JPH0230250B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、電気生理学電圧又は電流の検査のた
めの電極装置に関する。

［従来の技術］ 電気生理学電圧又は電流の検査のための電極装
置として、銀粉末とシアン化銀、ヨウ化銀、臭化
銀、塩化銀等の銀塩との混合物からなり、導電性
緩衝溶液を介して生体に接触させて使用する電極
体と、この電極体に密着してこれを支持し、電極
体の外部接続を可能にする電極体ホルダとを備
え、表面が電気絶縁性である締結ネジにより電極
体と電極ホルダとが締結された装置が知られてい
る。

本願と発明者が同一である西ドイツ特許明細書
第2925909号より公知のこの種の電極装置では、
電極体に密着するホルダの部分が銀で構成され、
めねじを備えた電極体ホルダの止まり穴の内壁全
体が同じく銀からなる。電極体自身も締結ネジを
受入れる貫通孔を有する。この貫通孔の端部は円
錐形であつて、この中に締結ネジの皿状の頭部が
位置する。この結果、電極体は、ホルダの銀部分
に接触する以外は、電気的に完全な絶縁性を有す
る締結ネジの外面に接触するだけである。このた
め、電極体上の局部電池の形成原因となる接触電
位差（２接触物質の仕事関数の差で決定される。）
及び接触電流は、電極体ホルダにも締結ネジにも
形成されることがない。これに比べて電極体ホル
ダをしんちゆうで構成する場合には、この材料の
仕事関数が電極体構成材料と大幅に異なるので両
者間に大きな接触電位差が生じ、特に水分の存在
下で局部的な化学電池が形成されて両者間の結合
に時間の経過とともに損傷を生じることがあつた
のである。

［発明が解決しようとする課題］ さて、電極体構成材料の一つである銀塩は光の
照射を受けて分解する性質であるので、電極体は
交換の必要がある。ところが、前記の電極体とホ
ルダとは締結ネジにより容易に締結及び締結解除
を行なうことができる。この結果、光の影響によ
つて電極体が使用不能になつた場合の電極体交換
が容易である。以上のとおり、前記の電極装置は
非常に有用なものであるが、材料及び製造工程
上、銀が使用されることを考慮すると非常にコス
ト高となる問題があつた。前記西ドイツ特許明細
書第2925909号中に既に提案されているように、
電極体ホルダ全体を銀で構成するのではなくて、
少なくとも電極体との接触部分とネジ用止まり穴
の内壁とを純銀からなるハウジングで構成し、こ
のハウジング中に非鉄金属を充填する場合でも事
情は同じである。

本発明は、銀粉末とシアン化銀、ヨウ化銀、臭
化銀、塩化銀等の銀塩との混合物からなり、導電
性緩衝溶液を介して生体に接触させて使用する電
極体と、この電極体に密着してこれを支持し、電
極体の外部接続を可能にする電極体ホルダとを備
え、表面が電気絶縁性である締結ネジにより電極
体と電極ホルダとが締結された電気生理学電圧又
は電流の検査のための電極装置において、局部電
池の形成をもたらす接触電位差及び接触電流が発
生しないという長所が依然として得られるように
銀化外の材料で電極体ホルダを構成して、前記電
極装置の製造コストを低減することを基本的課題
とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明によれば、上記課題は電極体ホルダを黒
鉛で構成することによつて解決される。

吸入鐘と、この吸入鐘中に配設されて吸入ポン
プとして働くジエツトポンプとを備え、このポン
プの金属製噴流パイプが電極体ホルダを保持して
このホルダに導電結合された西ドイツ特許明細書
第1939523号より公知の負圧を生じる吸引形電極
装置に関係付けて言えば、この公知の電極装置で
はハンダ付けで処理されていたのに対し、本発明
では電極体ホルダが噴流パイプと共軸の貫通孔を
有し、この貫通孔中に嵌入される噴流パイプが、
半径方向において貫通孔に開口する電極体ホルダ
のネジ孔中に案内された固定ネジによつて締付け
られていることを特徴とする。特に、噴流パイプ
の少なくとも貫通孔内の部分と固定ネジとは、銀
メツキが施される。

［作用］ 塊状の黒鉛からなる本発明の電極体ホルダは、
純銀を用いて構成される公知の電極装置の電極体
ホルダよりもコスト的に有利である。また、黒鉛
は仕事関数が純銀に近いから、純銀を用いた電極
装置と同様に全ての妨害的接触電位差及び接触電
流の発生を阻止する。また、この電極体ホルダ
は、締結ネジを締付けるだけで電極体に対して、
固定ネジを締付けるだけで貫通孔中の噴流パイプ
に対して、それぞれ十分かつ安定的な電気接触が
得られる。電極体ホルダ中の噴流パイプを前記の
ように締付け固定するから噴流パイプと電極体ホ
ルダとのハンダ付け工程が全く不要になり、電極
装置の組立てが特に容易になる。

［実施例］ 以下、本発明に係る図示の実施例につき詳細に
説明する。

図は、電気医学機器用の負圧を生じる吸引電極
装置を示す。この装置は、例えば診断に利用さ
れ、これによれば人間又は動物の体が発する比較
的わずかな大きさの生体接触電位を検知できる。
そのためにゴム又はプラスチツク等の変形可能な
材料で構成された柔軟な吸入鐘１を有し、その密
閉盤２が人間又は動物の体の形状に適合する。し
たがつて、吸入鐘１の内部３中に負圧が生じる
と、この吸入鐘１が体に付着する。この際、吸入
鐘１中にある電極５が導電性緩衝溶液を介して人
間又は動物の体と電気的に接触する。電極５は、
リード線１２を介して不図示の電気医学機器の適
当な測定入力端子に電気的に接続される。吸入鐘
１中に負圧を形成するために、この吸入鐘の内部
３は噴流体としての電気絶縁性圧縮ガスで作動す
るジエツトポンプとして構成された吸入ポンプに
接続されている。このジエツトポンプは、電極装
置と一体に構成されており、吸入鐘１自体の中に
直接に配設されている。つまり、電極５は吸入鐘
１の側壁を直径方向に貫通する金属製の噴流パイ
プ６に固定されている。ジエツトポンプの負圧空
間９は、吸入孔１６を介して吸入鐘１の内部３に
連通している。更に、ジエツトポンプは、開放さ
れた流出口８を有し、吸入鐘１から吸い出されて
場合によつては噴流体により一緒に導かれる緩衝
溶液が、流出口８を通して自由に噴出可能であ
る。噴流パイプ６の圧縮ガス導入口にホースニツ
プル１１をネジ止めすることができ、。このホー
スニツプル１１は、圧縮ガスの供給ホース１４を
有するとともに前記のリード線１２が接続され
る。この際、ガス供給ホース１４のためのニツプ
ル１１が金属製であるので、リード線１２は金属
製噴流パイプ６を介して電極５に電気的に接続さ
れる。

電極５は、金属製噴流パイプ６に電気接触する
電極体ホルダ１７と、この電極体ホルダ１７に対
して電気接触状態に保たれる電極体１８とからな
る。噴流パイプ６と電極体ホルダ１７との電気接
続のために、電極体ホルダ１７が噴流パイプ６と
共軸の貫通孔１９を有し、この貫通孔中に嵌入さ
れる噴流パイプ６が、半径方向において貫通孔１
９に開口する電極体ホルダ１７のネジ孔２１中に
案内された固定ネジ２０によつて締付けられてい
る。貫通孔１９の領域内の噴流パイプ６と固定ネ
ジ２０とは、銀メツキが施されている。電極体ホ
ルダ１７自身は、前記固定ネジ２０用のネジ孔２
１が形成された塊状の黒鉛からなる。例えば輪郭
が円形であつて実質的に薄板状の電極体１８は、
銀粉末と銀塩持に塩化銀との混合物からプレス及
び場合によつては焼結によつて形成される。電極
体ホルダ１７は電極体１８との接触面に開口する
止まり穴を有し、少なくとも表面が電気絶縁性で
ある締結ネジ２２が止まり穴中に嵌入され、この
締結ネジ２２によて電極体１８がホルダ１７に対
して締付けられる。電極体１８は、締結ネジ２２
を受入れる貫通孔を有する。この貫通孔の端部は
円錐形であつて、この中に締結ネジ２２の皿状の
頭部が位置する結果、皿状のネジ頭部が電極体１
８の外面とほぼ面一になつている。締結ネジ２２
はプラスチツク製でも例えばチタン製でも良く、
チタン製の場合には締結ネジが表面全体にわたつ
て電気的に高い絶縁性の酸化被膜で覆われる。

［発明の効果］ 前記のように黒鉛からなる本発明の電極体ホル
ダは、純銀を用いて構成される公知の電極装置の
電極体ホルダよりもコスト的に有利である。ま
た、純銀を用いた電極装置と同様に全ての妨害的
接触電位差及び接触電流の発生を阻止する。しか
も、電極体とそのホルダとは、締結ネジを締付け
るだけで十分かつ安定的な電気接触が得られる。

更に、吸入鐘と、この吸入鐘中に配設されて吸
入ポンプとして働くジエツトポンプとを備え、こ
のポンプの金属製噴流パイプが電極体ホルダを保
持してこのホルダに導電結合された負圧を応用す
る吸引形の電極装置の場合には、電極体ホルダに
噴流パイプと共軸の貫通孔を設け、半径方向にお
いて貫通孔に開口する電極体ホルダのネジ孔中に
案内された固定ネジによつて、この貫通孔中に嵌
入される噴流パイプを締付ける構成を採用すれ
ば、電極体ホルダは、固定ネジを締付けるだけで
貫通孔中の噴流パイプに対して十分かつ安定的な
電気接触が得られる。したがつて、噴流パイプと
電極体ホルダとのハンダ付け工程が全く不要にな
り、電極装置の組立てが特に容易になる。

更に貫通孔の領域内の噴流パイプと固定ネジと
に銀メツキを施せば、噴流パイプと電極体ホルダ
との間及び固定ネジと電極体ホルダとの間の接触
電位差及び接触電流の発生をも阻止することがで
きる。

［要約］ 電気生理学電圧又は電流の検査のための本電極
装置は、銀粉末と銀塩（例えば、シアン化銀、ヨ
ウ化銀、臭化銀、特に塩化銀）との混合物からな
る電極体１８を有する。この電極体１８は、黒鉛
からなる電極体ホルダ１７上にあり、この電極体
ホルダ１７が電極体１８のための支持部を形成す
る。電極体ホルダ１７は、両者１７，１８の接触
面に開口するめねじを刻んだ止まり穴を有してお
り、少なくとも表面が導電性の締結ネジ２２がこ
の止まり穴に嵌入して電極体１８を電極体ホルダ
１７に対して締付け、これを固定する。

【図面の簡単な説明】

図は、本発明の実施例に係る電極装置の縦断面
図である。 符号の説明、１……吸入鐘、６……噴流パイ
プ、１７……電極体ホルダ、１８……電極体、１
９……貫通孔、２０……固定ネジ、２１……ネジ
孔、２２……締結ネジ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 銀粉末とシアン化銀、ヨウ化銀、臭化銀、塩
   化銀等の銀塩との混合物からなり、導電性緩衝溶
   液を介して生体に接触させて使用する電極体１８
   と、この電極体１８に密着してこれを支持し、こ
   の電極体の外部接続を可能にする黒鉛製の電極体
   ホルダ１７とを備え、表面が電気絶縁性である締
   結ネジ２２により電極体１８と電極体ホルダ１７
   とが締結された電気生理学電圧又は電流の検査の
   ための電極装置。 ２ 吸入鐘１と、この吸入鐘１中に配設されて吸
   入ポンプとして働くジエツトポンプとを備え、こ
   のポンプの金属製噴流パイプ６が電極体ホルダ１
   ７を保持してこのホルダに導電結合された、負圧
   を生じる吸引電極装置の形の特許請求の範囲第１
   項記載の電極装置であつて、電極体ホルダ１７が
   噴流パイプ６と共軸の貫通孔１９を有し、この貫
   通孔中に嵌入される噴流パイプ６が、半径方向に
   おいて貫通孔１９に開口する電極体ホルダ１７の
   ネジ孔２１中に案内された固定ネジ２０によつて
   締付けられた電極装置。 ３ 貫通孔１９の領域内の噴流パイプ６と固定ネ
   ジ２０とが銀メツキされている特許請求の範囲第
   ２項記載の電極装置。