JPH0230278B2 - 2pponbarioobaarotsukumishinnosorawanuikomisochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は２本針オーバーロツクミシンの空環縫
込み装置に関する。

〔従来の技術〕

一般に、オーバーロツクミシンで布地の縁端の
かがり縫いを行つた場合、縫製が完了すると布地
に連なつて空環が作り出される。

このため、通例オーバーロツクミシンでは、針
落ち部の手前側に空環保持兼切断器を設け、縫製
が完了した場合に、布地に連なつた空環をオペレ
ータが手前側に持つてきて前記空環保持兼切断器
に引掛けて保持させるとともに布地から切断する
ようにしている。

このようにすると、空環保持兼切断器に保持さ
れた空環は、次に縫製する布地の縫目中に自動的
に縫込まれ、縫始め部の縫目のほつれが防止され
る。

ところで、２本針オーバーロツクミシンの針板
には、２本の針で縫うときにワーク布が針溝中に
陥没したり目飛びしたりしないよう、また、縫目
をふくよかにして縫製品の風合いを保つため、第
１図に示すように中爪が設けられているのが普通
である。１は針板で、２は中爪、３は外爪、８は
送り歯みぞを示す。

ところが、縫製の完了後、布地に連なつた空環
を操作者が手前側に持つてきて空環保持器等に引
掛けて保持させる（いわゆるバツクタツク）際
に、空環が前記中爪に引掛かり、前記バツクタツ
ク作業が円滑になし得ないばかりでなく、形成さ
れた空環の次の布地への円滑な縫込みにも支障を
来たすことが多かつた。

そこで、上記問題点を解決するために中爪を外
爪と並列する位置から手前側へ後退可能とし、非
縫製時において前記中爪を後退位置に保持してお
くように構成された空環縫込み装置が提供されて
いる。

ところが、このような従来の空環縫込み装置に
あつては、前記中爪の適正な後退を可能とするた
めにロータリーソレノイド等により構成される駆
動機構、この駆動機構と中爪との間に介装される
スライドレバー、前記駆動機構の制御装置等を必
要とする。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従来の空環縫込み装置は上述の構成を必要とす
るため、部品点数の増加と構造の複雑化により、
動作不良の発生、保守サービスの困難性、原価コ
ストの増大等の問題が生じてくる。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は、空環の中爪への係合を規制する空
環案内手段を設け、この案内手段をミシン停止時
に外爪端部に当接させて、バツクタツク時に空環
が中爪に係合することを防止しようとするもので
ある。

〔実施例〕

第２図ないし第５図にもとづいてこの発明の一
実施例を説明する。

図において、１は針板、２は中爪、３はこれに
並列する外爪であり、先端部に空環係合用の凹部
３ａが設けられている。４は空環案内手段、５は
側端に空環案内手段４を軸着する突起部５ａを具
える可動体、６は可動体５を進退（第２図Ａ矢符
方向）させる移動手段としてのプランジヤ形電磁
石である。

空環案内手段４は、第４図に示すように可動体
５の側端に形成される突起部５ａに回転可能に軸
着されている。そして常時は図示しないバネ手段
により時計方向に付勢されていてストツパー５ｂ
に当接している。なお、バネ手段は、極く弱い押
圧力が矢符Ｂ方向に加えられても、空環案内手段
４は反時計方向に回転可能な程度のものが望まし
い。

又、可動体５は針板１に設けられ、電磁石６は
針板の布送り方向先方に設けられていて、このう
ち、可動体５は図示しないバネ手段により第２図
の矢符Ａで左方に付勢されていて、電磁石６が作
動していないときは、空環案内手段４の端部が外
爪３の端部に当接する位置まで、図示しない溝等
の案内路を通つて移動し、これも図示しないスト
ツパーによりその位置に係止されるようになつて
いる。電磁石６はロツド６ａを介して可動体５に
接続されている。

この移動手段としての電磁石６は、ミシンの駆
動、停止を信号源として作動し、ミシンの停止時
には電磁石が消磁され、ロツド６ａはフリー状態
となり、一方ミシン駆動時には励磁されて、ロツ
ド６ａは可動体５を電磁石６側に引き寄せる構成
になつている。

次に以上述べた構成の下に動作を説明する。

ミシンの駆動開始前には、第２図に示すように
電磁石６は消磁されていてロツド６ａはフリー状
態にあり、よつて可動体５はバネ付勢され空環案
内手段４の先端が外爪３の先端に当接する位置で
停止している。

次にミシンの駆動が開始すると、電磁石６が励
磁され、第３図に示すようにロツド６ａは可動体
５を右方に移動させ、その結果、空環案内手段４
は外爪３から十分離開し、縫製作業にはなんら支
障が生じることはない。

次いで、布地の縫製が終了してミシンが停止す
ると可動体５は自動的に第２図の状態に復帰し、
空環案内手段４の先端は外爪３の先端に当接し、
中爪２への開口部分は閉じられる。この状態でオ
ペレータが布地を進行方向（第２図で右方）にひ
つぱると、中爪２および外爪３にわたつて形成さ
れた空環も布地に連なつて同方向に引き伸ばさ
れ、この空環が空環案内手段４を押し開き、すな
わち第４図に示すように空環案内手段４は、いつ
たん矢符Ｂ方向に回動し、空環が通過すると再び
左方に回動復帰し、その先端部は外爪３の先端部
に当接する。

そして、この状態で布地をオペレータが手前に
持つてくると、第５図に示すように空環Ａは空環
案内手段４に沿つてスライドし、外爪３の先端の
凹部３ａへと案内されて、ここに係合し、空環Ａ
の布地側は空環切断兼保持器Ｂによりカツトされ
同時にクランプされる。以上の動作は順次繰り返
される。

なお、第６図は、この発明の他の実施例で、こ
の実施例では、空環案内手段の一端は可動体５に
軸着され、他端は針板１に軸着され、又ミシン停
止時に空環案内手段４の回動する端部は、外爪３
の先端に当接せず空環が通過しうる程度の間隙を
有して、互いに重なり合うようになつていて、こ
の間隙を通して、縫製終了時に空環を布地進行方
向に引き伸ばせるよう構成されている点を除き、
基本的構成、作用は前述の実施例と変るところは
ない。第７図は、この発明のさらに他の実施例を
示す図で、この実施例で空環案内手段４は中爪２
に当接するようになつている。その他の構成、作
用は第２図ないし第５図に示す実施例と同様であ
る。

〔発明の効果〕

この発明は、以上述べた構成により、作業者が
特に意図しなくても、必要時に自動的に中爪への
開路を閉じることによつて、円滑な空環の廻し持
ち作業が実現しうるとともに、その構成も簡単で
部品点数も少ないので、作動信頼性も大きく、原
価コストも大幅に低減しうるという効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術における針板の一例の説明
図、第２図はミシン停止時、第３図はミシン駆動
時における空環案内手段と外爪との関係を示す説
明図、第４図は空環案内手段の可動体への取付け
状態を示す一部切欠き拡大図、第５図は縫製終了
後空環の保持状態を示す説明図、第６図は他の実
施例の平面図である。第７図はさらに他の実施例
の平面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外爪、これと並列する中爪、移動手段により
   進退する可動体、この可動体に設けた空環案内手
   段とを有し、ミシンの駆動、停止に応じて作動す
   る移動手段により可動体を進退させて、前記空環
   案内手段をミシン駆動時には外爪先端から離開さ
   せ、ミシン停止時には外爪先端に当接させるよう
   にしたことを特徴とする２本針オーバーロツクミ
   シンの空環縫込み装置。