JPH0230984Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はベツドのヘツド側またはフツト側に組
込まれるテーブルに関するものである。

（従来技術） 従来、テーブル（ナイトテーブル、ドレツシン
グテーブル等の各種テーブル、それに机を含む、
以下同じ）とベツドとは全く別の家具として切離
して設置され、それぞれ別個独立してスペースを
占有しているため、スペースの利用効率が悪く、
とくにスペースに余裕のない部屋において不利と
なつていた。また、折畳み式テーブルの場合、折
畳んだ状態で収納場所まで運搬し、倒れたりしな
いように配慮して収納する等、折畳み後の処理が
煩雑で、かつ収納場所にも困るといつた不都合が
あつた。

（考案の目的） そこで本考案は、ベツドのヘツド側またはフツ
ト側の小さな空きスペースをテーブル収納空間と
して有効利用でき、また出し入れ（使用時の取出
しおよび展開、不使用時の折畳みおよび収納）に
も便利なベツドに組込まれるテーブルを提供する
ものである。

（考案の構成） 本考案は、左右両側板と背板とを備えた本体枠
が、ベツドのヘツド側またはフツト側のボードの
外面に沿う格納位置と、同ボードの側方に突出す
る引出し位置との間で移動可能に設けられ、この
本体枠とボードとの間に、本体枠を一定軌道上で
上記格納位置と引出し位置との間で移動させるレ
ール装置が取付けられるとともに、本体枠に、脚
体と、この脚体によつて水平に支持される天板と
が、折畳み、展開可能で、かつ、折畳み状態で本
体枠内に収納される状態で取付けられ、同本体枠
または脚体の下端部にキヤスターが設けられてな
るものである。

（実施例） １，１は左右両側板、２は背板で、これらによ
つて脚体および天板取付用の本体枠Ａを構成して
いる。この本体枠Ａには、上部において両側板
１，１間に棚下板３１および棚上板３２を平行に
取付けて棚３を構成している。この棚３は、書
棚、飾り棚等、使用者の好みに応じて種々用途に
使用することができる。なお、この用途等に応じ
て棚３の構成を種々選択することができる。たと
えば、開き戸または引戸を前面開口部に設けても
よいし、抽斗や小物収納部を組込んでもよい。

４，４は左右一対の脚体で、脚柱４１の上端に
天板受け部４２、下端に接地部４３をそれぞれ水
平に連設したコ字形枠状に形成し、かつ接地部４
３の下面二個所にテーブル移動用のキヤスター４
４，４４を取付けている。この両脚体４，４は、
それぞれ脚柱４１の上下二個所を本体枠Ａの背板
２内面に蝶番４５を介して縦軸まわりに回動可能
に枢着することにより、第２図および第５図に示
すように背板２の内面に沿つて本体枠Ａ内に収容
された折畳み位置と、第３，４図および第６図に
示すように背板２に対し直角となつて本体枠前方
に突出する展開位置との間で回動可能に構成して
いる。なお、展開位置で両脚体４，４は枢着点側
部分が側板１，１の内面に当接してそれ以上の外
側への回動を阻止される。

５は天板で、一端を、本体枠Ａにおける棚下板
３１の下面に突設された天板取付座３１ａ（第５，
６図に示す）に複数個の蝶番５１を介して左右方
向水平軸まわりに回動可能に枢着している。この
天板５は、不使用時には第２図および第５図に示
すように上記枢着端を上にした垂下状態で脚体
４，４に沿つて折畳まれ、使用時に第３，４図お
よび第６図に示すように水平姿勢で本体枠前方に
突出する位置に展開される。天板５はこの展開位
置で左右両端部が両側脚体４，４の天板受け部４
２，４２に支持される。

本体枠Ａには、上下両側にレール装置６，６を
水平に取付け、このレール装置６，６の片側をベ
ツド７のヘツドボード７１の外面に取付けること
により、このテーブル全体を、ベツド７のヘツド
側において、不使用時には第１，２図および第５
図に示すように脚体４，４および天板５を折畳ん
だ状態（以下、この状態をテーブル全体としての
折畳み状態という）でヘツドボード７１の外面に
沿つて格納し、使用時にはこの格納位置からヘツ
ドボード７１の側方に引出して、脚体４，４およ
び天板５５を展開（以下、この状態をテーブル全
体としての展開状態という）させうるように構成
している。

レール装置６，６は、第７，８図にも示すよう
に四角パイプ状でかつ断面サイズの異なる三本の
レール、すなわち最も断面サイズの大きい基本レ
ール（可動レール）６１と、中間レール（可動レ
ール）６２と、最も断面サイズの小さい先端レー
ル（固定レール）６３とを順次スライド自在に嵌
合させてテレスコープ状に伸縮自在に構成し、基
本レール６１を本体枠Ａの上下両側において両側
板１，１間に跨つて固着している。また、先端レ
ール６３には、長さ方向複数個所に取付金具６４
…を突設し、この取付金具６４…をベツド７のヘ
ツドボード７１外面にビス止めするようにしてい
る。

なお、基本レール６１および中間レール６２の
下面に、レール装置伸縮時における取付金具６４
…に対する逃げのための開口部６１ａ，６２ａを
全長に亘つて設けている。また、第７，８図にお
いて、６５，６６は中間、先端両レール６２，６
３の基端部に設けた抜止め用のストツパ兼パツ
ド、６７，６８はこのストツパ６５，６６に対応
して基本レール６１および中間レール６２の中間
部内面に設けたストツパ受け兼パツド、また６９
…は基本、中間両レール６１．６２の先端部内面
に設けたパツドである。一方、第１図に示すよう
に、テーブル格納状態でテーブルとヘツドボード
７１の隙間に小物が落ち込まないように、本体枠
Ａの上部、すなわち棚３の前端部を側板１，１よ
り前方へ少し突出させ、この突出部分がヘツドボ
ード７１の上面に被さるようにしている。

このテーブルは、前記したように格納時にベツ
ド７のヘツド側方に引出し、かつ脚体４，４およ
び天板５を展開させて種々用途のテーブルとして
使用することができる。そして不使用時には脚体
４，４および天板５を本体枠Ａ内に折畳み収容し
た状態で、そのままヘツド側に移動させてヘツド
ボード７１の外側に格納することができる。すな
わち、ベツド７のヘツド側小空間をテーブル格納
空間として有効に利用することができる。とく
に、多くの場合、ベツドのヘツド側には元々デツ
ドスペースとなる一定の空間が残されること、お
よびテーブルを折畳んだ厚み最小の状態で格納す
るため、このテーブル格納のためのスペースが小
さくてすむことにより、スペースの利用効率が高
いものとなる。また、テーブルの出し入れをレー
ル装置６，６とキヤスター４４…とによつて軽快
かつ迅速に行なうことができる。また、このレー
ル装置６，６は次のような効果を奏する。

(イ) レール装置６，６によつてテーブルを起立状
態に保持できるため、展開、折畳み操作が簡単
となるとともに、テーブルが格納状態で転倒す
るおそれがない。

(ロ) レール装置６，６によつてテーブルを一定軌
道上で出し入れ（引出し、格納）することがで
きるため、この出し入れ操作が簡単となるだけ
でなく、出し入れ時にテーブルがヘツドボード
７１や室壁に衝突してこれらを傷つけるおそれ
がない。

(ハ) レール装置６，６によつてテーブルがヘツド
ボード７１に連結されているため、テーブルが
使用時にずれ動いてしまうおそれがなく、テー
ブル作業を安定して行なうことができる。

一方、この実施例では、脚体４，４および天板
５が本体枠Ａ内に折畳まれ、かつ、テーブル格納
状態で本体枠Ａの前面側がヘツドボード７１で覆
われるため、脚体４，４および天板５が外部から
隠蔽された状態となる。このため、これらが外部
に露呈する場合と比較して、ベツド７との違和感
がなく、ベツド７の付属設備のような一体感が得
られ、美観に富むものとなる。また、脚体４，４
および天板５を保護できるとともに、逆に使用者
が脚体等に接触して怪我をする等のおそれがなく
なる。

また、本体枠Ａの上部に棚３を設けているた
め、この棚３を、テーブルの付属設備としての書
棚等として使用できるほか、テーブル格納状態で
ベツドに付属のサイドボード等としても便利に使
用できる。なお、本体枠上部だけでなく、下部に
も、脚体４，４および天板５の折畳み、展開の邪
魔にならない位置において棚板（下棚）を設けて
もよい。

他の実施例 (イ) 上記実施例では、テーブルをベツド７のヘツ
ド側に組込むようにしたが、フツト側に空きス
ペースが形成される場合にはこのフツト側に組
込むことも可能である。また、本考案テーブル
は、ヘツドボードまたはフツトボードが板状で
なく棚状に形成されるベツド、およびパイプベ
ツドにも組込み可能である。

(ロ) 上記実施例では、脚体４のみにキヤスター４
４を設けたが、このキヤスター４４を本体枠Ａ
の側板１，１または背板２にも設けてもよい。

(ハ) 棚３は、テーブル格納状態で脚体４，４およ
び天板５を上方から覆つて完全隠蔽する点等で
有効であるが、この隠蔽効果は本体枠Ａとベツ
ドのボードのみによつても十分得ることができ
るため、この棚３は必ずしも設けなくてもよ
い。

(ニ) 上下のレール装置６，６に関して、先端レー
ル６３，６３を一枚のパネルに一括して取付け
ておき、このパネルをベツド側に取付けるよう
にしてもよい。こうすればベツド７に対するレ
ール装置６，６の取付けが簡単となる。このプ
レートは、ベツドのヘツドボードまたはフツト
ボードに対しビス止めしてもよいし、パイプベ
ツドの場合にはパイプに適合するクランプ金具
をプレートに取付けておき、このクランプ金具
をパイプに止めつけるようにしてもよい。

(ホ) 上記実施例では、パイプ状レール６１，６
２，６３を相嵌合させて構成したレール装置６
を使用したが、断面大略Ｃ字形の二本以上のレ
ールを互いの間にボール等の転動体を介在させ
た状態でスライド自在に嵌合させて成るレール
装置を用いてもよい。

(ヘ) 上記実施例では、テーブル幅をベツド幅と同
一としたが、テーブル幅がベツド幅よりも小さ
くてよい場合（ナイトテーブル等のようにそれ
ほど広幅とする必要のないテーブルの場合）等
には、テーブル幅をベツド幅より小さくしても
よい。あるいはこの場合、美観を考慮して、テ
ーブルの外観上の幅、すなわち第９図に示すよ
うに前記実施例で採用した本体枠Ａの幅をベツ
ド幅と同一とし、脚体４，４および天板５はこ
の本体枠Ａに対し必要な幅部分のみに取付け、
使用時にこの部分のみを側方に引出すようにし
てもよい。またこのように天板幅が小さい場合
には、天板５を支持する脚体４は片側一本のみ
としてもよい。

（考案の効果） 上記のように本考案のテーブルは、脚体および
天板が折畳み、展開可能で、かつレール装置とキ
ヤスターとを有し、このレール装置およびキヤス
ターにより、使用時にはベツドのヘツド側または
フツト側の側方に引出して展開させ、不使用時に
は折畳み状態でベツドのヘツドボードまたはフツ
トボードの外面に沿つて格納しうるようにしたか
ら、ベツドのヘツド側またはフツト側の小さな空
きスペースをテーブル収納空間として有効利用で
き、とくにスペースに余裕のない部屋で便利に使
用することができる。また、本考案によるとき
は、レール装置によつてテーブル全体を起立状態
に保持することができるため、出し入れが簡単
で、かつ折畳み、展開操作も容易となるととも
に、格納状態で転倒するおそれがない。さらに、
レール装置によつてテーブルを一定軌道上で出し
入れ（引出し、格納）することができるため、こ
の出し入れ操作が簡単となるだけでなく、出し入
れ時にテーブルがヘツドボードや室壁に衝突して
これらを傷つけるおそれがない。加えて、レール
装置によつてテーブルがヘツドボードに連結され
ているため、テーブルが使用時にずれ動いてしま
うおそれがなく、テーブル作業を安定して行なう
ことができる。

一方、脚体および天板が本体枠内に折畳まれ、
かつ、テーブル格納状態で本体枠の前面側がベツ
ドのボードで覆われるため、脚体および天板が外
部から殆ど隠蔽された状態となる。このため、こ
れらが外部に露呈する場合と比較して、ベツドと
の違和感がなく、ベツドの付属設備のような一体
感が得られ、美観に富むものとなる。また、格納
状態で脚体および天板を保護できるとともに、逆
に使用者が脚体等に接触して怪我をする等のおそ
れがなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかるテーブルをベ
ツドのヘツド側に組込んだ状態を示す側面図、第
２図は同横断面図、第３図はテーブルを引出した
状態の第２図相当図、第４図は同正面図、第５図
は第２図−線拡大断面図、第６図は第３図
−線拡大断面図、第７図はレール装置の一部切
欠側面図、第８図は第７図−線拡大断面図、
第９図は本考案の他の実施例を示す第３図相当図
である。 Ａ……脚体および天板が取付けられる本体枠、
１，１……本体枠を構成する左右両側板、２……
同背板、４，４……脚体、４４……キヤスター、
４５……脚体取付用の蝶番、５……天板、５１…
…天板取付用の蝶番、６……レール装置、６１…
…レール装置を構成する基本（可動レール）、６
２……同中間（可動）レール、６３……同先端
（固定）レール、７……ベツド、７１……ヘツド
ボード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右両側板と背板とを備えた本体枠が、ベツド
   のヘツド側またはフツト側のボードの外面に沿う
   格納位置と、同ボードの側方に突出する引出し位
   置との間で移動可能に設けられ、この本体枠とボ
   ードとの間に、本体枠を一定軌道上で上記格納位
   置と引出し位置との間で移動させるレール装置が
   取付けられるとともに、本体枠に、脚体と、この
   脚体によつて水平に支持される天板とが、折畳
   み、展開可能で、かつ、折畳み状態で本体枠内に
   収容される状態で取付けられ、同本体枠または脚
   体の下端部にキヤスターが設けられてなることを
   特徴とするベツドに組込まれるテーブル。