JPH02310103A - 重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は重荷重用ラジアルタイヤに関し、詳しくはカー
カスプライに適用する金属コードとコーティングゴムと
を改良し、耐久性を大幅に向上させた重荷重用ラジアル
タイヤに関するものである。

（従来の技術） 近年、社会的ニーズの増大に伴いラジアルタイヤの軽量
化、ロングライフ化および偏平化の要請が重荷重用ラジ
アルタイヤにも生じてきている。

例えば、軽量化のニーズに伴って、最近スチールコード
の高強力化の動きが活発となっているのをはじめ、偏平
化、ロングライフ化のニーズに沿うべく、ビード耐久性
等の各種耐久性の大幅向上が望まれてきている。

かかる要請に沿うタイヤを開発していく場合、カーカス
プライ材としては金属コードの高強力化に伴う耐腐食疲
労性低下の問題、ゴムとしては熱老化や亀裂成長の問題
など様々な問題の解決を図ることが肝要となる。また当
然カーカスプライとコーティングゴムとの十分なる接着
性能がタイヤ耐久性能の大前提に立っているのは言うま
でもない。従来、タイヤコードとゴムとを接着する方法
としてはタイヤコードに銅と亜鉛の合金であるプラスめ
っきを施し、ゴム中の硫黄と反応させる直接接着法が一
般的である。

また、特開昭６０−２４８３４２号公報には、無電解め
っき法、すなわち水性コバルト塩溶液からの無電解めっ
きによりブライトスヂール」−にコバルトの被覆層を生
せしめる方法により金属とゴムとの接合を図る方法が開
示されている。

更に、特開昭５３−１４４４３３号、同５４−８９９３
９号、同５４−８９９４０号および同５７−５６１．１
０号等の各公報には、被覆金属としてコバルト合金を用
いるスチールコ一ドとゴムとの接合方法が開示されてい
る。

更にまた、スチールコードで補強さだゴム製品のゴー、
の耐久性および接着耐久性の向上のため、コバルト塩未
含有系ゴム、特には低硫黄含量系ゴムと、該ゴムと接着
可能なコバルトめっきスチールコードとの複合材料が検
討されている（特開昭６２−１８９１１７号公報等）。

一方、コーティングゴム中にナフテン酸コバルトなどの
有機コバルト塩を入れて接着向上を図る技術も知られて
いる。例えば、特開昭６０−４２４４０号公報では硫黄
量を特定し、それに対し有機酸コバルト塩量を特定量配
合することにより初期接着、熱老化接着、湿熱老化接着
の改善が図られることを開示している。具体的にはゴム
成分１００重量部に対して、ステアリン酸２重量部、ナ
フテン酸コバルト１〜５重量部（コバルトとして００９
〜４．６重量部）含有させた組成物を例示している。

（発明が解決しようとする課題） 本発明者らは、かかる従来技術の状況に鑑み、更に大幅
に耐久寿命の向上し得る重荷重用ラジアルタイヤを開発
するためにタイヤにおける補強材およびゴムのあり方に
ついて鋭意検討を試みたところ、従来のプラスめっきコ
ードと有機酸コバルト塩入りコーティングゴムとの組み
合わせでは耐腐食疲労性が十分とは言えず、またゴムの
亀裂進展性が速く、このためかかるコードとゴムとをト
ラック・ハス用ラジアルタイヤ（ＴＢＲ）　、ライト・
トランク用ラジアルタイヤ（１，ｓＲ）等のカーカスプ
ライコードとそのコーティングゴムに適用すると、厳し
い人力の為に耐腐食疲労性が低下するという問題やカー
カスコードの折り返し端から発生ずる亀裂が進展しやす
い為にカーカスプライ端部の耐破壊性く耐プライエンド
セパレーション性）が低下しやすいという問題があるこ
とが分かった。さらにプライコードとしてフィラメント
抗張力３２０ｋｇ／ｍｍ２以−Ｌの高強力コードを使用
した場合、上記耐腐食疲労性は大幅に低下してしまうと
いう問題が生じた。

従って本発明の目的は、タイヤ重量の大幅軽減を図りな
がら、前記問題点である耐腐食疲労性をブー 改善し、さらにラジアルタイヤの耐プライエンドセパレ
ーション性の性能を大幅に向上し得る重荷重用ラジアル
タイヤの改良技術を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本発明の重荷重用ラジアル
タイヤにおいては、最外層表面にコバルトまたはコバル
ト合金のめっき層を有する撚り合わせ構造の金属コード
を少なくとも一層以上のカーカスプライへ適用し、前記
金属コードを埋設するコーティングゴム層に、ゴム成分
１００皿部部に対し有機コバルト塩をコバルト金属とし
て０．１重量部未満、硫黄を０５〜４重量部配合し、前
記金属コードの炭素含量を０．７５〜０．９０重量％で
かつそのフィラメント抗張力を３２０ｋｇ／ｍｍ２以上
としたものである。

なお、コバルトの被覆方法については電解めっき、無電
解めっきおよび各種ドライブレーティングのいずれでも
よ（、かかる被覆工程は撚り工程前後いずれに行っても
差し支えない。また、フィー、−６− ラメントの撚り合わせ方は、単撚り、層撚り、複撚りの
いずれでもよく、フィラメント径としては、０、１５〜
０．２５ｍｍφが好ましい。

（作　　用） 本発明においては、スチールコード最外層表面にコバル
トまたはコバルト合金のめっきを被覆したことにより、
従来のプラスめっき被覆コードの如く接着力向上のため
にコーティングゴム中に含有させていた有機コバルト塩
を取り除くかあるいは極く少量にすることができ、それ
故有機コバルト塩の添加に基づく接着力の経時的低下、
破断強度、伸度等の熱的低下を抑制できるゴム配合が可
能となった。また、安定した耐熱接着性を保持するため
に、従来比較的多く　（４〜８重量部）含有させていた
硫黄成分の量を４重量部より少なくできる様になったた
め、硫黄の過剰使用によるゴムの熱老化を防ぎ、耐亀裂
進展性が大幅に向上し、更には隣接する腐食成分低減に
よるスチールコードの耐腐食疲労性向上も可能となった
。更には、スチールコード最外層表面における亜鉛の酸
化及び水酸化化合物生成も全くないため、湿熱劣化接着
性が大幅に向上する。

従って、本発明によるタイヤにおいては、高強力コード
使用時に問題となっていた耐腐食疲労性が大幅に向上す
るばかりでなく、耐プライエンドセパレーション性も大
幅に向上し得る。

尚、コバルト合金によるめっきの場合には、その組成と
してコバルトが５０重量％以上でかつ残りの金属が銅ま
たは亜鉛の他、遷移金属中コバルトと同じ第４周期に属
する金属かあるいはｒＶＡ〜■Ａ族に属する金属から少
なくとも１種選択するのが好ましい。

本発明において、コーティングゴム中に有機コバルト塩
をコバルト金属して０．１重量部未満としたのは、０．
１重量部以上含有させると接着性を改善するどころか却
って接着性を低下させる作用が働き、またゴムの熱老化
を促進して、ゴムの耐久性を低下させてしまうためであ
る。好ましくは、０．０５重量部未満である。

また、コーティングゴム中の硫黄量を０５〜４重量部と
規定したのは、０．５重量部よりも少ないと十分なる架
橋反応及び接着反応をせず、また４重量部を超えると耐
腐食疲労性並びに耐プライエンドセパレーション性に対
する本発明の効果が薄れるからである。

更に、スチールフィラメントとして抗張力を３２０ｋｇ
／ｍｍ２以上としたのは、タイヤ重量の大幅低減を考え
た場合、抗張力が３２０ｋｇ／ｍｍ２以上であるもので
ないと実用上の効果は得られないからである。

尚、上限としては生産加工面から４５０ｋｇ／ｍｍ２程
度が限界となる。本発明におけるかかる高抗張力の金属
フィラメントは、例えば減面率を９７．５％とし、かつ
伸線性の良好な潤滑剤を使用して、通常の伸線よりも３
〜４回引抜き回数を増した多段階伸線を行うことにより
作ることができる。

更にまた、フィラメントの炭素含有量、すなわち０％含
量を０．７５〜０．９０重量％の範囲内としたのは、１
７５重量％より少ないとフィラメント抗張力３２０ｋｇ
／ｍｍ２以上のものが得られにくく、また０、９０重指
％を超えると初析セメンタイトが生成するためフィラメ
ントが脆化してしまい、タイヤコードとして用いること
が不適当となるからである。

（実施例） 以下に実施例によって本発明を具体的に説明する。

評価用タイヤとして、第１図に示す如きＴＢＲＩ■／７
０Ｒ２２，５のトラック・バス用ラジアルタイヤ１を使
用し、カーカスプライ構造は、 ３　＋９　ｘＱ、２０ｍｍ＋　１のコンパクトコード（
同一方向撚り、同一ピッチ）およびＩ　Ｘ　５　Ｘｏ、
　２５ｍｍの２種のスチールコードをタイヤ周方向に対
して９０゜の角度で、比較例１，４のコントロールタイ
ヤのケース強度に適合するように夫々決定した折込み数
にて配列させた。第１図中、２はビード部、３はサイド
ウオール部、４はショルダ一部、５はトレッド部、６は
ビードワイヤ、７はカーカス層、８はベルト部である。

また、前記タイヤを構成するカーカスプライ用コーティ
ングゴム組成物およびプライコード端の隣接ゴム部材の
組成物としては第１表および第２表に示すゴム組成物を
用いた。

−１０＝ 第１表 コｌ、組成物処方 天然ゴム　　　　　　　　　　８０（重量部）ポリイソ
プレンゴム　　　　　２０ カーボンブランク　　　　　　５０ 亜　　　鉛　　　華　　　　　　　　　　　８硫黄　　
　　　　　変量 有機コバルト　　　　　　　　　　　変量なお被覆方法
としては電解めっき法とドライめっき法（スパッタリン
グ）の２通りの方法を用い、Ｃ０合金めっきコードはド
ライめっき（マグネトロンスパッタリング）にて作成し
た（実施例８〜１０）。

その際、スパッタリングのターゲットとして種々のＣｏ
合金ターゲントを使用して合金めっきコードを作成した
。かかる試作タイヤにつき、以下に示す各性能評価を行
った。

耐ＣＢＵ性 リム組み時に試作タイヤのインナライナーとヂ、−ブと
の間の内部に３００ｃｃ程の水を封入し、各供試タイヤ
のドラムデストにおけるコード切れ（ＣＢＩＩ）故障に
至る迄の寿命（走行距離）により指数にて評価した。指
数は次式、 により求めた。値が大きい程結果は良好である。

カーカスプライ端部耐破壊性 試作タイヤのトレドゴムをパフして、ベルト層の発熱に
よりベルト層の故障のない状態でカーカスプライ端部耐
破壊性を評価した。具体的には各試作タイヤを荷重ＪＩ
８２００％、速度５９ｋｍ／ｈｒ　、内圧８．２５ｋｇ
／ｃｍ２の条件下でドラム」−で回し、カーカスプライ
コード先端にセパレーションが発生し、振動が大きくな
った時のドラム走行距離を夫々の走行距離として比較例
１のコントロールタイヤのものと対比し指数にて表示し
た。値が大きい程カーカスプライ端部耐破壊性が良好な
ことを示す。

重量軽減効果 試作タイヤに用いたスチールコードをカーカスコーティ
ングコムて埋め合わせてブライドリート複合体とし、複
合体として比較例１のコントロールタイヤのプライトリ
ートと同一強度が得られるよう、各試作トリートの打ち
込み本数を変えた時の打ち込み数ダウンによる重量の低
減効果を、タイヤ１本当たりに使用するスチールコード
使用重量にて比較例１のコントロールタイヤ対比指数で
表示した。値が小さい程重量軽減効果が良好であること
を示す。

以上述べた試作タイヤの性能評価結果を下記の第２表に
示す。

（発明の効果） 上記第２表に示すタイヤ性能評価結果より明らかな如く
、本発明の試作タイヤでは、大幅なタイヤ重量の低減を
図りながら、耐腐食疲労性並びにカーカスプライ端部耐
破壊性の性能が大幅に改善されており、この結果、本発
明は、トラック・バス用ラジアルタイヤ、ライト・トラ
ック用ラジアルタイヤ等の重荷重用ラジアルタイヤの耐
久寿命を大幅に向上させることができる。

さらにかかる発明により、コーティング層中の硫黄分を
低減し得たため、タイヤにおけるカーカスプライ補強用
スチールコードの隣接ゴム部材中における硫黄分の低減
ならびに隣接部材そのものの除去を可能ならしめ、従来
にない新しい軽量タイヤを作り出すこともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例で試作した重荷重用ラジアルタイヤの断
面図である。 １・・・トラック・バス用ラジアルタイヤ２・・・ビー
ド部　　　　　３・・・サイドウオール部４・・・ショ
ルタ一部５・・・トレッド部６・・・ビードワイヤ　　
　７・・・カーカス層８・・・ベルト部

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、最外層表面にコバルトまたはコバルト合金のめっき
   層を有する撚り合わせ構造の金属コードを少なくとも一
   層以上のカーカスプライへ適用した重荷重用ラジアルタ
   イヤにおいて、前記金属コードを埋設するコーティング
   ゴム層に、ゴム成分１００重量部に対し有機コバルト塩
   がコバルト金属として０．１重量部未満、硫黄が０．５
   〜４重量部配合されており、 前記金属コードの炭素含量が０．７５〜０．９０重量％
   でかつそのフィラメント抗張力が３２０ｋｇ／ｍｍ＾２
   以上であることを特徴とする重荷重用ラジアルタイヤ。 ２、前記コバルト合金めっきにおいて、その組成として
   コバルトが５０重量％以上で且つ残りの金属が銅または
   亜鉛の他、遷移金属中コバルトと同じ第４周期に属する
   金属かあるいはIVＡ〜VIＡ族に属する金属から少なくと
   も１種選択された金属である請求項１記載の重荷重用ラ
   ジアルタイヤ。 ３、前記金属コードが複数本の各構成フィラメント表面
   にコバルトまたはコバルト合金のめっき層が施された後
   に撚り合わされてなる請求項１記載の重荷重用ラジアル
   タイヤ。