JPH0231017Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 考案の分野 本考案はシヨーケースにおける吊下げ方式の扉
装置に関する。

(ロ) 考案の背景 一般に高さの有るシヨーケースでは扉の上方を
持つて開閉されることが多いため、扉構造を吊下
げ方式した方が開閉がスムーズとなる。しかしな
がら従来の吊下げ方式による扉装置はシヨーケー
ス内を外気より遮閉することを目的として扉の底
部に複雑な凹凸を設けており、ゴミが留り易くま
た掃除の手間もかかる欠点があつた。しかも吊下
げ方式は上レールを移動するローラの軸に扉を吊
下げるために、上レールの直下に扉を配すること
が不可能で上レールと扉とは平面的にずれがあ
る。

したがつて引き違いによる扉装置を構成した場
合扉どうしの間隔が空き効果的に遮閉されなくな
るばかりか、扉の下部では凹凸が二重に形成され
るために一層掃除が面到となつていた。

(ハ) 考案の目的 上記点より本考案は遮閉効果に優れて且つ掃除
が容易なシヨーケースの扉装置を提供するもので
ある。

(ニ) 考案の実施例 第１図は本考案を適用した低温シヨーケースの
側断面図を示し、基台１７上に透明な前壁１８と
一対の側壁１９，１９と天壁２０とが配置され、
後背部の開口部１には引き違いの扉体８，９が形
成されて、庫内には側壁１９，１９に装架される
陳列棚２１が配置されている。そして基台１７内
部の基板２２上には冷却器２３が配置されて、前
壁１８と庫内底板２４との間に形成される吸込口
２５と冷却器２３の間には冷却用フアン２６が設
けられ、また庫内底板２４と扉体８，９の間には
吐出口２７を設けて矢印で示す冷気の循環路を形
成している。

第２図は扉体８，９付近を示す拡大図で、開口
部１の上端部には第１ローラ４が転動する内側レ
ール２を長手方向に亘つて装架しており、第１ロ
ーラ４の軸６は庫外側へ突出して扉体８を装着し
ている。また天壁２０の庫外側端面２８と同一平
面上で内側レール２より低い位置には該レール２
と対向して外側レール３を長手方向に装架してお
り、外側レール３を転動する第２ローラ５の軸７
は庫内側へ突出して扉体９を装着している。扉体
８，９は枠体２９に複層ガラス３０を嵌合させて
成り、支持具３１によつて軸６，７に夫々吊下げ
られている。また開口部１下縁壁１０には庫外側
へ水平に延出する一組の第１及び第２平板１１，
１２（以下平板１１，１２という）及び底板３２
を夫々間隔をおいて設け、平板１１，１２の前部
には夫々下方へ略直角に垂下する第１及び第２前
板１３，１４（以下前板１３，１４という）を設
けている。尚、特に平板１１と平板１２間隔は内
側レール２と外側レール３の間隔に等しく設定す
ることで扉８，９は同一のものを使用することが
できる。そして平板１１，１２及び底板３２の庫
外側への延出寸法は下方に配置するものほど長く
形成することで第３図に示す如く階段状に構成さ
れている。また平板１１と平板１２との間及び平
板１２と底板３２との間には、下縁壁１０より
夫々間隔をおいて支持壁３３，３４を配置してお
り、後述する第１及び第２空間４２，４３の内方
に第１及び第２空間部３５，３６を形成し、この
第１及び第２空間部３５，３６によつて下縁壁１
０まわりの強度向上及び断熱性が保たれる。一方
底板３２は基板２２の庫外側凸部３７に支持され
ている。そして側壁１９，１９に装架される。第
１ガイド部材１５はその垂直面３８を第１平板１
１と第１前板１３により形成される第１空間４２
に配置して第４図に示す如く水平面３９で扉体８
の底部を支持しており、同じく側壁１９，１９に
装架される。第２ガイド部材１６はその垂直面４
０を第２平板１２と第２前板１４により形成され
る第２空間４３に配置して水平面４１で扉体９の
底部を支持している。また、前記第１及び第２平
板１１，１２、第１及び第２前板１３，１４、第
１及び第２空間４２，４３と、第１及び第２空間
部３５，３６を一体の合成樹脂材で構成してい
る。ガイド部材１５，１６は摩擦の少ない合成樹
脂にて形成されており、扉体８，９は水平面３
９，４１上を円滑に摺動できる。

以上の構成によれば、吐出口２７より吹き出さ
れる冷気は、第１及び第２前板１３，１４と第１
及び第２ガイド部材１５，１６の垂直面３８，４
０との重なり部分にて庫外への吹き抜けが阻止さ
れるとともに、第１及び第２空間４２，４３の内
方に形成した第１及び第２空間部３５，３６が断
熱空間として作用するため、これら第１及び第２
空間部３５，３６によつて内側及び外側扉体８，
９の下部への熱伝達が阻止される。さらに、前記
第１及び第２平板１１，１２、第１及び第２前板
１３，１４、第１及び第２空間４２，４３と、第
１及び第２空間部３５，３６を一体の合成樹脂材
で構成したため、特別なシール構造が不要とな
り、扉体８，９の下部からの外気侵入及び庫内の
温度上昇を抑制することができる。そして扉体
８，９の底部は水平面３９，４１を摺動するため
にゴミ留りがなく、しかも平板１１，１２及びガ
イド部材１５，１６は庫外側より階段状に配置さ
れているために掃除が容易となる。

(ホ) 効果 本考案に依ると、扉体の底部をガイド部材の水
平面で支持するためにゴミが留りにくい。しかも
ガイド部材の垂直面を平板と前板とで形成される
空間部に配置するために庫外との遮閉効果に優
れ、且つ引き違いの扉に対応する各ガイド部材と
平板と前板とを階段上に形成したために掃除が容
易となる。更に内側扉体のレールは庫内側、外側
扉体のレールは庫外側に配置したために、扉体が
近接しており遮閉効果が良い。また第１及び第２
空間の内方に形成した第１及び第２空間部が断熱
空間として作用し、この両空間部により、内側及
び外側扉体の下部の庫内側及び庫外側からの熱伝
達が阻止される。さらに第１及び第２平板、第１
及び第２前板、第１及び第２空間と、第１及び第
２空間部を一体の合成樹脂材で構成したため、特
別なシール構造が不要となり、内側及び外側両扉
体の下部からの外気侵入及び庫内の温度上昇を抑
制することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はシヨーケースの側断面図、第２図は扉
体付近の拡大図、第３図は平板・前板・底板の構
成図、第４図はガイド部材と扉体の組立図であ
る。 １……開口部、２……内側レール、３……外側
レール、４……第１ローラ、５……第２ローラ、
６，７……軸、８……内側扉体、９……外側扉
体、１０……下縁壁、１１……第１平板、１２…
…第２平板、１３……第１前板、１４……第２前
板、１５……第１ガイド部材、１６……第２ガイ
ド部材、３５……第１空間、３６……第２空間、
４２……第１空間部、４３……第２空間部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 陳列物品を出し入れする開口部と、該開口部の
   上縁部に設けた内側レールと、該内側レールを転
   動する第１ローラと、庫外側へ突出した前記第１
   ローラの軸に吊下げられる内側扉体と、前記内側
   レールに相対向して配置される外側レールと、該
   外側レールを転動する第２ローラと、庫内側へ突
   出した前記第２ローラの軸に吊下げられる外側扉
   体と、前記開口部の下縁壁より庫外側へ水平に延
   出する第１平板と、前記第１平板の下方にあつて
   前記下縁壁から庫外側へ該第１平板より前方へ延
   出した第２平板と、前記第１平板及び第２平板の
   夫々の前部より下方垂下した第１前板及び第２前
   板と、該第１前板と前記第１平板とで形成される
   第１空間に垂直面を配置すると共に該垂直面の下
   部より庫外側へ延出する水平面で前記内側扉体の
   底部を支持する第１ガイド部材と、前記第２前板
   と前記第２平板とで形成される第２空間に垂直面
   を配置すると共に該垂直面の下部より庫外側へ延
   出する水平面で前記外側扉体の底部を支持する第
   ２ガイド部材と、前記第１平板の下方で前記第１
   空間より内側に区画形成される第１空間部と、前
   記第２平板の下方で前記第２空間より内側に区画
   形成される第２空間部とを有し、前記第１及び第
   ２平板、第１及び第２前板、第１及び第２空間並
   びに第１及び第２空間部を一体の合成樹脂で構成
   してなるシヨーケースの扉装置。