JPH02297457A - 静電遮閉膜付サーマルヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は感熱プリンタ若しくは熱転写プリンタ等に組み
込まれるサーマルヘッドに関し、特にサーマルヘッドに
蓄積される静電気の対策技術に関する。

〔従来の技術〕

従来のサーマルヘッドは基板上に形成され、局部通電に
より局所的に発熱する発熱抵抗体と、該発熱抵抗体を覆
い保護する為の電気絶縁性保護膜からなる積層構造を有
する。

第４図は従来のサーマルヘッドか組み込まれた熱転写プ
リンタの側面図である。サーマルヘッド１はプラテン２
に対向配置され、両者間には、送り機構３によって供給
される転写リボン４及び記録用紙５が重なった状態で抑
圧挟持されている。

転写リボン４の裏面側とサーマルヘッド１がその保護膜
を介して接触しており発熱抵抗体の局部発熱により生じ
た熱が転写リボンに伝えられる。

転写リボンの表面側にあるインクがそれと接する記録紙
５に熱転写され印刷が行なわれる。印刷中熱転写リボン
４と記録紙５はプラテン２とサーマルヘッド１によって
押圧されつつ重なった状態で前方に移送される。

サーマルヘッド１の保護膜は発熱抵抗体が直接転写リボ
ンに当接するのを防止し、且つサーマルヘッド１に対す
る転写リボンの円滑な接触を可能とし、併せて発熱抵抗
体の電気的絶縁をする機能を有する。従って保護膜は耐
摩耗性があり電気絶縁性の誘電体例えばガラス皮膜で形
成されている。

〔発明が解決すべき問題点〕

保護膜と転写リボンは常時互いに摩擦的に摺動接触して
いる為、静電気か発生する。この静電気は誘電体である
保護膜に滞電し、その下側にある発熱抵抗体に対して最
大数十ｋＶの電圧が加わる。

従来かかる高電圧の印加により、発熱抵抗体の弱い部分
が放電破壊されたりその抵抗値が下方に変化し均一な印
刷品質が損われるという問題かあった。この静電気によ
る悪影響は熱転写プリンタばかりでなく感熱記録紙とサ
ーマルヘッドが直接接触する感熱プリンタにおいても同
様に認められ問題となっていた。

〔問題点を解決する為の手段〕

本発明は上述した従来技術の問題点に鑑み、静電気の影
響を受けないサーマルヘッドを提供する事を目的とする
。

その目的を達成する為に本発明によれば、サーマルヘッ
ドは基板上に配設された共通電極と、基板上において共
通電極に隣接して配設され選択的に付勢される信号電極
群と、該共通電極と該信号電極群の両者に渡って基板上
に配設され選択的に付勢された信号電極と共通電極の間
を流れる電流を導く事により自ら局所的に発熱する発熱
抵抗体を有する。加えて、該発熱体を覆う様に基板上に
配設された電気絶縁性の第１の保護膜と、該第１の保護
膜を介して該発熱抵抗体を覆う様に該第１の保護膜上に
形成され且つ電気的に共通電極に接続している静電遮閉
用の導体膜と、該第１の保護膜の上に配設され且つ該導
体膜を覆う電気絶縁性の第２の保護膜とからなる三層構
造保護膜を有している。

〔作　　用〕

サーマルヘッドの動作時、転写リボン又は感熱紙と接触
する最上層の第２の保護膜には静電気が滞電する。第２
の保護膜と第１の保護膜の間には共通電極に電気的に接
続され且つ発熱抵抗体を覆う様に配設された電気導体膜
が介在する。この導体膜は共通電極と同電位に保たれ、
発熱抵抗体を電気的にシールドする。従って第２の保護
膜中に滞電した静電気によって誘起された高電圧は発熱
抵抗体に印加されないので、発熱抵抗体の放電破壊や劣
化を防止できる。

換言すると本発明によれば、上部保護膜と下部保護膜の
中間に導体層が介在する為、静電分極は上部保護層にの
み生じる。そして発熱抵抗体はこの導体層によって覆わ
れ且つ導体層が共通電極に接続されそれと同電位となる
為上部保護膜における静電分極には影響されず、発熱抵
抗体の電位は安定的に維持される。

〔実　施　例〕 以下図面を参照して本発明にかかるサーマルヘッドの好
適な実施例を詳細に説明する。第１図Ａは本発明にかか
るサーマルヘッドの平面図及び第１図Ｂは第１図ＡのＡ
−Ａ線に沿った一部断面図である。セラミックからなる
基板６の上にはその全面に蓄熱層７が形成されている。

蓄熱層７は例えばガラス等から形成され、熱の良伝導体
であるセラミック基板６に熱が逃げるのを防止する機能
を有する。蓄熱層７の上面にはクシ歯形状を有する共通
電極８が形成されている。又共通電極８のクシ歯間隔の
間には複数の信号電極群９が各々配列されている。共通
電極８は図示しない電源の接地端子に接続されており信
号電極群９は各々図示しない駆動回路に接続され選択的
に付勢される。

共通電極８のクシ歯形状部を横断する様に長尺形状の発
熱抵抗体１０が配設されている。発熱抵抗体１０は相隣
なる共通電極クシ歯部と信号電極に渡って形成され、選
択的に付勢された信号電極９からその両隣りの共通電極
クシ歯部に流れる電流を導き自ら局部的に発熱する。従
って相隣る共通電極クシ南部の間に存在する発熱抵抗体
部分が、印刷における一画素に対応する。

又第１図Ｂに示す様に発熱抵抗体１０の上部には、これ
を覆う様に第１の保護膜１１が形成されている。

保護膜１１は例えばガラス等の絶縁性物質の皮膜から構
成されている。この保護膜１１の上部には長尺状の発熱
抵抗体ＩＯを完全に覆う様に長尺状の電気導体膜１２が
形成されている。この導体膜１２の一端部は基板６の周
辺部において共通電極８に接続している。導体膜１２は
例えば共通電極８と同一の導電材料で形成されており、
共通電極８を介して接地電位に保たれている。最後に、
第１の保護膜ＩＩの上部には第２の保護膜１３が形成さ
れており、第１の保護膜１１と第２の保護膜１３の間に
、前記の導体膜１２が介在している。従ってサーマルヘ
ッド動作時、転写リボン若しくは感熱紙に対しては最上
層の第２の保護膜が当接する。

次に本発明にかかるサーマルヘッドの動作について説明
する。まず第２の保護膜１３を介して転写リボン若しく
は感熱紙とサーマルヘッドか互いに圧接した状態におい
て、信号電極群９を選択的に（−＝Ｉ勢し、対応する発
熱抵抗体要素を局所的に発熱させ、画素の印刷を行なう
。第１図Ａに示す様ないわゆるライン走査型のサーマル
ヘッドにおいては、印刷は行毎に行なイつれ、転写リボ
ン若しくは感熱紙はサーマルヘッドに対して圧接状態で
所定のピッチにより移送される。従ってサーマルヘッド
の動作中上層保護膜１３と転写リボンは摩擦摺動を繰り
返し、静電気が誘電体上層保護膜中に滞電する。これに
より上層保護膜１３は分極するが、この分極は下層の保
護膜１１には及ばない。すなわち下層保護膜１１は少く
とも発熱抵抗体１０を覆う範囲で中間の導体膜１２によ
り上部保護膜１３から逆開されている。従って上層保護
膜に生じる高電圧は発熱抵抗体には及ばない。すなわち
導体膜１２は共通電極８に接続されているのでその電位
は一定に維持され、静電気に基く電気的ストレスが発熱
抵抗体に悪影響を及はす事を防止できる。

最後に本発明にかかるサーマルヘッドの製造方法につい
て説明する。第１図Ａに示すサーマルヘッドの平面図は
模式図であって、実際には本発明は例えば、画素密度が
６ドツト／ｍｍ、総画素数が５１２ドツト、及び画素ピ
ッチが０．１Ｏｆ３ｍｍの厚膜型ラインサーマルヘッド
に適用される。以下この仕様のサーマルヘッドの製造方
法を説明する。

セラミック例えばＡｇ２Ｏ３から構成される基板を用意
し、基板全面にスクリーン印刷によりガラスペーストを
塗布し焼成して下地蓄熱層を形成する。これは抵抗発熱
体によって生じる熱が基板に向って逃げるのを防止する
機能を有する。

次に該ガラスコ−１・の施された基板にスクリーン印刷
でＡｕペースｉ・を塗布し８００℃で焼成して電気導体
層を形成する。この電気導体層をフォトリソグラフィ及
びエツチング技術を用いて処理し、ピッチ間隔０．１６
６ｍｍのクシ歯形状を有する共通電極並びに相隣るクシ
歯間隔に各々配置された５１２本の信号電極群を同時に
形成する。

次にスクリーン印刷により例えばＲｕ　Ｏ２系の抵抗体
ペーストを共通電極のクシ歯部を横切る様に塗布し、８
３０℃で焼成して発熱抵抗体を形成する。この発熱抵抗
体は連続形状であるか、電気的には共通電極のクシ南部
によって５１２個の発熱体要素に分割され、ライントッ
ドサーマルヘッドを形成する。

さらに基板」二にスクリーン印刷により発熱抵抗−１，
０− 体を覆う様にガラスペーストを塗布し、焼成して厚さ５
即の第１の保護膜を形成する。該第１の保護膜の上に長
尺状の発熱抵抗体のすべてを覆う様に、スクリーン印刷
でＡｕ導体ペーストを塗布し焼成して静電遮閉用の導体
膜を形成する。この際該導体膜の材料としては共通電極
と同一のものか用いられ、又基板周辺部において露出し
た共通電極の部分に直接重ねて印刷される。該導体膜は
約０．３μｓの厚みを有し、幅２ｍｍ及び長さ９２＋ｎ
ｍの長尺形状を有し、発熱抵抗体を完全に覆う事かでき
る。最後に第１の保護膜の上に重ねてスクリーン印刷に
よりガラスペーストを塗布し、焼成して第２の保護膜を
厚み５μｍで形成する。以上の工程により、発熱抵抗体
の上には三層構造を有する保護層が形成され、上部保護
膜と下部保護膜の間に静電遮閉用の導体膜が挟み込まれ
た構造を有している。以上述べた様に本発明にかかるサ
ーマルヘッドは、すべて厚膜技術を用いて作成できる。

〔発明の効果〕

」二連の方法により製造した本発明にかかるラインサー
マルヘッドの耐静電気特性を試験する為に、実際に熱転
写プリンタに搭載して駆動させて評価した。比較の為従
来の単層構造の保護膜を有するサーマルヘッドについて
も試験を行なった。

試験は静電気の影響を受は易くする為に試料サーマルヘ
ッドの信号電極群を浮かした状態すなわぢ駆動回路に接
続しない状態でプリンタを駆動して行なった。用いたプ
リンタは昇華型カラープリンタであり、ポリエステルの
基拐に昇華性の染料を塗布した転写リボンを用いている
。試験はこのプリンタでカラー画像一画面分（即ちイン
クリボン３色分）に相当する距離だけ転写リボンをサー
マルヘッドに対して押圧した状態で移送して行なった。

この時発生した静電気は転写リボンのポリエステル基拐
面において約３ｋＶであった。

試験結果を第２図及び第３図に示す。第２図は単層保護
膜を有する従来のサーマルヘッドの試験結果であり、横
軸は約５００個−列に配置された発熱体要素の位置を示
し、縦軸は各発熱体要素の試験後における抵抗値変化を
示している。図がら明らかな様に、各発熱体要素の抵抗
値は最大で１０％程度低下しており、プリンタの動作中
に生じた静電気により大きな影響を受けている事がわか
る。

これに対して第３図は本発明にかかる三層構造の保護膜
を有するサーマルヘッドの試験結果を示す。図から明ら
かな様に、各発熱体要素の抵抗値は最大でも０．３％程
度低下しただけであり、実質的に静電気の影響を受けて
いない事がわかる。

以上説明した様に、本発明によれば、保護膜を三層構造
とし、中間層として導体膜を用い、この導体膜を共通電
極と接続する事により発熱抵抗体を外部の静電気から連
間する事ができ、従来に比してサーマルヘッドの耐静電
気特性を著しく向上できるという効果がある。

加えて本発明にかかる多層構造のサーマルヘッドはすべ
てスクリーン印刷焼成等の厚膜技術を用いて製造できる
為、経済的且つ量産性に優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本発明にかかるサーマルヘッドの模成約平面
図、第１図Ｂは第１図ＡのＡ−Ａ線に沿った一部省略断
面図、第２図は従来のサーマルヘッドの静電気による抵
抗値変化を示す線図、第３図は本発明にかかるサーマル
ヘッドの静電気による抵抗値変化を示す線図、及び第４
図は従来のサーマルヘッドを組み込んだ熱転写プリンタ
の側面図である。 １・・・サーマルヘッド、　　　２・・・プラテン、３
・・・送り機構、　　　　　４・・・転写リボン、５・
・・記録紙、　　　　　　６・・・基　板、７・・・蓄
熱層、　　　　　　８・・・共通電極、９・・・信号電
極、　　　　　１０・・・発熱抵抗体、１１・・・第１
の保護膜、　　　１２・導体膜、１３・・・第２の保護
膜。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、基板と、基板上に配設された共通電極と、基板上に
   おいて共通電極に隣接して配設され選択的に付勢される
   信号電極群と、該共通電極と該信号電極群の両者に渡っ
   て基板上に配設され選択的に付勢された信号電極と共通
   電極の間を流れる電流を導く事により自ら局所的に発熱
   する発熱抵抗体と、該発熱体を覆う様に基板上に配設さ
   れた電気絶縁性の第１の保護膜と、該第１の保護膜を介
   して該発熱抵抗体を覆う様に該第１の保護膜上に形成さ
   れ且つ電気的に共通電極に接続している静電遮閉用の導
   体膜と、該第１の保護膜の上に配設され且つ該導体膜を
   覆う電気絶縁性の第２の保護膜とからなるサーマルヘッ
   ド。 ２、該導体膜は該共通電極と同一の導電材料で構成され
   且つ基板の周辺部において該共通電極に電気的に接続さ
   れている請求項１に記載のサーマルヘッド。 ３、該第１の保護膜と第２の保護膜は同一の誘電体材料
   から構成されており且つ該導体膜をその両面から挟持し
   ている請求項１に記載のサーマルヘッド。 ４、該共通電極は所定の間隔を有するクシ歯形状を有し
   、該信号電極群は各々クシ歯間隔内に配置整列され、且
   つ該発熱抵抗体は該信号電極群の整列を横断する様に形
   成された長尺形状を有する請求項１に記載のサーマルヘ
   ッド。 ５、該導体膜は該長尺形状の発熱抵抗体を覆う様に形成
   された長尺形状を有する請求項４に記載のサーマルヘッ
   ド。