JPH0230062Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案はふるい網の取付け構造を改良した振動
ふるい装置に関する。

（従来の技術） 振動ふるい装置は、粉体材料の分級、選別、ろ
過などを行うものであり、工業上の粉体処理に広
く使用されている。

第３図は従来の振動ふるい装置の構造を示して
いる。図中１は円形をなすふるい枠で、壁部に排
出口２が設けてある。ふるい枠１は例えば上下に
３段に重ねて設けられ、相互に連結固定されてい
る。さらに、上段と中段の各ふるい枠１の内下部
にはふるい網３，３が後述する構造により水平に
張設されており、これらふるい枠１とふるい網３
との組合せにより上下２段のユニツトが構成され
ている。なお、上段のふるい網２は下段のふるい
網３に比して荒目である。上段のふるい枠１には
投入口４を有する蓋５が被せてあり、下段のふる
い枠１の内部には底皿６が取付けてある。また、
下段のふるい枠１は円周方向の複数箇所が上下方
向に設けてコイルばね７により支えられており、
これら各コイルばね７は床に設置する基台１０の
上部に取付けられている。下段のふるい枠１に設
けたモータ支え体８には振動モータ９が上下に取
付けてあり、この振動モータ９の回転軸の上端に
は上部ウエイト１１が、下端には下部ウエイト１
１が夫々取付けてある。

そして、振動モータ９を駆動して上部および下
部ウエイト１１，１１を回転させると、コイルば
ね７に支持された３段の各ふるい枠１が水平方向
に振動する。ここで、粉体材料を蓋５の投入口４
から上段のふるい枠１の内部に投入すると、粉体
材料はふるい枠１およびふるい網３の振動により
上段のふるい網３のメツシユより大きな粉粒とそ
れ未満の粉粒とに分級選別され、前者の粉粒はふ
るい枠１の排出口２から外部へ排出され、後者の
粉粒は上段のふるい網３を通り中段のふるい枠１
の内部に落下する。中段のふるい枠１では粉体材
料が中段のふるい網３のメツシユより大きな粉料
が排出口２から排出され、それ未満の小さな粉粒
はふるい網３を通り下段のふるい枠１の内部に落
下する。下段のふるい枠では底皿６づ粉粒を受け
て排出口２から外部に排出される。

しかして、この振動ふるい装置において、従来
は次に述べる構成によりふるい網３をふるい枠１
に取付けている。第４図は第３図において上段に
設けたふるい網３の取付け部を拡大して示してい
る。ふるい枠１の内周面下部には網押えリング１
２が溶接により固定してあり、その下面には円周
方向に連続する凸部１２ａが形成されている。こ
の網押えリング１２には下方から網押えリング１
３が組合され、この網押えリング１３の上面には
網押えリング１２の凸部１２ａと係合する凹部１
３ａが円周方向に連続して形成してある。網押え
リング１３と網押えリング１３の円周等間隔を存
した複数箇所に夫々上下に貫通する透孔１４，１
４が形成してあり、これら各透孔１４，１４に
夫々ボルト１５を通してボルト１５にナツト１６
を螺合することにより両リング１２，１３が結合
されている。

ふるい網３はふるい枠１の断面に応じた円形を
なすもので、ふるい枠１の内部に配置される。そ
して、ふるい網３の周縁部は網押えリング１２と
網押えリング１３の間に挟持され、網押えリング
１２の凸部１２ａと網押えリング１３の凹部１３
ａとの係合部に喰い込んで固定されている。網押
えリング１３の外周側にはみ出したふるい網３の
周縁部は網押えリング１３の外周部に嵌合した外
リング１８により押えられている。このようにし
てふるい網３が緊張させられて張設される。ま
た、ボルト１５とナツト１６により網叩き受け１
９と中寄せ２０が一緒に固定されている。網叩き
受け１９はふるい網３の下方において網叩きゴム
ボール２１を載せるもので、粉粒を通す多数の孔
１９ａを有する皿形をなしている。これによりふ
るい枠１と一緒に網叩き受け１９が振動し、これ
によりゴムボール２１が振動してふるい網３を下
方から叩き、ふるい網３の目に詰つている粉体を
叩き落しふるい網３の目詰りを防止するようにな
つている。中寄せ２０はふるい網３を通過した粉
粒を受けて下段のふるい網３の中央部上へ案内す
るものである。

なお、上下に重ねて設けたふるい枠１を互いに
連結するためには、上段のふるい枠１の下端に形
成したフランジ１ａと中段のふるい枠１の上端に
形成したフランジ１ａとの間にリング状の枠パツ
キン１７を介在する。そして、上段のふるい枠１
のフランジ１ａと中段のふるい枠１のフランジ１
ａの両方を押えるバンド２２をふるい枠１，１の
全周にわたつて設けて締付ける。

（考案が解決しようとする問題点） しかして、このように従来の振動ふるい装置に
おいて、ふるい網を取付ける構造は、網押えリン
グ１２、網押えリング１３および多数のボルト１
５、ナツト１６という多くの部品を使用した複雑
な構造であり、ふるい網３を取付けるおよび取外
す作業が面倒であり、ふるい網３の交換に手数を
要している。すなわち、下側の網押えリング１３
にふるい網３を被せてその周縁部を外リング１８
で押え、この状態で網押えリング１３をふるい枠
１に固定した網押えリング１２に組合せて、ボル
ト１５を各リング１２，１３の透孔１４，１４に
通してナツト１６を螺合してふるい網３をふるい
枠１に取付けている。そして、その後でふるい枠
１同士を重ねて連結している。

本考案は前記事情に基づいてなされたもので、
ふるい網を簡単な作業で取付けおよび取外しする
ことができるふるい網取付け構造を備えた振動ふ
るい装置を提供することを目的とする。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 前記目的を達成するために本考案の振動ふるい
装置は、ふるい網の周縁部を固定してなる網固定
リングをふるい枠の内部に配置し、ふるい枠の内
周部に取付けたリング押えで網固定リングを上方
から押えるとともに、ふるい枠とは別体に設けた
支持部材で支持されたリングパツキンを網固定リ
ングに下方から接触していることを特徴とするも
のである。

（作用） この構成によれば、網固定リングをふるい枠の
内部に配置してリング押えとリングパツキングに
接触させ、この状態でふるい枠同士を連結すれば
ふるい網に取付けとふるい枠の連結を一緒に行な
える。

（実施例） 以下本考案を図面で示す一実施例について説明
する。

第１図は本考案の振動ふるい装置の一実施例の
全体図、第２図はふるい網取付け部を示してお
り、前述した従来例のものと同一部分は同一符号
を付して説明を省略する。なお、第２図は第１図
において上段のふるい網３を取付ける構造を示し
ている。

ふるい網３をふるい枠１に取付ける構造につい
て説明する。図中３０は網固定リングで、ふるい
枠１の内周面に沿つて配置できる大きさの円形を
なしている。網固定リング３０は軽量化を図るた
めに矩形パイプで形成されている。網固定リング
３０の上面部にはふるい網３が均一に緊張した状
態で載せてあり、その周縁部は網固定リング３０
の上面部に溶接により固定してある。このように
網固定リング３０ではふるい網３を張設して一体
に固定してある。３１はリング押えで、ふるい枠
１の下部の内周面に円周方向全体にわたり溶接に
より固定したリング形をなしており、その下面は
網固定リング３０を押えるために平面となつてい
る。そして、網固定リング３０はふるい枠１の内
下部においてリング押え３１の下方に配置され、
ふるい網３の周縁部を固定した網固定リング３０
の上面部には網パツキング３２を介してリング押
え３１の下面部が当接している。３３はリングパ
ツキングで、ふるい枠１の内部下端に内周面に接
触して配置され、網叩き受け１９の上に載置され
ている。また、リングパツキング３３は網固定リ
ング３０の下面部に接触している。また、網叩き
受け１９と中受け２０は上段のふるい枠１と下段
のふるい枠１との連結部に配置され、上段のふる
い枠１の下端フランジ１ａと中段のふるい枠１の
上端フランジ１ａとの間に配置した枠パツキング
１７で網叩き受け１９と中寄せ２０の周縁部が挟
持されている。なお、各ふるい枠１，１のフラン
ジ１ａ，１ａを全周にわたりバンド２２により締
付けてふるい枠１，１を連結している。なお、こ
のバンド２２は例えばふるい枠１の円周方向半分
の大きさをもつ一対のバンド体をふるい枠１の外
周部に配置して夫々の両端を連結することにより
締付けるものである。また、図中３４はふるい枠
１に取付けたパツキング押えである。

このようにふるい網３を固定した網固定リング
３０をふるい枠１の内周部に配置し、ふるい枠１
の内周部に設けたリング押え３１で網固定リング
３０を上方から押えるとともに、網叩受け１９で
支持されたリングパツキング３３を網固定リング
３０に下方から接触させる構造として、ふるい網
３を取付けている。ここで、リングパツキング３
３は網固定リング３０とふるい枠１との間を封止
するだけでなく、振動に伴う網固定リング３０の
回転を防止するとともに、ふるい網３を形成する
線材の太さの変化に伴う網固定リング３０とリン
グ押え３１との間の隙間の変化を吸収できる。

そして、ふるい網３を取付ける場合には、ふる
い枠１の内部に網固定リング３０を配置してリン
グ押え３１に当接するとともに、網固定リング３
０にリングパツキング３３、網叩き受け１９と枠
パツキング２２を組合せ、各ふるい枠１，１を上
下に重ねてバンド２３を締付けて連結する。ま
た、ふるい網３を外す場合には前記作業と逆の順
序で作業を行なう。

しかして、このようなふるい網３の取付け構造
は、網固定リング３０、リング押え３１、リング
パツキング３３および網叩き受け１９を組合せて
各ふるい枠１，１を連結するものであるから、ふ
るい網３を緊張状態にして固定するために多くの
ボルトやナツトを用いておらず、ふるい網３を取
付けるために用いる部品の数が少なく構成も簡単
である。このため、ふるい網３の取付けおよび取
外しに際しては多数のボルトの締付けおよび緩め
という面倒な作業が不要であり、ふるい枠１を相
互に連結するおよび連結の解除という簡単な作業
で行なうことができる。なお、ふるい網３の交換
は網固定リング３０を交換することにより行な
う。

なお、前述した実施例においては、枠パツキン
グ２３で挾持した網叩き用受け１９でリングパツ
キング３３を支持しており、リングパツキング３
３を支持する上で、この構造が大変合理的なもの
であるが、この構造に特定されない。例えば網叩
きゴムボール２１と網叩き受け１９を使用しない
場合には中寄せ２０でリングパツキング３３を支
持するようにしても良い。

また、振動ふるい装置の各部分の構成も実施例
に限定されることはない。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案の振動ふるい装置に
よれば、ふるい網をふるい枠の内部に設けて取付
ける構造が簡素で、ふるい網の取付けおよび取外
しを簡単な作業で行なうことができ、ふるい網の
交換時の作業性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の振動ふるい装置
の一実施例を示し、第１図は断面図、第２図はふ
るい網取付け部を拡大して示す断面図、第３図お
よび第４図は振動ふるい装置の従来例を示し、第
３図は断面図、第４図はふるい網取付け部を拡大
して示す断面図である。 １……ふるい枠、３……ふるい網、９……振動
モータ、１７……枠パツキング、１９……網叩き
受け、２２……バンド、３０……網固定リング、
３１……リング押え、３３……リングパツキン
グ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ふるい枠の内部にふるい網を設けてなるユニ
   ツトを振動させる装置において、前記ふるい網
   の周縁部を固定してなる網固定リングを前記ふ
   るい枠の内部に配置し、前記ふるい枠の内周部
   に取付けたリング押えで前記網固定リングを上
   方から押えるとともに、前記ふるい枠とは別に
   設けた支持部材で支持されたリングパツキング
   が前記網固定リングに下方から接触してなる振
   動ふるい装置。 (2) 支持部材は上下に重ねて設けたふるい枠の互
   いに隣り合う端部の間に介在したパツキングで
   支持したものである実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の振動ふるい装置。