JPH02308263A - 高抵抗フェライトキャリヤの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、高抵抗フェライトキャリヤの製造方法に関し
、より詳細には電子写真複写、電子写真印刷等の二成分
系磁性現像剤に有用な磁性キャリヤの製造方法に関する
。

（従来の技術） 電子写真複写等の分野では、静電潜像の現像に、フェラ
イト或いは鉄粉等の磁性キャリヤと、顕電性トナーとの
混合物から成る二成分系磁性現像剤が広く使用されてい
る。この二成分系磁性現像剤は、同成分が混合されて夫
々が帯電することによりクーロン力によって結合し、現
像スリーブ上に磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシが
静電潜像を有する感光層と摺擦することにより、トナー
粒子が静電潜像に引き付けられてトナー像を形成する。

現像されるトナー像の画質については、磁性キャリヤが
高抵抗で、トナーが低抵抗であるときに、画質が向上す
ると言われており、キャリヤの電気抵抗を高めることが
望まれている。

キャリヤの電気抵抗を高めるために、キャリヤの表面に
樹脂のコーティングを設けることが行われている。樹脂
コーティング以外の方法として、特開昭６１−２０１２
５８号公報には、鉄鉱石を還元−酸化処理することによ
り得られた多孔質状の鉄粉を回転ミル中で酸化処理する
ことによりその電気抵抗値を高めることが提案されてい
る。

（発明が解決しようとする問題点） 前者の樹脂コーティングによる方法では、樹脂を有機溶
剤に溶解して磁性キャリヤに施さねばならないことから
、有機溶剤による環境汚染や公害の問題、安全性に対す
る悪影響等がある。

また、後者の方法は、多孔質鉄粉キャリヤの表面に高抵
抗酸化膜を形成することによりその電気抵抗値を高める
ものであるが、このボールミル処理を球状フェライト焼
結粒子に適用しても、フェライト自体が高度の酸化物で
あることから、高抵抗化は困難であった。

従って、本発明の目的は、球状フェライト焼結粒子の電
気抵抗値を高めることが可能な新規方法を提供するにあ
る。

本発明の他の目的は、簡単な手段と操作とで高抵抗フェ
ライトキャリヤを製造し得る方法を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明によれば、球状フェライト焼結粒子を、高剪断力
下及び高圧縮力下に摩砕することを特徴とする高抵抗フ
ェライトキャリヤの製造方法が提供される。摩砕を空気
等の酸素含有雰囲気中で行うのがよい。

（作用） 本発明は、球状フェライト焼結粒子を、高剪断力下及び
高圧縮力下に摩砕すると、該フェライト粒子の電気抵抗
値がほぼ一桁以上のオーダーで高くなるという発見に基
づくものである。

尚、本明細書における電気抵抗値とは、キャリヤが実際
に磁気ブラシを形成する条件下での電気抵抗値（Ω）で
あり、詳細には下記の条件で測定されるものを言う。間
隔が２．０ｍｍの電極（電極面積１．２ｃｍ２）間にサ
ンプルとしてのキャリヤ２００ｍｇを挿入し、表面磁束
密度が１６００ＧＡ［ＩＳＳの磁界を作用させてキャリ
ヤを鎖状に連結させてｔｏｏｏｖの直流電圧を印加した
状態で測定。

添付図面第１図は、球状フェライト焼結粒子（粒径８０
μｍ）について、高剪断力下及び高圧縮力下での摩砕時
間を横軸にとり、フェライト粒子の電気抵抗値を縦軸に
とって両者の関係をプロットしたものである。このグラ
フから高剪断力下及び高圧縮力下での摩砕処理が進行す
るにつれて、フェライト粒子の電気抵抗が顕著に向上し
ているという事実が明らかとなる。

本発明において、球状フェライト焼結粒子の摩砕処理に
おいて、高剪断力と共に高圧縮力とが同時に作用してい
ることが重要であり、これら両方の力が作用している摩
砕条件下では、前記フェライト粒子の表面がメカノケミ
カル的に極めて活性の高い状態におかれ、高抵抗層の形
成が行われるものと思われる。

本発明において、摩砕処理の程度と電気抵抗の増大との
間に密接な因果関係があることは第１図に示した通りで
あり、高抵抗層の実体が何であるかは問題とされるべき
でない。しかしながら、本発明者の実験の観察結果によ
ると、黒褐色の原料フェライト粒子が摩砕処理後には赤
褐色の粒子に変化していることから、フェライト粒子表
面層がより高抵抗の酸化膜に酸化されるか或いは変態さ
れているものと思われる。

（発明の好適態様） 本発明においては、先ず、種々の磁性キャリヤの内でも
フェライトキャリヤを使用する。フェライトキャリヤは
、通常の鉄粉キャリヤに比して、比重が小さくしかも飽
和磁束密度も小さいため、形成される穂が柔かく、その
結果として現像に際して、現像用スリーブ乃至はスリー
ブ内磁石の回転に要するトルクが小さいという利点を有
することが知られている。

更に、フェライトキャリヤを用いると、現像剤磁気ブラ
シの電気特性が比較的安定しており、しかもスペント・
トナーの発生が少ないという利点がもたらされる。

フェライトキャリヤとしては、その形状が実質上球状で
あり、そのメジアン粒径が一般に３５乃至１５０μｍ、
特に４０乃至１２０μｍの範囲にあるものが好適である
。フェライトの組成は公知のものであり、一般にソフト
フェライトと呼ばれるもの、例えばこれに限定されるも
のでないが、Ｚｎ系フェライト、Ｎｉ系フェライト、Ｃ
ｕ系フェライト、Ｍｎ系フェライト、Ｍローｚｎ系フェ
ライト、Ｍｎ−Ｍｇ系フェライト、Ｃｕ　−Ｚｎ系フェ
ライト、Ｎ１−Ｚｎ系フェライト、ＭローＣｕ　−Ｚｎ
系フェライト等が挙げられる。好適なフェライトは、原
子重量％で、Ｆｅ３５乃至６５％、Ｃｕ５乃至１５％、
Ｚｎ５乃至１５％及びＭｎＯ乃至０．５％から成るＣｕ
−Ｚｎ系又はＣｕ−Ｚｎ−Ｍｎ系フェライトである。

これらのフェライトは、一般に０．５乃至７μｍの微細
な一次粒径を有しており、これを噴震造粒等の手段で、
はぼ球状粒子に造粒し、次いで焼成等の手段で焼結する
。

フェライトキャリヤの電気抵抗は、高抵抗のものでも、
低抵抗のものでもよく、一般に体積抵抗が６Ｘ１Ｇ’乃
至２　Ｘ　１０’Ω・ｃａｎ、特に２．５　ＸＩＯ’乃
至１．５　ＸＩＯ’Ω・ｃｍのものが使用される。尚本
発明において、体積抵抗値は後述するようなセルを用い
て測定した値である。

高剪断力下及び高圧縮力下の摩砕処理とは、摩砕する個
々のフェライト粒子に高剪断力と高圧縮力とが同時に作
用する摩砕方式を意味し、通常の高剪断摩砕とは、高圧
縮力も同時に作用している点で相違する。このような摩
砕装置としては、必らずしもこれに制限されないが、ホ
ソカワミクロン（株）製のオングミルを用いることがで
きる。

このオングミルにおいては、高速で回転される回転ケー
シングがあり、その内部にこれより遅れて回転するか或
いは停止しているインナーピースがある。ケーシング内
に投入された処理物は、遠心力によりその内壁に圧縮さ
れ、これがインナーピースとの間隔を通過することによ
り強く圧縮されると共に、強く剪断される。

遠心力の程度は８０乃至１２００Ｇ特に１００乃至４５
０Ｇの範囲が適当であり、−万作用する剪断力は、処理
物の仕込量やインナーピースと回転ケーシングとのクリ
ヤランスによっても相違し、−概に規定できないが、前
述した遠心力に対応する速度差からその遠心力の２分の
１程度に相当する速度差がインナーピースと回転ケーシ
ングとの間に与えられ且つ遠心力によってケーシングに
付着する混合物層がインナーピースとの最も狭い部分で
１／１０乃至９／ｌＯ程度に圧縮されるものであること
が望ましい。

剪断力や圧縮力が規定した範囲を越えると、フェライト
焼結粒子の割れ等が生じるので好ましくなく、一方上記
範囲を下廻ると焼結粒子表面の活性化が不十分となる傾
向がある。

処理時間は、処理物の仕込量や装置への人力によっても
相違するが、一般に２乃至３０分間程度の処理で十分で
ある。

本発明によるフェライトキャリヤは、それ自体公知の顕
電性トナーと混合して二成分系磁性現像剤として、静電
潜像の現像に使用される。

（発明の効果） 本発明によれば、球状フェライト焼結粒子を高剪断力下
及び高圧縮力下に摩砕するという簡単な操作で、その電
気抵抗値を高めることができ、これにより高画質のトナ
ー像を形成させることが可能となった。

（実施例） １皿上ヱユヱ皿土 ノンコートフェライトキャリヤ （ＤＦＧ−１５０：同和鉄粉社製） Ｃｕ−Ｚｎ系フェライト 黒褐色 中心粒径　８０μｍ 抵抗値　　２．７　ＸＩＯ’Ω 尚、抵抗値の測定は、間隔が２．０＋ｎｍの電極（電極
面積１．２ｃｍ２）間にキャリヤ２００ｍｇを挿入し、
表面磁束密度が１６０００ＡＵＳＳの磁界を作用させて
キャリヤを鎮状に連結させて１０００Ｖの直流電圧を印
加した状態で行ったものである。

餞 上記フェライトキャリヤ１００ｇをオングミル（ホソカ
ワミクロン社製）に投入し、遠心力５５Ｇで処理を行っ
た。

一定時間ごとにオングミルから取り出して抵抗値を測定
し、処理時間とキャリヤ抵抗変化の関係を調べた。

結果を第１図に示す。

第１図に示すように、処理が進むにつれて電気抵抗値の
上昇が見られた。また、キャリヤ粒子の色が黒褐色から
赤褐色に変化するのが観察された。

画像評価 以上の実験において得られたキャリヤを用いて以下の画
像評価を行った。

［トナーの作製］ スチレンアクリル樹脂　　　　１００重量部カーボンブ
ラック　　　　　　　１０重量部（ＭＡｌｏｏ　：三菱
化成社製） 電荷制御剤　　　　　　　　　　１．５重量部（ボント
ロン５−３２　：オリエント化学社製）低分子量ポリプ
ロピレン　　　　　３重量部（ビスコール５５０Ｐ　：
三菱化成社製）シリカ　　　　　　　　　　　　０．２
重量部（アエロジルＲ９７２：日本アエロジル社製）上
記処方よりなる混合物をヘンシェルミキサーで前混合し
た後、二軸押出機で溶融混練して放冷した。この混練品
をカッティングミルで粗粉砕したものを超音波式ジェッ
トミルで微粉砕してアルピネ分級機で粒径５μｍ以下を
カットし、５〜２０μｍの範囲で平均粒径１１．０μｍ
のトナーを得た。

上記トナー４重量部と、オングミルで１２００秒処理後
のキャリヤ（抵抗値６Ｘ１０８Ω）１００重量部を混合
することにより現像剤を得た。

この現像剤を市販の複写機（三田工業社製ＤＣニー１２
０５　）に内蔵して複写操作を行ったところ、画像濃度
が１．３５であって、カブリのない、解像度に優れた画
像が得られた。

【図面の簡単な説明】

第１図は球状フェライト焼結粒子について、高剪断力下
及び高圧縮力下での摩砕時間とフェライト粒子の電気抵
抗値との関係を示すグラフである。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）球状フェライト焼結粒子を、高剪断力下及び高圧
   縮力下に摩砕することを特徴とする高抵抗フェライトキ
   ャリヤの製造方法。
2. （２）摩砕を酸素含有雰囲気中で行う請求項１記載の方
   法。