を結合するとき
に、この放射状リブがあることにより肩部材が
締め上げ力によつて変形してしまうことがな
い。

(5) 内環状リブと放射状リブの内側壁との間には
前記環状平パツキンを介して中瓶の口部を嵌入
させてなるから、中瓶を肩部材の下方へ締め上
げて両者を結合するときに、内環状リブが環状
平パツキンの中瓶口部内方へずれるのを防止す
るとともに、放射状リブが同環状平パツキンを
中瓶外方へずれるのを防止する。

しかも、内環状リブと放射状リブとにより、
中瓶の口部の保持が確実となつて、そのガタつ
きが防止され中瓶が破損される虞れのない衝撃
に強い製品が提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし３図はこの考案の実施例を示す。
第１図は第１実施例の縦断面図、第２図は第１図
の肩部材を嘴部を省略して下から見た図、第３図
は第２実施例の要部断面図。第４図は従来例の要
部断面図である。 ２……肩部材、７……内環状リブ、８……放射
状リブ、９……環状平パツキン、１０……中瓶、
１１……口部、１２……口部上端面、１３……口
部外側壁、１４……内側下面、２０……栓体、３
０……外環状リブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 肩部材２の栓体挿入口３側の内側下面１４と中
   瓶１０の口部上端面１２との間に環状平パツキン
   ９を嵌装してなる液体容器の瓶口部保持装置にお
   いて、 前記肩部材２の栓体挿入口３側には中瓶１０の
   口部１１内に一定長さ臨ませた内環状リブ７を垂
   下するとともに、 肩部材２の下面には中瓶１０の口部外側壁１３
   対応位置から肩部材２の外側壁２ａ内側にわたり
   複数の放射状リブ８…８を配設し、 内環状リブ７と放射状リブ８の内側壁８ａとの
   間には前記環状平パツキン９を介して中瓶１０の
   口部１１を嵌入させてなることを特徴とする液体
   容器の瓶口部保持装置。